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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第3章  異世界人   
72/128

夜明けまでの時間

・69・

side:神薙 カホ



モエと別れて、ケニスさんのところへ向かう


 「話は終わりましたか」


 「はい」


すでに神代くんもいて、準備も終えていた


 「それじゃあ、すぐに出発しましょう、あまりここに長くいて誰かに見つかっても困りますし」


ケニスさんから荷物を受け取り、裏口に向かっていく


 「神薙は、本当に来てもよかったのか?」


神代くんは、私がモエと仲がいいことも、モエの性格も知っているからそれについての心配をしているのだろう


 「うん、もう大丈夫、それよりもそっちは?」


 「俺か?」


神代君にしても、あまり知らないが、仲がいい人はいるだろう、なので、そっちはいいのか聞く


 「まあ、友好関係は広く浅くって感じだからな、特別仲がいいってやつはまあいるにはいるが別に大丈夫だ」


まあ、彼自身が大丈夫だというのなら、それ以上何も言うことはない


 「それでは、わたしがついていけるのはここまでです」


ケニスさんの案内はここまでのようで、これから私たちがどこに行けばいいかを教えてくれる


 「まずは、ガルシア王都と言われる、この世界で一番大きくて安全なところに行って、ひとまずはある程度準備をしてください」


地図を渡されて、そこにはガルシア王都と書かれているところへの道筋が書かれていた


 「どんな準備をすれば?」


何をすればいいのかもいまいちわからないのでそれを聞いてみる


 「あそこの周りはあなたたちレベルの人たちでも倒せる魔物が多くいるので、まずはある程度レベルを上げてください」


この辺りの魔物は、けっこう強い魔物が多く、今の私たちでは強い人と一緒でなければ危険らしいので、ガルシア王都というところに行くのがいいらしい


 「それに、そこには一人勇者もいますので、探してください」


 「もし見つけても、ついてきてくれますか?」


 「まあ、ほかの勇者はどうかはわかりませんが、その一人は大丈夫です、私の知人であるので、私の名前を出せばあなたたちについていくと思います、一応、この手紙を渡しておきますので、困ったら渡してください」


 「わかりました、それじゃあ、行ってきます」


 「どうかお気をつけて、もし何か困ればこの魔法をモエさんに向けて使ってください」


ケニスさんから、魔法陣のようなものが書かれた紙を渡されて、その説明をされる


この魔法は、【メッセージ】と言われる、遠いところにいても、意思疎通ができる、この世界でのメールのようなもの


それをモエにも渡して、いつでもモエと連絡できるようにしてくれるらしい


 「この地図の通りに行くとすると・・・」


地図を読むのは神代くんに任せることにして、私は周りの警戒をしながら進んでいく


 「歩いていくの?」


 「いや、少し進んだところに馬車に乗れる村があるらしいから、そこから王都まで連れて行ってもらおう」


さすがに地図で見ても、縮尺はわからないが結構距離は離れているので、歩きで行こうとは思えない


なので馬車にのると言われてほっとする


そこから、別に盗賊に襲われたり、魔物に襲われたりということは一切なく、目的の村に到着する


 「それじゃあ、ちょっと話してくるわ」


神代くんが、馬車に乗れるかどうか聞いてきてくれる


 「結構、ぼろぼろ・・・」


周りの家や、その周辺を見てみると、どこもかしこもボロボロであった


ただ、見た目的には壊されたとかではなく、ただ風化したようなボロボロさだった


 「あら、旅人かい?」


辺りを見ていると、後ろの方から声をかけられる


 「あ、こんにちは、ちょっとガルシア王都に向かってて」


 「あらまあ、そんな遠いところ、何しに行くの?」


やっぱり、ここから目的地までは遠いようだ


 「うーん、ちょっとむこうに用事があって」


 「そうなの」


その後、ちょこっと、ここら辺の話を聞いて、夜はあまりこの村の外は出歩かない方がいいらしい


なんでもいつも森の中から魔物は出てくることはなかったのだが、最近になってなぜか森の外まで出てきているらしい


 「村は大丈夫なんですか?」


 「まあ、そこまで強い魔物は出てきていないから、、私たちでも倒せるわよ」


 「へえー、そうなんですか」


このお姉さんは、体が細く、見た目的には運動はしないような感じだが、そんな彼女でも倒せるなら、自分でも倒せるのではと思う


 (まあ、ケニスさんにはここら辺では戦うなって言われてるし、やめとこ)


下手に魔物と戦って怪我でもしたら、到着も遅れるし、別にすぐに戦う必要もないので、その考えはやめておく


 「おーい」


と、そこで馬車について話し合いに行っていた神代くんが戻ってくる

 

 「あ、どうだった?」

 

 「それが、朝までは馬車は出せないってさ」


 「魔物のせい?」


 「ああ、そうだ」


今馬車を出せないとなると、まずは夜を明かすところを探さないといけない


 「夜明けまで、どれくらい時間があるの?」


 「さあ、いつ日が沈んだかもわからないし、そもそも今が何時かもわからない」


 「あら、今は日が沈んですぐだよ? 日が明けるのはまだまだ先」


 「そんな、それじゃあ、早く泊まる場所探そ」


まだまだ日が明けないのなら、寝る場所を探す必要がある


 「すいません」


 「ん? どうしたの?」


この村の人なら、宿屋などどこにあるかどうか知っていると思うので、聞いてみる


 「この村に、宿屋とか泊れる場所はないよ?」


 「え! ないんですか?」


なんとなく、この村はそこまで広くはないので、もしかしたらそういうものはないのではと思ったが、予想通りないようだ


 「それじゃあ、ほかにこの村に来た人とかはどうしてるんですか?」

 

 「んーっと、大体はそのまま通り過ぎてるね」


この村から、半日ぐらい進んだところにも村があり、そっちには寝泊まりできるところがあるようで、大抵の人はそっちに行くようだが


 「あなたたち、馬車が目的でしょ? それなら行かない方がいいわよ」


そっちの村には宿屋などはあるが、馬車の通り道ではないので、その村に行ってしまうと。馬車に乗ることはできないらしい


 「まあでも、行くしかないよな」


 「そうだね、野宿するわけにもいかないし」


さすがに野宿は虫もいるかもしれないしいやだ


 「私の家に泊っていきな」


どうするか迷っているとお姉さんが自分の家に泊めてくれると言ってくる


 「そんな、さすがに悪いので・・・」


さすがに泊めてもらうのは悪いと思い、断ったが


 「なんでよ、いいじゃない、お願い! 暇なの!」


どうやら、ただ見返りもなく泊めてくれるわけじゃなく、この村には若い人がほとんどいなくて、話し相手になってほしいらしい


 「あと、料理もできたらうれしいなあ」


こちらとしては、何か見返りを求めてくれた方が泊まりやすくなるので、もっと何かを求めてほしい


 「あとは・・・特にないかも、とにかく、私は暇なの、泊って行って!」

 

そういいながら、無理やり手を引かれて家に入れられる


 「あなたも入りなさい」


神代くんも無理やり入れられて、二人で椅子に座らせられる


 「何か飲む?」


椅子に座らせられ、飲み物を持ってきた後、お姉さんはずっと二人に話を聞かせてくる


 「それでね、私はこう言ったの、私はあなたのことは別に好きじゃないって・・・」


それからも長い時間恋バナを聞かされる、私はそういう話は大好きだが、神代くんのほうは、興味がないのか、途中から眠りに入っていた


 「それは完全にむこうが悪いじゃないですか!」


話しの内容については小さいころに告白された子を振ったことを逆恨みして、村中に変な噂を流されたという話であった


最終的にはその噂は全くの嘘ということがみんなに伝わったのだが、その間は結構苦労したらしい


 「それで、その噂を流した人はどうしたんですか?」


 「さあ? 私が村の人に聞いても誰も教えてくれなかったから、どんなことになったのかわからないわ、ただ、あの後から見てないし、村から追い出されたんじゃない?」


 「そんなの、当然ですよ!」


ありもしない噂を流され、一人の女の子を一時期ではあるが、不幸にしたのだから、追い出されても仕方がないだろう


 「あー、楽しかった!」


 「ねー!」


その後も、晩御飯を作っている間も、食べている間も話をして、眠たくなってきたので、修身の準備をする


 「それじゃあ、カミシロ君はこっちの部屋を使って」


この家には寝室は一つしかないので、そこは神代君に使わせて、私とこのお姉さん、アイラさんと一緒に居間で二人で眠ることになった


 「もっと話聞かせてくださいよ」


アイラさんはいろいろなことを経験していて、それに加えて話し上手、なのでいくらでも聞いていられる


 「うれしいわ、こんなにおしゃべりしたのはどれくらいぶりだろ」


そこから、夜遅くまでアイラさんの話を聞いて、気が付くと二人とも眠りに落ちていた


 







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