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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
43/128

モンスターハウス

・42・

side:アルカ・ロワール




三階層へと続く階段を下りきって


 「それじゃあこれからは一切何も言わないから自分たちの判断で行動してね」


先ほどまでは、魔物の種類や、その魔物に勝てるかどうかの助言をしていたが、ここからはすべて自分で判断してもらうことにする


 「はい、これは使っていいよ」


さすがに魔物の種類まではわからないと思うので、だいたいの魔物のことをまとめたノートを渡す


 「わかりました、頑張ってみます」


本当に危ないときはさすがに口をはさむが、よっぽどのことがない限りはすべて何もしないつもりでいる


 「それじゃ、行くぞ」


一番、戦闘に慣れているミナが指揮をしていくようで、ミナを中心にして進んでいく


 「歩きにくいなあ」


進んでいくと、床が泥のようなものでできていて、結構進みずらくなっている


 「!!接敵!構えろ!」


いきなり、曲がり角からコボルトの群れが出てきて、襲い掛かってきた


 「動きにくい!」


泥のせいで、素早く動けなく、思うように戦闘ができない


 (どうするかな?)


動きが制限されている場合、どのような対応をすればいいのかわからないのか、ただやみくもに近くの敵に切りかかっている


しかし、足をとられているので、あと一歩のところでかわされる


 「くそ、当たらない!」


 「ミナちゃん、どいて!」


レリアが、後ろの方から、弓を射ってコボルトの一人を打ち抜く


 「ナイスだぜ!レリア!その調子で頼む!」


近接系の攻撃は当たらないが、遠距離は当たると分かると、攻撃はレリアの弓とロアの魔法に任せて、ほかの人たちで足止めをしていく


 「よし、片付いたな」


なんとかすべての魔物を倒して、再び進んでいく


 「やっと抜けた・・・」


少し進んでいくと、泥のところを抜け出して、普通の通路に出る


 「次は分かれ道か・・・」


進んでいくと、三つに分かれた道が現れた


 「どうする?」


 「一つずつ見ていくぞ」


正解の道がわからないので、右の道から進んでいく


進んでいくと、大きな広間に出る


 ガシャン


その広間に全員が入ると同時に入ってきた入り口が鉄格子でとじられる


 「なんだ!?」


全員、いきなりの出来事にびっくりして、混乱する


ここはモンスターハウスと言われており、ダンジョン内にある魔物が一定数沸き、その魔物をすべて倒さない限り、その場から出られないものである


 「ミナちゃん、どうするの!?」


 「え、えっと」


ミナもこの事態にどう行動すればいいのかわからなく、アルカに聞こうとするが


 「がんばって」


大して魔物は強くないが一年生たちが見たこともない魔物がいたので勝てるかどうかがわからないのだろう、それでも負けることはないであろうので、なにも口を挟まない


ミナが覚悟を決めたのか、魔物に向かい、武器を構える


 「全員とりあえず固まれ!」


ミナが隊形が乱れて、散らばっていたみんなを集める


 「どれくらい強いかわからないから、技能は惜しまず使っていけ」


魔法と同じで、技能を使用するのにも魔力が必要であるので、あまり使用することはできない


しかし、この場合、相手の強さが未知数であるので、少しでも勝率を上げるために使用することにするようだ


 「私が敵をひきつけるから、それを頼むぞ」


ミナが魔物をすべて引き付けて、それを全員で撃破していく作戦のようだ


あまり難しい作戦で行くと、反応が遅れたりと、失敗につながるのでその作戦はいい判断であろう


ミナがおとりになるのは彼女の生命の高さがあってできることである


 「[ヘイトアップ]」


少し前に出て、全員が攻撃できるくらいの距離で挑発系の技能を発動する


その瞬間に近くの魔物がミナに襲い掛かる


 「ミナちゃん、オッケーだよ!」


レリアの合図とともに、ミナがそこから離脱する


その際、何回か敵の攻撃が当たるが、大したダメージにはならなかったので、余裕で離脱が間に合う


そしてミナが完全に離脱するとそれぞれが範囲技の技能や魔法を使用する


 「[スラスト]」「[薙ぎ払い]」「「[ファイア]」」「「[ウィンド]」」


マリンとファミアが前方で技能を使い、それ以外のメンバーが魔法でまとまって魔物を倒していく


 「もう一回行くぞ!」


あらかたひきつけた魔物を倒して、もう一度同じことを繰り返していく


 「これ以上は無理か」


ゴブリンやコボルトなどはあらかた片づけたが、まだ見たことのない魔物が残っており、その魔物は近づいてこない


ヘイトアップは知識がほとんどない魔物に対してしか効果はなく、ある程度下位の魔物に対してしか意味をなさない


挑発系の上位種のタウントであるとほとんどの魔物の気を引けるが、今のミナのレベルでは使えないだろう


 「ここからは慎重に一体ずつ倒していくぞ」


幸いにも、残っている魔物は群れているわけではなく、一匹ずつがそこら中にいる状態である


 (ゴブリンメイジにあれはレイス、あとはアントリオンか)


ゴブリンメイジとレイスはほとんど魔法しか使ってこないので、近距離戦に持ち込めば余裕であるが、そもそも魔物のことを知らなければ容易には近づけないだろう


 (焦らずにゆっくり行けばいけるでしょ)


アントリオンについてはただ大きな蟻であるので一匹ずつであれば全員でかかれば行けるだろう


 「!!魔法撃ってくるぞ!」


ミナがいち早くゴブリンメイジの魔法陣に気づいてそれの発動を防ぐために一瞬で距離を詰める


 「[首狩り]!」


ミナも技能を使い、すぐにゴブリンメイジの命を奪う


 「はあ、間に合った」


 (よく反応したねぇ)


ゴブリンメイジが放とうとしたのは最も詠唱の短いファイアの魔法であった


詠唱開始から発動まで、3秒かからないくらいであるのでそれまでに倒せたのはすごいと思う


 「エイン、あいつが詠唱に入る前にウォータ唱えといてくれ」


 (いい対応だね)


初期の魔法の4つの中で詠唱が短いのはファイア、ウォータ、ウインド、ストーンバレットの順番になっているのでウォータを唱えておけばファイアには対応できるし、それ以外の魔法であればミナが対応できる


 「いまだ!」


ゴブリンメイジがこちらに気づいた瞬間にエインに合図を送り、詠唱を開始させる


そして少し遅れて相手も詠唱に入る


 「ファイアだ!そのまま撃って!」


早めに詠唱に入ったので、相手の魔法に十分に対応でき、ファイアに対してウォータをぶつけたことによりファイアはかき消される


 「いまだ!」


魔法が消され、隙だらけになったゴブリンメイジに向かい、ファミアとリエムが攻撃を仕掛ける


ゴブリンメイジは近接攻撃の方法を持たないので特に技能を使うことなく倒すことができた


レイスに対しては、はじめは苦戦して、ミナ、ファミアが少し傷を負ってしまったが、それによって相手のことが分かったので、二回目からは難無く倒していく


 「あとはあれか・・」


魔物はあらかた倒し、残る魔物はアントリオン三匹のみになった


 「それじゃあ、一匹つってくる」


三匹相手はさすがに厳しいと分かるのか、ミナが一匹だけひきつけるために近寄ろうとするが


 「はい、だめ」


ミナが行こうとするのを引き留める


 「えっ?」


さすがに危ない行動だったので止める


 「あいつは一匹ずつはひきつけられないよ」


 「そうなのか?というかあの魔物なに?」


 「あれはアントリオン、ただのでかい蟻だけど、今の君たちには三匹はきついかな」


 「そうか、それじゃあどうするんだ?」


 「どうしてほしい?一匹なら勝てると思うけど、二匹倒そうか?」


 「できればそうして欲しい、一回戦ってみたい」


どうやらミナは戦ってみたいようだが、ほかの人の意見も聞く


 「一人でも嫌なら残さないから、言ってね」


 「私は、もういいかな」


 「俺も」


 「私も」


ミナ以外のみんなは疲れて戦う気力が残っていないようで、極力戦いたくないようだ


 「それじゃあ、全部倒すね」


 「なあ、アルカ」


 「ん?なんだい?」


 「私一人でも、勝てないか?」


 「勝てると思うよ?」


 「それじゃあ一人でやらせてくれ」


一匹くらいなら余裕だろう、というか三匹でも余裕ではあると思う、なぜ止めたかというと、ミナ以外のメンバーがいると、ミナがみんなを守りながら戦わないといけないので、勝てる確率が下がるからである


 「まあ、いいよそれじゃあ一匹だけ残すね」


 「ありがとう」


一匹だけ残すことになったので、ほかの二匹を倒すことにする


変に技を使うと、一年生に自慢しているような感じになってしまうので、余計なことをせずに一瞬で片を付ける


 「はい、あとは任せたよ」


 「お、おう」


あまりにも一瞬だったので、ミナが驚いているが、すでにアントリオンは動き出しているので、ミナも武器を構える


 「それじゃあ、僕たちは離れておこうか」


近くにいると、アントリオンの標的がこちらに移ってしまうかもしれないので、みんなで入り口のところまで移動する


 「ミナちゃん一人で大丈夫なんですか?」


ロアが一人で戦っているミナのことを心配して聞いてくる


 「大丈夫だよ、単体では大して強くないし、みんなでもがんばれば倒せるぐらいかな?」


 「そうですか」


その返答に安心したのか、腰を下ろしてミナを見守ることにするようだ


アントリオンの攻撃のパターンとしては、噛み付き攻撃と、おなかから酸を出すくらいのものであるの


ミナも、少し様子見をして、相手のパターンを見切ったのか、攻撃に移り、次々と足を切り落としていく


動きが素早い敵に対しては、機動性を奪うのが、最も効果的である


 「ふう、おわった」


ミナが倒すと同時に、入り口の鉄格子が開かれる


 「やった、これで出られるね」


魔物をすべて倒したので、やっとこの部屋から出られることをみんな喜んでいた


 「いったん、分かれ道のところまで戻って、そこで休憩しようか」


さすがにモンスターハウスを抜けた後なので全員疲れ切っていた


分かれ道まで戻ってきて、各々が休憩に入る


 「全員が休憩に入るんじゃなくて、交代で見張りをやってね」


最初の休憩は、アルカが見張りをしていたが、今回は見張りをみんなに経験させる


 「私がするよ」


まだみんなより元気のあるミナが見張りをやるようだ


 「それじゃあ、俺もするよ」


ミナ以外のメンバーで比較的に元気であったクレールも見張りに加わる


 「それじゃあ二人で頑張ってね」


見張りは二人に任せて、ほかのメンバーは休憩に入る


少しした後、ミナたちと交代して、全員が休憩を取り終える


そして、休憩も終わり、進みだそうとしたその時


 「----!!」


 「アルカ!!」


 「ああ!聞こえた!」


分かれ道の正解の道の奥から、誰かが叫んでいる声が聞こえる


 「緊急事態だ!全員ついてきて」


大体、予想はつく、なのでなるべく早く移動するためにアルカが先導して進んでいく


 「今の声、助けてって」


 「ああ、わかってる、急ぐよ」


道中の魔物を一瞬で倒していきながら進んでいき、声の元に到着する


そこにいたのは、ほかの班の一年生で泣きそうな顔をしながら大声を出していた


 「事情は分かってる!案内して!!」


理由を聞く時間も惜しいので、素早く案内してもらう


 「!は、はい、こっちです!」


あちらも驚いていたが、一刻の猶予もないと分かったのか、すぐにアルカたちを案内した


そしてその道中に、懐から魔笛を出して思いっきり吹く


これでエレナにも伝わったと思うが、道がわからないので、すぐにはこれないであろう


 「つきました!」


案内されて到着したのは、案の定あの穴のところであった


 「助けてください!アレン君とティマさんが!」


 「わかった、ただすぐには助けに行けない、もう少し待って」


この場に一年生だけを残すわけにはいかないので、エレナのことを待つ


たとえティマさんが強かったとしても、一年生を守りながら20階層から上がってくるのは厳しいと思うので助けに行く必要がある


何回も笛を鳴らして、この場所までの道を教える


そして数分後


 「少し遅くなった!」


ようやくエレナが到着してその後ろからエレナの班のメンバーが追い付いてくる


 「俺が下に降りるから、この子たちよろしく」


 「わかったわ、何か困ったことがあれば笛吹いて」


 「うん、それじゃあ」


この場の子供たち全員をエレナに任せる


下に落ちたアレン君とそれを助けるためにおっていったティマさんを助けるためにアルカもその穴に飛び込む



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