146話:二・人・決・着
防御が破れると同時、彼は動く。その動きは今までで一番速い。実は今までスピードをセーブしていたのだ。だから相手にはスピードが増したように感じる。
「狙うは本体!」
だが、敵は歴戦の傭兵。対応する。
三体の巨大サソリが、本体を守るようにバリアを張る。だが、
「温い!」
イオリは、左のトンファーブレードに風と雷を束ね、巨大な刃を作り出して振るう。轟音と共に、巨大サソリは三体まとめて行動不能になる。それと引き換えに左のトンファーブレードは使用不能になる。
武器が壊れるのと引き換えに、術技の威力を引き上げる<スキル>を使用したのだ。
「舐めるなし!」
三体が作った隙に本体は後退。六体の巨大サソリが前に出る。そして、尾の棘からビームが照射、それが中央で集まる。
「〈スコーピオンQ〉!」
凄まじい破壊力のビームが放たれる。
それにイオリの取った手段は、
「ならこっちも高火力だ!」
脳筋丸出しだった。
右のトンファーブレードに、先程のと同じ風と雷の刃を展開。それに、呪符を大量に出し、そこから放出される風と雷、感知に回してた風、天空の雷すらも取り込み、超巨大な刃を作り出し振るう。
「ハア!」
ビームと刃は拮抗する。だが、徐々にビームの方が押し始める。それでも、イオリはそれを計算済み。
「ブレイク!」
「!?」
刃が大爆発。その隙にビームを潜り抜けるイオリ。更に六体の巨大サソリすらも通り抜ける。目指すは本体。
(ここで決める!)
だが、ファンも対抗する。巨大サソリの鋏と尾にビームブレードを展開。今までの物よりも高出力。
「行くし!」
イオリも壊れた武器の代わりに、風の刃を展開。いつものウルミのような刃ではなく、風をトンファーブレードのように固める。この形態だと消耗が激しいので滅多にしない。
「来い!」
そして、激突する……かに思われた時だった。
「嘘……」
「あ」
その寸前、タイムリミットが来た。
巨大サソリは動きを止め、イオリは倒れ込む。
そして、ファンが這いずるように出て来た。そして、イオリの傍に来て告げた。
「……ウチの負けだし」
「いやあ、引き分けじゃない?」
「そっちにはまだ戦える人いるけど、こっちは無理だし」
彼女の言う通りだった。他の教師と<プレイヤー>が各々のエモノを彼女へ向けている。それをどうにかするすべを彼女は持っていない。
それにイオリは苦笑して。
「いいよ引き分けで。それと、手荒な事しなければ悪いようにしないよ」
「……それは助かるし。あ、取り調べならカツ丼食べたいし」
「「図々しいなお前!?」」
こうしてファンは拘束された。
【後書】
(・▽・)<イオリ対ファン。結果は引き分け。
(・▽・)<作者的には白黒付けようとしたけど、収集つかなくなってこうなったそうです。
(#ー#)<おい!?
(㈩*㈩)<大雑把なプロットしかないから仕方ない。




