120話:圾・斗・派・斗
【前書】
(・▽・)<タイトルは「ギュッとパッと」と呼んでください♪
(#ー#)<読めねーよ。馬鹿野郎。
(㈩*㈩)<口が悪い。
******
オウカ達は、チェックポイントを通過しながら、休憩を挟んで進んでいく。
そして、夕方。オウカは太陽の位置を見て、決断する。
「よし。今日はここをキャンプ地にする」
その言葉に出て来たのは……否の声。
「もうですか? まだ体力に余裕はありますよ?」
「リア様に全面的に同意する。まだ進める」
「サクライに同感や~。早く済ませた方がええやろ」
三者三様の言葉であるが、実質同じ。まだ三人共進もうと言っている。
それにオウカは指を一本立てる。
「一つ聞きたい」
三人に問いかける。
「この中にサバイバル経験者は?」
三人が首を横に振る。
「つまりは全員初めての経験だな」
三人は首を縦に振る。
「だからだよ」
三人の頭上に疑問符が浮かぶ。
そんな彼らをフォローすべく相棒がオウカにツッコミを入れる。
[サク説明不足。もっとしっかり話さないと]
[ふむ。了解]
そういう訳でオウカは詳しく話し始める。
「人間ってさ、案外脆いんだ。頑丈そうな人でもな」
それは肉体的にも、精神的にも当てはまる。
「しかも厄介な事に、頑丈そうに見える人程ヤバイ」
「何がだ?」
ランコの疑問にオウカは形容しがたい顔を彼女に向ける。
「ッ!」
それは、喜んでいるような、怒っているような、哀しんでいるような、楽しんでいるような、そんな顔だった。
その顔をストンと戻して、オウカは続ける。
「そいつはな、自分の痛みに気づいていないだけ。ダメージは蓄積されている」
頑丈なのではない、鈍いだけ。
「だから、ダメージに耐え切れなくなって……」
拳をギュッと握り、パッと開く。
「ある日、突然……こうなる」
((どうなるんだ……))
ジェスチャーじゃわからないので、まだ疑問符を浮かべたままのランコとタナカ。一方、リアは別の事が気になっていた。
「あの……オウカさん」
「ん?」
「もしかして……」
リアも同じ動作をする。ギュッとパッと。
「そうなった人を知っているのですか?」
その言葉に、オウカは遠くを見るような表情をする。そして、
「さあ」
それだけ言った。
【コソコソ話】
(・▽・)<因みにギュッとパッとなったのは“ハカイシスター”です。
(#ー#)<……流行ってんのか? ギュッとパッと。
(㈩*㈩)<そういえば、一つ聞きたいんだけど。
(・▽・)<何でしょう?
(㈩*㈩)<あなたはそのシスターと面識はあるの?
(・▽・)<ないんです。ちょっと時期的に会えなかったので。
(㈩*㈩)<ふうん。
(・▽・)<ただ……私の友達であるディアンは、ないけどあります。
(#ー#)<どっちだよ。な○アル修羅か。




