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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第%&章
92/128

全てを見下すもの

side:ライノート


 「・・・・・」


 封印されてから、どれくらいたったかわからない、とても長く封印されているし、特に何かすることもないし、身動きをとることもできない


 「まあ、もう少しの辛抱だ」


 すぐ後ろから声が聞こえる


 「黙れよ、ごみが」


 俺がここに封印されているときからいる男、今まで一度も姿を見たこともない、いつも後ろから声をかけてくる


 ただ、この声が誰だかすぐにわかる、忘れることなどないだろう


 「待っていろよ? 絶対に殺してやるよ」


 「ふっ、君にできるのかい?」


 「できるできないじゃねえよ」


 仮に俺にそんな力がなくても、やらなくちゃいけねえ、こいつは俺の、俺たちの大切な人を奪った出来事の原因を作った奴だ


 「まあ、それでも、いつになるかなあ~」


 声の主は、どうせここから出ることなどできないと確信して、そういった風に言っているが


 「はっ、笑えるなあ! もうすぐ解けるぜ! それを知らないのはお前だけだけどな!」


 そう、こいつは外の状況を何一つ知ることができない、こいつは俺よりも深いところに封印されている存在だからだ


 ただ、俺はこいつとは違い、俺に語り掛けるだけで、外の状況も、この体の持ち主、ルークにさえ干渉することはできない


 「なあ、どんな気分なんだ? 乗っ取れると思って入った体に逆に封印されるってのはよお!」


 「・・・・」


 「まあ、待ってろよ? どうせてめえにはなんもできねえんだよ」


 この声の主にかけられた封印は、俺のものとは違い、何が起こっても解けることはないだろう、何せ、元にかかっていた封印にくわえて、その上から俺も封印している


 「ルークが死んでも、俺が死ななきゃ、てめえの封印は解けねえからよ!」


 順番で言えば、ルーク、俺、この声の主、の順で、この体の意識を持つので、こいつが外に出ることなどない


 「それでも、君が死ねば、僕は出られる」


 「ははっ! それは無理だな! 俺がどれだけ時間があったと思ってるんだよ」


 こいつは、この体に完全に魂が融合している、なのでこの体を消滅させれば、こいつも一緒に消えることになる、それがわかってて、なにも対策をしないわけがないだろう


 「俺の力と引き換えに、体と魂を紐づけしてるからよぉ! てめえが出ることはねえだよ!」


 「・・・・」


 紐づけのおかげで、俺の力【傲慢】は使えなくなったが、俺が死ねば、この体は消滅するようになっている


 「首を洗って待ってろよ?」


 「・・・・」


 ただ、いずれは、この手で直接こいつを殺す、たとえ能力を使えなくても、やりようはいくらでもある


 「さあ、あと少しだ」


 魔王の中で、ただ一人、人類の皆殺しを目的にしていない、人類など正直どうでもいいのだ


 人類は、俺らの大切な人、サユ姉さんを殺す道具にされただけだ


 「あんな数だけしかいない、ごみども、どうでもいい」

 

 「サユねえ、待ってて、もうすこしで、みんなでそっちに行くから」






 全てを終わらして

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