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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
56/128

偽造

・54・

side:ルーク・ヴァレンティ




 「今は、魔王の力は抑えてるってことよね?」

 

 「ああ、そうだよ、いつ抑えられなくなるかわからないけどね」


アイシャが改めて聞いてくる、現在、異能の力のほとんどを割いて魔王の力を抑えている


それに加えて、まだほかに力を割いているところがあるので、使用可能な力は一割にも満たないくらいで、簡単なものしか使うことができない


戦闘もほとんど異能を使うことはできない、使用可能で戦闘に使えるのは、時断ち、無へと帰せ、瞬歩、くらいだろう、あとは技能か魔法を使って戦うしかないが、今のところはこれで十分である


 「まあ、問題はないからね」


 「そうよね」


アイシャもその言葉に納得し、うなずく


 「まあ、話しはこれぐらいにして、僕たちも仕事をすることにしようか」


 「仕事?」


 「うん、とりあえず森を調べに行くとするよ」


 「そうだね、まだ何かいるかもしれないしね」

 

魔王の反応はなくなり、残党もすべて処理したが、まだ何かいるかもしれないので、一応調べに行く


 「それじゃあ、私はアルカたちのところに行くわ」


アイシャはルークの言葉通り、アルカたちのことを見守ってくれるようだ


 「わたしは・・・」


ミーシャに関しては、過去の話をしてから、元気がなく、口数が少なくなっていた


その様子を見て、アイシャが近寄っていき、ミーシャの頬に手を当てながら、こう言葉をかける


 「ミー、過去の話は気にするな、っていうのは無理だと思う、ただ、いつルークさんがルークさんじゃなくなるかわからないのよ?落ち込んでる暇があるなら、今を大切にして、一緒にいる時間を増やすの!」


 「アイ・・・」


ミー、アイとは、二人の愛称であり、恥ずかしいからなのか、大体この三人以外が周りにいるときはこの呼び方をしていない


アイシャが来てから、一番一緒にいる時間が長いのがミーシャであるからであろう


 「てことで、ミーシャの分、私が多くアルカたちの監視をするから、なるべく一緒にいてあげてね」


 「ああ、わかった」


ミーシャといることは自分にとってもうれしいことなので、アイシャの提案に賛同する


 「ってことで、はいはい、行った行った」


アイシャに背中を押され、学園から出ていき、二人で森へと向かう


 「今日は、早めに調査を終わらせて、二人で出かけようか」


最近は忙しく、あまり二人の時間ができていなかったので、今日、その時間を作ることにする


 「ほんとう?」


 「ああ、本当だ」


 「うれしい」


頬を赤らめながらルークの腕に腕を絡めてくる


そして、一度、黄昏の森、それからその奥の災群生の森の方の調査を行う


 「特に今のところは問題なさそうだね」


 「そうね」


ミーシャは本当に甘えているときは語尾ににゃはつかない


 (今日は帰らないってレイアには伝えてあるから、ごゆっくり~)


いきなり、ルークに向けて、アイシャから[メッセージ]によって言葉が届く


 「今日は、いろいろなところに行こうか」


 「・・・・うん」


どうやらミーシャの方にも[メッセージ]が届いたようで、顔を真っ赤にしていた


そうして、ルークとアイシャ、二人は夜の街に消えていく








side:アイシャ・ヴァレンティ



ミーシャ、ルークにメッセージを送った後、ひとり呟く


 「あの二人の子供を拝めるのも時間の問題かもね~」


親友の子供を見れるなど、大変うれしいことである、そう思いながら、廊下を歩いていく


 「それじゃあ、こっちはこっちでしっかりやりますか」


ルークと別れてから、アルカの監視に入ったのだが、特に問題なく、アルカ、エレナ、リズも三人で食事をした後、すぐに帰宅していった


家にいるなら、特に問題はないと思い、一度監視を離れて、学園に戻ってくる


 「失礼します」


そして、会議室の前まで到着して、服装を正して、部屋に入っていく


 「お待たせしました」


 「忙しいのによく来てくれたね」


入ってすぐ、とある人物に向けて挨拶をする


 「いえ、マイン王子もお忙しいなか、時間を作っていただきありがとうございます」


そこにいたのは、ガルシア王国を治める王子であった


 「それじゃあ、そろったことだし、始めようか」


マイン王子の他には、学園長のシーラ、レナ、主席のククル、次席のセレスがいた


一番近くの空いている席に座り、それを合図に会議が開始する


 「それじゃあ、改めて、詳細を教えてくれる?」


魔王がかかわっている以上、王家の人間に報告しないわけにはいかない、驚異で言えば、最大レベルに近いので、ことによっては王城の騎士を繰り出さないといけないからである


それから、ルークさんにメッセージで聞いていた内容や、試験について事細かに伝えていった


 「なるほど、それじゃあ一つ言っておこうか」


マイン王子が、話を聞いて、そのあと口を開き


 「そもそも森に魔物の数が増えている情報なんて、来ていない」


 「・・・それって、どういうことですか?」


森にいる魔物の数が多くなり、それを試験形式で数を減らすことは、アイシャは王直々の命令だと聞いている


 「つまり、その試験から罠だってわけだね」


 「でもそれならこの手紙は?」


シーラが席を立ち、一枚の手紙を取り出す


 「これは・・・」


マイン王子がそれを受け取り、裏を見る


 「たしかに、僕の封蝋だね」


 「ということは」


 「ああ、僕からの手紙ってことになるね」


手紙に押している封蝋は、偽造することなどできなく、もし仮にそれを行った場合、よくて死罪、悪くて一族全員を処刑である


それほど王家を装うことは罪になるのである


 「でも、僕はこんな手紙書いた覚えはない」


 「それじゃあどうして?」


 「まあ、あり得るのは誰かが僕の職務室に入って勝手に使ったんだろうね」


 「それは・・・あり得ることなんですか?」


 「無理だろうね」


そんな簡単に偽造ができてしまうと、大変なことになるしそもそもマインの職務室には誰も入ることはできないと言われている


 「本当に誰も入れないんですか?」


いくら見張りを付けていても、だれも入ることができなくするなど不可能なのではと思い、疑問をぶつける


 「うん、王の剣の隊長4人にそれぞれ結界をかけてもらってるからね、僕以外は絶対に入れないよ」


 「それなら、どうやって」


 「まあ、魔王ならどうにでもなるんじゃない?」


 「まあ、可能性はあるかもしれないけど、もし僕以外のだれかが結界内に入ったらその四人に伝わるようだから、ないだろうね」


この事件が魔王がかかわっている以上、予想などできないようなことが起こることもあるだろうが、その話を聞く限り、ないのだろう


 「結界の外から、封蝋のみを引き寄せることなどは?」


 「結界内のものは基本的に持ちだせないよ」


あらゆる可能性を問いただしていくが、どれも可能ではないらしい


 「ほかにもあると思います」


今まで黙って話を聞いていたククルが初めて口を開く


 「? どんなこと?」


 「その封蝋、マイン王子が自身で作ったものではないですよね」


 「! なるほど、封蝋そのものを新しく作ったのか、それはあるかもね」


王家の手紙を偽造するために、封蝋が必要であり、しかしそれは王子の職務室にしかない、よって不可能であるのだが、封蝋の製造に関しては、王子しかその人物を知らないが可能ではある


 「その職人について、誰かに伝えたことは?」


 「いいや、ない」


しかし、マイン王子が誰にも伝えていない以上、それも不可能であるが

 

 「それこそ、王子の記憶を探るのなんか、魔王はできるのでは?」


魔法の中にも記憶を探るものがある、それならば魔王が使えないわけはない


それに魔王なら気づかれないように記憶を探ることができる可能性は高い


 「それなら、明日、一度職人のところに向かって、最近封蝋を作ったかどうかを聞いてくるよ」


 「お願いします」


 「明日、その報告をするためにまたここへ来るから、同じ時間くらいに集まってくれる?」


 「はい、わかりました」


全員を代表してシーラがそう答える


それからは、明日からの試験を続けるかどうかの話し合いや、そろそろ近づいてきた礼王祭を開催するかどうかの話し合いを行う


 「試験については、もちろん中止で、もしまた魔物が増えるようなら、王城の騎士を向かわせる、決してほかの対策はとらないから、覚えておいてくれ」


あらかじめ、どのような対応をとるかどうかを決めておくことで、このようなことが起こることを多少は防げるだろう


 「礼王祭については・・・」


マイン王子が腕を組みながら考え込む


礼王祭は簡単には中止になどできるものではない


大陸中の学園が参加するので、その分中止を伝えるには時間が必要であるので、今から中止と決定しても連絡が間に合わない


というか、その礼王祭中は、このガルシア王都に大陸中の主戦力が集まる、なので、むしろ礼王祭を開催した方が魔王対策になるかもしれない


 「私は開催してもいいと思います」


アイシャが自分の意見を発言し、それにほとんどが賛同する


 「そうだね、それじゃあ礼王祭は開催の方向で行こうか」


そこからの会議は、主に礼王祭についての話し合いをしていき、会議が終わるころには日が昇り始めていた

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