表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第3章  異世界人   
77/128

お金の価値とは

・74・

side:神薙 カホ



 翌朝、目覚めると、もうすでにアイラさんは部屋にはいなく、出発した後だった


 「アイラさんがある程度お金を置いていってくれたけど、これってどれくらいなんだろう?」


 今、手元には初めにケニスさんにもらったお金と、アイラさんが置いていってくれたお金、量で言えば結構あるのだが、こちらの世界のお金の価値がわからないのでこの量でどれだけ生活していけるかわからない


 「うーん、わからないな、聞いてみるか」


 「そうだね」


 わからないのなら、聞くのが一番、なのでさっそくこの宿の店員に聞いてみる


 「すいませ~ん」


 見回して、丁度暇そうな店員を呼んで、質問をする


 「今時間ってありますか?」


 「は~い、だいじょうぶですよ~」


 話しやすそうな店員で少し安心し、お金について聞いてみる


 「お金の価値について聞きたいんですけど」


 「あ~、おっけ~です、全くわからない感じですか?」


 「はい」


 どうやら田舎で暮らしている人たちは物々交換で生活している人もいて、お金の価値を知らない人は多少はいるらしい、なので私たちが知らなくても全然不思議そうにはしていなかった


 「一番小さい価値が銅貨、普通のパンで銅貨十二から十三枚くらいだね」


 パンが銅貨十二枚ということは銅貨一枚、地球でのだいたい10円くらいの価値だろう


 「で、この銅貨が百枚と、こっちの銀貨一枚が同じ価値ね」


 枚数のきりがよくてわかりやすい、銅貨が10円、銀貨が1000円ということになる


 「で、銀貨百枚で金貨一枚と同じね」


 「なるほどです、これ以上ってありますか?」


 今の手元には金貨が数枚、銀貨が数十枚、あとは銅貨がたくさんある


 「一応あるけど、一般人には関係ないから、気にしなくていいと思うよ」


 「わかりました、ありがとうございます」


 「いえいえ~」


 「あ、ちなみにこの宿っていくらしますか?」


 「え~っと、一泊食事付きで銀貨三枚、宿の値段としては平均的かな」


 「意外と、安いんですね」


 銀貨三枚、ということは日本円で3000円、あまり相場はわからないが、それほど高いってわけでもないだろう

 

 「あとは聞くことある?」


 「えーっと、あ、ちなみに王都の宿も同じくらいですか?」


 念のために王都での宿の値段についても聞いておく


 「あ~、王都は高いよ」


 「え、どれくらいですか?」


 「まあ、安いところもあれば、高いところもあるからね、一番安くてだいたい銀貨六枚だったかな」


 どうやら王都の宿は値段が一番安くてもこの宿の倍ほどするらしい

 

 「しかも、個室なし、食事なし、男女一緒の雑魚寝だから女性にはお勧めしないよ」


 「本当ですか・・・、それじゃあ、どの宿にしようか・・・」


 正直言って、どの宿に泊ればいいかなんてわからない、アイラさんがいてくれたら、そこのところはやってくれるのだが、今はいないので、そこから自分たちでやらなければいけない

 

 「ごめんね、知ってたらおすすめの宿とか紹介したいんだけど、あいにく王都にはいったことないからわからないわ」  


 「大丈夫です、頑張って探してみます!」


 まず王都でのやることも一つ決まった


 「ありがとうございました、もう大丈夫です」


 店員にお礼を言って、改めて王都に行ってすることを整理する


 「やることは・・・まずは宿探し、それからお金稼ぎかな?」


 「そうだな、アイラさんは学園に行くのもいいって言ってたが、それは王都での生活が安定してからにした方がいいか?」


 「そうだね、学費とかは確かいらないって言ってたけど、いろいろ買うものとか多そうだしね」


 入学費、授業料は一切かからないらしいが、制服や、教科書などはさすがに自分で買わなければいけないのではないかと思うので、学園に行くのはお金に余裕ができてからの方がいいだろうということになる


 「それじゃあ、まずは王都についてからはいい感じの宿を見つけて冒険者として暮らす、余裕ができたら学園に行くって感じでいいか?」

 

 「うん、最悪学園はいかなくてもいいかも」


  あくまで王都での目的は私たちの力をつけるため、どれくらい王都にいるかわからないが、もしかしたら意外に早く王都を発って勇者探しの旅に出るかもしれない


 「そうだな、それじゃあ、行くか」


 ある程度の王都での行動も決まったので、さっそくこの街を去ることにする


 「はじめは俺が馬車を操縦するけど、できるかわからないからすぐ変わってもらうかもしれないぞ」


 「了解、じゃあ何かあったら呼んでね」


 私は一応長時間アイラさんの隣で見てたり、実際にやっていたので、神代君よりかは操縦ができると思うので、何かあったら交代することにする


 そこからの道のりは、操縦を後退しながら進んでいき、特に問題といった問題は起こらなくて、たまに魔物を狩って、素材をはぎ取ったり、なんとか二人で野宿の練習をして夜を過ごしながら、一つの村に到着する


 「あれ? 地図にはこんな村乗ってないけど?」


 地図を確認しても、さっきの街から王都までの道のりに村など書かれていない


 「もしかして、道間違えたか?」


 「その可能性、あるかも」


 結構ここまでの道のりは分かれ道が多かった、もしそれを1つでも間違っていると王都への道のりを外れてしまい、違う方向に行ってしまう


 つまり、今到着したこの村は王都とは別方向にある村ということになるが


 「どの村だろう?」


 地図を見ても、王都の周りにはこのような村はいくつかあるので、どの村かどうかわからない


 「聞いてみるか?」


 「その方が早いかな」


 自分たちで考えていても分からないので、この村の人にここはどの村かを聞くことにする


 「って言っても、人いなくない?」


 ぱっと見、村を見渡しても誰も外に出ていない、なので近くの家をノックする


 「はいはーい」


 「!!」


 ノックをした家から出てきた人の見た目にびっくりする


 「ん? どうしたの?」


 その人の頭には、猫のような耳、そしてお尻にはしっぽがついており、とても不思議な見た目の人が出てきた


 「もしかして、猫獣人を見たの初めて?」


 不思議そうに頭やしっぽを見ていたら、向こうから言葉がかかる


 「はい、すいません」


 目の前の人は猫獣人という種類の人種らしく、私との違いは猫の耳としっぽがついているだけだ


 「全然いいのよ」


 いきなりで失礼だったなと思ったが、向こうの反応を見るにまったく気にしてはいなかった


 「それよりも、どうしたの?」


 「あ、そうでした、あのここってどこですか? 王都に行きたいんですけど、道に迷ってしまって」


 「あら、そうなの? ここはスワッツ村よ、地図持ってる?」


 案の定、村の名前を聞いてもどこかわからなく、それを向こうが感じ取ったのか、地図で場所を教えてくれる


 「スワッツ村はここ、ここから王都に行くにはこの道ね」


 そう言って、この村の場所と、王都への道も教えてくれる


 「あれ? 遠回りするんですか?」


 教えてくれた道を見てみると、所々遠回りしているところがあった


 「こことここの道は通らない方がいいわ、よく盗賊がでるから、危険よ」


 「へ~、そうなんですね、盗賊ですか、考えてなかったです」


 考えていなかったというか、そもそもそんなものいることを知らなかったので、盗賊などは警戒していなかった


 「ありがとうございました」


 猫のお姉さんにお礼を言って、別れようとすると


 ドシン


 「うわっと」


 いきなり地面が揺れて、少しよろける


 「! 二人とも入って!!」


 さっきの揺れは何かと思っていると、二人はいきなり猫のお姉さんに手を引っ張られて家の中に入れられる


 「しっ! 音を立てないで!」


 どうしたのか聞こうとした瞬間に口を押えられて、音を出さないように言われる


 それから数分、揺れが続いた後だんだんと収まっていき、完全に収まってから猫のお姉さんが立ち上がる


 「もう大丈夫、いきなりごめんね」


 「なんだったんですか?」


 はじめはいきなりの出来事に少しびっくりしたが、じっとしているうちにだんだんと落ち着いてきたので、今は冷静になる


 「オークの群れよ」


 「え、今のがですか?」


 ということは、今さっきの揺れはオークが何かしている音ということになる

 

 「この辺りに、ネームドのオークが生まれてね」


 「確か、ネームドって・・」


 ネームドとは、ごくまれに魔物の群れの中で変異種が生まれ、その魔物に対しての名称である


 アイラさんの話では、ネームドは普通の魔物とは違い、非常に強力で、一番弱い種類のネームドでさえ、アイラさんは勝てるかどうかわからないくらいに強力であるらしい

 

 「それって、大丈夫なんですか?」


 「ええ、幸いにも私たち獣人はオークには狙われにくいの、だから家の中でじっとしていれば襲われることはないと思うわ」


 「それなら、まあ、安心ですか?」


 じっとしていれば襲われないのなら、多少不安ではあるが危険は少ないということだ


 「まあ、じっとしていたらね、それよりも、オークの群れが近くに来たってことは・・・」


 「? どうしたんですか」


 何やら猫のお姉さんはとても深刻そうな顔で悩んでいた


 「村の周りには、結界石っていうのが置いてあってね、基本的に魔物がこの村に入ってくることはできないんだけど」


 「入ってきてましたね・・・」


 「ええ、ということは結界石に問題が生じたってことね」


 「問題ですか?」


 「オークたちに壊されたか、単純に効力がなくなっただけかも」


 「それなら、もう一回発動できればいいんですか?」


 「そうなんだけど、それには結界石をとりに行かないといけないの」


 この村に張られている結界を、再び発動するには、新たに鉱石をとってきてそれを加工しなければいけないらしいが


 「今この村には戦える男がいないの、だから、そもそも鉱石をとりに行くことができないのよ」


 その鉱石がある場所は魔物が出る、なのである程度戦えないととりに行くことができない


 「本当なら結界が切れる前に取りに行きたかったんだけどね」


 取りに行きたかったが、戦える人がいないから取りに行けなかったということだろうか


 「冒険者に依頼とかはしなかったんですか?」


 「依頼を出すにしても、依頼料とかかかるからね、それを払うお金はこの村にはないわ」


 依頼を出すにしても、さすがに報酬がないのなら、だれも受けないだろう、なので今まで取りに向かうことができなかったようだ


 「それなら、私たちが行きます」


 どんな魔物がいるかわからないが、オークに襲われにくいというだけで、襲われないというわけではない、このままではずっとネームドにおびえながら暮らさなければいけないこの村の人たちがかわいそうだと思い、自分がその鉱石のところまで行くと提案したが


 「だめよ」


 すぐさまそれを止められる


 「な、何でですか?」


 「危険だからよ、そんなところにたまたまここに立ち寄っただけのあなたたちを行かせるわけにはいかないわ」


 「それでも、誰かが行かなきゃ、この村は」


 「ええ、いずれ滅ぼされるわね」


 「それなら・・」


 「それでも、貴方たちに行かせるわけにはいかない、さ、この話はおしまい」


 猫のお姉さんが手をたたいて話を終わらせる


 「まだこの近くにオークたちがいるかもしれないから、今日は止まっていきなさい」


 「・・・」


 どうすべきか考えていると


 「放っておけないか?」


 後ろから神代君から声をかけられる


 「うん、もし私たちがここで何もせずに村を後にしたら、後々この村が滅びるかもしれない、そんなの嫌でしょ」


 「そうだな、よし、それじゃあ行くか」


 どうやら神代君も私と同じ気持ちらしく、この村を放っておけないようだ


 「夜、あの人が寝た後、行くぞ」


 「了解」


 猫のお姉さんが起きているときに行こうとすると、絶対に止められる、なので寝静まった後に、行くことにして、それまではお言葉に甘えて休ませてもらう

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ