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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
36/128

夢の中で

・36・

side:アルカ・ロワール




目が覚めると、白い空間の中に、立っていた


 「ここは・・・」


あたりを見回し、どうしてここにいるのかを思い出してみる


 「たしか、ルークさんに」


覚えている限りでは、ルークさんに異能を送ってもらった時からの記憶がないので、おそらくそれによって脳がショートしてしまい意識を失ってしまったのだろう


 「あらぁ、やっと来たわねぇ」


意識を失ったということは、つまりあの夢の中に来てしまったということであり、ということは


 「あなたですか」


 「お久しぶりねぇ」


振り返ると、そこにはいつもの女性が立っていた


 「やっとあの子にあったのねぇ」


 「あの子?」


 「ルークねぇ」


いつもなら、ほとんど会話はしないが、今回は、こっちの言葉に返事をくれる


 「今回は返事をくれるんですね」


 「まあぁ、あの子にあったからねぇ、やっと自由にできるようになったわけよぉ」


 「だから会話ができるように?」


 「そうよぉ、せっかくだからぁ、おしゃべりでもしましょぉ」


いつもの夢の中では問答無用で戦闘が始まり、いつもみんなを殺されていたが、今回は違い、戦う気が全くないらしく、女性はその場に腰を下ろす


 「ねぇ、何で今回は寝たのぉ?」


完全に戦う気がないのか、向こうから会話を始める、無理に戦うことはないのでこっちも腰を下ろす


 「寝たわけじゃありません、意識を失っただけです」


 「あらそおなのぉ、どうして気を失ったのぉ?」


 「ルークさんに、異能の引き継げるものをすべて頭の中に送ってもらった瞬間に多分気を失って、そしたらここにいた」


なぜか、しゃべる気もないのに、すらすらと口から言葉が出てくる


 「そんなにいっぺんに入れたらぁ、脳が壊れちゃうわよぉ」


 「でもつぶれなかった」


 「まあ、実際には、つぶれちゃったわよぉ」


 「は?」


意味の分からないことを言ってくるが、脳がつぶれてしまったら、おそらく死んでしまうし、ここにいることと矛盾する


 「何を言ってる?つぶれてたらこんなとこにはいないはずだ」


 「まあ、普通の人ならねぇ、でも君は普通じゃあないでしょぉ」


 「普通じゃない?」


何が普通で、何が普通じゃないのかわからないので、言葉の意味が理解できない


 「あなたぁ、自分の力を理解してないのねぇ、異能が、普通の力だって思ってるのぉ?」


 「異能・・・」


確かによく考えてみたら、異能が普通の力なわけがない、使用していて分かる力の異常性


 「何で異能のことを?」


そういえば、どうしてアルカが異能を持っていることを知っているのか、それがわからなかった、おそらく、以前から「力を使いこなせ」と言っていたので、知っていたのだろう


 「まあぁ、あなたのことはぁ、大体知ってるわよぉ、というか、そもそも君はぁここがどこだかわかってるのぉ?」


 「夢の中じゃあ?」


 「夢の中にぃ、君となんも関係がない人がいると思うのぉ?」


確かに、まったく関係がなかったら、夢に出るわけがないが実際には、まったく見覚えもないし、関係があるとは思えない


 「でも、あなたとは会った記憶がないし、関係があるとは思わないけど、夢の中にいるなら関係があるということになる」


 「そうよぉ、まあ実際にはあったことはないけどねぇ」


やはりあったことはないらしく、それではどのような関係があるのか


 「そもそも、お前は誰なんだ」


初めて会った時から聞いていたが、その時は会話ができなく答えを得られなかったが、話ができるようになり、ようやく答えを聞ける


 「私はぁ、アリアよぉ」


すんなりと答えてくれるが、その名前は全く聞き覚えがない


 「アリア、お前と俺の関係ってなんなんだ?」


 「うふふ、まだわからないんだぁ、意外と鈍感なのねぇ」


 「いいから、答えて」


アリアが茶化してくるが、そんなことはスルーして、答えを求める


 「私とあなたは、異能の関係よぉ、異能の根源が私ってわけよぉ」


 「異能の根源?」


詞の意味を理解できないので、詳しく聞いてみようとするが


 「まあ、そんなことはどおでもいいわよぉ」


そういいながら、アリアは立ち上がった


 「異能を全部頭に入れたってことはぁ、ほとんどの使い方、わかってないでしょう?」


アリアはアルカに近づいていき、アルカを立たせる


 「さて、あまり時間もないしぃ、少しでも練習しないとねぇ」


 「時間がない?」


 「そうよぉ、いつまでも寝ているわけではないでしょぉ?それにぃ多分もうこうやって会話できるのは最後かもしれないしねぇ」


 「どういう意味ですか?」


 「言葉のとおりよぉ、次からはぁ私の意識があるかもわからないしぃ、またあんな光景、見たくないでしょぉ?」


 「そうだ!なぜあんなことをするんだ!」


そもそもの一番ここに来たくない理由である、なぜアリアはみんなを殺すのかを聞く


 「あれはねぇ、最悪の未来を避けるために、君に見せているのよぉ」


 「それでも、そもそもお前がそんなことをしなければいいだけの話じゃないか!」


毎回、アリアがみんなを殺すので、そもそも最悪の未来と言っているが彼女がみんなを殺すようなことをしなければいいだけの話であるが


 「勘違いしちゃだめよぉ、みんなを殺しているのはぁ、私じゃあないわよぉ、そもそも私はぁ現実に干渉できないからぁ、殺しようがないからねぇ」


 「それじゃあ、あれはだれなんだ」


記憶では、絶対にみんなを殺しているのはアリアであったし、見間違いでもない


 「あれはぁ、状況を見せているだけでぇ、だれがやってるのかはぁ、わからないわよぉ」


あれはあくまで未来の再現であってアリアは関係していないらしい


 「君がぁ、壊れちゃったら私にも影響しちゃうからぁ、勝手に未来を見せて防ごうとしてるのよぉ?」


アリアは、異能の根源であり、アルカの精神に影響されてしまい、もし未来のことが起こってしまったらアルカは壊れてしまい、アリアも同時に崩壊してしまうらしい


 「だからぁ、絶対にそんな未来を防がなきゃあいけないのよぉ」


 「わかりました、それじゃあ力を貸してください」


悪意があってやっているわけではないと分かったので、もう警戒をする必要がないと思い、アリアに力を求める


 「わかったわぁ、それじゃあなるべく使えるようになっておいた方がいいものを何個かあ教えてあげるわぁ、それ以外はぁ、あの子に聞いてねぇ」


あのことはおそらくルークさんであろう、先ほど時間がないと言っていたので、すぐさま取り掛かることにする


 「まずは、時断ち、魔楼蓋、エフールの三つでいいかなぁ」


まったくわからないので、すべて任せることして、言うことに従うことにする


 「それじゃあぁ、まずは時断ちねぇ」


そういいながら、手を前にかざすと二振りの短めな剣が出てくる、その片方をこちらに投げてくる


 「腕を切り飛ばすぐらいぃ、我慢できるよねぇ?」


 「それぐらいなら」


普通の人なら、腕を切り飛ばされれば、最悪ショック死するだろう痛みが走るが、アルカは常に異能の一つである[痛覚鈍化]を使用しているのでそれくらいなら問題ない


 「時断ちはぁ、切ったものの時間を止める技なのよぉ」


そういって、アリアは自分の手を切り落とす、すると、普通なら切ったところから血があふれてくるはずであるが、そこからは何も出ていなかった


 「こうやってぇ、生き物に使った場合はぁ、切ったその部位の時を止めるのよぉ、だから、殺したくない相手や普通の剣じゃあ通用しない相手に使うといいわよぉ」


言い終わると、次の瞬間には切り落とした手は元通りになっていた


この技は、切ったその場所の時を切り取る、つまりその空間ごと切断するので物質の硬度などは関係なく切れるらしい


 「でもぉ、強力であるから、欠点もあるわけぇ」


アリアは、目の前の何もない空間に剣を横に振り、そのあとに逆の手を振り下ろす、すると、その手が切られたようにきれいに切断された


今回は、切断面から血が出てくるので、すぐに手を元に戻していた


 「時断ちはぁ、発動した直後から止めるからぁ、気を付けないとだめよぉ、空間に対してはぁ、ちょっとしたら効果が切れるからねぇ」


 「なかなか難しそう」


強力な分、扱いが難しくなっているので、注意して使わなければならない


 「まあぁ、これは練習すればぁ、慣れるから頑張ってねぇ」


とりあえず、注意点だけ軽く教えられ、次の技についての話になる


 「ほかの二つはぁ、攻撃系じゃなくて補助系ねぇ」


他の二つは魔楼蓋、エフールであるが、名前から想像もできない


 「あとの二つはぁ、それほど難しくないよぉ、イメージがつかめればすぐに使えるよぉ


 「イメージか」


それならさほど苦戦しないだろうと思い、練習に取り掛かる


 「魔楼蓋は、結界魔法みたいなものよぉ、だからどれくらいの広さ、硬さ、効果を鮮明にイメージしなくちゃいけないよぉ、どんなイメージでもいいから、やってみてぇ」


 「どんなイメージでもいいのか」


どんなものでもいいと言われたら、逆に何も思いつかない、だからとりあえず適当に、柔らかく、あまり大きくない自分の周りを覆うくらいのものをイメージし、効果は中の空気を薄めてみる


 「ん?あんまりわからないな」


そもそも、しっかりと発動しているのかもわからないので、できているのかわからない


 「ん~、できてないねぇ、どんなものをイメージしたぁ?」


先ほど思い浮かべたことをそのまま伝えた


 「それじゃあ駄目ねぇ、もっと鮮明にイメージしないとぉ、発動しないわよぉ」


 「もっと、鮮明に」


先ほどより、もっと鮮明に、硬さは石のをイメージし、大きさは手で円を作り、効果は、内部に赤色の空気を発生させるというようなものをイメージし、発動する


 [魔楼蓋]


今度は成功したようで、目の前に、赤くて丸い物体が浮かんでいた


 「おお、小さいけどぉ、成功したねぇ」


アリアが完成した物体に近づいていき、それに触れて結果を確かめる


 「まあぁ、まだまだ練習は必要だけどぉ、ある程度分かったでしょぉ?」


 「まあ、ある程度は」


一度できてしまえば、徐々に難しくしていき練習していけば、慣れるだろう


 「ん~、あまり時間ないねぇ」


アリアがアルカを見つめながら、そうつぶやく


 「わかるんですか?」


 「正確な時間はわからないけどねぇ、だんだん君の存在が薄くなってきたからぁ」


自分から見ても、あまりわからないが、徐々に体が目覚めてきているらしい


 「まあぁ、最後のはぁ、簡単だからすぐに始めようかぁ」


三つ目のエフールさほど難しくはないので、すぐに使えるようになるらしい


アリアが後ろに大きく飛んだかと思うと、落下せずに、空中に止まった


 「エフールはぁ、空中の任意のところにぃ、足場を作り出すって感じの能力ねぇ」


説明があやふやなのは、正確には足場を作っているわけではないらしいが、アリア自身にも詳しいことはわからないらしい


 「自分の好きなタイミングでぇ、心の中で唱えるだけで作れるからぁ、簡単よぉ」


今までの異能なら、たいていはきちんと異能を唱えないと発動しないものが多かったが、これは唱えなくても発動できるらしい


 「ただぁ、一度に発動できるのは三回まででぇ、一度地面に足がつかないとぉ、もう一回発動できないからぁ、気を付けてねぇ」


使用する際の注意点を伝えられ、これで三種類のある程度の理解はできた


 「それじゃあ、時間いっぱいまでぇ、練習でもしようかぁ」


完全に目が覚めるまで、三種類を使った戦闘をすることになる


数分後、戦闘をしていると、一瞬目の前がぐらつき、ひざをつく


 「あらぁ、そろそろ時間のようねぇ、目が覚めるわよぉ」


だんだんと力も入らなくなっていき、意識がもうろうとしていく


 「それじゃあぁ、最後にぃ」


アリアが力の入らないアルカに近づいて手を引き、やさしく抱きしめる


 「これから大変になるけど頑張るのよぉ、あの子を止めれるのはあなただけだからぁ、あとぉ、もうここには来ないでねぇ」


最後、意識を失う瞬間にアリアが何かを言っていたが大半を聞くことができなく、完全に意識が途切れた

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