表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/48

34.脳内

タクヤ

「さあ、始まりました。【脳内、グッナイ、やるせナイっ! 】のお時間でございます。今週も司会は私、桂木タクヤと助手の一弦コハルさんで務めさせて頂きます」


一弦コハル

「助手の一弦コハルです。まだまだ経験不足ですが、よろしくお願いいたします」


タクヤ

「オッケィ~。コハルちゃん、あんまり硬くならないでね~。それではゲストのご紹介です。本日のゲストは……。課金中毒者のぅ……コウタさんだ!」


パチパチパチパチパチパチ。


コウタ

「ど、どうも初めまして。課金中毒者のコウタです」


タクヤ

「オッケィ~! コウタさん! よろしくね! ん? あれあれあれ~? ひょとしてコウタさん緊張してる? リラックス、リラックス! いつもみたいに有り金全部、課金しちゃってよ! その方が視聴者の皆が盛り上がるからさ、今日は派手にいっちゃおうよ!」


コウタ

「え? いや、あの、今日は課金しなくていいって聞いてたんですけど?」


タクヤ

「タッハー! 冗談だよ、冗談! 台本読んできた? もう! 素になったら駄目だって!」


コウタ

「え? 冗談ですか? すいません! 番組とか全然慣れてなくて!」


タクヤ

「いいの! いいの! 気にしないで! 腕があるからさ! 僕、腕がいいからさ! そんなコウタさんでも、ちゃ~んと見せ場作るから、安心してよ!」


コウタ

「わかりました。よろしくお願いします」


 笑い声


タクヤ

(…………ちっ。おい、誰だ? 誰が素人呼んで来たんだ?)


稲垣

(す、すいません、タクヤさん。予定してた竜二さんが、喧嘩するからキャンセルって、十五分前に電話があったんです)


タクヤ

(はぁ? なんだそれ? テレビなめてんのか? 出禁にするぞって天狼事務所に言っとけ)


稲垣

(わ、わかりました……)


タクヤ

「よっしゃあぁぁ~! では早速ぅ……コハルちゃん! 状況説明しちゃってよ!」


一弦コハル

「かしこまりました。では、状況説明です。突如として現れた一等星の吸血鬼アルデバランと対峙し、限界に達したコウタさんが、現実逃避をしている模様です。誰も入って来れない妄想の世界に、自分だけ逃げ込んでしまいました」


タクヤ

「タッハー! 駄目じゃん駄目じゃん! それ駄目じゃん! 自分だけ逃げ込んで、この後どうするの?」


一弦コハル

「さあ……? 私には、彼のような小物(こもの)の気持ちが、てんで解りかねますので、なんとも言えません」


タクヤ

「あちゃー! 小物の気持ちが解らないってか! 厳しいー! コハルちゃん、厳しいー!」


一弦コハル

「い、いえ。それほどでも……」


 爆笑


タクヤ

「さあさあ! こき下ろされたコウタさん! 今の気持ちを一言でちょうだいよ!」


コウタ

「え、いや、俺は逃げたんじゃなくて、ちょっと休憩というか、すぐにやり直すつもりでいたんだけど? そんな風にコハルちゃんに思われるのは心外ですね」


タクヤ

「なるほどなるほど、コウタさん。僕、一言でって、言ったよね? どんだけ喋るの! 頼むよまったく!」


コウタ

「え? ああ! 本当だ! いっぱい喋っちゃった!」


 笑い声


タクヤ

(…………おい!! まじで、こいつ退場させろ。俺の番組が滅茶苦茶になるわ)


稲垣

(す、すいません。あと十五秒でCM なんで、なんとかもたせて下さい!)


タクヤ

(ギャラ二倍な! そうじゃなきゃ、俺、降りるわ)


稲垣

(そ、それだけは勘弁してください! すぐに掛け合ってきます!)


タクヤ

(当たり前だ! さっさと行け!)


コウタ

「あの~……。質問いいですか?」


タクヤ

「質問? ちょっとぉ~! 台本にないことしたら駄目だよ! まあ、今回は特別。何でも言っちゃって!」


コウタ

「これって妄想なんですか?」


タクヤ

「タッハ~! もう、聞いてた? コハルちゃんの説明ちゃんと聞いてた? 妄想だって言ってんじゃん!」


コウタ

「妄想にしては、えらいリアルだなぁ~って思ちゃって、これ実は、ドッキリとかじゃないですか?」


タクヤ

「もう~! ドッキリな訳ないでしょ! ここは脳内、あなたの脳内よ! しっかりしなさい!」


コウタ

「……脳内か……」


一弦コハル

「往生際の悪いコウタさんに、ご忠告させて頂きます。はよ起きろ。お前重い。階段で気を失うな。以上です!」


タクヤ

「オッケィ~! コハルちゃんアリがトゥ! そのブラウス清潔感があって、とても似合ってるよ!」


一弦コハル

「え? そうですか? ありがとう御座います」


タクヤ

「か~! いけないいけない、コハルちゃんの事、テレビの前で口説いちゃった。ごめんね、テヘペロ!」


一弦コハル

「い、いえ、そんなこと……。う、嬉しいです……」


タクヤ

「ん~? 最後のほうが良く聞こえないや! まあいいや! じゃあCM入るから、お決まりのあれ、皆でやるよ! 脳内~! グッナイ~……?」


タクヤ コハル コウタ

「殺るせないッ!!」


 パチパチパチパチパチパチ~……。






なんだこれ?

と、思っていただけたら幸いです・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ