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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第3章  異世界人   
74/128

はじめての魔法

・71・


side:神薙 ミホ



 「ううん・・・」


あまりよく寝付けなくて、気持ちのいい朝ではなかったが、少し体の疲れは取れた感じがしたのでまあ良しとする


 「おはよう、その感じだと、あまり寝付けなかった?」


 「はい、あまり眠れなかったです・・」


 「まあ、初めてならそういうもの、何度もしていたらなれるから大丈夫よ、それより、何か食べたらすぐに出発するけど、いけそう?」

 

 「はい」


あまり眠れなかったが、お腹は空いているので、馬車から降りて火の近くに座る


 「神代君、おはよう」


 「おはよう、その顔はそっちもあまり眠れなかったのか?」


 「うん、そっちも眠れなかった?」


どうやら神代君もちゃんと眠れなかったようで、少し疲れたような顔をしていた


その後、アイラさんが作ってくれた野草のスープとパンを食べて、少しした後に馬車に乗り込み、王都に向けて出発する


そして、出発してから少し経ってから


 「このまま行ったら、明日には危ないところは抜けるから、そこで一回魔物と戦ってみる?」


アイラさんからそう提案される


 「やっぱり、戦っていた方がいいですか?」


 「まあ、ある程度戦えるようにはしないと、この先苦労すると思うよ?」


 「そうですよねえ」


王都に行ってから、いずれは戦って、訓練しろとケニスさんに言われているので、アイラさんがいるこの場面で戦ってみるのはいいかもしれない


 「じゃあ、私たちでも戦えそうな魔物がいたら、戦ってもいいですか?」


 「もちろんよ」


まあ、すぐには戦うことにはならないので、とりあえず剣の感触を確かめておく


 「剣は振ったことはあるの?」


 「いえ、ただ一度だけ、剣は持ったことはあります」


こっちに来る前は、家が剣を教えている家系だったので本物の剣、刀は触ったことはあるが、実際にふるったことはない


 「確か、神代君の家はも剣教えてたよね?」

 

 「ああ、特にやることもなかったし、一応やってただけだから、そこまでだけどな」


神代君の家も、剣を教えてて、神代流剣術という名前で結構有名だった気がした


 「私は兄弟がいたから、私はほとんどやらされはしなかったかな」


私の家の剣術は体格的に女性ではあまり扱いづらいらしいので、私が教えてほしいと言わない限り無理やりやらされるということはなかった


反対に兄と弟はほとんど毎日道場にこもって剣を振っていたのをみて、女でよかったと思うことはよくあった


 「まあ、今となってはやっててもよかったと思うけどね」


今考えても仕方がないが、少しでも習っていれば今この状況で役に立っただろう


 「過ぎたことは仕方ねえよ」


 「まあ、そうだね」


こんなことになるなんて普通は思わないし、仕方のないことだろうと思うことにする


 「カミシロくんは多分、魔法よりも剣の方がいいと思うけど、カホはどうする?」


魔法を習うなら、その分、剣術にはあまり時間を割けないので、経験者の神代君はそのまま魔法よりも剣を伸ばす方がいいらしいが、私は剣術に関しても魔法に関しても初心者なので、どっちを選んでもいいらしい


 「今後、カミシロ君と一緒なら、魔法の方がいいかもね」


バランス的に言えば、近接一人、遠距離一人で、アイラさんが遠近両方、臨機応変に戦うのが一番理想らしいので、消去法で特に何も経験がない私が遠距離になればいいだろう

 

 「それなら、魔法を教えてください」


 「了解よ、って言っても魔法がある程度慣れてきたら剣にも慣れていってね」


遠距離専門でも、ある程度近接をできないと近づかれたら何もできなくなるので、少しは剣も触っておいた方がいいらしい


 「はい、初歩的な魔法の本よ、とりあえずこれに目を通しておいて」


アイラさんから本を一冊受け取り、それを開くが


 「え、アイラさん、これ全く読めないんですけど・・・」


本に書かれている文字は、文字と呼べるのかわからないものしか書かれていなく読めそうもない


 「うん、大丈夫よ、そういうものだから」


アイラさんが渡してきたのは、魔法の本というもので内容は一切読むことはできないが、すべての文字に目を通すとその魔法が使えるようになるものらしい


 「だから、一文字も読み飛ばしちゃだめだからね?」


 「は、はい」


もし一文字でも読み飛ばしてしまうと、また一から読まないといけないので、集中して読まないといけない


 「それが初歩的な魔法を覚えるのに一番楽だから、我慢してね」


初歩的な魔法に関しては、これ以外にも魔術書などで覚えることもできるが、それだと魔法の本よりも多くの時間がかかってしまうので、これに関しては魔法の本の方がいいらしい


 「ほかの魔法に関してはゆっくり私が教えていくわ」


 「はい、それじゃあ、まずはこれ読んでおきますね」


幸い、一つの魔法についてはそれほど量は多くないので、まだ集中すれば読みきれるだろう


それから数十分後


 「ふう、終わった・・・」


やっと一つの魔法に関して読み終わり、伸びをする


 「お、読み終わった?」


 「はい、なんとか」


 「疲れたでしょ? いったん休憩するといいよ」


 「そうします」


一つだけでも結構疲れたので、次の魔法に行く前に少し休憩することにする


 「ふぅー」


ため息をついて体の力を抜く


その間、神代君は何をしていたのか気になり荷台の中を覗き込むと


 「ん? どうした?」


彼は剣を数本並べて悩んでいた


 「何してるの?」


 「いや、ケニスさんから剣は数本もらってたんだけど、どれを使うか迷っててな」


どの剣を使うか迷っているようだったが、私から見て、その数本の違いは全く分からなかった


 「どれでもいいんじゃない?」


 「いや、意外と重心が違うから、ちゃんと選ばなきゃいけないんだ」


 「へえ~、難しそうだね」


 「そうでもないぞ? まあ、極端に言えば振りやすいか振りにくいかだからな」


よくわからないので、気にせず休憩することにする


休憩をした後、続きの魔法の書を読んでその後休憩するということを数回終えて


 「アイラさん、終わりました」


 「お、意外と早く終わったのね」


どうやら私は意外に文字を読むというのが好きらしく、まったくこの行為が苦にならなくて、すぐに終わrせることができた


 「それじゃあ、一回魔法使ってみよっか」


そういえば、本当に読み終えているのか確認するのを忘れていた


 「どんな魔法なんですか?」


そもそも、呼んでいたものがどういった魔法なのかもわからなかったので、確認のしようもなかった


 「あ、そうだったね、その本の順番で言うと【ファイアボール】【ウォータ】【ウィンドアロー】【ロックバレット】ね」


 「それで、使い方はどうすれば?」


 「手を貸して、そして手に集中して」


アイラさんに手を握られ、その手に意識を集中させる


すると、だんだんと手元がなんだか暖かくなってくる


 「何か感じる?」


 「えっと、なんだか暖かい気がします」


 「うん、それで大丈夫、暖かいのはそこに魔力がたまっているってこと、この状態で頭でさっきの魔法を思い浮かべて」


 「思い浮かべて・・・」


 「【ファイアボール】なら火の球を、【ウォータ】なら水を【ウィンドアロー】なら風の矢を【ロックバレット】なら石の礫を」


その言葉通りに、まずは頭の中で【ファイアボール】、手のひらサイズの火の球を思い浮かべる


 「思い浮かべた? そしたら手を前に向けて、その名前を読んで」


 「【ファイアボール】!」


それを唱えた瞬間、手からピンポン玉サイズの火の球が飛び出ていく


 「できた!」


 「うん、初めてにしてはよくできてるわね」


初めて魔法を唱えて、実際に発動できるのは意外と難しいことらしい


 「それを何度も何度も練習して、考えなくても名前を叫ぶだけで発動できるようになれば一人で弱い魔物と戦えるくらいかな」


焦っていてもすぐに魔法を出せるようにしておかないと戦いの中では使い物にならないらしいので、何度も練習する必要があるらしい


 「とりあえず、ほかの魔法はいいから、【ファイアボール】をある程度慣れるまで使っておいて」


 「わかりました」


複数の種類の魔法を練習するよりも、ひとつづつ慣れていく方がいいらしいので、その言葉通りに練習していく


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