目を覚まして
・84・
side:エレナ・ルーシュ
「・・・ん、・・・」
目が覚めまぶしさに目をくらませながらも、なんとかあたりを見回すと、いつもの部屋ではなく、見知らぬ部屋であった
「・・・・? ここは?」
とりあえず、起き上がろうと、ベッドに手をつこうとすると
「? しびれてるのかな?」
左手をついて起き上がろうとしても、なぜか左手は動かない、というか感覚もない、寝ているときに左手を下敷きにしていたのだろうか
「よいしょ」
とりあえず右手で起き上がり、あたりを見回す
「ここは・・・・病院かな? 服も、それっぽいし」
自分の体をよく見てみると、いつもの服じゃなくて、白い服に着替えさせられていたので、たぶん病院だろう
「わわ、あれ? 左足も、しびれてるのかな?」
ベッドから降りて、外に出ようとしたが、右手と同様、感覚もなく危うく転がりそうになった
「え、なにこれ」
ふと、足を見てみると、足と手に何か模様?のようなものが全体に広がっていた
ガララ
その、模様が何かと考えているといきなりドアが開いた
ガシャン
そして、そのはいってきた人は、手に持っていた花瓶をおとしてすぐさま駆け寄ってきた
「わっ、お姉ちゃん?」
「エレナ・・・よかった・・・、エレナ・・・」
泣きながら、ずっと私に抱き着いてくる
「? どうしたの?」
すごくお姉ちゃんが泣きながら抱き着いているが、何が何だかわからない
「ぐすっ、いや、なんでもない、それよりまだ動いちゃだめだ」
お姉ちゃんが泣いている理由は教えてくれなく、なんとか起き上がったのに、また寝ころばせられる
「わ、せっかく頑張って起きたのに」
「・・・そうか、今人呼んでくるから、おとなしくしてるんだぞ」
急いでお姉ちゃんは外に走っていく
「うーん、教えてくれなかった・・」
多分お姉ちゃんは私がこの状態になっているのを知っている、ただ、そのことを教えてくれなかった
なんとか、今この状況になっている理由を思い出してみる
「・・・確か、アルカの誕生日の準備をしてて・・・うーん、こっから思い出せない」
一番直近で覚えている記憶は、アルカの誕生日のために準備してて、プレゼントを取りに行くのを忘れてそれを取りに行っていたこと
その先の記憶はどうやっても思い出せない
コンコン
「あ、はい」
頑張って思い出しているところ、部屋のドアがノックされる
「失礼するね」
「あ、アイシャ先生」
入ってきたのは、学園でいつも魔法を教えてくれている、アイシャ先生だった
「よかった、起きたのね、ちょっと見せてね」
先生は入って早々私に近づいて、服をめくる
「わ、先生?」
先生がいきなり服をめくる、別に女性同士で恥ずかしくないので気にはしないが、少しびっくりする
「少し広がってるわね」
「え、何がですか?」
「自分で見てみて」
言葉の通り、自分の体を見てみようとしたが胸が邪魔でよく見えなかった、服を脱いでみようと思ったが
「むー、脱げない、お姉ちゃん、手伝って」
うまく脱げなかったので、お姉ちゃんに手伝ってもらおうと思ったが
「私がやるわ」
目の前にいたアイシャ先生が手伝ってくれて、服を脱ぐ
「うわあ、なにこれ」
服を脱いだので、先生の言ったとおり自分の体を見てみると左半身にびっしりと腕と足に似たような模様が走っていた
「呪いよ、それも見たことのない」
「呪い?」
呪い、という言葉は一応聞いたことはあるが、実際にはどういったものなのかは知らない
「一応、寝ているときに何人かに見てもらったけど、治せそうにないわ」
私が眠っている間に、いろんな人に診てもらってもらって、治そうとしたらしいが、どう頑張っても無理だったらしい
「じゃあ、治らないってことですか?」
「いや、一応まだ見てくれる人はいるけど、その人が無理だったら、今のところ治す手立てはないかな」
呪いに詳しい人でも知り合いにいるのだろうただ、その人でも無理となると、ずっとこのままなのだろうか
「起きてばっかりだから、歩くのも大変でしょ? その人はこっちには来れないから、もう少し時間がたってから、その人のところに行きましょう」
「わかりました」
確かに、今はうまく歩けるかどうかわからない、そんな状態でここから移動することなんて困難になるだろう
それに、まだそこまで体を起こして置ける体力もない
「とりあえず、一、二日様子を見てから行こうか」
「わかりました」
まあ、数日くらい治すのが遅れても大して影響はないだろう、なので、アイシャ先生の提案に賛成する
グラッ
「わっ」
「ん?どうしたの?」
「ちょっと、目の前が・・・」
目の前が回っていることを伝えようとするが、さらにひどくなり、吐き気を催す
「うえっ」
だが、今胃の中には何も入っていない、ただ嗚咽を繰り返すだけ
どさっ
体を起こすのもままならず、ベッドに倒れる
「エレナ! どうしたの!?」
「見せて!」
意識はギリギリなんとか保ち、周りの会話はある程度聞き取ることはできる
「・・・・え、なにこれ」
アイシャ先生が私の様子をみて、驚いたような声を上げた
「セレス! 誰か人呼んできて!」
「わ、わかりました!」
「ちょっと痛いかもしれないけど、我慢して! 絶対に意識を失わないで!」
なんとか意識を保ちながら、アイシャ先生の言葉を聞く
それと同時に体中に激痛が走る
「ーーーー!!」
言葉にならない悲鳴を上げ、のたうち回る
なんとか意識を保とうと、頑張って耐えていくが、あまりの痛さに一瞬意識を失う
「とりあえず、大丈夫」
ただ、幸いにもそれは長くは続かなく、すぐに終わる
息を整えてみると、先ほどのめまいも吐き気もなくなっていた
「ア、アイシャ先生、今のは?」
「マナドレイン、君の魔力器官がおかしくなってて、君の体は絶え間なく魔力を空気中から取り込んでるの、それも際限なく、それで君の限界容量をこえて・・・」
「? どういうことですか?」
あまり頭が働かないのか長い話はほとんど頭に入ってこなく、もう少しわかりやすい説明を要求する
「えーっと、簡単に言うと、今の吐き気は魔力酔い、それを取り除くために君から魔力を奪ったの、わかった?」
「魔力酔い?」
それ自体は知っている、魔力に慣れていないものが、魔素の多いところに長時間いると、その現象になる
でも、私がそれになっている意味が分からない、だって、魔素の多いところでなるもの、ここは別に魔素が多いところではないのだから
「そう、ただ、今君は魔力器官、心臓の一部ね、そこが多分傷がついてるの」
「ええ、それって、まずくないですか?」
心臓の一部が傷つく、言葉で聞いたら命に係わるとは思うのだが
「別に命にかかわるものでもないわ、一部と言っても、実際に心臓の働きに影響する部分じゃないから、あくまで魔素を魔力に変えて体に循環させるところだから」
「そうなんですか」
細かな説明をしてくれているが、命にかかわらないというところしかほとんど聞いていなかった
「それって、治るんですか?」
「治りはするわ、ただ、貴方が寝ている間に、何度も回復魔法はかけていて、それでも治っていないわ、、だから自然に治すことになるけど」
「どれくらいかかりますか?」
「わからないわ」
「先生、人呼んできました!」
「ありがと、あなた、マナドレインは?」
「えっと、一応使えます」
「わかった、エレナ、もしまた魔力酔いになったら、その人に言って、絶対に我慢したらだめよ」
「わかりました」
そうして、またすぐに戻ってくるといい、アイシャ先生は部屋を出ていく
「エレナ、何があったんだ?」
お姉ちゃんがそう聞いてくる、今までここにいなかったから、私がさっきのようになった理由はわからないようだ
「えっと、説明したいんだけど、ちょっと疲れた・・・」
「そうだよな、じゃあ、今は休んでくれ」
「うん、眠たいから、寝るね」
先ほどの痛みや何やらで、さすがに疲れて、気を失うように眠りについた




