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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第4章 全ての始まり
96/128

手紙と一振りの剣

・86・

side:エレナ・ルーシュ



 「どうしたの!?」


 私が倒れた時、一緒に近くにあった車いすにぶつかり、それで大きな音がする


 その音で、何か異変があったと思ったのか、すぐにさっきの女の人が部屋に入ってくる


 「・・・・・ねえ、どうして、私がこんな目に合ってるんですか?」


 この人に言っても、何もわかるとは思っていないが、言葉にせずにはいられなかった


 「・・・・」


 そのまま、何も言わず、体を起こすのを手伝ってくれ、車いすまで運んでくれる


 「ぜったい、治してみせるから、諦めないで」


 手を取って改めてそう言ってくれる


 「一回、外の空気を吸いに行こう?」


 脱いでいた服を着させてもらい、そのあと、部屋を出る


 「エレナ・・・大丈夫?」


 いつの間にかお姉ちゃんも来ていたようで、部屋を出てすぐに駆け寄ってくる


 「・・・お姉ちゃん」


 お姉ちゃんは心配しているが、今は何かを言う気が起きない


 「一度、家に帰ろう?」

 

 お姉ちゃんが車いすを押して、教会から出ていく


 「セレス、あとで行くから」


 「わかりました」


 そこから気が付いたら、もう家についていた


 (そうだ、アルカ・・・)


 アルカはここに一緒に住んでいた、だから、きっと今もここにいるはずだと思い、急ぐ気持ちがあるが、その思いとは反して、自分では歩くことができない


 「エレナ、おかえり」


 お姉ちゃんが改めて、家に帰ってきたことを迎えてくれる


 「・・・ねえ、お姉ちゃん」


 家に入った瞬間、気づいたことがある


 「アルカは、どこにいるの?」


 数日、この家に出入りした人はいない、私が覚えている最後の記憶、アルカの誕生日パーティーの準備のままだったからだ


 「アルカは・・・、それよりも、一旦着替えようか」


 アルカのことを聞くと、お姉ちゃんは言い淀み、ごまかしてくる

 

 「ねえ、お姉ちゃん・・・」


 「アルカのことは、この後、アイシャさんが教えてくれる、だから、それまで待ってくれる?」


 「・・・わかった」


 アイシャ先生がアルカのことを知っていて、教えてくれるのなら、それでいい


 「すこし、寝てていい?」


 「うん、ゆっくり休むといいよ」


 少し気持ちを整理したい、とりあえず横になって休んでおく


 「・・・・・・」


 やすむことで、考えることに集中できるかと思ったが、無理だった、何も考えられず時間だけが過ぎていく、ただ、少しだけ気持ちは落ち着いたような気がする


 そのまま数十分が経ち


 「エレナ、起きてる?」


 部屋にお姉ちゃんがきて、私が起きているのか確認してくる


 「うん、起きてるよ」


 「よかった、アイシャさんが来たんだけど、これそう?」


 「わかった」


 どうやら何か用事があるのかアイシャ先生が来たようで、部屋を出る


 「お待たせしました」


 「待ってないよ、それじゃあ、すぐにでも知りたいと思うし、始めましょうか」


 そういって、アイシャ先生がいちまいの手紙と、剣を取り出す


 「と言っても、私が伝えれることはないんだけどね、あなたの知りたいことは全部ここに書いてると思うわ、アルカのことも」


 アルカのことが書いていると聞き、すぐに手紙を受け取り、それを読もうとしたが


 「まって、まずこっちの説明もするわね」


 手紙を読む前に、先に剣についての説明を受ける


 「まあこっちも剣の説明はその手紙の方が良く分かると思うから、注意事項だけ」


 「この剣は、肌身離さず持ってて、まあ、多分その手紙を読んだら離さなくなるとは思うけど」


 「?」


 まだ手紙を読んでいないので、その理由はわからないが、とりあえず話の続きを聞く


 「あと、絶対にこの剣は抜かないでね」


 「わ、わかりました」


 その点だけよくよく注意される、この剣を抜いてはいけないよほどの理由があるのだろう


 「大体はそんな感じかな、じゃあ、あとはゆっくり読むといい、それと・・・」


 アイシャ先生が用事が住んだと、席を立ち、立ち去る前に一言告げる


 「もしその剣を抜きたくなったら、もしもの時のために、私たちの前で抜いてね、それじゃ、またね」


 そう言い残し、アイシャ先生は去っていく


 「私も、少し出てくるから、ゆっくり読むといいわ」


 アイシャ先生に続いて、お姉ちゃんも家から出ていく、おそらくこの手紙の内容をしっているからだろう

 

 「・・・はあ」


 手紙の内容は、ある程度予想できる、アルカのことが書いているのだろう


 「本当に、読んでいいの?」


 何が書かれているかはわからないが、なぜか手紙を開こうとする手が動かない


 心の中で、この手紙を読みたくないと思っているのだろうか


 「すぅ、はぁ」


 一度深呼吸をして、心を落ち着かせる


 そして、手紙を開く

 

 エレナ・ルーシュ へ

 

 この手紙には、アルカについてと、今後君にしてほしいことを書かせてもらう

 まず、アルカについて書かせてもらう。

 アルカの力について、知っているかどうかはわからないが、その力が理由で、今一秒でも時間が惜しい

 だから、それに加え、とある理由で君が目を覚ましても合わせることができないのは、謝罪させてほしい。

 そして、君が受け取った剣についても教えておく、その剣は封魔の太刀、それでアルカの魂と力を封印している。だから、絶対にその剣を大切に持っていてほしい。ただ、その剣を抜くと、封印が解ける可能性がある。そうなると、なにがおこるのかわからないから、あまり抜くのはお勧めしない。

 おそらく、その剣を奪いに、いろいろな人が近づいてくるかもしれない。だが、決して誰の手にもわたらないように持っていてほしい。たとえ、僕が渡してほしいと言ってきても君の手から、直接アルカにこの剣を渡してほしい。


 一枚目の手紙が終わり、一度、心を落ち着かせる


 (よかった・・・、のかな?)

 

 アルカは、私が目覚めても会いに来なかったわけではなかった、会いに来れなかったことがわかると少し安心した


 「この剣に・・・アルカの・・・」


 一見少し派手な普通の剣に見えるが、その中にはアルカの魂、力が入っているらしい

 

 「そうだ、それなら・・・」


 手紙には何が起こるかわからないと書いてあったが、この剣の封印を解けば、今すぐにでもアルカに会えるのではと思い、剣に手をかける


 「・・・」


 そして、一気に力を入れて剣を抜こうとした瞬間に、先ほどのアイシャ先生の言葉を思い出した

  

 「いや、ここで抜いちゃダメなんだよね」


 もし抜くなら、先生の前で抜けと言われたので、思いとどまる


 「とりあえず、今は続きを」


 剣についてはこの手紙を読んだ後にし、今は二枚目の手紙に目を通すことにする


 

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