護衛任務4
・82・
side 神薙 カホ
「セニアさんが勇者・・・」
日が昇って、朝食をとりながら、昨日聞いたセニアさんが勇者であるという話をしていた
「ところで、君たちの目的は何なの?」
セニアさんは、私たちが勇者を探していることは知っているが、その理由までは知らないようだ
「えっと、私たちは・・・・」
そこから、私たちがこの世界の人ではないこと、元の世界に帰るためには魔王を倒さないといけないということを伝える
「ふーん、なるほどね」
セニアさんが私の話を聞いてから、何か考え込んでいる
「一つ、多分だけど、君たちを元の世界に戻すことはその王でも無理だと思う」
「えっと、それに関しては、帰るための魔法を研究したっていう人がいて」
ケニスさんの妻が、作ったまほう、一応その魔法の魔法陣が書かれた紙を持っているので、それを見せる
「うん、この魔法陣じゃあ、帰れる可能性は低いよ」
「え! でも、実際に帰った人がいるって・・・・」
ケニスさんが言うには、ケニスさんの妻はちゃんと帰ることができて、向こうから手紙も送ったと言っていた
「たまたまだろうね、だってこの魔法、場所の指定をしていないから」
「場所の指定?」
「そう、転送系の魔法は、場所の指定をしないとランダムな場所に飛ばされるんだよ」
「なるほど」
場所の指定ができていない、つまり、ケニスさんの妻はたまたま自分の板世界に帰れて、そのせいで、この魔法が元の世界に帰れる魔法であると勘違いしたようだ
「それじゃあ、帰れないってことですか?」
「いや、帰る方法はあるよ」
「え! あるんですか?」
「強欲の勇者、魔王なら、その魔法を作ることができる」
「! 強欲の勇者! なら・・・」
ケニスさんは、アサヒが強欲の勇者であると言っていた、それならアサヒなら帰るための魔法を作れるということになる
「もしかして、強欲の勇者がどこにいるのか知ってるの?」
「はい、ケニスさんが私たちのクラスメートが強欲の勇者だって」
「なるほどね・・・その子は今どこに?」
「確か・・・」
ケニスさんは、アサヒが強欲の勇者であると分かった瞬間に、すぐに隠したと言っていた
「わかった、もしその子がまだ見つかっていなければ、今すぐにでも帰れる」
「! 本当ですか?」
「ああ、それぐらい、強欲の力は強力なんだよ」
セニアさんは、強欲の称号を持つものについて、簡単に教えてくれる、強欲のチアkらは、時間さえかければ、なんでもできる力がある、そういうものらしい
「なんでもできる・・・例えば、この世界を破壊したりとかですか?」
何でもできると言われても、想像しづらいので、なんかすごそうなことを聞いてみる
「うん、できるね、時間はかかるらしいけど」
「え、それって、強すぎませんか?」
言葉通り、なんでもできるようで、そんな存在が魔王にいる時点で、勝てないのではないかと思うが
「まあ、それは勇者も同じだ、だから、勇者がいる限り、魔王が好き勝手することはない」
魔王が何かをしようとしても、そのたびに勇者がそれを対策すればいいだけなので、実際強欲の勇者がいれば魔王は何もできないようだ
「だから、魔王は勇者を探してるんだね・・・」
「うん、だから、一刻も早く、勇者の子に君たちを元の世界に帰す魔法を作らせるか、対策をしなくちゃいけない」
「それなら、早く行きましょう」
「ああ、だが、君たちは残ってくれ、護衛はしなくちゃいけない」
「あ、それもそうですね」
話に夢中になって、今行っている護衛任務のことを忘れていた
「じゃあ、どうするんですか?」
「そうだな・・・君たちはこのまま護衛任務を行っていて、僕が行ってくる」
セニアさんはもともと、私たちと、もう火とチームの監視係としてこの任務についてきただけなので、多少は離れて問題はないらしい
「何事もなければ、夕暮れには戻ってこれる、それまでは二人だけど、大丈夫かい?」
「夕暮れに帰ってこれるんですか?」
私たちが王都まで来たのには結構時間はかかったが、どうやって半日近くでいってかえってこれるのだろう
「魔法さ、それじゃあ、いってくるよ」
そういって、何か魔法を唱えたかと思うと、目の前からセニアさんの姿は消えていた
「それじゃあ、俺たちは準備をするか」
「そうだね」
私たちは待つことしかできない
「でも、これが終わったらもしかしたら帰れるかもしれないんだよね?」
「ああ、そうだな、でも問題がなかったらって言ってたけど、その問題ってなんだ?」
先ほどのセニアさんの言葉を思い出し、問題という点について考える
「・・・多分、もう連れていかれてることじゃないかな?」
それくらいしか思いつかない、セニアさんも、おそらく無理だと言っていた
「でも、まだこっちの世界に来てからそんなに時間は立ってないぜ? そんなすぐに見つかるもんか?」
「わからない、でも、なんでもできるってことは、隠されている者を見つけることも簡単なんじゃない?」
「・・・確かにな」
多分ケニスさんも、強欲が何でもできるということを知っていたから、アサヒを隠しても無駄だと言っていたのだろう
「まあ、考えても仕方がねえ、今はこっちに集中するぞ」
すべてはセニアさんが帰ってきてから、それまでは今の護衛任務に集中し、何事もなく終わらせられるように頑張る
「それじゃあ、出発しましょうか」
準備を終え、セニアさんがいないことや、昨日の三人についての話をしたが、何事もなかったかのように、出発しようとする
「二人で大丈夫ですか? 一応一人は夕暮れには帰ってくるようですけど・・・」
「大丈夫ですよ、はっきり言うと、別に護衛はいりませんので」
「あ、そうなんですか?」
どうやら、この商人に関しては、冒険者の昇格任務をよく依頼しているようで、こういう人が減ることも少なくはないらしい
それが理由で、ある程度は自分でも戦えるらしく、私と神代君二人でも問題は内容で、予定通り出発する
「あ、ついたら、少し手伝ってもらってもいいですか?」
「わかりました」
「護衛は一人ずつで大丈夫なんで、一人は休んでてください」
あくまでこの護衛任務は六人で行う任務、なので二人しかいない状況では、やり方を変えて行っていくようだ
「ちゃんとギルドの方には伝えるから、しっかり休んでね」
「わかりました、神代君、先に休んでいいよ」
私が先に護衛をすることにして、神代君には休んでもらっておく
そこから、あまり時間が立たないうちに、村に到着し、商人の手伝いで商品を売っていく
「あまり残っていないですね」
思ったよりも売れたようで、売るもの辞退はあまり残っていなかった
「まあ、村の人には必要なので」
「わかりました」
村から王都に向かうには、なかなか難しいようで、王都のものはなるべくなんでもほしいらしい
なので、少なくてもいいので売りに来てほしいようだ
「よし、終わった」
ものが少ないのも相まって、すぐに商品はすべてなくなり、撤収作業に入る
「よければ、すぐにでも王都に戻りたいと思いますが、大丈夫ですか?」
「はい、私は大丈夫ですよ」
「俺も」
特に疲れてもいないので、すぐに出発しても問題はない
「じゃあ、出発しましょう」
なるべく早く取発しないと、日が暮れてしまうかもしれないので、すぐにでも出発する
「じゃあ、今度は俺が先にやるから、神薙は休んでろ」
「わかった」
最初の護衛は神代君に任せて、私は荷台で休んでおく
そして、休み始めてから数分後
「わ! びっくりした」
いきなり目の前にセニアさんが現れる
「はあ、はあ」
「セニアさん! どうしたんですか!?」
現れたセニアさんをよく見てみると、いたるところにけがを負っていた
「ごめん、説明はあとでする」
そういうと同時に、セニアさんが気を失う
「何があったんだろう? とにかく、神代君に伝えなきゃ」
とりあえず神代君に伝えるために、荷台から降りて、神代君のところに向かう
「神代君!」
「ん? どうした?」
「セニアさんが、戻ってきた」
「! 本当か!」
「うん、ただ、怪我してて、すぐに倒れちゃった」
「マジか・・・何かあったんだろうな、とりあえず、神薙は看病してあげてくれ」
「わかった」
とりあえず、言葉通りセニアさんの看病をしておく
「ひどいけが・・・」
いたるところに切り傷や青あざ、えぐれているところがある
とりあえず包帯を巻いたり、回復薬をかけてりしていく
そのままセニアさんが目を覚まさないうちに王都に到着する
「ありがとうございました、これで依頼は完了です」
「お疲れさまでした」
「それじゃあ、私はギルドの方に報告させていただきますので、ここで解散でいいですよ」
そして、商人と別れて、セニアさんを寝かせるために自分たちの宿に連れていく
「とりあえず、俺の部屋で休ませておく、目を覚ましたら呼びに行くから、適当に過ごしててくれ」
セニアさんが目を覚ますまで、何があったのか聞くことができないので、とりあえずは自分の部屋で休んでおく
(なんか、いやな予感がする・・・)
セニアさんがけがをしているということは、向こうで何かあったのは確実だろう、その何かが嫌な予感しかない




