全てを見下すもの
side:ライノート
「・・・・・」
封印されてから、どれくらいたったかわからない、とても長く封印されているし、特に何かすることもないし、身動きをとることもできない
「まあ、もう少しの辛抱だ」
すぐ後ろから声が聞こえる
「黙れよ、ごみが」
俺がここに封印されているときからいる男、今まで一度も姿を見たこともない、いつも後ろから声をかけてくる
ただ、この声が誰だかすぐにわかる、忘れることなどないだろう
「待っていろよ? 絶対に殺してやるよ」
「ふっ、君にできるのかい?」
「できるできないじゃねえよ」
仮に俺にそんな力がなくても、やらなくちゃいけねえ、こいつは俺の、俺たちの大切な人を奪った出来事の原因を作った奴だ
「まあ、それでも、いつになるかなあ~」
声の主は、どうせここから出ることなどできないと確信して、そういった風に言っているが
「はっ、笑えるなあ! もうすぐ解けるぜ! それを知らないのはお前だけだけどな!」
そう、こいつは外の状況を何一つ知ることができない、こいつは俺よりも深いところに封印されている存在だからだ
ただ、俺はこいつとは違い、俺に語り掛けるだけで、外の状況も、この体の持ち主、ルークにさえ干渉することはできない
「なあ、どんな気分なんだ? 乗っ取れると思って入った体に逆に封印されるってのはよお!」
「・・・・」
「まあ、待ってろよ? どうせてめえにはなんもできねえんだよ」
この声の主にかけられた封印は、俺のものとは違い、何が起こっても解けることはないだろう、何せ、元にかかっていた封印にくわえて、その上から俺も封印している
「ルークが死んでも、俺が死ななきゃ、てめえの封印は解けねえからよ!」
順番で言えば、ルーク、俺、この声の主、の順で、この体の意識を持つので、こいつが外に出ることなどない
「それでも、君が死ねば、僕は出られる」
「ははっ! それは無理だな! 俺がどれだけ時間があったと思ってるんだよ」
こいつは、この体に完全に魂が融合している、なのでこの体を消滅させれば、こいつも一緒に消えることになる、それがわかってて、なにも対策をしないわけがないだろう
「俺の力と引き換えに、体と魂を紐づけしてるからよぉ! てめえが出ることはねえだよ!」
「・・・・」
紐づけのおかげで、俺の力【傲慢】は使えなくなったが、俺が死ねば、この体は消滅するようになっている
「首を洗って待ってろよ?」
「・・・・」
ただ、いずれは、この手で直接こいつを殺す、たとえ能力を使えなくても、やりようはいくらでもある
「さあ、あと少しだ」
魔王の中で、ただ一人、人類の皆殺しを目的にしていない、人類など正直どうでもいいのだ
人類は、俺らの大切な人、サユ姉さんを殺す道具にされただけだ
「あんな数だけしかいない、ごみども、どうでもいい」
「サユねえ、待ってて、もうすこしで、みんなでそっちに行くから」
全てを終わらして




