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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
39/128

騎士団

・39・

side:ルーク・ヴァレンティ




 「うみゃー」


 「うるさいよ」


隣で歩きながら騒がしくおにぎりをほおばるミーシャに注意しながら会議の集合場所である王城へと向かう


 「は~いにゃ」


会議に行く直前まで寝ていたため、食事の時間がなかったので、メイドであるレイナが念のためにおにぎりを用意していてくれたらしい


王城は、家から近いので、王城についてもまだおにぎりを食べ終えていなく、少し前で待つことになってしまう 


 「早く食べてよ」


 「ちょっと待つにゃ」


さすがにゆっくり食べるので、少しせかす


 「はい、食べたにゃ」


やっと食べ終わったので、急いで城に入っていき、会議室へと向かっていく


 「お待ちしておりました、それではお入りください」


部屋の前にいた近衛兵に入室の許可をもらえたので、入っていく


 「おまたせ」


ミーシャを先に入らせて、空いている椅子を引き、そこに座らせる


 「はい、それじゃあそろいましたね、さっそく始めましょう」


部屋の一番奥に座っていたガルシア王都の王様であるマインが会議の始まりの合図を送る


 「まずは、それぞれの街の問題はどう?」


まず初めに、東西南北、それぞれの地区で起こったことなどの報告から始める


 「それじゃあ私から」


まず初めに手を上げて話し始めたのは東地区を治める、【騎士団:夜蝶の帳】の隊長であるルミナス・アルフォードであった


 「私たちの地区で悪さしてる子たちがいたから、消しちゃった」


何か物騒なことを軽く言っていたので、少しびっくりするが、東地区は他の地区と比べて治安は良くはないので、こういうことは珍しくはない


 「それについては、わたくしから詳しくお話しします」


ルミナスの後ろに控えていた男の一人、ライラス・ルーグが説明に入る


 「始末をした貴族は二つ、片方は違法な奴隷を所持、もう片方は権力を用いて様々な犯罪を犯していました」


貴族が犯した問題が事細かに書かれた資料をその場にいる全員に配りながら説明をする


 「うん、ちゃんとした理由でよかった、これからもよろしくね」


 「お任せください」


東地区の報告が終わり、次の報告に移る


 「それじゃあ次、報告がある人はいる?」


 「こっちは大丈夫だよ」

 

 「うちのとこも大して報告するようなことはないかな」


北と南の地区の騎士団の隊長、アルカイダ、アンネールがそれぞれ報告をするが、それと言って重要そうなことはなかった


 「みんな報告が終わったなら、自分からいいかな?」


 「そういえばルークちゃん、どうしてたってるの?」


 「そのことも含めて、すべて話すよ」


本来なら、椅子に座るのは各騎士団の隊長のみであるのだが、今回は西地区の席は副隊長のミーシャに座らせている


なぜ立っているのか、そしてそれに関係することのすべてを伝えることにする


 「これから、俺の力についても含めて、すべて話すよ」


 「いいんですか?」


 「そうよ、あまり自分の力を教えるものじゃあないわよ」


マインとルミナスが止めようとするが、どうしても教えないといけないので、話を続ける


今までヴァレンティ家のだれにも教えていなかった、ルークの持つ、[異能]についての情報をすべて話すことにする


 「俺の持つ能力は、普通の力とは違う、部類で言えば魔王の持つ力に似たようなものだ」


 「魔王の持つ能力、っていうのはわからないわよ」


 「ああ、それもそうか、まずそれから説明しようか」


この世界には、傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食、怠惰の魔王という7体の魔王が存在しており、それぞれが持つ技能をまとめて大罪技能と言われるものがある


この大罪技能は、固有技能とは違い、あらゆる能力をひとまとまりとなったものであり、この世のすべての技能の元となっている技能である


 「それじゃあ俺たちの能力も魔王は使えるってこと?」


 「おそらくは使えるだろうし、君たちのよりも強力だとは思うよ」


 「マジかよ、そんなん倒せるのかよ」


この世に魔王という存在がある限り、際限なく魔物、魔人が現れ続けるので、いつかは倒さないといけない


 「間違いなく無理だろうね、そもそも魔王はいくら強くても倒せないよ」


 「え?どうして?」


 「魔王には、全員呪いというか何かはわからないけど、勇者以外が殺してしまうとその殺した人が次の魔王になってしまうんだ」


 「勇者?」


魔王がこの世に現れると同時に、また勇者もこの世にあらわれるようになっている、そして、その勇者はそれぞれ、特別な加護を授けられて、魔王の討伐が可能になる


 「じゃあ、その勇者にしか倒せないってことか」


 「まあ、そうなんだけど、その勇者が厄介なんだよ」


勇者が魔王を倒さるからと言って、倒すために動くということは限らない、なぜなら

 

 「勇者はね、魔王を愛し、愛されたものがなる呪われた称号だからね」


 「それじゃあ、魔王は倒せないのか?」


 「まあ、勇者次第だね」


 「いや、無理だろう、言葉の通りなら、勇者にとって魔王は家族や恋人って事だろ?」


アルカイダが言う通り、普通なら、大切な人を自分で殺すなんてできはしない、ただ


 「魔王になるってことは、いずれ、大量に人間を殺すことになるかもしれないんだ」


魔族と人間は決して手を取り合うことはない、そもそも魔族が生きていけるところと、人間が生きていけるところでは環境が違いすぎる


魔族がすむ魔界は人間の住むところとは魔素の濃度と質が違い、魔界には普通の人間が立ち入ると数時間で命を落としてしまうほどになっている


しかし、どこかで誰かが魔法を使うほど、この魔界の魔素は薄れていってしまう、つまり徐々に魔界はなくなっていっている状態なのである


それを止めるためには、人間の量を減らすしかないので、いつかは直接ではなくても人を殺すことになる


 「君は、家族や恋人に殺しをさせたいのかい?」


 「そりゃあ、無理だな」


大切な人が、このままでは人を殺すことになる、それを止めれるのは自分だけとなれば、止めるだろう


 「話がそれちゃったね、それじゃあ僕の力について話すね」


いよいよ自分の力の話に入る


 「俺の力、[異能]は、大罪技能が生まれた時に、神によって作られた、大罪技能を抑えるための能力なんだ」


 「神の力ってこと?」


 「まあ、おおざっぱに言えばそうだね、昔から受継がれてきて、今では神ができないこともできるかもしれないね」


大罪技能が生まれた時、世界は瞬く間に魔族に支配されそうになっていた、そこに現れたのは、神に使わされた、二人の人間であった


 「その二人が持っていた能力が[異能]のもとになっているんだ」


 「それが、大罪技能と同じなわけ?」


 「同じって程でもないけど、おそらく、俺ができることは、どれかの魔王にもできるってことだね」

 

 「それって、いつもみたいなわけのわからない力を使ってくるってこと?」


 「そういうことだね」


全員、ルークとは異能ありで手合わせをしていたので、異能の正体は知らなくても、強さだけは知っていた


 「一つ確実に違うのは、所有者は、もう一人の所有者以外には決して殺されないってことかな」


 「っていうと?」


ほとんどの人が理解できなさそうであったので、もっと詳しく説明する


 「異能を持っているとね、死ねないんだ、自殺もできない、死ぬ方法はもう一人の所有者に殺してもらうことだけ」


そういいながら、剣を取り出して、自分の首を切り飛ばす


 「!!」


周りの人が、そのいきなりの行動に驚いたが、次の瞬間には、何事もなかったように、元通りの状態で立っていた


 「・・・・・」


ルークの顔をよく見てみると目に光が入っていなく、どこを見つめているのかわからない様子になっていた


 「・・・!!」


しばらくまっていると、ルークの目に光が戻り、動き出す


 「こんな感じに、死ねないんだ、ただ、しばらくは身動きもとれなくなるから、一回殺されたらほぼおしまいだけどね」


一度殺されてしまうと、無防備になってしまい抵抗ができないので、捕縛されてしまうし、殺され続けると、何もできなくなる


 「この能力は、基本的に何でもできるんだ、例えば魔王を殺さずに封印することも可能だ」


 「それなら、勇者なんていらないじゃない」


 「まあ、そうだね、でもねそれは今はできないんだ」


ルークはいま、強力な異能を使えない理由があり、それは教えることはできない、というか、自分でもあまりわかっていない、ただ使ってしまうと大変なことになるということがわかっているだけである


 「ただ、わかるのは、俺は死ななくちゃいけないんだ」


 「なんで!」


ミーシャがいきなり叫びだす、彼女にだけ、先ほど城の中で少しだけ話をしていた


 「だまってて」


 「ルークさん、どうして死ななければいけないんですか?」


 「俺が死ぬと、また次の世代の人に俺の異能が移るんだ、だから、そのために死なないといけない」


 「ルークさん、それって本当に必要なことなんですか?」


なぜ、ミーシャは怒り、マインは理由を聞いてくるのか、それは


 「ルークさん、最近ミーシャさんと結ばれたばかりじゃないですか・・」


数か月前に、ルークとミーシャは籍を入れており、正式に家族となっていたのである、そのミーシャにとっての旦那が、死ななければならないとなれば、取り乱すのは当たり前である


 「籍を入れたのは、ミーシャを愛していたからだ、この気持ちは嘘じゃない」


 「それは、わかってるよ」


ミーシャも、ルークからの愛が本物であると分かっている、であるからどうして死なないといけないのかがわからなかった


 「俺が死なないと、君を悲しませることになる、これだけは確実なんだよ」


 「ルークさんが死んでも悲しいよ!!」


どのみち、死んでしまうのなら、自分がつらくない方を選びたい


 「そもそも、どうやって死ぬんですか?もう一人の所有者って人にしか殺せないんですよね?」


 「うん、そこは大丈夫、すでに見つけてるから」


すでにアルカという、もう一人の異能所有者を見つけてはいるが、今すぐにルークが死んでしまうと、アルカに伝えきれていないことが多く、異能が途切れてしまう恐れがあるので、まだ早い


 「ミーシャ、少なくとも、アルカが俺くらいになるまでは死ぬつもりはないからもしかしたらまだまだ生きれるかもしれないよ」


 「少なくとも、どれくらい?」


 「まあ、今のままだったら、数十年はかかるかな」


 「それじゃあ、その間は、生きていられるってことですか?」


 「そうだね」


そういうと、ミーシャがいきなり立ち上がり、ルークに抱き着く


 「それなら、せめて、なるべく一緒にいて」


 「もちろんだよ」


ルークもそれに答えて、ミーシャを強く包み込む


 「ルークさん、しばらくは騎士団の仕事は休んで大丈夫です、二人でゆっくりとしてください」


 「いや、そういうわけにはいかないよ」


 「大丈夫ですよ、もともとルークさんの地区は、それほど問題はないですよね?」


 「まあ、そうだけど、万が一があるといけないから」


 「それなら、うちのライラスを貸すわ、それで十分でしょ」


基本的に、ルークの地区では、何か起きるとしても、万引きや窃盗などの些細なことだけであるので、騎士団の副隊長が一人でもいれば事足りる


ちらっと、まだ腕の中にいるミーシャを見てから


 「それじゃあ、お言葉に甘えようかな、ライラスはこの後うちに来てくれる?」


 「了解です」


 「それじゃあ、今日はいったん終わりでいいですか?いろいろ整理したいので」


マインが少し疲れたような顔で、そう提案し、今回の会議は終わりになる


 「とりあえず、次の会議は礼王祭の前に、日付は後ほどお伝えします、あとルークさんは騎士団をどうするんですか?」


 「ああ、ミーシャを隊長にして、ほかのだれかを副隊長にする」


 「わかりました」


これで、いったん解散となり、ミーシャとライラスとともに家へと戻る、その間、ミーシャは片時もルークさんの腕を離そうとしなかった


 「ミーシャ、まだまだ時間はあるんだ、そんなにくっつかなくても」


 「うそでしょ?数十年って」


 「・・・どうして?」


 「何年も一緒にいたら、嘘をついているかどうかなんて、わかるの」


嘘をつくときに何か癖でもあるのだろうか、自分では気づいていなくても、長く一緒にいる人には気づかれているのだろう


 「そうだね、最低、二年だね」


ミーシャにのみ聞こえるように答える、ミーシャの顔はうつむいていて見えないが、それでよかった、とても顔を見れるような心境ではない


 「本当にごめんね」


自分でも、死にたくはない、でも、死ななくちゃいけない、長く生きてきても、別れだけは一切慣れることはない


 「私は、どうしたらいいの?何をしたら、ルークさんの命を伸ばせるの?」


 「礼王祭まで、アルカを頼むよ、あの子の行動によって、俺の命は決まるらしい」


 「らしい?」


 「正確にはわからない、ただ能力で結果のみはわかるんだ、礼王祭前に、絶対に何かが起こるその結果によって決まる」


 「わかった、これからは、アルカを監視するにゃ」


少し落ち着いたのか、口調も元に戻っていた


異能には、未来を見る能力もある、しかし、その過程を見ることはできないので原因はわからない、なので、常にアルカを監視し、最悪の未来を防がないといけない



説明が難しいので、ぐちゃぐちゃになってしまいましたー

改めて、能力や魔王についてなどは、まとめようとは思います

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