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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
62/128

待てども待てども、帰らず

・59・

side:アルカ・ロワール




 「あまり魔物がいないな」


今日はアルカの誕生日であり、エレナの手料理を用意してくれるのだが、準備に時間がかかると言われて、待つ合間に久々に黄昏の森まで来ていた


そこで、魔物を狩っておこうと思ったが、森の中に魔物があまりいなかった


なので、特にやることが終わり、どうしようか迷っていた


 「さすがに災群生の森まではいかない方がいいな」


以前の事件が起こったときに、ルークさんからは、あまり災群生の森にはいかないように言われていた


 「どうしようか」


まあ、一応あまりいないだけで、まったくいないわけではないので、狩り自体はできるのだが、それなら普通にレリアたちと組手をしていた方がいい


 「そうだ、久々に行ってみるか」


何かやることはないかと考え、一つの考えが思いついた


一度王都内に戻り、ある建物に向かう


 「どれくらいぶりだろ」


到着したのは、冒険者ギルドの建物であり、王都に来てすぐのころは良く行っていたのだが、ここ一年ぐらいはまったく行っていなかった


とりあえず初めにするのは、冒険者カードを更新することである、最後に依頼を受けてから一年がたっているので、更新が必要であった


 「すいません」


 「はーい、なんですか?」


この時間は、人が多くいるが、受付は空いているので、待たずに手続きができた


 「カードの更新をお願いします」


受付に、自分のカードと、銀貨3枚を渡す


 「はい、少し時間かかるから、待っててね」


受付にカードを渡して、空いている席に座っておく


 「えっと、元がBランクだから、Dになるのか」


カードを更新すると、ペナルティとして二段階ランクが降格するので、Dランクになるだろう


 「先に、どんな依頼があるか見とくか」


まだ時間がかかると思うので、依頼が張っているところまで行く


 「んー、なんかいい依頼は・・・」


Dランクでも受けれる依頼を見ていくが、大体が狩猟ではなく、護衛、もの探しなどであり、あまり興味をそそられるものはない


 「まあ、これでいいか」


適当に手に取って、更新の手続きが終わるのを待つ


 「アルカさ~ん」


手続きが終わったのか、受付の方から名前を呼ばれる


 「更新が終わりましたよ、元がBランクなので、二つ降格のDランクになります」


 「わかりました、それじゃあ、これお願いします」


更新が終わり、先ほどとった依頼書を受付に渡す


 「わかりました、気を付けてくださいね」


受けた依頼は月見草を採取するというもので、場所は少し離れたところにあるライカの森で、普段はいかないところなので、この依頼を受けることにした


依頼を受けたので、すぐさまその場所へと向かう


 「意外と近いんだな」


門を出てから、徒歩で10分ほどで、依頼のものがある場所についた


歩きながら月見草について調べると、どうやら、月見草は森の結構奥にある崖に生えているようで、すぐに終わると思っていたが、意外に長引きそうであった


 「早く行こ」


のんびりしていたら、晩御飯の時間に間に合わなくなるので、走りで崖のところまで向かっていく


 「お、魔物だ」


目的地に向かう途中、オークに似ているが見たことのない魔物を見つける


どんな魔物か気になって、攻撃しようとするが


 「っと、先客がいたのか」


どうやら、その魔物を狩ろうとしているほかの冒険者二人組がいたので、攻撃をやめる


冒険者のルールとして、基本的に先に戦っている冒険者がいた場合、干渉するのは禁止されている


 「でも、勝てるのかな?」


少し観察していると、どうやらあの魔物は結構強いのか、戦っている二人は苦戦していた


 「周りに同じ魔物はいないかな」


見ているうちに、自分も戦いたくなり、魔法で周りに同じ魔物がいないか確認する


 「・・・いないか」


どうやら周りには同じ魔物がいない、というか目の前の奴以外、周りには魔物の気配はなかった


 「・・・危ないな」


魔物の戦いを見ていると、どうやら冒険者の方が押されているようで、女性の方が足に攻撃を受けてしまい、歩くことができなくなっている


 「うーん、助けたほうがいいのかな?」


もし助けたとして、後々獲物を横どったと言われても困るし、どうしたものか考える


そうしているうちに、男性の方の冒険者も魔物に吹き飛ばされて、木に衝突し、気を失ってしまう


 「・・・少しやばそうだね」


このままでは、確実に二人とも死ぬと思い、助けることにする


でも、その前に


 「すいません、お姉さん」


一応、あの魔物を狩ってもいいか確認する


 「・・・あれ、気を失ってる」


どうやら、血を流しすぎたようで、気を失ってしまっており、確認ができない


 「まあ、気を失っているのなら、問題ないか」


二人とも気を失っている、それならこの二人は魔物に負けたと考えてもいいだろう


なので、この魔物を狩ってもいいだろう


虚数空間から、カタナを取り出して、構える


 「はっ!」


どう見ても魔物は隙だらけであったので、攻撃を仕掛けると、まったく反応されずにアルカの攻撃は直撃する


魔物の体は、上半身と下半身に別れ、息絶える


 「魔物が強いよ思ったけど、二人が弱かったのか」


戦ってわかったが、この魔物は、黄昏の森の魔物と比べると、まったく脅威とならないレベルであった


 「素材は・・・いらないか」


別に、魔石も欲しいわけではないので、素材を燃やそうとするが


 「いや、一応この人たちに聞くか」


もしかしたら、この魔物の素材がこの冒険者たちは必要なのかもしれないので、二人に聞くまで処理は待つことにする


 「とりあえず、治療して寝かせるか」


女性の方は、ひざの骨が折れているようで、逆側に曲がっており、男性の方は体の方には特に外傷はなかったが、頭を切ってしまったのか、血が流れていた


女性の方は、この場では治療することができないので、足に添え木をして、包帯でぐるぐる巻きにしておく


 「暇なときに勉強しててよかった」


たまに授業を受けるとき、暇なときは授業とは関係のない本を読むことが多く、その時に読んだ本の一つが、医療に関係する本を読んでいたので、大体のけがの治療法は知っていた


男性の方は、けがの場所を確認し、そこを水でよく洗い、そのあとに回復薬をかける


傷口をきれいにしない状態で、回復薬で傷を治してしまうと細菌や異物が入り込んでしまうので、きちんときれいな水で洗い流さないといけない


 「よっと」


治療もおわったが、気を失っている二人を放置するわけにもいかないので、どちらかが起きるまで、見ておくことにする


虚数空間から、一冊の本を取り出し、それを読んで待っておくことにする


そこから数十分ほどで


 「ん・・・」


どうやら先に起きたのは女性の方だったようで、体を起こす


 「ここは・・」


どうやら、あまり状況を理解していないようで、周りを見渡している


 「気が付きましたか」


 「! だれ!?」


話しかけた瞬間に、警戒した様子で武器を探しながらこちらをにらんでくる


 「あ、別に何もしないので、警戒しないでください、二人が魔物と戦っているのを見ていて、危ないと思ったので助けたんです」


ここにいる理由とこちらに敵意がないことを伝える


 「そうだったんですか、ありがとうございます」


すぐに理解してくれたようで、警戒を解いて話を聞いてくれる


 「ところで、聞きたいことがあるんですけど」


 「? なんですか?」


 「そちらが戦っていた魔物なんですけど」


 「そうだ! 早く狩らないと!」


魔物について口にすると焦っているのか、すぐさま立ち上がろうとする


 ぐらっ


立ち上がろうとしたが、どうやら足が折れていることを忘れていたようで、うまく立ち上がれなく、倒れこんでしまう


 「大丈夫ですか?」


 「早く、しないと、シャリアが・・・」


 「落ち着いてください、魔物なら、もう倒しました」


 「! そんな・・・」


なぜか、魔物を倒したことを伝えると、絶望したような表情をした


 「お願いします! どうか魔石を譲ってください」


そして、いきなり手を地面につき頭を下げてくる、どうやら、この人たちはさっきの魔物の魔石を求めて戦っていたようだ


 「別に大丈夫ですよ、上げます」


 「無理なのは承知です、ただどうしても必要なんです」


 「だからいいですよ」


どうやら話を聞いていないようで、ひたすら話続けている

 

このまま続けても埒が明かないと思い、肩に手を置く


 「話を聞いてください」


 「! は、はい」


やっと落ち着いたようで、こちらを見上げる


 「別に、自分は素材なんかいらないんでそちらに譲ります」


 「! 本当ですか!」


やっと伝わったようで、アルカの言葉に驚いたように反応する


 「こちらとしては、処理をどうしようか迷っていたので、全部譲ります」


 「ありがとうございます!」


 「それじゃあ、僕も急いでるんで、お気をつけて」


 「待ってください! お礼をさせてください」


 「大丈夫です、気にしませんから」


 「でも・・・」


どうやら、ただで魔物の素材をもらうのは気が引けているようなので、一つ提案する


 「・・・それなら、また今度会った時にでも食事でもおごってください」


 「はい! それでいいならぜひ!」


 「それじゃあ、行きますね、次からは気を付けてください」


 「ありがとうございました」


お礼の約束もしたので、自分の依頼の方の場所に向かっていく


 「魔石が欲しいか、どうしてだろう」


特にあの魔物の魔石は他の魔物の魔石とは変わりがなかったが、もしかしたら特別な使い道があるのかもしれない


そんなふうなことを考えながら走っていると、目的の場所に到着する


 「えーっと、あれか」


下から、崖を見ていると、何枚か月見草を発見し、採取していく


 「これくらいでいいか」


依頼では、数枚と、明確に個数を指定されていないので、何枚でもいいらしい


日も暮れ始めて、今から帰ると丁度いいくらいの時間になり、王都に向かって走り出す


帰り道は、特に問題もなく、まっすぐに帰ることができて、エレナのところに行く前に、先に冒険者ギルドで依頼の報告をしていく


 「はい、問題ありません、依頼達成です」


採取してきた月見草を受付に渡して、報酬金をもらい、建物を後にする


 「よし、そろそろ向かうかな」


エレナの手料理が楽しみで、少し速足になる


以外に冒険者ギルドから、エレナの家は近く、数分で到着する


 「あ、お兄ちゃん、おかえり」


 「ただいま、リズ、エレナは?」


家に入ると、中にいたのは妹のリズだけであり、エレナの姿が見当たらない


 「エレナお姉ちゃんなら、なんか忘れ物があるって、さっき出てったよ?」


 「そうなの?」


すぐ帰ると言っていたようなので、待っていることにする


 「まだこっちの部屋は来ちゃだめだからね」


リズに念を押され、リズの寝室に閉じ込められる、どうやら部屋に何かしらしているようだった


 「どんな料理なんだろう」


エレナの手料理に心を躍らせながら、ベットに腰かけ、本を読み始める




そして、時間がたって、一冊本を読み終える


 「エレナ、遅いな」


結構時間はたったが、エレナはまだ帰ってきていなかった


 「まあ、もう少しで帰ってくるか」


もしかしたら、忘れ物というものをとりに行くのに思ったよりも時間がかかっているのかもしれないと思い、あまり気にせず、違う本を読み始める









そして、今日、エレナが帰ってくることはなかった








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