表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
弐ノ章~みんなで実習キターッ!~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/716

102話 撒・菱・奇・襲

 敷地内にランコが足を踏み入れた時だった。その足に痛みが走る。即座にリアに注意を促す。


「っ!? リア様! 止まってください!」

「!」

「どうした!」

「足に何か……」


 ランコが自分の足の裏を見て、オウカも周りを見渡す。

 そこには、鋭利な罠――忍者御用達の道具、撒き菱が散らばっており、その内の幾つかがランコに突き刺さっている。

 足に刺さったそれを抜こうとするランコ。しかし、その瞬間に三人の頭上から投網が降って来る。撒き菱のせいで動けないランコとリアだったが、オウカが動く。


「っ!?」

「あ……」

「フン!」


 網を六尺棒で弾き飛ばすオウカ。地面に着地したと同時、


「俺を騙せると思うなよ?」


 彼は左腰から段平を抜き、リアの近くへ振り下ろす。すると、響いたのは金属音。


「フゥウゥン!」

「むぅうぅ!」


 そこには忍者装束に天狗の面をした者がいた。どうやら、ステルス状態で近づいていたらしい。

 オウカが振り下ろした一撃を、忍者刀で受け止めており、そのせいでステルスが解除されたようだ。


「そんなんで受け止められたらいいなぁ」


 だが、拮抗したのはわずか数秒。


「ゴェエエ!」


 オウカはそのまま強引に押し込んで、忍者刀ごと、天狗忍者を真っ二つにしてしまった。

 段平を軽く振り、血を落とすオウカ。そして、リアとランコに声を掛ける。


「大丈夫か?」

「はい。わたくしは問題ありません。ですが、ランコが……」

「大丈夫です。この程度」


 どうやら、足の裏から撒き菱を抜き、リアに回復して貰ったおかげか、問題なさそうなランコ。十文字槍の鞘を外し完全臨戦態勢になっている。

 そんな二人の様子にほっとするオウカ。そして、声を掛けた。


「多分、ここからが本番だ。気合入れろよ? 二人共」


 それに無言で頷く二人だった。


 そうして、三人は進む事になる。足元の撒き菱はオウカが六尺棒で吹き飛ばしていく。そんな中、ランコが気になった事を訊ねる。


「何でお前には刺さっていない?」

「うん? 俺の靴には金属が仕込んであるから」


 鋭利な何かを踏んで足を怪我しないように、オウカは履物に金属を仕込んでいる。サンダル系は裏に、靴系は裏だけでなく、爪先と踵にも金属を仕込んでいる。物によっては他のギミックもある。

 その言葉にランコは呟く。


「私もそうしよう」


 反省するランコだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ