班分け
・38・
side:アルカ・ロワール
受ける必要のある授業をすべて終えて、リズとエレナと合流する
「ねえ、アルカもダンジョン探索の手伝い引き受けたの?」
「ん?どうして知ってるの?」
「実は私も受けたんだ」
そういってエレナもアルカの持っているカードを取り出す
「エレナも頼まれたんだね、てことはリズも頼まれたでしょ?」
「うん、先生に頼まれたんだけど、やめといたよ」
「え、どうして?」
最近になって知ったが、リズは現在二年生の中でアルカ、エレナたちよりは実力は下であるが、成績がとても優秀であるらしく、来年にはBクラスに移動するらしい
「今、勉強で忙しいからやめておいたの、お兄ちゃんたちもちゃんと勉強しなきゃ」
「「うっ」」
基本的にクラス分けは、筆記と実技の試験を毎月行われており、両方で合格すると上がれるようになっており、アルカ、エレナは実力的には申し分ないのだが、筆記の方がからっきしであり、受けたとしても上に上がることはないだろうと思う
「まあ、別にクラス上げなくてもいいものね」
リズも別に勉強しないことを責めているわけではなく、アルカたちの実力も知っているので何も心配していない
そもそもクラスを上げる主な理由として、上のクラスに行くほど、この国の城で騎士に慣れたり、宮廷につかえる魔導士になれる選択肢が増えるだけなので、そこを目指していない人には上げる必要はなく、6年通って卒業できればいい
「まあ、その話は置いといて、これからどうするの?ダンジョン行ってみる?」
「いや、俺は朝に一回行ってるから、そこで出てきた魔物について調べようかなって」
「へー、私もついていっていい?」
「もちろんいいよ、図書館だけどリズも来る?」
リズもこれからおそらく勉強するだろうから誘ってみる
「いくー」
三人とも図書館に行くことになって、向かっていく
「ねえ、ダンジョンはどうだったの?」
エレナはまだあの日以来ダンジョンに潜っていないので、なかがどんなのかもあまりわかっていなく、中のことを聞いてくる
中がどのようになっているか、どのような魔物がいるかなどを伝えているうちに、図書館に到着し、空いている席にカバンなどの荷物を置いていく
「それじゃあ、こっちでコボルトとゴブリン系の資料を集めてくるから、そっちはオーク系の資料頼んでもいい?」
エレナにも魔物について調べるのを手伝ってもらえることになり、分担して調べることにする
「ゴブリンに関係する資料は結構あったけど、コボルト系があんまりないな」
ゴブリン系の資料については大量にあり、探すのは簡単であったが、コボルトに関してはそもそも存在する種類が少ないせいか、あまりおいていなかった
とりあえず数冊をもって席に戻ると、すでに二人は席についていて、本を開いていた
「どう?あった?」
「うん、すぐに見つかったよ?そっちはどう?」
「一応見つかったよ」
その後、細かなところまで一応読んでいき、ある程度は魔物についてわかり、ダンジョンで遭遇した個体についてはしっかりと理解した
「それじゃあ、そろそろ出ようか」
「そうしよっか」
結構時間もたちあと少しで閉館する時間になったので、荷物をまとめて変える準備をする
「アルカは明日もダンジョンに行くの?」
「うん、そのつもりだよ?」
「明日、私もついていっていい?一応どんなのか見ておきたいし」
「もちろんいいけど、多分授業中に行くけど大丈夫?」
「まあ、大丈夫じゃない?」
「お兄ちゃん、授業さぼってるの?」
リズに聞こえるくらいの清涼でしゃべってしまい、授業をさぼっていることをばれてしまう
「大丈夫、ちゃんと先生も知ってるから」
別に許可をとっているわけではないが、一応ばれても怒られなかったので、嘘は言ってない
「そう?ならいいんだけど」
その後、いろいろな話をしながら歩いていき、分かれ道に行き当たり、そこで二人とはお別れになり
「それじゃあまた明日」
「うん、ばいばい」
二人に別れを告げ、ルークさんの家へと向かっていく
その途中に冒険者ギルドの前を通ると、丁度そこからミーシャさんが出てきた
「あ、アルカ、今から帰るにゃ?」
「はい、ミーシャさんも帰りですか?」
「そうにゃ、さ、帰るにゃ」
ミーシャさんは、どうしても早く帰りたいのか、いきなりアルカを抱えだす
「え?」
ミーシャさんがアルカを持ったまま家の屋根まで飛び乗り、一直線に家へと向かっていく
「何でそんなに急いでるんですか?」
「眠いにゃ」
やけに急いで帰ろうとするので、理由を聞くと、基本的にこの時間は寝ているらしく、早く眠りたいらしい
「夜行性なんですね」
「まあ、猫だからね」
猫獣人は、基本的に猫と同じで、夜行性が多いらしい
「はい、ついた」
あっという間に家につき、アルカを下ろして家に入る
(一瞬でついた)
話をしていて気づかなかったが、アルカが全力で飛ばして数分はかかる道のりをミーシャさんは数十秒ほどで到着していた
「おかえりなさいませ」
アルカも一緒に家の中に入ると、玄関にはメイドのレイナさんがお出迎えをしていた
「ただいまにゃ、それじゃあ寝るから起こさなくて大丈夫にゃ」
「承知しました、お休みなさいませ」
ミーシャさんが自分の荷物をレイナさんに預けて、すぐさま自分の部屋へと戻っていく
「アルカ様もおかえりなさいませ、今後のご予定は?」
「あ、特には」
「了解しました、それではご食事の際にお呼びいたします」
「わかりました、ありがとうございます」
この後特に予定もないので、そのまま伝え、部屋に戻っていく
とりあえず制服から着替えて、図書館で調べたことのおさらいをする
「6階層までに出てくるのは、この五体かな」
改めて紙にまとめて、それを見返し、特徴や弱点などをまとめていき、なるべく一年生に教えれるようにしていく
コンコン
ある程度まとめ終わって、一度休憩しようとしたら、ドアがノックされた
「はい」
「わたしよ、今大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
扉を開けると、アイシャ先生がいて、大量の紙を持っていた
「今から、ダンジョン探索の班分けをするんだけど、手伝ってくれない?」
ダンジョン探索の班を決めるために、一年生全員分の成績をまとめた資料からバランスよく組まないといけないらしく、その仕事がものすごくつらいらしいので、ルークさん、アイシャ先生、レイナさんでやろうと思っていたら、せっかくなので実際に潜るアルカにも手伝ってもらおうという意見になったらしい
「わかりました」
「ありがとうね、それじゃあ行きましょう」
アイシャ先生に連れられて、一つの部屋に連れていかれ、その中に入ると、書斎のような部屋で、本がたくさん置いてあった
「お待たせ、さて始めましょ」
すでにレイナさんとルークさんが座っており、それぞれの前にも大量の紙が重ねられていた
「一年生って、こんなに多いんですか?」
「今年は多いわよ、うちの学校はだれでも入れるから、ほかの地区から来ている子もいるのよ」
ガルシア王都は王城を中心に四つの区間で分かれており、それぞれの地区にひとつずつ学園があり、ラーサル学園がある西地区は貴族はあまり多くはないが、その数少ない貴族が、学園の維持費をほとんどになっているので、入学金も授業料もほとんど必要としていないなのでほかの地区の子も多く通学している
「それじゃあ、アルカは一年のころの自分と比べて成績がいいか同じくらいか悪いかの三つに分けてね」
「はい」
一年ころは、成績は良くも悪くもなく普通のやや上くらいのできであったので、自分を基準に考えると楽に分けれるだろう
「ルークさんたちはいい感じに分けてくださいね」
それぞれ、自分の分の資料を分けていき、大体の区別を終えて
「それじゃあ、ここから班を作っていくわね」
1つの班に最低でも成績がいい生徒を二人はいれ、合計8人の班になるようにバランスよく組んでいく
「そういえば、こんなに入って、ダンジョンの魔物って強くなりますか?」
「いいえ、このくらいの子たちならいくらは言ってもほとんど変わらないわよ」
ダンジョン内の総魔力の平均によって魔物の種類や強さが変わるのだが魔力が低い一年生がいくらは言っても、まったく変わらないそうで、ただ量が少し多くなるくらいのものらしい
「そうだ、ダンジョン潜ってみたの?」
「はい、10層目くらいまでは潜りました」
「どうだった?」
「思ったよりも手ごたえがなかったですね」
実際は、もっと強い魔物が出てくると思い、いい特訓になると思ったのだが、それほど強い魔物も出てこなく、手ごたえはなかった
「やっぱりそうよね、アルカってレベルの割には魔力低いもの」
「そうなんですか?そういえば他人の魔力がどれほどか比べたことないんですよ」
「そうなの、それじゃあ比べてみて」
そういって、アイシャ先生は何か紙に書き込み、それをアルカへと渡してくる
「それが普通のアルカくらいのレベルの数値よ」
受け取った紙を見てみると
LV:98
種族:狐獣人
生命:38003/38003
魔力:8945/8945
攻撃:6758
防御:8494
魔攻:11991
魔防:14301
体力:12495
俊敏:13984
知力:12292
それと見比べるために、自分に向かって[真理の目]を使う
LV:94
種族:人間
生命:7795/7795
魔力:3745/3745
攻撃:4512
防御:2464
魔攻:5343
魔防:3621
体力:3576
俊敏:3342
知力:3292
先日見た時と比べれば、全体的に倍ほどの数値になっているのだが、渡されたものと比べると、まったく違う結果になっている
「こんなに違うんですか」
「そうなのよねぇ、でも実際見てたら参考にならないのよね」
「まあ、謎ですね、はい、こっちはある程度できました、確認お願いします」
「はいはい、ちょっと待ってね」
ルークさんとレイナさんは手慣れているのか、すでに終わっており、二人でお茶休憩に入っていた
アルカは初めてやったので、組み終わり、一応確認してもらう
「この班とこの班のメンバー少し変えましょうか、それ以外は大丈夫かな」
少し手直しして、班組を終わらせる
「それでは、もう少しでお食事の時間ですので、後ほど食堂へお集まりください」
レイナさんがアルカの班組が終わると同時に部屋を出ていき、食事の準備をしに行く
「アルカ、個々の本は隙に読んでいいから、暇なときは使いな」
「はい、ありがとうございます」
ちらっと見たら、いろいろな本がおいてあり、すでに気になる本が数冊見つかっており、読みたいと思っていたが、少し気が引けていたので、ありがたく思った
さっそく、一冊手に取り、中身を見ていく
「異世界人について」
なぜか、この本に真っ先にひきつけられ、迷うことなく手に取っていた
その本の中には、異世界人という、この世界とは別の世界から連れてきた人のことが書かれており、この本には、地球という異世界についてのことが細かく記されていた
基本的には体の構造は同じで、見た目にもほとんど違いはないが、ほとんどの場合、最低一つは固有技能というものをもっているらしい
パラパラと興味を引くうな内容のところ以外は読み飛ばしていき、最後のまとめのようなところに目を通す
「異世界人は、決して殺すことはできない、彼らは召喚獣としてこの世界に呼び出されるのである?」
異世界人がこの世界に来るのは、召喚魔法によってこの世界に呼び出されることでしか来れないらしいが、そもそも召喚魔法というものを聞いたことがない
「古代魔法の一種か?」
古代魔法とは現在では失われた魔法であり、あり得ない事象を引き起こすほどの魔法があったらしく、とても危険なものとなっているので、現在では完全に情報閉鎖されており、どのようなものがあるのかはごく一部の人にしか伝わっていないらしい
最後も読み終わり、本を閉じて棚に戻す
次の本を手に取ろうとするが、時計を見ると
「あ、そろそろ行かなきゃ」
夕食の時間になるところであったので、食堂へと向かっていく
まだほとんどの人がいなく、ルークさんのみすでに席についており、本を読んでいた
「ああ、アルカ、今日の夜は用事があるから異能の訓練できないよ」
ルークさんに今日の夜のことを聞こうとしたが、その前にルークさんから告げられる
「わかりました、それじゃあ一人でやっておきます」
「そうだね、戦闘系以外のものをやっているといいよ、とりあえず移動系のやつ練習するといいよ」
移動系の異能はそういえばほとんどやったことがなく、そろそろ練習しないといけないだろうと思っていたので、丁度良かった
しばらく待っていると、ミーシャさん以外のみんなが食堂にやってきて、食事が始まった
「ルークさん、今日って会議ですか?」
「うんそうだよ」
「じゃあミーシャ起こさなきゃ」
ルークさんとミーシャさんは何かの会議があるらしく、食事のあとすぐに出ないといけないらしい
食事も終わり、レイナさんが皿をかたずけ始めると
「おはようにゃ」
ミーシャさんが食堂に顔を出し、席に着く
「ミーシャ、今日会議だよ」
「・・・はっ!」
完全に忘れていたようで、焦ったような顔になる
「もうすぐ出るよ」
「でも、まだ何も食べてないにゃ」
おなかが減っていたらしく、時間がないことに悲しそうな顔をしていると
「こちらをどうぞ」
レイナさんが何か小包を渡す
「なにこれ」
「おむすびでございます、食事を召し上がる時間がないと思いましたので」
「本当かにゃ!助かるにゃ!」
おむすびなら、移動中も食べることができるので、これでミーシャさんも大丈夫だろう
「さ、早く行くにゃ」
食事の心配もなくなり、ルークさんと一緒に家を出ていく
「ミーシャちゃんがいないなら今日はなしだね」
ハルがマナとミナに向かって、そういっていたので、今日は鬼ごっこはないのだろう
「あんたたち、今日は勉強しなさいマナはいいけど、二人とも成績よくないでしょ」
「そんなことないよ?」
「ねっ」
二人が目を泳がせながらそう答えていた、班組の時に三人の成績を見たら、マナはほぼトップの成績であったが、ほかの二人は普通より少し下くらいの成績であった
三人は勉強するだろうから、だれにも見られないと思い、広場で異能の練習をすることにする
今回は剣を使わないので、部屋からはもってきていなく、手ぶらで向かう
「移動系か」
そういえば、移動系の異能は何がアルカをわかっていない
(アリア、移動系の異能ってどんなのがある?)
夢の中であったことにより初めて会ったときは、しゃべり方も違い、異能に語り掛けるときは感情のない返答であったが、理解した、異能に語り掛けて、それを答えていたのはアリアであった
(移動系は、現在影渡り、瞬速、桜舞い散るの三つであります」
この三つのなかの瞬速のみ知っており、あとの二つは名前は聞いたことはない、ただ、なんとなくだが、使い方がわかる
[影渡り]
目の前にある時計によってできている影に対して発動し、自分の影からその影へと移動した
「なるほど」
おそらく、自分の認識している影へと移動できるものなのだろう、遠くにいる人に対してもできると確信を持っているが、いきなり現れるとびっくりさせてしまうので実行はしない
何回か、そこら辺の影に移動の練習をし、一度目を瞑ってやってみたが、問題なく移動できた
影を移動する際、時間は一切かからず、すぐさまその影へと現れるので、便利な異能となっている
しかし、名前からわかるように、影にしか移動できないので、自分の影がない、もしくは影があるところにしか移動できないので、使いどころは限られてくる
「そして、もう一つが」
もう一つの[桜舞い散る]に関しても、使い方はなんとなくわかっており
[桜舞い散る]
一度試してみようと、家の門の前までそれで移動してみる
「これはどこでも移動できるのか」
頭の中で思い浮かんだと事に移動できるので、いうなれば影渡りの上位互換であるが
[桜舞い散る]
もう一度さっきの場所に戻ると、一度目の発動から数十秒ほど時間が立っていた
「距離にとって時間がかかるのか」
これはすぐに転移されるというものではなく、距離に応じてその分時間がかかってしまうらしく急いでいるときにはあまり使えないかもしれない
「使い分けが必要だな」
それに足元をよく見てみると、魔力でできた桜の花びらのようなものが数枚落ちていた
それをじっと眺めていると魔素に戻ってなくなってしまったが、おそらく転移先に出ていたのだろう
「それじゃあ、戦闘時には使えないか」
転移先がわかってしまうと、そこに攻撃されたら手も足も出ないので、戦闘で使う際は影渡りになるだろう
その後、いろいろ二つの移動系の異能を練習し、ある程度慣れたところで、部屋に戻り、書斎から持ってきた本を読み始める




