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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第3章  異世界人   
76/128

友人との別れ

・73・

side:神薙 カホ



 決意を決めた後、アイラさんに言われた通り、一階に降りていく


 「お待たせしました」


 下に降りたら、すでに二人とも降りてきていたので、急いで席に着く


 「いえ、私たちもさっき来たばっかりよ、それよりも、今後の話をするわよ」


 「わかりました」


 とりあえず席に着くと、アイラさんが店員を呼んで料理を適当に頼んでいく


 「飲み物は何がいい?」

 

 「えっと、甘いものをお願いします」


 「俺は何でもいいですよ」


 「そう?それなら適当に頼むわね」


 アイラさんが注文を終えて、いよいよ本題に入る


 「まず初めに、明日からは少し別行動になるわ」


 「別行動、ですか?」


 「少し、やることがあるの」


 そういって、アイラさんは地図を広げる


 「私が用があるのはここ」


 アイラさんが指をさして示した場所はここから王都までとは逆方向になる一つの町?のような集落であった


 「この辺りは、周りの魔物が強いから、貴方たちを連れていくことはできない、だから、この街からは別行動になるわ」


 「わかりました・・・」


せっかくこっちの世界に来て仲良くなったのに、ここでお別れと言われて、少し寂しい気持ちになる


 「ちゃんと戻ってくるから、安心してね」


 どうやら、この街からは別行動になるが、ちゃんと用事が終われば戻ってくるそうなので、少しホッとする


 「わかりました、それじゃあ、私たちは予定通り王都に向かいます」


 「了解、多分どこにいるかどうかはわかると思うから、こっちから迎えに行くわね」


 なにかしら、アイラさんには私たちを見つける方法があるようで、合流できないということはないらしい


 「この街から、王都までの道のりでは、二人でも十分戦えるから、なるべくたくさん戦うようにしておくといいよ」


 早く勇者を見つけて、みんなを元の世界に返そうと思うと、自分の強さもある程度必要であると感じるので、ここからはなるべく多くの経験を積んでいく必要がある


 なので、アイラさんに言われるまでもなく、戦うつもりではあった


 「あと、倒した魔物は、できるだけ素材を取っておくといいわよ」


 「素材を?」


 「ああ、そっか、やったことないよね」


 アイラさんは、私たちがこの世界の人ではないということを知っている


 なので、魔物から素材をはぎ取ったことがないと言われても何も疑問には思っていない


 「まあ、難しいことはないわ、基本的に人型の魔物なら、牙、耳、目、あとは心臓のところにある魔石が素材になるわ」


 「人型以外は?」


 「基本的にあまり素材は残らないから、適当にとるといいわ」


 人型以外は、私たちが今回通るところでは、スライムぐらいしか出ないらしく、ほとんど倒す意味もないらしいので、無視してもいいらしい


 そこからは、アイラさんと話し合って、王都で何をしたらいいか、どこに向かったらいいかを到着した料理を食べながら決めていく


 「とりあえず、王都についてからは、学園に行くか、そのまま魔物を狩るかを決めればいいんですね?」


 「まあ、おおむねに言えばそうね、それは自分でやりたい方を選べばいいわ、どっちも今後の役に立つからね」


 学園に関しては、だれでも入れて、学費もいらないらしいので、行ってみるのもありかもしれない


 「神代君はどうする?」


 「うーん、一回、その学園に行ってみてから決めてもいいかもな」


 「そうだね」


 「それじゃあ、ご飯も食べ終わったことだし、冒険者ギルドに行こうか」


 神代君の冒険者登録、そして私の冒険者カードを受け取るためにギルドへ向かう


 そして、自分のカードを受け取った後、そこでいろいろな話を聞きながら、神代君のカードが完成するのを待つことにする


 「ここらへんで出る魔物ってどんなものがいますか?」

 

 まず初めに、この辺りでどんな魔物が出るのかを聞くことにする


 「ここら辺なら、基本的にはゴブリン、ゴブリンチーフ、スライム、ごくまれにオークが出るくらいですね」


 前半の三種類に関しては私たち二人でも十分に倒せるだろうと、アイラさんに言われているが、もしオークに出会ったら、戦うことはせずに逃げるよう言われた


 「オークと戦ったら、勝てませんか?」

 

 「んー、基本的に負けることはないけど、勝てもしないって感じかな?」


 アイラさんが、オークについての説明をしながら、その理由を教えてくれる


 オークには、種族固有の能力として、魔法耐性を持っているらしく、私と神代君だけで戦うのなら、私は何もできることはなく、神代君の一対一になるので、勝てる可能性は低くなるらしい


 ただ、オークは動きが遅くて、逃げるのなら全然問題はないらしいので、出会ったら逃げるようにすれば何も問題はないと言われた


 素材については、アイラさんに教えてもらったこと以外は別に知りたいことはないので、ほかのことを受付の人に質問する


 「えっと、聞いておきたいこと・・・」


 どんなことを質問しようかと思ったが、特に思いつかない


 「なにか、気を付けておくことってありますか?」


 とりあえず、冒険者としての注意点を聞いてみる


 「そうですね・・・冒険者のルールは知っていますか?」


 「ルール・・・すいません、わからないです」


 そういえば、最初に来た時に、冒険者にはルールがあると言われてその時は詳しくは聞かなかったが、今は時間があるので聞いておくことにする


 「まず一つ、冒険者同士での過度なトラブルはパーティー内でも一切禁止されています、もし見つけた場合、双方の冒険者としての資格をはく奪させていただきます」


 昔は、このような制度はなかったらしいが、あまりにも冒険者同士での無視できないトラブルが多発した結果、急遽できたらしい


 「もう一つ、基本的に冒険者の得物を横取りするのは禁止です、ただ、その冒険者が危ないなと思ったら、別に助けに入ってもいいですし、助けなくてもいいです」


 「助けなくても、いいんですか?」


 「ええ」


 あくまで冒険者としての活動は自己責任、なので目の前で危険な状況に陥っても、それを助けるかどうかは強制ではないらしい

 

 「それで、恨まれたりはしないんですか?」

 

 「まあ、普通の人ならそんなことはないですね、みんなわかってますし」


 「普通の人なら・・・」


 「安心してください、そういったことで逆恨みしてくる人はそもそも冒険者になんかなれませんし、その場合は身の安全を確保してくれたらいいですよ」


 あくまでルールで禁止されているのは冒険者同士のトラブル


 どちらかが冒険者でないのなら、それはもう自己防衛になるので、遠慮する必要はないらしい


 「その場合の殺傷は基本的に犯罪にはなりませんが、それを見分ける方法もあるので、ご注意を」


 あくまで自己防衛でなら殺傷もいいですよという意味だろう、それ以外なら犯罪になり、冒険者としての資格を失う


 「もし、冒険者としての資格を失うとどうなるんですか?」


 「そうですね、簡単に言うと、楽には生きれませんね、剥奪された時点で何か問題を起こしたことは確定していますから、それだけで変な目で見られますよ」


 冒険者としての資格を剥奪された時点で、世界中のギルドにその情報が送られ、各地区の領主にその情報が送られる、なので、基本的に冒険者ギルドがある街では普段通りには生活することはできなくなる


 「まあ、普通に生きていたら、関係ないことなので、気にしないでいいですよ」


 「それもそうですね」


 資格を剥奪されるようなことはする気はないし、今後することはないと思うので、頭の片隅に置いておく程度に覚えておくことにする


 「ありがとうございました」


 「はいは~い、また聞きたいことがあれば聞いてくださいね~」


受付の人と別れて、神代君のところに戻っていく


 「登録は終わった?」


 「ああ、あとはカードを受け取るだけだ」


 「どれくらいかかるか言われた?」


 「すぐにできるって言ってたぞ」


 どうやら、この時間帯はあまり人がいないので、すぐに手続きをしてくれるようで、待ち時間はそれほどないようだった


 「それじゃあ、今日はそれを受け取ったらもう休みましょうか」


 「わかりました」


 それから少し待って、神代君のカードを受け取って、宿へと戻ってくる


 「それじゃ、お休み・・っと」


 アイラさんは明日の早朝からこの街から発つようで、まだ早い時間だが、休むようだが、自分の部屋に行く途中で立ち止まり


 「カホ、馬車の操縦はできそう?」


 「はい、何回か練習したので、大丈夫だと思います」


 「それなら安心よ、ここでお別れになるけど、元気でいるのよ」


 「お元気で、待ってますから、絶対に戻ってきてくださいね」


 「あはは、そんな心配そうな顔をしなくても、言った通りすぐに戻るって」


 もしかしたら、先ほどは私たちを安心させるために嘘をついてすぐに戻ってくるといったのではないかと思っていたが、どうやらこの表情を見る限り、ちゃんと戻ってきてくれそうなので、安心する


 「それじゃあ、アイラさん、気を付けて」


 「ええ、君たちも気を付けてね」


 初めてこっちの世界でできた友人と別れ、二人は王都へと向かう

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