Ⅻ「十秒後と櫛と髪に挿す」
【TIPS】
「六徳叢雅」
(・▽・)<他の面々とは一線を画す作品を作っています。
(・▽・)<納刀時は剣形態ですけど、これは「鍵」。
(#ー#)<……鍵?
(・▽・)<はい。解放すると■■■■が■■します。
(・▽・)<そして、それに■■します。
(#ー#)<……? わからん。
(・▽・)<早くて次章、遅くても次々、もしくは次々々、
(・▽・)<それでも駄目なら次々々々章で出るのでお楽しみに。
(#ー#)<「々」をつければ良いってもんじゃねえぞ。
「では十秒後に。――十、九、八、七、六」
心なしか少しゆっくり数えるゴンダ。
「五、四、さn」
「「死ねえー!」」
カウント途中に、取り巻きが襲い掛かる。
火球、鎌鼬、光矢といった属性攻撃、弾丸、矢、投槍と言った遠距離武器攻撃。
だがそんな物は、
「遅いね。欠伸が出る」
オウカには見えている。全弾回避する。
フライングなうえ、部外者の乱入。完全違反である。そして、審判が止めないと言う事は。
「そういう事ね」
ならば、全員倒す事に躊躇いはない。そんな彼に、
[今の完全フライング]
何者かが脳裏に直接話しかけて来た。
それにオウカは驚く事なく答えを返す。
[いや、最初に言ってた。十秒後って]
[……あ]
カウントはわざと遅くしていたのだろう。
[審判もグル]
[多少協力しただけかもしれない。……まあ今はどうでもいい]
今の課題は、この状況をどう切り抜けるか。
だが、
[でも、この程度問題はないでしょう? 相棒]
[そうだな、相棒]
この声の正体は<冥刀>であるマユ。今の彼女は櫛になっていた。
△▲△
決闘当日の朝。この日は決闘直前に行くと決めていたので、悠々と準備をするオウカとマユ。
そして、丁度良い時間になったので、出発となったのだが。
「さて行くか」
「行こう」
「え、一緒に行くの?」
マユまで行こうとした。
「当然です。私は貴方の<冥刀>」
「……流石に連れ歩きは」
苦い顔をするオウカ。確かに使い魔や式神を連れて来る人もいるにはいるが、そのまま連れている人はあまりいない。何かしらの手段で邪魔にならないようにしている。
しかもマユの場合は、見た目が完全に少女。流石に女連れで登校する訳にはいかない。
「大丈夫。六徳と違ってちゃんと対策はある」
「アホって……」
マユがポロリと吐いた同僚に対する毒に呆れるオウカ。
六徳とは、叢雅一門の一人である『六徳叢雅』の事である。マユこと、刹那叢雅の同僚でもあった。
「自分の趣味を作品に出し過ぎ」
「その辺は全員そうじゃない?」
叢雅一門全員そういう所がある。
「その中でもアホは完全にアレ。 だって――そもそもの話、刀剣型にする意味ない」
刀工であるため、六徳は刀剣を作っている。なのだが、その特性が問題。刀剣である必要がない筆頭である。……まあ団栗の背比べな所があるが。
「それはまあ。でも、もっと凄まじい人いない? ほら、虚空とか?」
確かに変わりようであれば、『虚空叢雅』の作品の方が上だろう。アレはもはや何とも言いづらい。それにマユは微妙な表情でボソリと言う。
「確かに。でも言い訳不可能なのがある」
「言い訳不可能?」
「最高傑作のアレ」
「……」
沈黙するオウカ。確かにアレは……
「字面でも絵面でも完全に変態」
「……それを言ったらお終いよ」
マユの言っている事も正しい。
閑話休題。
「……おっと、話がズレた。それで?」
「こうする」
その言葉と同時にマユの姿が赤紫色の粒子になる。一瞬後、二人の前にあったテーブルには櫛があった。
<冥刀>の中には普段は邪魔にならないように、縮小したり、アクセサリー状になったりするのも存在する。これはその一種である。
〔これなら平気〕
念話で話ながらマユは胸を張る。そんな彼女にオウカは笑う。
「まあな」
そして、櫛を手に取り、
「こういう時何て言うんだっけ?」
[?]
「ああそうだ」
髪に挿した。
「櫛名田比売を髪に挿し」
[素戔嗚?]
「うん」
[あまり似合わない]
オウカは素戔嗚という柄ではない。
「ほっとけ」
[あなたはどちらかと言うと……]
「言うと?」
[何だろう?]
「俺に言われても……」
そうして二人は学園に向かった。
【TIPS】
「虚空叢雅」
(㈩*㈩)<こっちも変わり種。
(㈩*㈩)<これも納刀時の剣が鍵。
(㈩*㈩)<こっちは……まだ言えない。
(㈩*㈩)<いつ出るかも不明。
(#ー#)<未定ばっかりだな。
(・▽・)<ガッチリ決めないで走り出した小説なので。




