134話:三・人・一・組
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キョウコが向かった所とは逆方向。そこに向かったのは三人組のパーティーだった。
「全く面倒な事になった」
溜息を吐くのは聖騎士のような男。全身鎧を着ているが、兜はしておらず、イケメンの部類に入る顔を晒している。
「楽な仕事だと思ったのにね」
同調したのはローブ姿の女性。声から性別はわかるが、フードもしているため顔はわからない。
「人生とは、ままならないものです」
ノースリーブの小柄の女性が呟く。ローブの女性とは真逆で、顔、手、足を晒している。
このパーティーは学外実習のために雇われた<プレイヤー>だった。因みにキョウコの教え子で、この学校の卒業生である幼馴染の三人組。
だからこそ、<転移封鎖>の解除に動いていた。
進み続ける中、男が言った。
「なあ、一ついいか?」
「「何?」」
一拍置いて、叫ぶ。
「何でオレがテメエら担いでるんだ!?」
鎧の男が二人をお米様抱っこをして移動していた。
それにローブの女性が答える。
「だって、ワタシは後衛よ? 体力ないに決まってるじゃない」
「まあ、それは百歩譲って許そう。だがな! オマエはオレと同じ前衛だろうが!?」
そのツッコミにノースリーブの女性は平然と答える。よよよと噓泣きすらしている。
「貴方は、こんなか弱い女の子を走らせるのですか? 酷い人ですね」
それに二人がツッコミを入れる。
「どこがか弱いんだ。こないだ襲いかかって来た奴の顔面を嬉々として潰していただろう?」
「この前は、亀の<ボスモンスター>を殴り壊していたわよね?」
「あーあーあー。聞こえない聞こえない」
幼馴染同士の気の置けない会話。だったのだが、
「ッ!」
突如ノースリーブの女性が、お米様抱っこ状態から、くるりと飛び上がり二人の前に出る。そして、迫る攻撃の盾になった。こんな格好ではあるが、タンクも兼ねている。
その攻撃は、衝撃砲弾とでも言うべき物。一発、二発と耐えるが、砲弾は連発される。このままでは耐え切れない。だが、彼女は一人ではない。
ローブの女性はお米様抱っこ状態で、杖を出して、器用に防御上昇のバフとリジェネをノースリーブの女性に掛ける。
男は左手に斧を出し、威力の高い斬撃を撃ち、衝撃砲弾を迎撃。だが、威力を減衰させるのが精一杯。
だが、ノースリーブの女性にとってはこれで十分。防ぎ続けられる。
そのまま彼女は前進する。そして、視力を強化し、敵――砲撃手を見つけた。
それはヘッドホンをした厚着の男。身の丈以上の巨大な大砲から、衝撃砲弾を放っている。
(弾切れは期待しない方がいいですね)
そうして幼馴染三人組と、ヘッドホン砲撃手の攻防が幕明けた。




