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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
59/128

猫かぶり

・57・

side:イオリ・モエ


 「モエちゃん、けがはない?」


モエが、クラスの中で一番仲のいい友達のアイサカ・ナナが体をペタペタと障りながら体の様子を確認してくる

 

 「大丈夫だから、変な触り方しないで、くすぐったい!」


変なところも触ってくるので、とてもくすぐったい


 「ごめんごめん、それにしても、さっきの子すごく強かったね」


 「ええ、多分私の能力もばれてたと思う」


確信はしていないが、おそらくこっちが未来を読んで行動していることはわかっていただろう


 「いままで、ほとんど負けたことなんてなかったのに」


こちらに来てから、いろいろな人と戦ってきた、騎士団長バリー、国王親衛隊長レベッカなど、アイオス国でかなりの実力を持つ人々


そんな人たちも、未来を読む伊織にはかなわなかった


 「それじゃあ、さっきの人、バリーさんたちよりも強いってこと!?」


 「うーん、どうなんだろ、ほら、今はこんなだし、多分相手も本気じゃなかったと思うから、わからない」


今の伊織は、右目の視力がほとんどない、原因は不明であるし、今のところ治す方法もない、だから今は騎士団長たちには多分勝てない


なので、先ほど戦ったアルカ君が騎士団長より強いかもわからない


 「ただ、君たちよりは強いよ」


後ろで、ただただ偉そうに見ていただけの同級生にそういう


 「はっ、ただお前が弱かっただけだろ、俺があんなのろまな野郎、負けるわけねえだろ」


真っ先に反論してくるのは、斎藤ツカサ


 「本当に勝てると思ってるなら、頭お花畑ね」


 「そうね、一度もモエちゃんに勝ったことないのに、よく言えるよ」


二人は斎藤に聞こえない程度の声の大きさでそういう


実際、斎藤は確かに強い、能力は確か自分では時間操作って言っていたが多分大げさに言っているだけだろう


時間操作なんかできるなら、時を止めてしまえば、負けることなんかあり得ない


 「さてと、それじゃあ私たちも、そろそろ帰ろっか」


疲れもある程度回復して、日も暮れて、いい時間なので、そろそろ宿に帰ることにする


 「みんなのところに戻ったら、自慢しよ~」


アルカは、見た目もかなりイケメンであり、しかも実力もかなり高かった、そんな男性と、組手なんかしたんなら、ほかの男に飢えている女子なら、嫉妬するだろう


 「いや、自慢にはならないと思うよ? 手合わせしただけじゃない」


ナナがそう言ってくる、実際に、モエはアルカとデートをするとかではなく、手合わせをしただけである、そんなことほかの女子に対しては、何も自慢にはならない


 「そうなの?」


モエが、不思議そうに首をかしげる


彼女自身、デートなんかよりも手合わせの方がより親密な行いと思っており、不思議でたまらないといった様子であった


 「だって、一緒に汗を流して、触れ合ったり、息がかかるくらいの距離になるんだよ!」


理解してくれないナナに、一生懸命、説明を行う

 

 「言われてみればそうだけど、別にうらやましいとか、これっぽっちも思わないよ?」


しかし、ナナは全く理解してくれない


 「いずれ、気づくさ、ナナはまだお子様だからね」


 「いや、同い年だよ? ほら、馬鹿なこと言ってないで、早く帰ろうよ」


 「それもそうね」


早く帰らないと、宿での夕食の時間が終わってしまう


時間外になると、何も出してくれないので、外に食べに行かないといけなくなるのだが、今二人にそんなお金は持っていない、なので間に合うように急いで帰る


 「あいつらはほっといていいの?」


 「まあ、いいでしょ、一緒に行動してるってわけでもないし」


男子生徒たちは、別に一緒に行動していたわけではなく、たまたまこの学園の前で出会っただけで名前は知っているが、別にほとんどしゃべったこともないし、仲がいいわけでもないので、一緒に変える必要もない、そもそも男子たちはどこで寝泊まりしているのかなんて知らない


 「そうね、それよりも早くしないと!」


本格的に、急がなければまずい時間になって、駆け足で宿に戻っていく




 「ふい~、なんとか間に合った~」


 「はあ、汗びっしょりだよ」


全力で走ってきたので、全身汗がびっしょり、今すぐに体をふきたいのだが、そんなことをしている暇はない


 「ただいま! ジュリさん! まだご飯はある?」


 「ええ、あるわよ、持ってくるから席についてて」


 「やった!」


空いてる席について、ご飯が運ばれてくるのを待つ


 「モエ、おかえり、こんな遅くまで何してたの?」


席について、ナナとしゃべっていると後ろから声がかかり、振り返ると、二人の友達である雑賀ミホが皿をもって立っていた


 「ミホ! ねえ聞いて!」


 「なに?」


モエの話を聞こうと、ミホが持っていた皿を机に置いて、席に着く


それから、今日起こったことを離し、自慢する


 「なんですって! ずるいわ!」


 「ええ・・・」


ミホの予想外の反応に、ナナがあきれたような声を出す


ミホの反応は嫉妬であった、価値観がミホとモエはとても似通っていて、手合わせがデートよりも上のものととらえていた


 「次は、絶対に私も連れて行ってね!」


 「そんなこと言われても、無理でしょ」


アルカの連絡先を聞いたわけではないし、もう一度会えるなんてこと、おそらくないだろう


 「あ、でも、この国の学園の生徒みたいだし、あれだけ強いんなら、礼王祭出るんじゃない?」


 「ほんと! というか生徒ってことは、若いの!」

 

 「うん、多分同い年くらいかな?」


 「おし! ぜったいに私のものに!」


ミホは学園の中では結構美人な方であり男子の前では猫をかぶり、おしとやかな風に装い、周りの女子から男子を遠ざけられていた、であるので、この年まで彼氏を作ることができなかった


しかし、ここに来てからは、男子を遠ざける女子もいない、なので、彼氏を作る機会など、今だけしかない


 「ミホって、こっちに来てから、別人みたいに変わったよね」


 「あら、こっちが本当の私よ?」


 「以外でしょ? 私は知ってたから、何も不思議じゃないけど」


ナナは、ミホとは幼馴染であり、小さいころから一緒にいるので、ミホの本当の姿を知っている


 「どうして向こうでは猫かぶってたの?」


 「だって、そうしてたら、イケメンの彼氏できるんじゃないかと思って」


 「昔からの夢だったものね、イケメンの彼氏を作るの」


 「そうなの」


話している途中に、ご飯が運ばれてきて、すぐさま手を付けたので、後半の話は聞いていなかった


 「もう! ちゃんと聞いてよ!」


ミホがプンプンと怒りながらそう言ってくる


 「あ、そうだ、二人とも礼王祭、何番だったの?」


ナナが、ミホをなだめながら、二人に聞いてくる、モエとミホは、二人とも礼王祭出場メンバーなので、いつ出番なのか気になるのだろう


 「えーっと、確か私は4番?5番だっけ、確かそれくらい」


 「私は16よ」


モエが4か5番、ミホが16番らしい

 

 「モエちゃん、ちゃんと覚えてないの?」


 「うん、抽選の時、めっちゃ眠たかったから」


 「そうよね、無駄に話が長いから、退屈だったもん」


それから、いろいろな話をしながらご飯を食べ、それが終わると、部屋に戻る


 「ふう~、久々にちょっと疲れた~」


この頃、手合わせらしいものなどしていなかったので、少し疲労を感じる


 「今日は早めに休もうかな」


部屋にある水桶で、タオルを濡らして、体をふいていく


 「お風呂入りたいなあ、()()が恋しいよ」


こちらに()()される前は、毎日お風呂に入っていた、ただこちらに来てからは、風呂に入る習慣がないのか、そもそも風呂場が少なかった


 「さてと、寝よっかな」


特にもうやることもないので、ベットに横になり、目を閉じる






side:アルカ・ロワール



 「ねえ、アルカ」

 

 「ん?どうしたの?」


 「そろそろ、アルカの誕生日だよね?」


 「あ、そうだね」


 「忘れてたでしょ」


 「そんなことないよ」


毎年、エレナとリズには誕生日を祝われていたので、忘れてはいないのだが、この頃忙しく日にち感覚がなくなっていた


 「そう? ならいいけど、それで、何かほしいものってある? 考えても、なにも思いつかなくて」


エレナもリズも、毎年プレゼントをくれる、ただ今回はどうしても何を送ればいいのかわからないらしく、悩んだ挙句、直接何が欲しいか聞いてきたようだ


 「うーん、なんだろう、特にものが欲しいってものはないかも」


 「えー、困るよ! 何かないの?」


エレナは、誕生日や、お祝いをとても大事にしているので、誕生日プレゼントを渡さないなんて選択肢はないようだった


 「うーん、あ! それなら」


1つ、思いついたほしいものをエレナに伝える


 「私の手料理? そんなのでいいならいいけど」


エレナが昔から料理をしているのは知っていた、ただアルカはエレナの手料理を食べたことはなかったので、いい機会だと思い、それを提案した


 「楽しみにしていてね、腕によりをかけて作るから」


 「うん、楽しみにしておくよ」


それから、エレナの家の前まで送り、二人は別れる


 「エレナの手料理か、楽しみだな」


アルカの楽しみが一つ増えた日になった



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