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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第1章  プロローグ
5/128

救世主

・5・

side:アルカ・ロワール



リズの黒死病の残り時間がちょうど48時間となるが未だ治療が可能な人は見つからない


 「アルカ、一旦休んだら?」


 「ありがとう、エレナ、でも、もう少し頑張るよ」


 「無茶しないでね、私は明日お姉ちゃんのところに行ってみる」


エレナの姉は6年前から王都で住んでおり、もしかしたら治療が可能な人を知っているかもしれない


 「わかった、僕はもう少し王都の中を探してみるよ」


 「アルカも倒れたらだめだからね」

 

アルカは王都についてから、一度も休まずに、治療ができる人を探しており、他人が見ても分かるくらいやつれて、疲れ果てていた


 「うっ、、、、お兄、ちゃん」


 「リズ!!大丈夫か!?」


リズが倒れて以来初めて目を覚ます


 「迷惑、かけて、ごめん、ね」


 「大丈夫だから、きっと治してあげるからね」


 「う、ん」

 

消え入りそうな声で返事をし、再び意識を落とした


 「探しに行ってくる、エレナはリズと一緒にいてあげて」


 「わかったわ、でも無茶はしないでね」


エレナにリズの看病をしてもらうよう頼んでその場を後にする


一度王都にある教会へと向かう、教会では軽いけがなどは治すことは可能だが黒死病などの呪いを治すことは不可能に近い


この世界に3人いる聖女様がいれば呪いを治せるかもしれないが現在この王都[ガルシア王国]にはいないと言われていた


 「神父様、聖女様はどのくらいの頻度でこの王都へ来るのですか?」


 「3か月に一度国を渡りますので次は1か月と少ししてからです」


 「そんな、それじゃあ間に合いません・・・」


 「申し訳ございません、私の力不足です」

 

 「どうにかして、直す方法はありませんか!」


もしかしたら、何か知っているかもしれないと藁にもすがる気持ちで問いかけるが

 

 「黒死病となると、聖女様ほどでないと、治療はできないかと・・・」


神父が、言いづらそうにそういってくる


 「そうですか、ありがとうございました・・・」


教会を出てもう一度王都中を走り回り、探したが見つからなかった


さすがに体力の限界がきて、休憩をするためにギルドへと戻り、眠っているリズの元へ向かった


 「アルカ、、リズちゃん苦しそうだよ、、」


 「ごめんね、リズ」


ギルド職員の方も一緒に看病をしていて、頭を下げてくる

 

 「申し訳ございません、冒険者みんなで探しても、治療可能な方は見つかりませんでした」


 「いえ、大丈夫です」


 「とりあえず、そちらにありますベッドでお休みください、アルカさんはここについてから一睡もしていないですよね、このままでは倒れてしまいます」


 「リズが苦しんでいるんです、寝ている暇なんかありません」


 「その通りですが今は休んでください、今は夜なので外には人もほとんどいません、ですので明日の朝までお休みください」


 「わかりました」


職員に言われるがまま、ベッドへと行き横たわる、そして疲労が限界に達し気絶するように眠りについた




そして翌朝目を覚ましてほとんど喉を通らなかったが軽く食事をし、今日は王城のほうへと向かうことにする


 「王城に黒死病を治せる方はいませんか」


 「すみませんが、お教えすることはできません、どうかおかえりください」


 「お願いします!!妹が黒死病なんです」


 「気の毒ですがおかえり下さい」


王城へと向かったが門の前にいる兵士に止められてしまいどうしようもなかった


どうやらいたずらか何かで、どうにかして王城に入りたがっている不審者に見えたのだろう


しかし、門の向こうからドレスを着た女の人が歩いてきて声をかけてきた


 「どうしたのですか??」


 「王妃様、ご外出ですか?」


 「いいえ、ただ門のほうで声が聞こえて気になってきただけよ」


 「それは失礼しました」


 「何かあったの」


 「はい、この青年が少し」


 「どうかしたの」


王妃様が語り掛けてくる

 

 「王妃様、申し訳ございませんが、王城内で黒死病を治せる方はいませんか」

 

アルカはひざを折り頭を下げ、目的を告げる


 「黒死病を?そうねごめんだけどこの城内にはいないわね、黒死病は普通の呪いと違ってとても治すのが難しいのよ」


 「そうですか・・・ありがとうございます、それでは失礼いたします」


王城内にもいないとなるとこの王都では見つかる可能性がほぼなく絶望を感じながらリズの元へと足を向ける


するとそこで3人組の女性と子供たちに話しかけられる


 「どうかしたにゃ?暗い顔なんかして」


 「「大丈夫?」」


話しかけてきた3人組は猫獣人の女性と双子と思われる小さな子供だった


 「いえ、妹が倒れて、治療できる人を探しているのですが見つからなくて・・・」


 「倒れるのなら、病気かにゃ?この王都で病気で治療できる人が見つからないとなるとなにがあったっけ?マナ、ミナ、知ってるかにゃ?」


 「うーん、白灰病、樹呪、黄昏の眠り、黒死病、魔病、あとは魔王関係の呪いですか?」


 「呪いは病気ではないし、この辺りには魔王はいないから、多分、白灰病か黒死病、魔病のどれかではないですか?」


 「その三つの中にあるかにゃ?」


 「はい、黒死病です」


 「あー、黒死病かにゃ」


病名を知っているのでダメもとで聞いてみる


 「治せたり、しないですか?」


 「うーん、うちらじゃあ無理にゃね」


 「そうですか、、、」

 

やはりこの王都には治療が可能な人はいない、もうリズの命は助からないとアルカは思った


 「でも、直せる人なら知っているにゃよ」


 「本当ですか!!?」


 「多分、ルーにぃなら、なおせる」


 「マナの言う通りにゃ、ルークさんなら治せると思うにゃ」


 「本当ですか!!お願いします!!合わせてください!!」


治療ができるかもしれないということを言われ、頭を地面につけて、お願いをする

 

 「わかったにゃ、ただ今この王都にいにゃいから少し時間がかかるにゃ」


 「どのくらいですか?」


 「多分半日はかかるにゃよ、間に合うかにゃ?」


 「半日ですか、ぎりぎり間に合うと思います」


 「わかったにゃ、ちょっと待つにゃ」


猫獣人の女性が目を瞑り、集中する


 「ルークさん、今大丈夫にゃ?」


 「今王都に黒死病にかかってる人がいるにゃが治せるにゃ?」


 「お願いするにゃ、かかった人のお兄さんが頭を下げてお願いしてるにゃ、助けてあげてほしいにゃ」


 「わかったにゃ」


猫獣人の女性が一人でしゃべっているので、念話か何かをしたのだろうか


 「今から、ちょっとでも時間を短縮するために、妹ちゃんのところへ行くにゃ」


 「はい、案内します」


3人を連れてリズの元へと戻る、その際いろいろと質問をされ、3人は今まで依頼で王都を離れており、このことを知らなく、帰ってくるのが遅れたことを謝罪してきた、猫獣人の女性は、ミーシャという名前らしい


それから、ルークさんという人について尋ねてみる


 「ルークさんはうちらの家族にゃよ、血はつながっていないけど、みんなあの人のことを大切に思っているにゃ、だから、黒死病を治せるってことはあまり広めちゃだめにゃよ」


 「ルーにぃは、私とミナの命を助けてくれた大切な人です」


 「だから、絶対に約束は守って」


 「わかりました。ありがとうございます」


話をしているうちにギルドへと到着し、リズの元へいく、その際ミーシャさんは職員の方に絶対にこの部屋に入らないように言っていた


ミーシャさんはS級冒険者で、マナ、ミナの二人の特訓のために遠征の依頼へと行っていたようだ


 「後で、依頼のほうの報告はするにゃ」


そういい、部屋の中へと入っていく、そこでは顔色が悪く苦しそうに眠るリズとそれを見守るエレナの姿があった


 「そこのお嬢ちゃんも、部屋を出てほしいにゃ、アルカはさすがに出てといっても行かないにゃ?」


 「お願いします、リズの近くでいさせてください」


 「アルカ、この人たちは?」


 「リズの病気を治してくれる人だよ」


 「みつかったの!!よかった!!」


エレナに説明をして部屋を出てもらい、部屋の中にはリズ、アルカ、ミーシャ、マナ、ミナの5人だけとなる


 「ルークさんが来るまでまだ時間があるし、ちょっと楽にしてあげるにゃ」


そういいながら、ミーシャさんは魔法か何かをリズに向けて放つ、すると、だんだんとリズの顔色は良くなっていき、少し楽になったような表情をした

 

 「ありがとうございます」


 「いいにゃ、つらそうな顔してたから、少しでも楽にしてあげようと思っただけにゃ、アルカも時間まで休むといいにゃ、もう大丈夫にゃよ」


そういわれて、安心感からか急に眠気に襲われてベッドに横たわる


 「さて、そろそろ来るかにゃ?」


そうミーシャがつぶやくと彼女の影から一人の男性が出てくる

 

 「よっと、おまたせ、それで黒死病の子は、その子?」


いきなり現れた黒髪の男性がミーシャに向かって話しかける

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