継承
・35・
side:アルカ・ロワール
「遠慮せず、本気でやっていいにゃ、この子ら意外と強いにゃよ」
始まると同時に、走りだし、ミーシャさんが同じ方向に走ってきて、助言をしてくる
「わかりました、あの、家の上ってありですか?」
「持ちろんにゃ、この敷地内で、家の中以外なら、どこでもいいにゃよ、でも、あそこの建物は、風呂だから、やめた方がいいにゃ」
「わかりました、それじゃあ」
ある程度のことは聞いたので、とりあえず、鬼の見える家の屋根に行くために、木などを伝っていこうとするが
「おっと」
まだ感覚がつかめずに、狙っていたところよりも飛びすぎてしまい、落ちてしまいそうになる
「危ないな、早く慣れていかないと」
日常生活には支障はないが、いざ、力を込めたりすると、やりすぎてしまい、思ったように動くことができない
なんとか家の上へとのぼり、鬼がいる方とは反対側の屋根に行き、鬼の行動を見る
「あ、始まった」
鬼のハルが、きょろきょろしながら動き始める
しばらくその場をうろうろした後、ふいにしゃがみ込み、次の瞬間、こちらに飛んでくる
「やばっ」
急いで反対側の地面に降りようと思ったが、それだとおそらく見つかってしまうので、お汁の早めにして、屋根の淵につかみ、ぶら下がる
「ん~、どこいるだろ~」
真上の方で声が聞こえ、息をひそめる
「あ!いたっ!きゃ!」
誰かを見つけたのかと安心した瞬間、おそらく足を滑らせたであろう音と、その声が聞こえた
そして、その瞬間に、目の前にハルが落ちていった
ハルが目に入った瞬間、とっさに手を伸ばし、引き寄せる
「びっくりした!!」
「危なかったね、大丈夫?」
「うん!ありがとう、はい、タッチ」
ハルを助けたことにより、タッチされ、鬼が交代ししまう
とりあえず、おろすために地面に着地する
「それじゃ、またね~」
ハルが一言そういい、走り去っていく
(まあ、いいか)
おそらく、あのまま落ちていても、怪我とかはしなかったと思うが、反射的に動いてしまったので、仕方がない
「よし、行くか」
鬼になったからには、隠れる必要がないので、範囲内で、どのようなものがあるかを確認しながらさがしていく
いろいろと見回りながら行くと、結構身を隠せるような場所は結構あった
一応そのような場所は全部見ていったが、だれ一人いなかった
(??どこにもいないし、まったく気配がない)
あたりを見回してみるが、いた痕跡もないし、気配もない
とりあえず、もう一度、屋根の上に上り、周りを見渡す
「ん?」
よく見てみると、塀に沿って木が生えており何か動く影があった
音もなく、木の葉もまったく揺れていないので、はじめは見間違いかと思ったが、しばらく見ていると、また見えたので、見間違いではないと確信した
しばらく待っていると、また見ていた木を通ったので、おそらく塀を一周しているのだろうと予想し、どのくらいで一周しているのかを確かめることにする
「1、2、3、、、、、16」
一回目が大体16秒で、それ以降もだいたい同じ秒数であったので、その時間に合わせて捕まえに行くことにする
目印の木を1つ決め、その木を通った瞬間、秒数を数えながら屋根から飛び降りる
「1、2、3」
着地した瞬間に、近くの物陰に隠れて、残りの時間を待つ
「12、13、14」
残り2秒となった瞬間に、物陰から飛び出し、影の通り道に身を乗り出し
「!!」
丁度16秒が立った瞬間に、目の前からピンク色の髪の子、ミナが飛び出してくる
なるべく力を加えないように、ゆっくりと受け止める
「はい、交代」
「うわー、つかまっちゃた~」
ずっと回っていたのか、ミナは結構汗だくであった
「汗、大丈夫?」
汗を拭くためのタオルを渡しながら聞いてみるが、顔は余裕の表情であった
「いつもだから大丈夫!タオルありがとう!」
汗を拭き終わり、息を整えた後、すぐにどこかへと走っていった
どこへ行くのか気になり、こっそりとあとをつけていった
「マナ、またここにいた」
ミナが噴水の前で立ち止まり、いきなり噴水の中に手を突っ込み、何かを引きずり出した
「んー、だってマナみたいに動けないし、逃げるなんて無理だよ」
食事の時に、軽く聞いたのだが、マナは、魔法を得意としており、ミナは、魔法はあまり使えないが、身体能力はものすごく高いらしい
「それじゃあ、魔法使っていいからがんばれ」
「うん、わかった」
ミナがマナに魔法の使用を許可すると、何か魔法を発動させたのか、魔力を少し感じた
「見つけた~」
とことことこちらに走ってきて隠れていたのに見つかってしまった
「よくわかったね」
「魔力探知、使ったからね」
マナが、使った魔法のことを教えてくれる、魔力探知は空間属性の魔法であって、意外と覚えるのが難しいのだが、この歳で覚えているのは、すごいと思った
「はい、鬼交代」
先ほど鬼を後退したばっかりだが、また自分が鬼の番となる
「そういえば、ミーシャさん全然見ないな」
「ミーシャちゃんは、無理だよ」
「え?どうして?」
「ミーシャは参加してるけど、ほぼ私らの監視で参加しているようなもんだし、捕まえようとしても見つからないよ」
マナとミナが、見つからないミーシャさんについて教えてくれる、一応参加はしているが、誰かが危ないことをしない限り、出てこないらしい、たまに誰かが参加しなかった場合は、きちんと参加してくれるらしい
「そもそも、ミーシャさんはどこにいるんだろうね」
「わからない、魔力感知にも引っ掛からなかった」
魔力感知に引っ掛からないということは、範囲内にいないのか、ぎりぎり魔力探知に引っ掛からなかったのかはわからないが、とりあえず鬼ごっこを続ける
「それじゃあ、二人とも逃げてね」
その場で、すこし二人が逃げるのを待つことにして、見えなくなったころ、動き始める
「一回、ミーシャさん探してみるか」
魔力探知に引っ掛からなかったがさすがに範囲内に入るだろうと思い、くまなく探してみることにする
「どこにもいない・・・」
一周、隠れれそうな場所はすべて探し、その途中、ハルが丸わかりの状態で隠れていたが、あえてスルーすることにした
「やっぱりどこにもいなかった」
見回っても、どこにもいなく、ほかの子を探そうと歩き始めた瞬間
「そろそろ時間にゃ、終わるにゃよ」
急に後ろから声がして、振り向くとそこにミーシャさんがいた
「ん?どうしたにゃ」
「いつの間に後ろにいたんですか?」
一切気配もなかったし、どこから来たのか全く分からない
「ん?ずっとにゃ」
「ずっと?」
「ここにゃ」
そういいながら、アルカの足元を指さす
「もしかして、影ですか?」
「おお、よくわかったにゃ、そうにゃよ」
影を使う魔法など、聞いたことはないが、もしかしたらあるのだろうと思いながら、終了と言われたので、みんなを探しに行く
「おーい、もう時間にゃ」
マナとミナは一緒に逃げていたので、すぐに見つかり次にハルを探しにいくが、おそらく、さっき見つけた場所から移動してないだろうと思い、その場所まで行ってみる
「ハルー、もう終わりにゃよ」
やはり先ほどと同じ場所に隠れていたハル
「ミーシャちゃん、よく見つけれたね」
ハルが胸を張りながらそういうが
「何言ってるにゃ丸見えにゃよ」
「え?でもアルカ君は見つけてられなかったよ」
こちらを見ながらそういうが、本当は見つけていたので、ごまかしながら顔をそむける
「それじゃあ、三人は風呂に入って来るにゃ」
「はーい」
ミーシャさんが、三人を風呂に向かわせる
「アルカは、あとでルークさんが広場に来てッて言ってたにゃよ、風呂に行ってから、行くといいにゃ」
「わかりました」
「それじゃあ、また明日にゃ」
おそらくミーシャさんは今から用事があるのだろうか、そのまま門の方向へ歩いて行った
アルカも、一応鬼ごっこで少し汗をかいたので、軽く汗を流しに行く
「広いなあ」
風呂は一応、家の中と、外の二つあるがこの後広場にいくので外の方に入ることにしたが、入ってみるとすごく広くてあまり落ち着かなかった
「きもちいい」
さっと汗を流して、湯につかり、ゆっくりする
アルカにとってこんなにゆっくりしたことは、あの頃から一度もなかった
しかし、ゆっくりしているといろいろ思い出すことがある
夢の中で、出会ったある人のことを思い出す
「今のままじゃあ、みんなを守れないよぉ、力を使いこなさなくちゃぁ」
いつも、この女性は力を使いこなせ、制御しろ、などと言ってくる
「早く使いこなさないとぉ、大変なことになるよぉ」
毎回その言葉の後に、ある光景を見せてくる、黒い人影に、エレナ、リズ、そのほかに自分の知り合い、大切な人が殺される光景を
「これは君が力を使えなかった時の未来だよぉ」
止めようとしてもとめられない、そんな光景をずっと見せられ、いやになり、眠ることができなくなっていった
「力を使いこなすか」
力を使いこなすと言われ、思いついたのは異能である、異能を使いこなすとはどういうことかを考える
「使いこなすって言っても、今はまだ種類が少ないだろうし、一度ルークさんに聞かなくちゃ」
そもそも、異能には何種類あるのか知らないし、使いこなせているかどうかの判断もできない、その部分含めて、聞く必要がある
「よし、行くか」
ある程度湯につかったことにより、すこし疲れもとれ、すっきりした
「広場って、あそこでいいんだよね?」
ミーシャさんから広場に行けと言われたが、あまりこの家のことを知らないので一応、最初にルークさんといたところに行く
「お、来たね」
その広場に行くと、すでにルークさんがおり、準備運動をしていた
「どうだった?鬼ごっこ」
「意外と体が動かしずらくて、苦戦しましたけど、」
力加減を間違えると、物を壊したり、けがをさせたりする恐れがあったため、激しい動きはできなかったが一応、体を動かす練習はできた
「それじゃあ、今日は異能の練習はじめようか」
もともとの目的であった異能の訓練に入る前に、すこし聞いてみる
「ルークさん、異能って、どれくらいあるんですか?」
「えっと、どれくらいだろ、よくわかんないね」
ルークさんが、歯切れ悪く答える、ルークさんでもどのくらいあるのかわからないくらい多くあるらしい
「多分ほぼ無限にあるんだろうね、初めて異能が発現したとき、何か言ってた?」
「発現したとき・・・」
発現したとき、つまり10歳の時なので、ほとんど覚えていない
「すいません、あんまり覚えてないです、でも多分そういうことは言ってなかったと思います」
あまり覚えていないが、おそらくあまり詳細などは話していなかったと思う
「そうかあ、謎なんだよね」
「ルークさんは、どれくらい異能を使っているんですか?」
「どれくらいかあ、正確には覚えてないけど、大体400年くらいかな」
さらっとすごいことを言ったので、一瞬理解ができなかった
「よ、400年ですか?」
あまりにも信じがたいので、もう一度確認する
「そうだよ、ある異能を使ったら代償にね」
「そうなんですか」
「アルカも気を付けてね、多分今はないだろうけど、いずれ使うときが来るかもしれないから」
「はい、わかりました」
それほどの代償があるということは、とても強力であるということだろうが、いまのところはそのような能力はない
「それじゃあ話はこれぐらいにして、本題に入ろう、君は時間をとるかい?質をとるかい?これによって、訓練を変えるよ」
いきなりの質問に疑問を覚えるが、時間か質かで決めるならもちろん
「時間でお願いします、時間がありませんので」
「ん?そうなのかい?」
「はい」
アルカは、夢の中で言われた早くしないと大変なことになるという言葉を思い出し時間を選択する
「それじゃあ、今から、受継げる異能をすべていっぺんに送るよ」
「わかりました」
「それからゆっくり使い方を学んでいこう」
ルークさんが、あたまに手を置き、何かを唱える
「異能に告ぐ、継承可能異能をすべて対象へ」
〈対象:ルーク・ヴァレンティからアルカ・ロワールへ、異能の継承が行われました〉
(--------------------------を継承しました)
その瞬間、頭の中に膨大な量の異能が送り込まれ、意識を失った




