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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第3章  異世界人   
80/128

ボロボロの日記

・77・

side:神薙 カホ



 「・・・はっ!」


 窓から日の光が入り、それに顔が照らされたおかげで目が覚める


 「すごく寝心地が良かった」


 こっちに来てからは、ベッドで寝ることはあったが、この宿ほどふかふかではなかったし、寝心地もよくなかった


 「今、何時だろ」


 この部屋には時計がないので、今の時間はわからないが、多分昼にはまだなっていないだろう


 「とりあえず、体を洗いたいわ」


 体をきれいにするには濡れたタオルで体を拭くしかしていないので、そろそろお風呂で体をちゃんときれいにした


 「ここお風呂あるのかな?」


 昨日はあんまりこの宿についての説明を聞かなかったので、あんまり何があるのか知らない


 「服も買わないと、でも、それをするにしてもお金がないから、まずはお金を稼がないと」


 一応、昨日稼いだお金はあるが、あまり多くないのですぐに稼がないと宿から追い出されてしまう

 

 「まずは、どうするか決めなきゃ」


 お金を稼ぐにしろ、どう稼ぐのかをまず話し合いをすることにする


 「すいません」


 「ん? どうした?」


 まずは下に降りて、店員に風呂など体を洗えるところがあるかどうかを聞いてみる


 「あるにはあるがが、今の時間はやってないんだ」


 「あー、そうですか、わかりました」


 どうやら風呂の時間は日が沈んでかららしい


 「お湯だけなら用意できるが、いるか?」


 「あ、お願いしてもいいですか?」


 「おう、ちょっと待っときな」


 お湯をもらって、自分の部屋に戻っていき、体を拭いていく


 「あったかいお湯はいいね」


 今までは冷たい水で体を拭いていたので、暖かいお湯で拭くのは気持ちがいいし、なんだかすっきりした感じがする


 「そろそろ、服も洗いたいけど、制服じゃあ、簡単には洗えないし・・・」


 今持っている服はこの一着だけ、だから洗いたくても洗えないし、早くほかの服を買わなくてはいけない


 「とりあえず、先に服買いにに行こかな」


 とりあえず、下着はそのままで、肌着は着ずに制服を着ていく


 「どこにあるか聞いてもいいけど、探しながらぶらぶらするのもいいし、そうしよっと」

 

 昨日は夜に到着したので、あまり見回る時間がなかったので、せっかくなら観光しながら服を探すのもいいだろうと思い、お金だけをもって宿を出ていく


 「おお、人が多い、それに店も」


 広い道に出ると、人がたくさん行き来しており、店の勧誘の声も飛び交っていた


 「ここは露店が多いね」


 見て回ると、大体が屋台や、地面に商品を広げている者が大半であった


 「わあ、すごい」


 その中の一つに目を向けると、様々なアクセサリーが並んでおり、どれもきれいで高そうなものばかりであった


 「ここは・・・古本?」


 もうひとつ目に入った店は、ボロボロなものがたくさん並んだ店だった


 「いらっしゃい、好きに見ていってくれ」


 売っている物が少し気になり、ちょっと立ち寄ってみる。商品を見ていくと、大体が銅貨数枚で買えるものばっかりだった


 「何これ、日記?」


 一つのボロボロの本を手に取って中を見てみる


 二の月三十日

 今日から日記を書こうと思います。といっても、別に書くことはないし、なにを書けばいいのかもわからない、今日あったことでも書こうかな

 今日はこっちに来てから初めて、屋内でゆっくり眠ることができました。私の他にあと7人子供がいるらしいけど、仲良くできるかな?女の子は私合わせて3人で頑張っていこうとおもいます。あと、ペンが少し使いにくい、もっといいものないのかな?


 中身を見るに、日記であり、その中身はありきたりな内容であった


 「お嬢ちゃん、それ、読めるのか?」


 じっと日記の中身を読んでいると、店の人に声をかけられる


 「え、は、はい」

 

 急に話しかけられて、少しびっくりしながらも返事をする


 別に内容自体変なところがないが、もしかして読んだら何か起こるとかそういう形のものだろうか

 

 「じゃあ、ぜひもらってくれ、その本誰も読めなくてずっと売れ残っているんだ」

 

 「読めないって、何でですか?」


 本を見回しても、大して変なところはないし、読めない理由がわからない


 「書いている字がだれにも読めないんだ、見たこともない字で書かれてるし、そもそも文字かどうかも分からねえ、嬢ちゃん、その字どんなものかわかるか?」


 「字? 日本語ですけど・・・」


 「ニホンゴ? 聞いたことねぇ言葉だな、どこの言葉だ?」


 「あ、えっと、私の故郷の言葉です、えっと、すごく遠いところなんで」


 「なるほどな、そりゃ個々の人らは読めねえわけだ、ってなわけで、金は要らねえからもらってくれ」


 「ありがとうございます」


 内容も少し気になるし、お金がいらないのならぜひもらっておく


 「帰ってから少しずつ読もう」


 ぱらぱらと少し眺めたら、結構なページがあったので、すぐには読み終えれないだろう


 「お、服売ってる」


 もう一つ、露店を見てみると、丁度服が売っていて、立ち寄っていく


 「わあ、意外と安いんですね」


 並んでいる服を見ていくと、古着とは書いてあるが、どれもきれいで匂いのほうも何も問題はないので、新品に近いとは思う


 「ここでとりあえず何着かかって、ほかのところも見よっと」


 試着して決めたかったが、あいにく露店なので試着室はないので、体に当ててある程度大きさが合うものを買っていく


 「ありがとうね、たくさん買ってくれたからちょっとおまけしてあげる、銀貨二枚でいいよ」


 「いいんですか? ありがとうございます」


 買ったものの値段的に、大体銀貨二枚と銅貨三十枚ほどだったが、銅貨の値段をまけてくれる


 「うちの娘のお古でね、持っていても仕方がないし、必要な人にわたってほしいからね、値段はほとんど気にしてないのよ」


 「そうなんですか、ありがとうございます、大事にしますね」


 店員から服を受け取り、ほかの店にも足を運ぶ


 それから数着、服を購入した後、宿へと戻っていき、部屋で買った服の試着をしていく


 「ちょっと、サイズ大きいかな? まあいっか」


 案の定、買った時に試着はできなかったので、少し小さかったり、大きかったりするのが大半であった


 「そろそろいい時間になったかな?」


 日の位置からして、そろそろお昼の時間だと思うので、下の階に降りて、神代君がいるかどうか見てみる


 「まだ、いないね」


 見回してみても、まだ神代君の姿は見えないので、とりあえず空いている席に座っておく


 「おはようございます、何か注文なさいますか?」


 着席して、少し待っていると、店員が注文を聞きに来る


 「あ、えっと、何か飲み物が欲しいんですけど、おすすめはありますか?」

 

 とりあえず、お昼ご飯は神代君を待ってからにするつもりなので、飲み物だけを頼むことにするが、何があるのかわからないし、メニューを見てみても何が書いているのかわからないので、おすすめを聞いてみる


 「そうですね、お酒はお飲みになりますか?」


 「お酒は、飲まないです」


 「それなら、カルナーラとかはいかがですか?」


 「じゃあ、それでお願いします」


 いかがですか、と聞かれても、そのカルナーラが何かわからないので、とりあえずそれを注文しておく


 「お待たせしました」


 運ばれてきた飲み物を飲んでみると、まあ簡単に行ったら味を薄くしたバナナジュースだ。感想としてはあまり好みではない


 そのカルナーラを飲みながら、先ほど買った日記を開く


 二の月三十一日

 今日はここにいるみんなで自己紹介をした、でもみんな名前が横文字だから、あんまり覚えられなかった。どうしたら覚えられるかな、あだ名でもつけよっかな、またゆっくりと考えていこ。夜ご飯の後、少し、時間ができたので家の周りをリデアちゃんたちと一緒に見て回ったけど森以外何もなかった。たまになんか変な鳴き声が聞こえてくるけど、別に危なくはないって


 今回の日記は短く、一日前もまた読み返して、いろいろ考えてみる


 「この日記を書いたのって、日本人だよね?」


 書かれている言語は見た通り日本語らしく、ここでの言語とは違うようだ


 「名前は・・・書いてないか」


 持ち主の名前を確認したくて、表紙や裏表紙を見るが、名前らしきものは書かれていない


 「結構ボロボロだし、消えたか、もともと書いてないのかな?」


 日記の見た目は外見はボロボロであるので、書かれて時間がたっているとは思う


 「それにしても、外見の割には中身はきれい」


 日記を開いてページを確認していくと、中身は一切劣化していなく、字もすべてきれいに読める状態になっている


 「不思議」


 よほど大事に保管していたのだろうか、それでもこんなに中身だけきれいに残るものだろうか


 「まあ、気にしても分からないし、仕方がないか」


 この世界のことはまだよくわからない、もしかしたら本を保存しておける魔法などがあるのかもしれない

  

 「お、もういたのか」

 

 わからないことを考えるより、日記の続きを読もうと思ったら、時間になったのか、神代君が到着する


 「今起きたの?」

 

 「ん? ああ、久々にベッドでゆっくり寝たからな」


 昨日就寝した時間はわからないので、どれくらい寝たのかはわからないが、長いこと寝たのだろう


 普通なら私もそれぐらい寝ていたのかもしれないが、自分はそこまで長いこと眠ることができない、どれだけ疲れていても6時間ほどで目が覚めてしまう


 「それよりも、腹減ったから、なんか食べていいか?」


 「そうだね、私も何か食べよっと」


 私も何か頼もうとメニューを見るが


 「適当に、これでいいや」


 「わからないな」


 一つも自分の知っている単語がなくて、飲み物と同様、何を頼めばいいのかわからないので、目を瞑って指をさしたものを注文する


 「一つ不思議に思ったことがあるんだけど」


 「ん? なんだ?」


 「この世界の文字、問題なく読めるんだね」


 「ああ、そういえば」


 私の言葉で気づいたのか改めてメニューに目を通していく


 「どうなってるんだ?」


 「確実に知らない文字だよね?」


 「まあ、読めるんなら気にしなくていいだろ」


 「そうだね」


 そんなことより、店員にいくつか食べ物を頼んでいく


 「ほいじゃあ、飯食った後、ギルドに行くか?」


 ご飯が来るのを待ちながら、今日の予定を決めていく


 「うん、とりあえずどんなところかも見ておきたいし」


 今日は無理に依頼を受ける気はない、まだ疲れが残っているかもしれないし、明日からでもお金は持つので焦って受けなくてもいい


 「お待たせしましたー」


 注文した料理が運ばれてきて、それが並べられていく


 「おいしそうだね」


 どんな料理が来るのかと思ったら、特段変なものはなく、美味しそうなものばかりだった、その運ばれてきた食べ物を食べて、少し休憩してからギルドへと足を運ぶことにする


 「やっぱり王都のギルドだから、大きいんだね」


 冒険者として登録したギルドとは大きさが全然違い、横にも縦にも大きい


 さっそく建物に入っていき、まずは依頼が張られているボードのところへと向かっていく


 「やっぱり、これも大きいね」

 

 「人がいっぱいいる分、依頼も多くなるんだろうな」


 「とりあえず、どんな依頼があるのか見ておくね」


 私は依頼の方を見ることにして、神代君はギルドにいる人に話しかけ、王都周辺の情報収集をしてもらう


 「私たちでも受けられる依頼は・・・」


 親切なことに、依頼はランクごとに分けられており、見やすくなっているので、受けられるものだけそこだけ見ていく


 「大体採集系が多いね」


 現在私たちは最低ランクのGランクであるので、討伐依頼などはほとんどないが、お使い系、採集系はたくさんある


 「次のランクからは討伐系のものもあるね、ただ倒したことある奴ばっかり、とりあえず、明日から受ける依頼をある程度決めておこっかな」


 すぐに取りに行けそうな物の依頼を何個か見繕っておき、一応依頼の期間を聞いておく


 「この依頼ですと、特に期間は設けていないですね、需要が高いものが多いので、あって困りませんので」

   

 需要の多い依頼だと、常に出しており、いつでも依頼完了の報告を出せるらしい


 「じゃあ、とりあえず受けときますね」


 「わかりました、採集場所などはわかりますか?」


 「あ~、教えてもらってもいいですか?」


 さすがにどこに何があるかわからないので、受付の人に聞いておく。すると、大きな地図を広げて、それぞれ依頼の素材の場所を示してくれる


 「このくらいですね、またわからないことがあれば遠慮せずに聞いてくださいね」


 まあ、今のところ特に聞くことはないので、とりあえず神代君のところに戻る


 「こっちはある程度終わったけど、そっちはどう?」


 「まあ、ある程度は終わったな、あんまり役に立ちそうな情報は少なかったな」


 「そっか、まあいいや、じゃあ今日はもう帰って明日からゆっくりやっていこ」


 予定通り、今日は依頼などは受けずに、王都までの道のりでの疲れをいやして、明日から始めていく


 

 


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