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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
37/128

魔法の練習とダンジョンの下見へ

・37・

side:アルカ・ロワール




夢から覚め、目を開けると、家の中なのか、目の前に天井らしきものがあった


 「・・・・」


意識があるが、手足は全く動かないし、うまく声も出ない、かろうじて視界がぼやけているが見える程度だった


少しの間ボーっとしていたら、いきなり目の前に人影が入り込んできた


 (なんだろう?なにかしゃべってるのかな?)


耳も全く聞こえないので、言葉を理解できないが、何かをしゃべっているのがわかる


 (ああ、そうだ、確か脳が壊れたんだっけ)


アリアとの会話を思い出し、脳が壊れていることを思い出した


 (でも、どうしてわかったんだろう?)


アリアははじめ、どうしてアルカが夢の中に来たのかもわかっていなかったが、脳が壊れていることはわかっていた


 (まあ、わからないことは考えても仕方ないか)


どうせ答えのない疑問を考えても仕方がないので、万全の状態にするために回帰を唱える


 [回帰]


唱えた瞬間、視界がはっきりして、体も動かせるようになった


 「んー?全然動かないなぁ」


ミナが目の前でぶんぶんと手を振ってアルカの反応を確かめていた


 「どうしたの?」


しゃべれるようになったので、ミナに声をかける


 「あ、動いた!」


体を起こして、あたりを見回す、どこかの部屋に運ばれたのだろうか、自分の部屋ではなかった


 「ここは?」


 「ここは私たちの部屋だよ!」


そこらへんにぬいぐるみや、子供のおもちゃが転がっているので、マナ、ミナ、ハルの三人の部屋なのであろう、しかし、なぜこの部屋で寝ていたのだろうか


 「なんで俺はここに?」


 「ルーにぃが倒れたから面倒見てあげてってここに持ってきたんだよ?」


話を聞いていると、アルカが倒れた後、一時間ほど待ったが目を覚まさなく、仕方なくその場所を通ったミナたちに預けて自分の仕事に戻ったらしい


 「ここに運ばれてきてどれくらい時間たったの?」


 「ん~とね~、大体30分くらいかな~」


ということは約1時間30分も気を失ていたということになる


 「ルークさんは今どこにいるの?」


 「さあ?わかんない」


 「そっかあ」


家の構造も分からないし。ミナでさえわからないのであれば、どうしようもないので、これからどうしようかを考える


 「ねえ、これから暇なの?」


どうしようか考えていると、ミナが話しかけてくる


 「うん、特にすることもないしね」


 「それじゃあ、ちょっと魔法教えてほしいなあ」


ミナがおそらく自分の机であろうと頃から一冊の本を持ってくる


それを受け取って表紙を見ると、学園で使われる魔法の教科書だった


 「アルカ君、魔法って使える?」


 「まあ、ある程度は使えるよ」


 「そうなんだ、実は私、ほとんど魔法使えないの、いろいろな人に教えてもらってるんだけど」


魔法というのは、別に素質などによって使用できるというわけではなく、ほとんどの人が練習さえすれば使用できるのだが、ごくまれに全く使用できない子もいるということを、少し前に読んだことがある


 「ほとんどってことは、完全に使えないわけじゃないの?」


 「うん」


ミナが手を前に出して、魔法を詠唱する


 「ファイア」


 「ちょっ」


さすがに火属性の初期魔法のファイアとはいえ、さすがに何かに燃え移ると火事になるので、焦って発動を止めようとするが


 パスッ


ミナの手から出たのは空気の塊だけであった


 「ね?何かは出るんだけど、魔法として出ないの」


正確にはわからないが発動してないのではなく、発動はしているが、うまくできていないのだろう


 「んー?どういうことだろう?発動の仕方はちゃんとしてるし、魔素もしっかり使ってるし」


しっかりと空気中の魔素を体内に取り込めて入るので、おそらく取り込んだ後に何か問題があるのだろうか


自分でも魔法を使おうとするが、さすがに発動してしまうのでやめておこうと思ったが


 「あ、そうだ」


夢の中で使用した魔楼蓋を使うことにする


大きさは、ミナとアルカを入れれるような大きさにするように8点を決め、四角形になるように決めて硬度はどうでもよいので、イメージしやすいように、ベッドと同じ硬さにして、効果を魔法による干渉を無効化にする


 「ん?何かしたの?」


ミナが何か違和感を感じたのか、周りを見ながら聞いてくる


 「ちょっとね、これで心置きなく魔法が使えるから、練習できるよ」


 「そうなの?わかった!」


ふたたび、ミナが魔法を発動しようと魔素を取り込むが


 「むむむむ」


しかし、またしても出たのは魔法になっていないものが出る


 「これ、何が出てるんだろうね」


 「わかんない」


そのあとに、アルカが発動してみるといつも通り普通にファイアが出る、ミナと全く同じ量の魔素を取り込んで行ったが何も問題がなかった


どうして発動できないのか、二人で悩んでいると


 「ただいまー」


 「あ、おかえりー」


おそらく風呂上りだろうか、タオルをもってマナとハルが部屋に入ってくる


 「ん?どうしてここにいるの?」


マナがなぜか部屋にいるアルカを不思議そうに見ながら聞いてくる


 「ルーにぃに頼まれて、面倒見てた」


 「???」


ミナがマナに、雑な説明をしたせいで、全然理解されなかった


 「ミナ、もっと詳しく教えてよ」


ハルも理解できなかったので、ちゃんと説明するようにミナに促す


そのあと、ミナは少しめんどくさそうにしながらなぜここにいるかの説明をした


初め、自分から説明しようとしたが、なぜかマナとハルの二人から止められて、かたくなにミナの口から説明させた


 「ちょっとトイレ!」


アルカの説明も終わり、一息つくと、ずっと我慢していたのか急いで部屋を飛び出していった


 「ねえ、アルカ君ここで何してたの」


 「ん?ミナが魔法を教えてって言ってきたから教えてたんだよ?」


もしかしたら変なことをしていないか疑われたのだろうか


 「またか~」


マナとハルが顔を合わせながら苦笑いをしていた


 「どうかしたの?」


 「ミナ、魔法使えなかったでしょ?」


 「そうだね、使えてなかったね」


 「ミナ、ルーにぃに、魔法は使えないって断言されたのに、それでも使いたいのか、いろいろな人に教えてもらおうとしてるの」


 「使えないって断言されたの?」


 「うん、はじめはルーにぃも頑張って教えてたんだけど、いくら教えても使えないから、一度調べてみたら、体が魔法を使えるようにできていないんだって」


稀にいる、魔法が使えない人は、そもそも魔素を体に取り込むことができないが、それとは違い、ミナは魔素は取り入れられるがそれを魔法に変換ができないらしい


 「それって、危険なんじゃないの?」


魔素を取り込めるが、魔法に変換できないということは、体の外に出すことができないということなので、蓄積されるということになる


 「ルーにぃに聞いたら、一日に何回も取り込まなかったら大丈夫なんだって。それに定期的に体内の魔素を取り除いてるんだって」


 「そうなんだ、それじゃああんまりやらない方がいいね」


 「うん、でもなるべく手伝ってあげてほしいの、ミナは魔法できるって信じてるから」


ミナははじめ、ルークさんの言葉を受け止められず、告げられてからはずっと魔法をしようとして倒れたらしい


 「なんでそこまでして魔法を?」


 「それは、」


ミナがそこまでして魔法を使いたがっている理由を聞こうとした瞬間


 「ふう、すっきり」


ミナがトイレから戻ってきた


 「また今度教えるね」


 「わかったよ」


ミナが戻ってきて、魔法の練習をするのか聞こうとしたが隣でハルが眠たそうにしていたのでやめることにして、そろそろ自分の部屋に帰ろうとする


 「それじゃあ、僕は部屋に戻るよ、ありがとうね、おやすみ」


三人にお礼とあいさつをし、部屋を出る


 「そういえば、ここからどう帰るんだろう」


まだこの家にきてからまったく時間がたっていないので、構造がわかっていないので、どうやって帰るのかがわからない


 「まあ、いいや」


屋敷を見回るがてら、ゆっくり部屋に戻ることにする、玄関まで戻れば、そこからの戻り方はわかるので、とりあえず玄関に向かうことにする


 「広いなー」


分かれ道がたくさんあり、適当に進んでいたら完全に迷ってしまうほど広いので、とりあえず家の中の外側を回っていく


少し歩いていくと、階段を見つけたので、素もまま降りていき、とりあえず一階まで下りていく


丁度一階に降りたところで、人影を見つけた


 「あら、アルカ起きたのね」


 「あ、アイシャ先生」


 「これからどうするの?ルークさんのところ行くの?」


アイシャ先生は、アルカが倒れたことを知っていたようで、ルークさんのところに行くなら、案内してくれるようであるが


 「いえ、今日はもう休もうと思います」


 「そう?ならいいけど、それじゃあおやすみ」


アイシャ先生もこれから寝るのか、眠たそうに歩いて行った


 「あ、自分の部屋の場所聞けばよかった」


周りを見てみると、一階であるが、まだ玄関のところではなく、いまだにわからないところだったので、場所を聞けばよかったのだが、聞きそびれてしまった


とりあえず再び歩き出すと、すぐに玄関についたので、そこからはすぐに戻ることができた


部屋についたが、別に眠るわけでもないので、剣を手に取って、外の広場に向かう


そこで朝まで、素振りや、型の練習、異能の練習をしていると、気が付いたら朝になっていた


 「そろそろ準備しないと」


汗も拭かないといけないので、部屋に戻り準備をする


準備が終わって、学園に向かおうと玄関に行くと


 「おはよう、アルカ」


 「おはようございます、アイシャ先生、こんなところで何してるんですか?」


 「ちょっと君に伝えることもあるし、一緒に行こうかなって」


 「わかりました」


 「あ、もうちょっと待っててね、あの子たちもいるから」


毎日、子供たち三人と一緒に学園に行っているらしいので、今日はそれについていくということになる


少し待っていると、三人が来たので、家を出発する


 「それで、話って何ですか?」


 「ああ、そうそう、これ」


アイシャ先生がカバンの中から一枚の紙を取り出す


 「来週、ダンジョン探索があるんだけど、それの手伝いしてくれない?」


 「僕がですか?」


 「そ、毎年成績がいい人何人かに頼んでいるんだけど、今年は成績が良くても実力に伴ってないからね」


 「別に僕は成績優秀じゃありませんよ」


 「まあそうね、真面目に受けてないものね」


アイシャ先生にジト目で見られる


最近は、魔法の授業に関しては、実技の時以外はほとんど聞かずに、自習をしたり、ちょくちょくさぼったりしている


 「ばれてたんですか」


結構ばれないように注意しながらやっていたのだが、アイシャ先生にはばれていた


 「そりゃあ、君は意外と知られていないけど結構目立ってるからね」


 「そうですか、すいません」


 「ああ、全然いいのよ、どうせ授業で習うような魔法はもう使えるでしょ?」


授業は今は基本のことから少しの応用レベルまでのことをしているので、ある程度魔法が使える生徒にとっては退屈で仕方がない、しかし、上のレベルに合わせて基礎ができていない生徒を置いていくとついていけないので、基本的に下のレベルに合わせて授業を進めている


授業をさぼっていることがばれていて、それを注意されると思ったら、アイシャ先生は全く気にしていなかった、むしろ試験の時以外、来なくてもいいらしい


 「けど、しっかり試験は合格してね?」


 「わかりました、それで、手伝いって何をしたらいいんですか?」


 「あら、引き受けてくれるの?」


 「はい、別に忙しいわけでもないので」


 「そうなの、それは助かるわ、それじゃあこれ」


ダンジョン探索の手伝いを引き受けると、アイシャ先生から、何かカードを受け取る


 「これを持ってたらいつでもダンジョンに入れるから使ってね」


 「何回でも入っていいんですか?」


 「いいけど、中の資源はとっちゃだめよ?」


 「わかってます」


ダンジョン内の資源は、基本的に学園のものとなっており、無断でとってしまうと犯罪となってしまい、最悪の場合、生徒であれば退学になるらしい


 「それじゃあ説明するけど、基本的には連れていく子たちの危険な時に助けるのと、これ以上行ったら危険だなってところの判断くらいかな」


 「なるほど」


大体、去年にアルカたちが探索をした時の護衛のクリスさんたちと同じことをすればいいだけであるので、さほど難しいことではないだろう


 「それじゃあ、去年のクリスさんたちと一緒のことをすればいいんですか?」


 「そうよ、それじゃあよろしくね」


話をしているうちに、いつの間にか学園についており、それぞれの教室に向かっていく


と言っても、はじめの授業はアイシャ先生の魔法の授業なので、さっそくダンジョンに行ってみることにする


 「すいません、ダンジョンに入りたいんですけど」


 「はーい、それじゃあ、カード出してね」


ダンジョンの入り口にいた受付の人にアイシャ先生から受け取ったカードを渡す


 「へー、今年は二年生もやるんだね、頑張ってね」


 「ありがとうございます」


確認が終わったり、カードが返却される


 「それじゃあ、入って大丈夫よ」


許可が出たので、ダンジョンに入っていく


 「前に入ったときは確かすぐに魔物が出たっけな」


初めて入ったときのことを思い出しながらダンジョンを潜っていく


 「とりあえず今日は適当に潜ろうかな」


一緒に潜る一年生がどれくらいの実力かわからないので、とりあえずどの階層がどのくらいの強さなのかを確かめるだけにする


目に入った魔物はすべて狩っていきながら、遭遇した魔物の情報をおおざっぱであるがメモしていく


 「なるほどなぁ、5階層目から一気に変わるなあ」


今は5階層目の途中にいるのだが、1~4階層目とは魔物の種類も強さもがらりと変わっている


 「でもさすがにまだいけるだろうなあ」


多少強さが変わっても、命が危ないということはなく、もしかしたら多少苦戦するかもしれないぐらいの強さだとは思う


そのあと、とりあえず10階層くらいのところまで潜っていき、ここからはさすがに一年生には無理だろうというレベルの魔物が出てきているので、引き返すことにした


 「あら、お疲れ様、どうだった?」


ダンジョンから出ると、受付の人に話しかけられる


 「そうですね、潜ったのはいいですけど、一年生の実力がわからないので、あまり意味がなかったかもしれないです」


 「あらそうなの?まあだいたい毎年5階層に行けるのは1割くらいかな?」


 「そうなんですか、そこまで多くないんですね」


 「そうよ、まあ一年生だもの、5階層まで行けば優秀な方よ」


アルカも一度一年生のころに潜っているが、5階層に行く前に罠にかかってしまい、どのくらい相手にできたのかわからない


 「だいたい毎年同じようなものですか?」


 「うん、そうよ、大体全部の組が同じくらいの戦力になるように組まれるからね」


組の中で一人の実力がずば抜けていても、ほかの人を守りながら戦っていくのは意外に難しいので、5階層に行ける組はなかなかいないらしい


 「それじゃあ、大体そのあたりの魔物を見てたらいいんですね」


5層に行けるのが1割程度なら、10層に行けるのはいないと思い、明日からは5、6層あたりの魔物について調べていくことにする


 「それじゃあ、当日もよろしくねー」


そろそろ次の授業の時間になりそうなので、教室に戻ることにして、受付の人に別れを告げる

 

 「はい、また何回か来ると思うので、その時はよろしくお願いします」


明日もまた潜るであろうから1~4階層の魔物を調べることにして、授業後、図書館に行こうと考える







 

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