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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第1章  プロローグ
4/128

黒死病

・4・

side:アルカ・ロワール




 「それじゃあ森に入ろうか」


日が昇ると同時に起床し、朝食を終えて、準備を完了させたアルカたちは森へと入っていった


 「リズ、エレナ魔物に気を付けて進んでいくよ」


 「「は~い」」


森の中には王都へ行く人によって踏み慣らされ、道のようなものがあり、それの通り進んでいくと到着できるようになっている


 ガササ


少し歩いていると茂みの中から魔物が現れた


 「オークだ!みんな気を付けて!」


 「わかった!!リズちゃん後ろへ下がって魔法用意して!」


 「はい!」


事前に決めていた通り、アルカが前線で相手をひきつけ、そのうちにリズが魔法を唱え仕留めることになっている


エレナはリズの援護、相手の数が多い場合はアルカとともに前線へと出ていく


 「ふう、一体だったからよかったけど二体以上になると少しきついかもね」


 「その時は私も前に出るから、少しは楽になるんじゃない?」


 「そうだね」


 「お兄ちゃん、けがしてない?」


 「大丈夫だよ、リズこそ大丈夫?」


 「うん!!魔法も一回だけだから残り魔力も大丈夫!」


オークを倒し少し休憩をしてから、もう一度進み始め、少し進んでから突然何かの鳴き声が聞こえた


 ウォォォォーーーーーン


 「なに!?」


 「もう少し先の道の上だと思う!隠れて少し様子を見に行こう」


 「そうだね」


道から外れ森の中を身をかがめながら、声のした方向へと進んでいく


 「やばい、ウォーウルフだ!」


 「オークと戦っているね」


 「何でここにウォーウルフがいるの?!」

 

ウォーウルフはCランクの魔物で今の三人では確実に負けてしまう


 「戦いが終わる前にここを離れよう」


 「そうだね、でも、森の奥に行くことになっちゃうよ」


 「急いで抜けていこう」


ウォーウルフが、オークに気を取られているうちに、さっさと離れようと思ったが、魔物が道の上で争っているため、大きく回っていかないといけなく、奥へと行くことになる


 「大きな音を立てないように」


大回りをし魔物が出ないことを祈りながら進んでいく


 「もう少しで道に出るよ」


 「うん」


すると突然目の前を小さな光が横切った。


 「なにあれ?」


 「なんだろう?妖精さんかもしれない!いってみる!!」


 「リズ!ダメ!戻ってきて!!」

 

リズはアルカの呼び声になぜか反応せずに光へとついていく


 「エレナ、追うよ!」


 「うん!」


リズが声をかけても反応しないことに嫌な予感を覚え急いで追いかけていった


 「リズ!!戻ってこい!!」


 「まずいよ!どんどん奥に向かってる!」


まっすぐ光を追いかけていくリズ、彼女の顔が見えた時彼女は虚ろな目をしていた


しばらく追いかけていると小さな湖へと出た


その湖には、先ほど現れたものと同じ光が無数に飛び巻いていた


 「リズ!!」


 「お兄ちゃん?ここどこ?」


リズの意識は戻っており、こちらへと戻ってくる


 「多分、この光に幻覚か何かを見せられていたのかも」


 「うわー!きれいだね」


意識が戻ったリズが、光に夢中になる


 「あの光は、何なんだろう?」


 「わからないわ、魔物かな?」


突然頭の中で声が聞こえた。

  

 (【異能・真理の目】を入手しました)


 (ん?なんだ?)


 (【真理の目】を発動しますか?)


 (はい?)


その瞬間、光の正体が能力によって明らかになる。


   

  黒死蛾:基本的に群れで行動しており、幻覚で獲物を誘い、鱗粉をかけて黒死病を発生させる。

      

 (黒死病?)


 (黒死病に対して、【真理の目】を発動しますか?)


 (はい) 

  

  黒死病:この病にかかると三日後、魔素がなくなり死に至る、治療可能


結果が出た瞬間、体全体から汗が噴き出る


 「リズ!!離れろ!!」


 「えっ?」


光が一斉に震え、周囲に粉をまき散らす


 「リズ!!」


 「リズちゃん!!」


近づこうとするエレナの手を引っ張って引き留める


 「近づいたらダメ!!」


 「どうして!?」


 「あの粉に触れると黒死病にかかる!!だから粉がなくなるまで待って!」


そういいながら、アルカは服を一枚脱いで、それで風を起こし、鱗粉を吹き飛ばす


黒死蛾は鱗粉を振りまいた後すぐさま飛び立っていった


粉がなくなりそこではリズが横たわっていた。


 「リズ!!」


 「・・・・・」


 「リズちゃん!!」


リズの名を呼ぶも、反応はない


急いでリズに対して[真理の目]を行う


  ステータス

 

 リズ・ロワール

LV:3

種族:人間

生命:29/32

魔力:55/60

攻撃:12

防御:22

魔攻:23

魔防:31

体力:22

俊敏:15

知力:31


状態:黒死病(71時間59分)


加護:精霊の加護


スキル:短剣術(下)


魔法:精霊魔法・水魔法



リズは黒死病にかかっていた。


 「王都へ急ごう!!」


 「どうしたの??」


 「リズは黒死病っていう病気にかかってるんだ!直さないと3日後に死んじゃう!」


 「うそ!!?王都で治せるの!?」


 「わからない、ただ王都で治療魔法が使える人がいて治せるかもしれない!!」


 「それじゃあ、急ごう!!」


急いでリズを慎重に背負い王都へと走っていく


 「ここから王都までどのくらい!?」


 「この速さで言ったら日没までには着くかも」


 「わかった!急ごう!!」




*************



休憩もなしにずっと走り、幸いにも魔物に遭遇せずに王都が見えてくる。

 

 「ついた!!」


王都へと入るために門をくぐる


王都は日没までは基本的に門が空いており、アルカたちはぎりぎりの時間で間に合う


入ってすぐのところで大きな建物が見えたのでそこへ飛び込む


そこは王都の冒険者ギルドであった


 「すみません、だれか治療魔法を使える方はいませんか!?」


ギルド内へと入って大声で叫ぶ


 「どうしたんですか?」


 「リズが、妹が黒死病ってやつにかかって!治せる人はいませんか!?」


制服を着た職員のような人が声をかけてくる


 「黒死病!?なんでそんなものかかったの!?」


 「森の奥で黒死蛾ってやつに出会って!」


 「黒死蛾が出たの!?森のどこ!?」


 「それよりもリズを助けてください!」


職員が黒死蛾について聞いてくるが、今はそんなこと話している暇はない


 「そうね、とりあえず奥のベッドで寝かしてあげて」

 

奥の部屋のベッドへリズを連れていき寝かしてあげる


 「待ってろよ、必ず治してあげるからな」


もう一度先ほどの部屋へと戻ると、職員に話しかけられる

 

 「黒死病の治し方だけど、治療法はあるにはあるけど見つかるかどうかわからないわ」


 「えっ、どうしてですか!?」


 「黒死病は呪いの一種で普通の治療魔法では効かないの」


 「それじゃあ、リズは死ぬんですか!?」


治療魔法が聞かないと言われた瞬間、目の前が真っ暗になり、倒れそうになるが、なんとか持ち直す


 (そうだ、真理の目では、治療可能って書いていた、それならきっと何か治療法はあるはずだ)


 「まだあきらめちゃだめよ、王都中を探せばだれか治せるかもしれない」


 「それじゃあ、今から探してきます」


 「待って、みんなにも協力してもらうわ」



 「全員!!注目!!!!」


職員の大きな声にギルド内にいたみんながこちらを向いた 

 

 「今から、黒死病を治せる人を探してきてください!見つからなくても、報酬として銀貨5枚は保証します、至急探してください」


その言葉を聞いた瞬間、ギルド内にいたほとんどの人たちが立ち上がった


 「わかったぜ、全員!!王都中を探してやってくれ」


 「「「おう」」」


 「皆さん、ありがとうございます」


 「冒険者は助け合いの中で生きているの、これぐらい当たり前だよ」


冒険者の中から二人組の人が話しかけてきた


 「おれはカーズ、ここの冒険者の一応まとめ役だ」


 「うちはアラーナ、カーズの補佐をやってるよ」


 「カーズさん、アラーナさん、ありがとうございます!!」


 「おう、それじゃあ俺たちも探してくるぜ」


王都の冒険者が総出で治療ができる人を探し回る


しかしなかなか治療法または治療できる人は見つからなく、リズの死まで残り2日となる

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