全てに怒れるもの
side:セシル
「いやあ~、順調に強くなってくれてうれしいよ」
近々カスミたちと一緒にどこかの森に行くと言われたけど、その下見のついでにある場所に立ち寄る
「・・・兄さん」
「どう? 僕たちを止める手立てはできた?」
前々から、弟、セニアが何かしようとしていることは知っていた、詳しくは知らないが、多分僕たちを止めるために動いているのだろう
「・・・・」
「いいのかい? ここで始めたら、関係ない人も巻き込むねぇ」
セニアが臨戦態勢になるが、別に戦うために来たのではない
「それに、今の君に勝てるとでも?」
はっきり言って、セニアの能力はまだまだ発展途中、今自分と戦っても手も足も出ないだろう
「そんな君と戦っても、つまらないからね」
僕たちが戦うのは、最後の時だけでいい
「それよりも、久々に会ったんだし、ゆっくりとお話ししようよ」
今、セニアがどんな状況なのかどうかが気になる、どれくらい強くなったのか、計画はどれくらい進んでいるのか
「別に話すことはない」
まだ警戒を解いていなく、腰につけている仮面、憤怒の能力を使うためのものに手をかざして、いつでも戦えるように構えている
「不便だねぇ」
僕たち魔王は、別に自由に好きな時に能力を使える、それに比べて勇者たちはそれぞれものに力を封印されているらしい
「テレシアのせいだったよね、どうしてなんだろうね?」
「・・・知ってるくせに」
何も初めからそうだったわけではない、勇者の一人、暴食の勇者テレシアによって勇者全員の力はその封印をされている
理由としては、あまり覚えていないけど、確か僕たちを殺させないためとかそういった感じに言っていた
ただ、本当は奪いたかったけど、それは無理だったので、簡単に使えないようにするしかなかったらしい
「それより、僕らを止める手立ては思いついたかい?」
「・・・・」
「はあ、つれないなあ」
兄弟なら、もう少し話してくれてもいいと思うが、口をきいてくれない、まあ、そもそもそこまで仲が良かったわけではないので、仕方がない
「まあ、いいや」
別に話してくれないならいい、それよりも自分がすることをしていく
「本当の用事を済ませようかな」
「本当の用事?」
「もう少しで、僕たちも本格的に動き出すからね、それの報告だよ」
「・・・」
「近々、ここの学校で森に行く授業だっけね、それがあると思うけど、そこで僕たちのほとんどが来るからね、よければ来てよ」
「何しに来るんだよ」
「それは教えてあげない、っていうよりも、僕も知らないからね」
カスミには、ただついてきてと言われただけで、カスミがある程度は教えてくれたが、詳しく何をするのか知らない、自分は好きに動いていいと言われているので、今から何をするか考えなくちゃいけない
「あ、このことはだれにも言っちゃだめだよ? もし学生たちが森に来なかったら、面倒なんだから」
もし来なければ、この王都までわざわざ行かなければならない、そうなったら面倒になるし、それはアサヒもいやと言っていた
「じゃあ、それだけだから、またね~」
久々に弟に会えたし、用事も済ませた
僕たちが来ると聞いて、セニアがどういった行動をとるのかが一番気になるし、もし仲間がいるなら、どんな子たちなのか見れるかもしれない
それだけが楽しみでこのことを伝えに来たのだから、ちゃんとセニアが動いてくれるのを期待する
「もし、何もしなければ・・・」
せっかく教えてあげたのだから、何か行動してくれなくちゃ困る、もし何もしなければ、僕は少しばかり怒っちゃうかもしれない
全てを怒りに任せて、壊してしまうかもしれない




