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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
54/128

強欲

・52・

side:ルーク・ヴァレンティ




丁度ライラスと騎士団のことについて話している最中


 「ん?なんですか?」


いきなり地面が揺れ、部屋に置いていたものが揺れる


 「爆発?いや、違うな」


爆発であるなら、音も聞こえるはず、しかし起こったことは揺れだけであった


 「ちょっと確認します」


爆発でないとしたら、何かの足音、もしくは魔法の一種である可能性があるので、警戒のために原因を探る


 「[界]」


自分を中心に魔力を感知する異能を用いて、何か変な反応があるまでそれを広げていく


 「ん?」


 「ルークさん、どうかしましたか?」


 「今、さっきの揺れの原因を探っていたんだけど、黄昏の森の反応がおかしい」


 「黄昏の森ですか、確か今はラーサル学園の生徒が試験中だったはずです」

 

 「森に反応は何もない、生徒も、魔物も」


 「・・なるほど、敵襲ですか」


生徒が試験中なら、森にいくつもの反応があるはずだ、それを無しにしても、普通なら魔物の反応があるだろう


それがないということは、何かが起こっているということ


 「それはわからない、少し見てくるよ」


 「わかりました、こちらでも一応調査しておきます」


 「一応学園に確認しておいて」

 

もしかしたら学園で何かしているのかもしれないので、一応そちらの確認をライラスにお願いする


家を出て、森に向かおうとすると


 「ルークさん、今の揺れって何にゃ?」


 「さあ、わからない、ただ森に変な反応がね、それを見に行くけど、ミーシャも一応ついてきて」


 「了解にゃ」


何が起こるかもわからないので、保険としてミーシャを連れていく


そして、森につくと、目の前には、真っ黒なドーム状の障壁があった


 「これは?」


障壁に触れてみるが、何でできているかも、魔法かどうかも分からない


 「壊せるだろうけど、その前に確認してみるか」


もし学園側のものであるならば、壊すわけにもいかないので、確認をとる


 「ミーシャ、近くでこの障壁の外に誰かいるか探して」


 「わかったにゃ・・・・ん?ルークさん、アイシャが来るにゃ」


ミーシャの方が種族的に探査が得意であるので、そっちの方は任せて破壊する方法を考えようとしたが、すぐにアイシャの反応を見つけ、こちらに報告してくる


 「こっちだ」


アイシャに合図を送り、こちらの存在をしめす


 「ただ、こちらには一切目もくれず、一目散に障壁へと向かっていく」


 「いる、この中に」


 「アイシャ」


アイシャが何かをつぶやき、周りが見えていないので、目を覚まさせるために肩に手を置く


 「! ルークさん!」


 「やっと気づいた」


手を触れたことで、こちらに気付き、冷静になっていく


 「どうしたんだい?そんなに急いで」


 「この中に、シンが、魔王がいる!」

 

アイシャの言葉に耳を傾け、この障壁の正体をしる


 「なるほど、魔王か、ミーシャ、アイシャ、今からこの障壁を壊す、アイシャは魔王の元へ、ミーシャは中に人がいれば、それの救助を」


中にいるのが魔王であるとすると、半端な戦力では歯が立たない、なので早急に行動しないといけないので、簡易な命令のみを行う


 「いくぞ」


簡単な鑑定を行い、ある程度の強度を図ったが、かなり強力な障壁であり、全力に近い力を出さないと破れないほどであった


ある事情により、異能を全力で使うことはできない、もし使えたのなら簡単にこの障壁を破ることはできただろう


異能を使用できない以上、魔法でこの障壁を破るしかない、今できる、最高の魔法を唱えるために詠唱に入る


 「全能の神よ、我の力を糧とし、この地に破壊をもたらせ[エーテルバースト]」


これは、保有している全魔力を消費し、すべてを破壊する魔法である、その威力をすべて一点に集中させて


この魔法を使用しないほどの障壁、その術者に一つ、思い当たる人物がいる


 「お前も来ているのか、強欲」


唯一、戦ったことがあり、敵わなかった相手の名を口にする


 「すまない、先に行ってくれ、俺は少し休んでから行く」


 「わかったにゃ」


 「わかりました」


魔力不足により、少しの間動けそうにないので、その旨を伝え、二人には先に向かってもらう


 「[界]」


動けない間に、敵の戦力をある程度知るために異能を発動する


 「強い反応は3つ、強欲はこれか」


3つの反応のうち、一番強力な反応があり、それが強欲の魔王であると確信する


少しの休憩の後、魔力もほとんど回復し、何も問題のない状態まで戻る


 「さあ、向かおうか」


いち早く強欲の魔王に接触し、相手の目的を聞くことにする


 「[影渡り]」


影を移動していき、強欲の魔王の元に到着する


 「お、待ってたよ」


魔王の元に到着すると、真っ先に向こうから声をかけられる


 「久しぶりだね、強欲」


魔王は岩の上に腰かけ、まったく警戒をしていなく殺そうと思えば、いつでも殺せそうな様子である


しかし、襲い掛かることはしない、その意味がないことを知っているからである


 「何しに来たの?」


魔王がそう質問してくる


 「君の目的が何か知らないけど、何か企んでいるんだろう?」


 「そうだよ、目的は教えてあ~げない」


魔王が腰かけていた岩から立ち上がりこちらに歩み寄ってくる


 「そうか」


一応、無防備に近づいてきたので、首を飛ばすように剣を振るうが


 「わあ!いきなり何するの!」


剣は確かに首を飛ばした、ただ次の瞬間には何事もなかったように首がつながっていた


 「どうして君は死なないんだい?」


何度も戦っているが、今のように首を飛ばして、確実に息の根を止める攻撃を当てているのだが、一度も死ぬことはなくよみがえってくる


 「うーん、能力」


一言だけ、そういい、あとは何も言葉を発さなかった


 「まあ、いいや、とりあえず、帰ってくれる?」


 「いやだ、って言ったら?」


 「ほかに来ている魔王を殺す」


 「ありゃ、それは困るね、まあ、もともと君が来たら帰るつもりだったんだけどね」


強欲を殺せない以上、ほかの方法で相手を退かなければいけないのだが、この方法が一番いい


 「それじゃあ、またね、()()()()()


そう言い残し、魔王は姿をけす


 「お兄ちゃん、なぜいつもそういうんだ?」


初めて出会った時から、いつもそう言い残し帰っていく、もちろん、魔王とルークの血はつながっていないし、そう呼ばれる意味も分からない


 「さて、残党狩りをするか」


魔王が消え、反応もいくつかなくなるが、すべてなくなったわけではない、魔物でも、人間でもない反応がたくさん残っている


 「なんなんだ?こいつらは」


どうやらアイシャもミーシャも同じことを考え、残党を狩っていたので、思ったよりも早くすべて狩り終える


 「あ、ルークさん」


森を出ようと進んでいると、前の方からアイシャとアルカ、リズが出てくる


 「目的は達成できた?」


 「いいえ、逃げられたわ」


どうやら息子であるシンをとらえることができなかったようで、少し落ち込んでいた


 「まあ、いつかまた出会えるさ」


 「そうね、いつものことだし、それほど気にしてないわ」


これまでも何度かアイシャとシンは出会っているようであり、毎回同じように逃げられているので、言葉の通り、それほど気にしていなさそうだ


 「それじゃあ戻ろうか、ミーシャは反応的にはもう出てるね」


歩きながら界で反応を見ていると、ミーシャの反応は森の中にはなく、森から少し離れたところに反応はあった


 「まずはミーシャと合流しよう」


 「そうね」


 「それから学園の方に行ってもろもろの報告をしようか」


一応、起こった出来事を学園に知らせておくことにし、ミーシャと合流次第学園に向かう


 「アルカ、念のために数日は森に入ったらだめだよ」


 「はい、わかりました」


ほとんど毎日、アルカは森に行っていた、もしかしたらまた来るかもしれないので、数日は様子見として誰も立ち入らないようにしなければならない


と言っても、この森に入るのは冒険者かアルカぐらいしかいないので、それほど注意する必要はない


 「あの、ルークさん」


 「ん?」


学園に向かおうとしていると、アルカに話しかけられる


 「襲ってきた人に聞いたんですけど、あいつらの狙い、エレナとリズだったみたいなんです」


 「・・・そうか」


強欲の魔王の狙いがわかりどうしてこのタイミングであるのか納得する


 (相手の狙いはアルカか)


アルカからは狙いが二人であると伝えられたが、その意図をくみ取ると、間接的に狙いはアルカであると分かる


 「アルカ、当分の間は、なるべく二人と一緒にいるんだ」


 「はい、そのつもりです」


 「当分は、夜も二人と一緒にいたほうがいい、うちには帰ってこない方がいい」


なるべくアルカを二人と一緒にいさせた方がいいので、夜も二人といるように言う


 「いいかい、後悔したくないなら、言うことを聞くといいよ」


なぜこんなにも念を押すのかとアルカは疑問に思うだろうが、仕方のないことなのだ


自分にも関係しているので、これほど言っているのだ


 「それじゃあ僕たちは行くから、君たちはまっすぐ帰りなよ」


離すことは終わったので、学園に向かう


 「アイシャ、ミーシャつかまって」


移動も面倒なので、一気に移動することにする


 「[テレポーテーション]」


空間魔法系の一種で距離によって消費魔力が多くなっていくが、便利な魔法である


 「うわあ!」


直接学園長であるシーラのいる部屋に現れたので、とてもびっくりしていた


 「失礼します、報告があってきました」


 「え、あ、はい、なんですか?」


何事もなかったかのように報告をしようとすると、シーラも聞く姿勢になってくれる


そして、大体の起こったことなどを報告する


 「ところで、何で黄昏の森で試験なんか?」


 「それについては、私から説明するわ」


 「それなら、また帰ってから聞くよ」


どうやらアイシャも知っていたようなので、今聞かなくても済んだ


 「それじゃあ、また何かわかったことがあれば報告しますね」


 「ありがとうございますこっちでもいろいろと調べれそうなことがあるので、何かわかりましたらアイシャを通してお伝えします」


どうやらシーラの方でも気になることがあるらしく、彼女の方でも調べるようだ


用も済んだので、学園長室から出て、三人で話し合う


 「二人にお願いがある」


 「何にゃ?」

 

 「なんですか?」


 「魔王の狙いはアルカ、エレナちゃん、リズちゃんの三人だ」


 「!?」


二人が驚き、一瞬取り乱したが、すぐに冷静になる


 「それはどうして?」


 「確定ではないけど、多分あっていると思う予想を言うね」


ほとんど正解であろうが、間違っている可能性もあるので一応そういっておく


 「魔王の狙いはアルカの持つ能力の覚醒だ」


 「能力の覚醒?」


 「今のアルカの持っている[俺と同じ能力]はまだ未熟なんだ、だからその覚醒のためにアルカの大事なもの、つまりエレナちゃんとリズちゃんどちらかを消すことが魔王の目的だろう」


異能の覚醒条件として、喜怒哀楽のうちどれかの感情を大きく膨れ上がらせる必要があるその中で最も簡単なのが怒りである


 「それは魔王にとって、メリットはあるんですか?」


アイシャが単純な疑問をぶつけてくる


 「ああ、アルカが覚醒するには、まだ早すぎる」


 「早すぎる?」


 「覚醒が完了した時点で、すべての能力、ステータスは固定されてしまう、つまりそれ以上成長できないってことなんだ」


 「なるほど、確かに今のアルカは強くないわ、そんな状態でそれ以上成長できないなんて」


 「そう、アルカには俺を殺してもらわなければならない」


 「そうね、それがルークさんの目的だものね」


以前ミーシャにこのことを伝えた後に、アイシャ、ククル、レイナには伝えている


反対はされたけれども、これは仕方がないことなのである


 「今の状態じゃあ、アルカにはルークさんが殺せないってこと?」


 「ああ、まったくもって力不足だ、今から毎日休みなしに鍛錬しても最低2年はかかる」


 「だから、ルークさんの命は最低二年って言ったのね」


 「ああ、だがそれでも最低限だからね」


 「だから、リズちゃんとエレナちゃんを守る必要があるのね」


 「ああ、だからよろしく頼む」


 「もちろんよ」


 「もちろんにゃ」


二人とも、なぜエレナちゃんとリズちゃんが狙われているのか納得し、しっかり見守ってくれると約束する


 「そもそも、魔王がアルカを狙うのは、ルークさんを殺させないため?」


 「ああ、そうだ、これだけはわかる、相手が最終目標にしているのは」


そもそもなぜアルカの覚醒を速めて、ルークを殺すことを阻止するのかという理由はわかっている








 「俺の中に眠る、魔王因子を目覚めさせることだ」


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