105話:決・断・決・行
■□■□
ヨシムラ=シゲユキは今回の襲撃に万全を期していた。
人数を集め、武器を揃え、切り札も用意した。更に、忍者集団と同盟を組んで更に拡充し、無貌から<冥刀>を貰い受けた。
(これならいける! アイツを殺せる!)
だが、その結果は――信じられないものになった。ヨシムラは目の前の光景が信じられず、無貌は沈黙する。
「な、何なんだ……コレ」
「……」
散々な物になっていた。
用意した兵隊達は既に半分が死んだ。今も順調に削れていっている。
思わず叫ぶヨシムラ。
「お前、一体何なんだ!」
その声にオウカは答える。
「ただの魔王だよ」
その言葉のように、オウカの姿は異形となっていた。背中と腰からは十一本の蠍尾のようなモノが伸び、伸縮自在、縦横無尽に動き相手の命を刈り取っていた。
【ギルタブリル】。
追加器官である同化型の<冥刀>の一つ。待機形態では一本の蠍尾であり、使い手を選ぶと融合する。そして、普段は肉体の中に引っ込んでいるのだが、抜錨すると、使い手が操れる数の尾を生やす事ができる。オウカの操れる数は十一本。
そして、その尾は硬く、速く、力があり、伸び縮み自在。それらが動き回るだけで手に負えないのに、毒物を生成し先端の毒針から放出、手足に巻き付ける事で殴蹴を強化、エナジードレインする事もできる。
闇医者ディアンがストックしていたチカラであり、多人数戦でよく使っていた。
そんな状況に歯噛みするヨシムラ。
(このまま全滅だ。オレが出るか?)
奥の手は二つ。偶然に手に入れたモノと、無貌から貰ったモノ。前者は凄まじく強力だが、長時間使いすぎると自分も危ない。後者は安定している代わり、一定時間しか使えない。
暫し考え決断した。
「やるか」
一方、無貌はターゲット――リアに目を移す。
(……この隙に狙えれば、無理か)
リアは球体の結界を張り、その中央にいた。目を閉じており結界の維持に集中している。これを破るのは至難だろう。
更に、ランコが槍を片手に彼女を守っている。爆裂光球を飛ばし、槍を振るい、時に投槍し、オウカが撃ち漏らした相手を倒している。
この状況をひっくり返すには手札を切るしかない。
決断する。
「使うか」




