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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
64/128

待っててね

・61・

side:アルカ・ロワール




 「ここは?」


気が付くと、先ほどまでいた場所ではなく、一面真っ白な空間に立っていた


 「夢の中か?」


この光景は、見覚えがあり、以前ルークさんに異能を詰め込まれて脳を破壊したときに見た光景に似ている


 「そうだ、いきなり自分の体が何かに乗っ取られたように・・・」


最後に見た光景を思い出す


右手が勝手に動き出し、目の前に出てくると同時に、口が勝手に異能を発動した


 「【陽だまりのゆりかご】・・・そうか、眠らされたのか」


どうして、眠らせたのかわからないが、自分でその理由を予想する


 「体を乗っ取られ、眠らされる、それによって、何が起こる?・・・そうか、アリアか」


体を乗っ取るだけなら可能な人はいくらでもいるだろう、ただ、体を乗っ取った後に眠らせるなど意味がない、なのでほかの理由があると思い、真っ先に思いつくことは、アルカを寝かせる利点としてはアルカの動きを封じるかこの世界に引き寄せることであろう


そこから考えると乗っ取ったのはアリアだと予測する


そもそも、異能を使ってアルカを眠らせた時点で、自分の知っている限り、ルークさんかアリアしか選択肢はない


ルークさんがもし乗っ取るとして利点は思いつかないし、消去法的にアリアとなった


 「何のためにだ?」


アリアがアルカの体を乗っ取った理由を探すが


 「まあ、考えても分からないか」


体を乗っ取る利点があるのかもしれないが、今のアルカには、それがわからない


 「ここから出る方法も分からないし、今のうちにできることをするか」


この世界から出ることは考えても思いつかないなので、今できること、すなわちサイトウ・ツカサについて調べることにする


 「【完全模倣】」


異能の一つ、この世に存在する固有技能を一時的に使用できる力を使う


完全模倣を唱えた瞬間、自分に今必要な固有技能が頭の中に浮かび、それを発動する


 「【世界辞典】」


それを発動した瞬間、目の前に一冊の本が出てくる


 「サイトウ・ツカサ」


その出てきた本に、知りたいことについて書き込む


 サイトウ・ツカサ

 ステータス


名前 斎藤 ツカサ

LV:59

種族:異世界人

生命:6860/860

魔力:2321/2321

攻撃:6354

防御:9213

魔攻:9984

魔防:8585

体力:10981

俊敏:6950

知力:6842


状態:健康


加護:女神の加護


スキル:空間操作

    時間干渉


魔法:火魔法(下)水魔法(下)


説明

異世界からの召喚人、プライドが高く、自分より優れている者を嫌っている

アイオス国での召喚魔法によってこの世界に召喚された

空間を操作し、自身の姿を消して、時間干渉により、自身の動きを速めるという戦略をよく使用する

現在位置:宿屋・小鳥の巣箱203号室 




 「こんなに出るのか」


思ったよりも、サイトウ・ツカサについての情報が出てきたので、少し驚く


 「異世界からの、召喚人?」


読んでいくと、見慣れない単語を見かけたので、それについても調べる


 異世界からの召喚人

 特殊な召喚魔法により、この世界とは違う世界より呼び出した人物の総称


出てきた情報を読んで、一つ疑問が浮かぶ


 「召喚魔法ってことは、殺すことはできないのか?」


基本的に、召喚魔法で呼び出された召喚獣は完全に殺すことはできず、瀕死になった瞬間に元居た場所に送還され、時間がたてば何度でも呼び寄せることができると、アルカの持っている本には書かれている


 「一応、召喚魔法についても調べるか」



ある程度は知識があるのだが、それがあっている情報なのかはわからないので、改めて調べることにする


 召喚魔法

 古代魔法の一つで、現在はアイオス国にのみ、その使用法が書かれた魔導書が保管されている

 召喚魔法は、肉体ではなく、精神を呼び寄せるので、呼び出されたものは、例外なしに殺しきることは できない



 「殺しきることはできない・・・」


最後の一文に注視すると、どうやら、サイトウ・ツカサは殺すことはできないようだ


 「まあ、殺せなくても、痛めつけて、心を殺せば・・・」


身体的に殺さなくても、死なない程度に痛め続けて、精神的に殺すという方法もあるが


 「いや、それだけでは絶対に済ませない」


精神的に殺すだけなんて生半可なことはしない、完璧に殺す方法を探すことにする


 「サイトウ・ツカサ 殺し方」


まず初めに、簡単に殺し方を調べる


 不可能


 「ちっ」


結果が出るが、自分の望む結果が出なかったので、苛立ち舌打ちをする


 「召喚人の殺し方」


次は、条件を少し緩めて調べるが


 不可能


結果は同じく、不可能であった


そこから何度も何度も、条件を変えて調べていくが、思ったような結果は出ない


 「どうすればいい?」


何度も同じ結果になり、だんだん苛立ちが大きくなってくる


 「・・・もしかしたら」


ひとつ、思いついたことを実行してみる


 「異能での召喚人の殺し方」


そもそも、この能力で異能について出るかどうかわからないが、一応やってみる


 異能での召喚人の殺し方

 【掌握】【存在固定】【送還】の複合行使を用いることで、召喚人を完全抹殺を可能にします


 「よし! 出た!」


やっと、自分の望む結果が出て、自然にガッツポーズが出る


 「えっと」


その出た結果を読む


 「なるほどな、意外と簡単じゃないか」


結果で出た三つの異能は、どれも使用は簡単なもので、【掌握】は、他人の所有権を自分のものにするというもので、まずそれで召喚人の所有権を自分のものにして、【存在固定】は存在をその場に固定する、普段なら、それで、相手の転移魔法を封じるのだか、今回は召喚人の存在をその場に固定し、【送還】任意の場所に人、物を送り返す異能で、概念だけをもとの召喚人がいた場所に戻す


それによって、召喚人は、この世界に存在する人と同じになり、殺害が可能になる


 「よく狙ったようにこんな異能があるな」


ルークさんは以前、異能は自分の好きな力を作り出せると言っていた、であるなら、これらの異能はルークさん、もしくは以前の持ち主が作ったことになるのだが


 「【送還】なんか、そんな使い道のある能力でもないだろう」


まだ【掌握】と【存在固定】はいろいろな使い道はある、ただ【送還】のみは、ほかの使い道は思いつかない


 「昔にも、召喚人を殺すようなことがあったのか?」


この異能を作った人も、もしかしたら召喚人を殺したいと思ったのだろうか


 「なんにせよ、ありがたい」


ようやく自分の目的を果たす方法がわかり、居てもたってもいられず、立ち上がるが


 「っと、その前にここから出られないか」


アリアから体を取り返す方法は思いつかないし、【世界辞典】で調べても出てこなかった、つまり不可能なのだろう


 「ただ、なんとなくわかるな」


乗っ取っているのが自分の体だからなのか、なんとなくわかることがあり、アリアの乗っ取りはそれほど長い期間はできない、もって数日なので、焦ることはない


 「体が戻るまで、異能の練習でもするか」


半覚醒状態になった瞬間、すべての現在使える異能の使い方などは頭に入ってきたが、使い方を知っているからと言って、実際に使えるかどうかわからない、なので、ここで練習することにする


 「幸いに、ここは暴れ放題だからな」


ここは、おそらくアルカの精神世界か何かなのだろうか、周りには壊れるものは何もないし、広いので、自由に動き回ることができる


 「待ってろ、サイトウ・ツカサ、地獄を味合わせてやるよ」


今からサイトウ・ツカサに味合わせる苦痛を思い浮かべると、自然に笑みがこぼれる





そして、アリアがアルカの体を乗っ取って丁度3日が立ち


 「・・・・・戻ったか」


いきなり、目の前が真っ暗になったかと思うと、気が付くと目の前に自然が広がっていた


 「ここは・・・・どこだろう?」


ぱっと見は木ばかりで、どこかの森だろうかと予想したが


 「・・・災群生の森か」


目の前に、大量の魔物の死体が積まれており、そこには見たことある魔物ばっかりであり、それは災群生の森にしか存在しないものであったので、一瞬で自分の現在地を理解する


 「・・・何日くらいたってるんだ?」


アリアに乗っ取られて、どれくらいたったのか正確にはわからないので、今日が何日かいまいちわからない


 「【ワールド・クロック】」


異能で、今の日時を確認する


 「20日の、5時か、礼王祭当日か」


丁度今日から、礼王祭が始まり、それについてどうするか考える


 「どうする、出るか?」


礼王祭に出るかどうか迷う、今は礼王祭より、サイトウ・ツカサの方を優先すべきことだからだ


 「いや、考えてみればサイトウ・ツカサが来ている理由は、礼王祭か?」


考えてみると、アイオス国で召喚された人物が、この時期にこのガルシア王都に来ているということは、礼王祭に出場するという可能性が高い


 「なら、とりあえず出るか」


本当に出るかどうかはわからないが、一応礼王祭は出場しておくことにする


 「それに、名前やいる場所がわかっても、顔がわからないと、どうしようもないしな」


異能では、サイトウ・ツカサの現在地まではわかるのだが、周りに複数人いると、どれがサイトウかがわからない、なので礼王祭に出て、直接顔を見ておきたい

 

 「確か、始まりは10時からだったな」


なんとか礼王祭の開始時間を思い出し、それまで準備をしていることにする


王都のいろいろな店を回り、毒薬、気付け薬、注射器、小型のナイフなど、相手を苦しめるためのものを買い占めていく


 「よし、準備はこれくらいでいいか」


準備も終わり、礼王祭の会場に向かおうとしたが、その前にやることを思い出す


 「【影渡り】」


会場に向かう前に、エレナの元へと向かい、顔を見に行く


 「エレナ」


エレンはいまだに目覚めていない、呼吸は安定しているし顔色もよくなっている、それなのに目覚めない


 「待っててね、もうすぐだから」


もうすぐ、エレナをこんな目に合わせたやつに地獄を味合わせられる


 「それじゃあ行ってくるね」


おそらく、サイトウ・ツカサを殺すまで、もうここに来ることはないだろう、なのでしっかりと別れの挨拶をし、部屋を出ていく


 「あ、お兄ちゃん!」


部屋を出ると、前の方からリズが歩いてきて、アルカのことに気が付く


 「リズ」


 「お兄ちゃん、今までどこにいたの?」


この三日間、一度もリズの前に姿を現さなかったことの事情を聴かれる


 「ん? ああ、最近は少し忙しくてね、ごめんね」


ここ最近は、自分では何をしていたのかわからないので、言葉を濁しながら答える


 「ううん、大丈夫だけど、ちゃんと寝てるの? なんか疲れてるみたいだけど」


リズがアルカの心配をしてくる、ここ最近考えることが多く、少し疲労感を感じていたが、どうやら顔に出ていたようだ


 「ありがとう、大丈夫、今日が終われば少し休む時間ができるから、その時に休むよ」


 「それならいいけど・・・お兄ちゃんも倒れるなんて嫌だよ?」


リズが辛そうにそう言ってくる、リズにとって身近な人が大怪我を負った姿を見て、怖くなったのだろう

 

 「安心して、僕は大丈夫」


リズを安心させるために、そう言い切る


 「うん・・・お兄ちゃん、頑張ってね、応援してるよ」


 「行ってくるね」


リズはこれからエレナのお見舞いのようで、部屋に入っていく


そしてアルカは、会場へと向かっていく


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