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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第3章  異世界人   
69/128

異世界召喚

・66・

side:神薙 カホ


 

チャイムが鳴ると同時に、教室のドアを開けて中に入る


 「おはよ~」


 「おはよ~、カホ、また遅刻するところだったね」


 「うん、昨日夜更かししちゃって、ふぁ~、まだ眠いや」


昨日の夜は、読みかけだった本を読み始めたら止まらなくて、気が付いたら夜中になっており、睡眠時間が少なくなってしまった


なので、席に座った瞬間に眠気に襲われる


なんとか寝ないように隣の席の、モエと話しながら、先生が来るのを待つ


 「ねえ、カホ?」


 「ん?どうしたの?」


 「宿題やった? 科学のやつ」


 「あー、あれね」


そういえば先週から課題として、出されていたものを思い出す


 「もちろんやってるよ?」


 「さっすが~」


モエは出されている課題をやってきたことは全くと言っていいほどないので、こんなやり取りは、ほとんど毎日やっている


そして


 「じゃあ、今日の帰りもおごりね」


 「わかってるって、いや~、優秀な友達がいて助かるよ」


課題を見せる代わりに、放課後何かをおごることで貸し借りをなしにしている


 「それにしても先生遅いね」


 「そうだね、どうしたんだろ」


いつもならチャイムが鳴りやむと同時に教室に来るのだが、今日はチャイムが鳴りやんでもまだ教室に来ていない


 「よんできた方がいいかな?」


 「そうだね、行ってみようか」


もしかしたら何か起こったのかもしれないので、様子を見に行くことにして席を立つ


すると、それと同時に


 「え? なに?」


 「わ、なんか光ってる?」


 「うわ、なんだ?」


教室にいる生徒が全員が急に光だす


 「か、かひょ、こ、怖い」


隣にいるモエは、結構なビビりであるので、いきなりの出来事にかなりおびえている

 

 「だ、大丈夫」


自分にもなにが起こるかわからないが、モエを安心させるために大丈夫だと言い聞かせる


 (何が起こってるの?)


自分とモエの体を調べるが、光っているだけで、特に何も変わりはない


 「なんか、ひかり、強くなってきてる?」


モエが体の変化に気付いて、自分に伝えてくる


確かに少しずつであるが、まぶしくなってきている


するといきなり


 「きゃっ!!」


目も明けられないほど光が強くなり一瞬目を瞑る


そして、目を開けると


 「え?」


 「なに、ここ?」


そこは、先ほどまでいた教室ではなく、豪華な広い場所に立っていた


 「よくぞ、召喚に応じてくださいました! 感謝いたします!」


現状を理解できないまま周りを見ていると、いきなり、王様?のような偉そうな人が口を開く


 「どういうことですか?」


混乱していると、クラスの委員長的ポジションの東雲アサヒが王様っぽい人に質問をしていた


 「さすがだね」


 「そうだね、こんな意味の分からない状況でも、冷静だし」


アサヒは私たちの代表として、王様っぽい人と話をして、その話を分かりやすく私たちに伝えてくれる


 「えっと、簡単に言うと、ここは私たちのいた地球とは違う世界?で、私たちはこの世界に召喚獣?として呼ばれたらしいの」


どうやら、話しているアサヒもあまり理解できていないらしく、あやふやな話し方になっている


 「ってことは、ここ異世界!?」


何か男子の一部が興奮した様子で話し合っているが、別に仲がいいわけでもないので無視してアサヒに質問をする


 「そんな話はいいから、帰れないの?」


アサヒの話では、ここは地球ではないらしい、いきなりそんなとこに連れてこられても困るので、帰れるかどうかをまずは聞く

 

 「うん、それが今は帰れないって」


アサヒはその言葉を自分にだけ聞こえるように言ってくる


 「どういうこと?」


 「えっとね、やってほしいことがあって、それを終えてくれれば返してくれるって」


 「そのやってほしいことって?」


 「それが聞いてもあとでみんなに伝えるって言ったっきりどこかへ行ったの」


そういえば、この部屋には私たちだけになっており、さっきまでいた人たちは誰一人いなくなっていた


 「アサヒ、あの人たちは信用できる?」


アサヒは友達の中では人を見る目はある方だと思う、なので、王様っぽい人が言ったというやることが終われば返してくれるという言葉を信用してもいいのかを確認する


 「うーん、微妙かな、信用できないって方が勝ってるかな」


なにで判断しているのかはわからないが、アサヒがそういっているので、そうなのだろう


 「そう、なら自分たちで帰る方法を探さないとね」


 「その方がいいかも、ってそれより、よく私が言ったこと理解できるね」


 「そうね、私の妹がよく異世界転生だっけ? とかいうやつの話をきかせてくるからね、そのおかげかも」


最近、妹はラノベとかいうやつにはまっているらしく一緒にいるときはよくその話をしているので、なんとかこの状況の理解はできる


 「なるほど、よかった、私あんまり理解できなかったから」


 「アサヒ、そういうの興味なさそうだしね」


 「そんなことないよ? ただそういうのに時間を割けないだけ」


アサヒは何かと学校のことをよくしているので、おそらく趣味に割く時間がないのだろう


 「なんで、そんなに優等生してるの? 昔はそんなことなかったでしょ?」


目の前のアサヒを小さいころから知っているからこそ、今アサヒが優等生をしているのかがわからない


 「自分でも、わからない、何でだろうね」


 「辛かったら、言ってよ?」


アサヒ自身もどうして優等生ぶっているのかわからないのだろう、というより辛そうな顔を見ていると無理にでもそうしているのだろう


 「ありがとう、あのね、わ・・」


アサヒが口を開くと同時に、先ほどの王様っぽい人が人を数人連れて戻ってくる


 「お待たせしました、これより皆様にきちんと今の状況を説明させていただきます、一人ずつ、こちらの部屋までお願いします」


どうしてかはわからないが、一人ずつ説明をするようだ


 「カホ、あとでゆっくり話をしよ?」


 「そうね、久しぶりにあなたの話が聞きたいわ」


どうしてアサヒが優等生になったのか、そこを聞きたい、そしてアサヒの力になりたい


 「それじゃあ、まずは私が行ってくるね」


むこうの方から、順番は決められなかったので、だれが行くかでみんな様子見をしていた


そんな中、アサヒが一番先に向かっていく


 「モエ、落ち着いた?」


 「うん、大丈夫だよ」


端の方で、座り込んでいたモエに話しかける


どうやら今の状況が理解できなくて、縮こまっていたようだった


 「ねえ、ここってどこなの?」


アサヒがみんなに話していた時もこの場に座り込んでいたので、ここがどこなのかを理解していない


そして、ゆっくりわかりやすいように説明していく


 「うそ、そんな、帰れないの?」


帰れるかどうかはまだはっきりとはわかっていないので、そこのところはあやふやにして話していたので、逆に不安にしてしまったようだ


 「安心して、きっと帰れるよ」


なんとかモエを慰めて、手を引いて立ち上がらせる


 「これから、向こうから説明してもらえるらしいから、わからないことは全部聞くといいよ」


 「え、カホは一緒じゃないの?」


 「うん、一人づつみたい」


モエが少し不安そうにしている、見知らぬところで一人にさせられるのが怖いのだろう、まあ、いざとなれば助けにはいくつもりである


 「それでは、次のかたどうぞ」


どうやらアサヒは終わったらしい、ただ、アサヒは戻ってきていない


 「あの、すいません」


 「はい、なんですか?」


 「アサヒ、えっと、さっきの人はまだ戻ってきてませんけど、どうしてですか?」


 「ああ、説明が終わったら、ほかの部屋に行ってもらってます、その方がわかりやすいので」


その言葉を聞いて少し安心するが、それと同時に、不安にもなる


アサヒは、あちら側をあまり信用できないと言っていた、なので、それが本当かどうかを疑う、もしかしたらどこかに連れられて行ったのかもしれない


ただ、疑ったところでなにも分からないので、次は自分が行って、その目で確かめることにする


 「失礼します」


女性に連れられて、部屋に入ると、そこには王様っぽい人に加えて、女性と男性が一人ずつ隣に立っていた


 「どうぞ、座ってください」


王様っぽい人に勧められ、椅子に腰かける


 「それでは、これから説明させていただきますね」


それから話は始まり、簡単に要約すると、魔王が現れて世界が危ないらしい、そしてそれを救ってほしくて私たちをこの世界に呼んだらしい


 「質問はありますか?」


一通り向こうは説明が終わったのか、こちらに質問がないか確かめてくる


 「何人か、希望者だけでも帰らせることはできませんか?」


多分、全員は無理だろうと思うので、妥協案として、数人だけでも返すことはできないかと質問する


 「すみません、それはできません」


 「どうしてですか?」


返答はほとんどわかっていたが、その理由を問いただす


 「あなたたちは全員で召喚獣としてこちらに来ています、なので誰か個人を返すなんてことはできないのです」


地球に返すとなると、全員一気に返すしかないらしく、それはしてくれないだろう


 「それじゃあ、今全員返してください」


 「それは無理ですな」


 「何でですか?」


 「先ほども言ったように、魔王をたおして・・」


 「どうして私たちがそれをしなければいけないんですか? 無理やりこちらに呼ばれて、向こうに家族や大切な人がいる人がいるんですよ、今すぐ返してください」


もしかしたら、男子の中には進んで魔王退治に乗り出す奴も出るかもしれないが、大多数が帰りたいというだろう


なんとか、今すぐに返してもらうように話を進めていくが、王様っぽい人の顔を見るに、そんな気は全くないようだ


 「それは十分承知しています、ですが安心してください」


 「なにが?」


何を承知しているのかわからないが、こっちが向こうの言うことを聞いてくれるのが当たり前のように言っているのに、少しイライラとしてくる


 「こちらの世界からそちらの世界に帰る際、呼んだ時と同じ時間、場所に送られるはずですので、そちらの世界の人が心配するということはありません」


 「はあ、それについてはわかりました」


相手の言葉は全く信用していないが、いくら言ってもこれ以上意味はないだろうと思い、次の質問にうつる


 「次の質問をします」


 「どうぞ」


 「こちらの世界で死んだ場合、どうなるんですか?」


魔王を倒してくれと言われた時点で、おそらく命のやり取りがあることは容易に考え付く、なのでもしその時に命を落としてしまった場合、どうなるのかを聞いておく


 「そなたたちがこちらで命を落とした場合、元の世界に送り返されることになっていると思われます」


 「思われます?」


 「ええ、実際に体験はしていないので、確実ではありませんが、普通の召喚魔法と同じなら、きちんと送り返されるはずです」


 (憶測で語るって、ますます信用できないわね)


確実な情報を出さなく、予想で話してくる時点で、一切信用することができなくなった


その言葉通りなら、本当に魔王を倒して返してくれるのか、本当に地球に返すことが可能なのかがわからなくなる


 「もういいです、ありがとうございました」


これ以上質問はないので、その旨を伝える

 

 「そうですか、それでは最後に、こちらに触れてください」


そういい、相手は一枚の板を目の前に出してくる


 「なんですか?」


 「これは鑑定盤と言われるもので、あなたの力を可視化するものです」


 「で、これをする意味は?」


 「意味と申しましても、自分の力が気にならないのですか?」

 

 「ええ、別に気にならないわね」


力を可視化されたからと言って、何か変わるわけでもない、それに確か妹の話では自分の力を明け透けにするのはよくないものだと聞いたことがある、なので、簡単にこれに触れることはしない


 「それでも、お願いしたいのです」


どうして、そんなに可視化させたいのかがわからない


ただ、そんなにさせたいのなら、こちらからも条件を出す


 「それじゃあ、貴方たちは目を瞑っていてください」


とりあえず、相手に情報を与えないように王様っぽい人と、その隣にいる女性の目を瞑らせて、男の人だけ目を開けさせることにする


さすがに全員に目を瞑らせることは警戒的にできないだろうので、この男の人だけ開けてもらうことにする


どうして男の人を選んだかというと、この人は私が部屋に入ってすぐ、ほかの二人に見えないように、一枚の紙をこちらに見せていた


その紙を見て、この人を選んだ


その紙に書かれていたことは


 [こいつらを信用するな]


ただそれだけであったが、それでこの人は少し信用することにしている


もしかしたら罠かもしれないが、なんだかそんな気はしないので、信用することにした


 「わかりました、それでは目を瞑りますので、どうぞ」


二人が目を瞑ったことを確認して、板に触れる


そして触れると同時に文字が浮き上がってくる


 ステータス

名前 神薙 カホ

LV:1

種族:異世界人

生命:20/20

魔力:13/13

攻撃:9

防御:11

魔攻:14

魔防:18

体力:21

俊敏:22

知力:56


状態:通常


加護:女神の加護


技能:状態異常無効

    魔術士


魔法:魔術



 「・・・・」


浮き出た文字の内容を確認していく


そして確認していると、視界の端に男が動くのを確認する、男は一枚の紙をこちらに向けてくる


 [絶対に内容を口にするな、あとでこの二人には適当に伝えておく]


その紙を読んで、うなずいて返事をする


内容を確認し終わり、板から手を離す

 

 「終わりましたよ」


 「そうですか、これでこちらからの話は以上になります、おい、送ってやれ」


そうして、男の人に命令をして、私が入ってきたところとは違うところに誘導する


 「今は話して大丈夫です、音を遮断しています」


 「ありがとうございます、貴方は信じていいんですか?」


一番気になることを聞く、この人は信じてもいいのか

 

 「まあ、信じてもいいですけどどちらでもいいです、それよりも大事な話があります、今晩、貴方の部屋に伺いますので、どこにもいかないでください」


 「? わかりました」


何の話かは分からないが、おそらく今はできない話であろうので、一応了承する


 「それでは、こちらになります」


部屋について、扉の前で別れることになる

 

 「あなたが私を信じていなくても、私はあなたの味方です」


 「なら、お願いがあります」


 「なんですか?」


 「伊織モエ、彼女の鑑定盤の結果もほかの二人に見せないでください」


他の人に関してははっきり言ってどうなろうが関係ないので、モエに関してだけお願いしておく


 「わかりました、それでは後ほど会いましょう」


そういいのこして、男の人は去っていく


 「モエに関しては多分大丈夫なはず、それよりもアサヒと話さなきゃ」


これからのことは一人で考えるよりも二人で考える方がいいと思い、アサヒに相談しようと、扉を開ける


 「アサヒ、すこし、いい・・・」


扉を開けて、部屋に入る、ただそこにはアサヒの姿はなく、だれもいなかった








26話のステータス部分を少し変更しています

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