閑話 前編
テスト勉強で投稿できなくて申し訳ないでした。これからも頑張っていきます。今回は閑話で加藤医師目線です。眠くて中途半端なところで切ってしまいました。ごめんなさい。
「はい、終わり。気持ちが少しは軽くなったかね」
「先生、ありがとうございます。気持ちが楽になりました」
そう言って女性は部屋を出ていった。
ふう。まったく。
私はカウンセラーではない、精神科医だぞ。
なのになぜカウンセリングをしているのか。
まあ、ここに居るにはこうしていなければならないのが現状なんだ。
最近は精神科に架かる患者が少なくなってきているからなあ。
この年で転勤はあり得ないし諦めるしかないな。
ま、あと二時間か。頑張るか。
しかし、待っていてもいっこうに患者が来る気配はしなかった。
こった肩を揉みほぐして、ふうと一息。
少し早いが帰るとするか。
「先生!ちょっと来てください」
突然ドアが勢いよく開き看護婦がずがずがと入ってきて、そう言った。
息は荒く肩は大きく上下している。
………これは走ってきたな。後で看護婦長に言っておかねばな。
「何かね。帰ろうと思っていたのが」
「まだ時間じゃないですよ?……じゃない、記憶喪失そうな患者さんが居るんですよ。仕事ですよ」
む、ようやく本職の仕事が出来るのか。
久々に腕がなるぜ、と若者の真似をしたならば、腕は痛くなるし、看護婦には変な目で見られるし踏んだり蹴ったりだ。
今後は自粛しよう。
看護婦は部屋番号と患者の名前を言うと走り出ていった。
高橋右。
ああ、第一攻の生徒だったか。
有能な奴から死んでいく、腐っていく、社会の定石だな。
椅子を立ち、普通に歩いて部屋を出た。
病室に向かう途中、さっきの看護婦がナースステーションで看護婦長に捕まっていた。
なにやら怒られている様子。
走っていたのがばれたのか。
言う手間が省けてよかった。
部屋の近くまで来た時、あの看護婦が走ってきた。
そのまま開いていたドアにホールイン。
後で言っておこう。
そう思いながら自分もその部屋に入る。
ベッドの上には一人の少女がいた。
怖いくらいに無表情で看護婦の走っている所を見ても、私が椅子に座って見ても、顔をこちらに向けるだけで一言も喋らなかった。
簡単な自己紹介からだ。