表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第3章  異世界人   
79/128

王都到着

・76・

side:神薙 カホ



 「起こさないように静かにな」


 黙って出てきてるので、ばれると何を言われるかわからない、なので起こさないように静かに家に入っていく


 「・・・あ」


 家に入った瞬間、目の前にはお姉さんが立っており


 「無事で、よかった」


 そう言葉を発しながら、私と神代君を抱き寄せる


 「う、ぷはっ、起きてたんですか」


 なんとかお姉さんの拘束を抜けて、今まで起きていたのか確認する


 「ええ、それよりも、けがはない?」


 私たちに怪我がないか、体中を触って確かめられる


 「大丈夫ですよ、けがはないです」


 「よかった・・・」


 怪我がないのがわかり、一安心しており、そのあと、真剣な顔をして


 「どうして、行ったの?」


 なぜ、出ていったのかを問い詰めてくる、ただ、理由は明白で


 「困ってたからです」


 「困ってたからって・・・困ってたら誰でも助けるの!?」


 私の言った理由が納得できないのか、そう言ってくる


 「だれでもじゃ、ありません、私が助けるべきと思ったからです」


 誰でも助けるわけではない、ちゃんと助けるべきか選んでやっている


 「会ったばっかりの人のために、死ぬ危険もあるのよ?」


 たしかに、もしもっと強い魔物がいたらその危険もあったかもしれないが


 「まあ、幸いにも強い魔物はいなかったので、結果よければすべてよしです」


 そういって、さすがに疲れているのでお姉さんの背中を押して家の中に入っていく


 「ちょっと・・・もう」


 お姉さんの方も私たちが付かれているのを気づいて、話をそこで終わらせてくれた


 「まあ、まだ言いたいことはあるけど、これだけは言わせて」


 「ありがとう、これでしばらくは村は安全になりました、この恩はずっと忘れないわ」


  お姉さんがこっちに改めて向き合ってお礼を言ってくる

 

 「気にしないでください」


 本当の自分たちが勝手にやったことなので、気にしなくてもいいことを伝え、そろそろ限界となり、休むことにする



 そして翌朝


 「ありがとうございました、また、近くを通ったら、顔を出しますね」


 「うん、また会えるのを楽しみにしているわ」


 別れを告げて、馬車のもとへと戻る


 「準備はできてるぞ」


 神代君は一足早く馬車のところまで戻ってきており、馬の世話などをしていた


 「それじゃあ、いこっか」


 準備もできているらしいので、さっそく出発する


 「今度は道に迷わないように行かないとね」


 今回は道を間違えて、このスワッツ村についた、別にそれは何も問題はなく、むしろいい出会いがあったのでむしろ間違えてよかったと言っていいのかもしれない


 ただ、本来の目的は王都、なので今度はちゃんと向かうことにする


 「おわっと!」

 

 「あいた!!」


 急に馬車が止まり、その勢いで馬車の壁にぶつかる


 「ど、どうしたの?」


 何事かと思い、前に体を乗り出す、すると目の前には


 「子供?」


 「だな」


 子供が数人、道をふさぐように立っていた


 「危ないぞー」


 どうやら急に飛び出してきたようで、危うく事故になりかけたようで神代君が注意していた


 「食べ物を、ください」


 何事かと思い、私も馬車から降りる


 「どうしたの?」


 「お姉さん! どうか、何か食べ物を!」


 子供が私の姿を見ると同時に頭を下げてくる


 「君たち、親は?」


 見た感じ結構幼い子ばっかりなので、親は何をしているの聞いてみるが


 「お母さんも、おとうさんも、いないよ」


 「え、それって・・」


 「私たち、捨てられたんです」


 子供の中で、一番年上そうな子供が説明してくれる


 「あ、ちょっと」


 「まあいいじゃないか」


 神代君は馬車から食料が入った袋を持ちだして、子供たちの方へと向かっていく


 「はあ、まあいいか、話を聞いてもいい?」

 

 「はい」


 先ほどの話を詳しく聞くために、一番大きな子を馬車にのせて、話をすることにする


 「私たち、みんな、お父さんやお母さんが犯罪者で、ろくに稼げないんです」


 「なるほどね、だから今みたいに通る人に食べ物を恵んでもらってるの?」


 「はい、そうでもしないと、みんな餓死してしまうので」


 犯罪者の血縁者なら、ろくなところで働くことができないのだろう、もし働けたとして、結構な数の子供がいたのでその全員を食べさせるのには全く足りないとは思う


 「何度もこんなことを?」


 「はい、まあ本当にくれるのは少ないですけどね、それにたまに対価を求めてきたりも」


 「対価?」


 まあ、誰しも無償で食料を上げるとは限らないので、仕方がないとは思うが、この子たちに払えるものなどあるのだろうか」


 「まあ、大概は体ですけど」

 

 「体!?」


 目の前の女の子は明らかに私よりも年下だ、それなのにそんなことをされているらしい


 「大丈夫なの?」


 「・・・もう、慣れました」

 

 どれほどの回数、そういったことをしてきたのかわからないが、犯罪者の子供として生まれたからと言って、そういうことをしないといけないことに腹を立てる


 「何か、できることはない?」


 「別に、大丈夫ですよ?」


 「そう・・・」


 何か、この子のためにできることはないかと考えるが、軽々しく助けてあげるとか言える立場でもない

 

 「いつも君たちはこの辺りにいるの?」


 「この辺りが、一番人が通るので、この辺りにいるのが多いですね」


 「わかったわ」


 詳しくは決められないが、定期的にここにきて何かしてあげようと思いながら、馬車を降りる


 「ん? 神代君、それは?」


 馬車を出て、すぐに目に入ったのは、大きな袋を持った神代君で、その袋を子供たちに渡していた


 「神薙・・すまん、この子たちの話を聞いてな・・・」


 どうやら、神代君の方も話を聞いたようだった、なら、おそらくあの袋の中身は食べ物か何かだろう


 「ん? でも、それどこから?」


 さっきまでは神代君はあの袋はもっていなかった、私たちの食糧などは私たちがいた馬車の方に乗っていたが、神代君は取りに来ていない、ならばあの袋はどこから持ってきたのだろうか


 「さっき、ここを行商人が通ってな、そこから買ったんだが、すまん、金使いすぎた・・・」


 「ちょっと!」


 神代君が私たちのお金が入っている袋をひっくり返すと、出てきたのは銀貨二枚のみ


 「いや、まあいいや」


 今、神代君と何か言いあっていたら、子供たちが袋を返しますと言いそうなので今は何も言わないことにする

 

 「とりあえず、それでどれくらいの食糧なの?」


 「そこまで多くはないな、持って三日くらいかな」


 「まあ、そうなるよね」


 私たちのお金もそんなに多いことはないし、ここにいる子たちの人数も結構多いので、お金をほぼ全部使ってもそれくらいの量しか買うことはできないだろう


 「食料、ありがとうございます、これなら一週間は持ちそうです」

 

 「え、一週間も持つのか?」


 「はい、一食がそれほど多くないので、この量でも結構持つんですよ」


 なるほどとは思うが、周りの子供たちはみんな結構やせており、多分我慢しているのだろう


 「それでは、ありがとうございました」


 私と話していた女の子がお礼をすると、後ろの子供たちもそれに習ってお礼を言ってくる


 「いいのよ、それよりも元気でね」


 最後に軽く抱き着いて、別れを告げる


 「それじゃあ、いこっか、操縦よろしくね」


 「ああ」


 馬車に乗り込んで、子供たちが見えなくなるところまで進んでから


 「どうするの! 私たちのお金なくなったじゃない!」


 「それは、本当にすまん、だが、王都につけば素材を売ってお金を作れるし・・」


 「・・・・売る場所が、空いてる時間につけばいいけどね」


 地図と空を見ながらそうつぶやく


 もうあと少しで日が沈む、だが、ここから王都まではどう頑張ってもそれまでにつくことはできない


 ということは、今日は確実にお金が手に入らないということである


 「・・・すまん」


 「それよりも、少しでも早く行って、素材を売れるところを探しましょう」


 「そうだな」


 もしかしたら、すこしでも早く到着したら素材を売れるところが開いているかもしれないので、急いで向かっていく


 そこから、なるべく急いで王都へと進んでいき

 

 「はあ、やっと着いた」


 いよいよ王都に到着し、ほっと一息つく


 「止まって下さ~い」


 そのまま馬車で入ろうとしたら、門番だろう、鎧を着た人に止められる


 「は、はい」


 いきなり止められて、少しドキッとする


 「この時間は、一応検査などがあるので、降りてきてください」


 昼間などはこのような検問などはしていないらしいが、夜になると一応変な人が入らないようにしているらしい


 「こちらに座ってください」


 案内されたところで、椅子に座らされて、いくつか質問をされる


 まず何のために来たのか、犯罪歴はないか、身分を証明するものはあるかなど、簡単なことだけだったので、すぐに終わる


 「馬車はどうしますか? 多分この時間なら空いてるところ少ないかもしれないですけど」


 宿にはそれぞれ馬車を置くところはあるが、それにも限りはある、なので夜遅い時間になると空きもなくなる


 「それじゃあ、ここにおいていいですか?」


 ここに馬車を止めるのは確実に空きはあるがその分、荷物などは自分たちでもっていかないといけない


 「了解、じゃあ、これに書かれてること書いて」


 そう言って、一枚の紙を差し出され、それに必要事項を書いていく


 「はい、おっけい、それじゃあ改めて、ようこそ、ガルシア王都へ」


 手続きを終え、いよいよ王都へと入っていく


 「おお、思ったよりもまだ明るいね」


 結構夜遅い時間なのだが以外に空いてる店は多いようだが、少しのぞいてみると大体は酒飲み場、中はがやがやとうるさいが以外に若い人も多かった


 「飯を食うところは問題なさそうだな」


 「そうだね、それよりも疲れたから早く休みたい・・・」


 馬車での長時間の移動で疲れたので、少しでも早く休みたい、なのでご飯よりも先に宿の心配をする


 「宿は、いま手元にある金は銀貨が約十枚、これじゃあろくな宿は取れないんじゃないか?」


 前に聞いた話では王都の宿は一番安くて銀貨六枚、だがそんなところ泊りたくはない


 「今あるお金でとれる一番いい宿をさがそ!」


 少しでも早く宿を探さないと空きがなくなるかもしれないので、すぐさま行動に移す


 「・・・これで四件目、どこも空き部屋はないね」


 そこら辺の人に話を聞いて銀貨十枚で泊まれるところはあるかどうかを聞いて、そこに行ってみるが、ことごとく満室であり、泊ることができない


 「このままじゃ、野宿になるぞ・・・」


 止まるところがない以上、また野宿になるが、そんなのは絶対に嫌なので、何としても宿を探すことにする

 

 「はあ、ちょっと休憩・・・」


 さすがに疲労もたまっているので、少し腰かける


 すると


 「お二人さん、どうしたんですか?」


 「ん?誰だ?」


 いきなり話しかけられ、反射的に神代君が警戒したように答える


 「ああ、失礼しました、ここを通りかかったときに、たまたま目に入りまして、見慣れない服装なので、旅の方かなと思いまして」


 話しかけてきた男の人は神代君が警戒しているのがわかったのか、手を上げて何もしないといった態度を見せる


 「そうなんです、ちょっと遠いところから来たんですが、お金が無くなっちゃって」

 

 ただ、私にはただ親切で話しかけてきたように感じるので、男の人の言葉にこたえる

 

 「それは大変でしたね」


 「はい、それで、やっと、大きな街についたんですけど、どこかに泊まるお金もなくて、ここでどうするか考えていたんです」


 満足のいく宿に泊まるにはもう少しお金がいるが、持っている素材を売るところはすでにしまっているので、お金を手に入れる手段もない


 くぅ~~


 話し終わると同時に、おなかから音がする


 (そ、そういえば何も食べてなかった・・・)


 おなかがなったことが恥ずかしく、顔が赤くなるのがわかるくらい熱くなる


 「あはは、おなかすいてるんですね」


 おなかの音を聞き、笑いながらそう聞いてくる


 おなかは空いているがお金はない、なので恥を忍んでお願いしてみる

 

 「はい、お金が全くないので、食べるためのお金もないんです、、お願いします!何か食べ物を恵んでくれませんか!!」


 「おい!」


 「なにかな?」

 

 神代君が私の言葉をさえぎってこようとしたが、それに対して神代君をにらんで返す

 

 「うっ、いや」


 「もとはといえば、君が、無駄に食べ物を買って、それを子供たちに上げるから、自分たちの分がなくなっちゃったんでしょ!!」

 

 少なくとも、神代君が私たちが今日一日でも過ごせるお金を残しておけば、こんなことにはならなかった、なので何か言われる筋合いはない


 「、、、、それに関しては、すまない」


 「まあ、もういいよ」


 「まあ、とりあえず、どこか店に入りましょう」


 神代君と少し空気が悪くなって黙っていると、男の人が口を開く


 「!!いいんですか?」


 「ええ、こちらも少し小腹がすいていたので、ついでにどうぞ」


 「ありがとうございます!!」


 幸運な出会いに感謝して、男の人についていく


 その後、男の人、ルークさんに話をきき、結局素材をギルドに売りに行くことはできなかったが、ルークさんが素材を買い取ってくれたので、お金の方は問題が解決し、ついでに宿の方も紹介してくれた


 「それでは、またどこかで縁がありましたら」


 「はい、ありがとうございました」

 

 ルークさんと別れ、私たちはそれぞれ宿の部屋へと戻っていく


 「とりあえず、明日のお昼に下で集合しましょう」


 「そうだな、ふぁー、さすがに疲れたな」


 「ええ、それじゃあ、お休み」

 

 「ああ」


 神代君もつかれているようで、眠たそうな顔をしながら部屋へと入っていく


 「ふう、よかった、結構いいところ取れて」


 この宿は意外に値段が高かったので、あまり客もいないし、綺麗な内装なので、ゆっくり休める


 「まずは、明日なにしよっか、な・・・」


 明日からの予定を決めようとベッドに寝ころんだ瞬間に、一気に疲れによる眠気が襲ってきて、すぐに眠りについてしまう

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ