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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
33/128

星、空、月

・33・

side:アルカ・ロワール




みんなが起きたタイミングで、自分も起きて、みんなの元に行く


 「おはよう、準備は終わった?」


 「はい」


 「いつ行くんだい?」


 「そうですね、授業が終わったらそのまま向こうに向かおうと思っています」


セレスさんに、とりあえず予定を伝えながら朝飯をとる


 「ん?アルカ、今日は授業ないよ?」


 「え、そうなの?」


エレナが、今日は選抜戦の翌日であり、出場した生徒は疲れが残っていては授業に集中できないと判断されており、休みとなっている


 「それじゃあ、どうしようかな」


 「それじゃあ、三人で出かけようよ」


 「それもいいね、行こうか」


めったに三人で出かけるというのはないので、せっかくなので、行くことにする


 「どこか行きたいとこある?」


 「最近、買い物とか行けてなかったから、いっぱいあるよ」


 「それじゃあ、俺はついていくよ」


 「どこか行きたいところとかないの?」


 「別に大丈夫だよ、三人で出かけるだけで十分だから」


 「リズちゃんは?」


 「そうだな~、本屋に行きたいな~」


 「それもいいね、それじゃあ行こ」


朝食を食べながら、これからすることを決めていると


 「それじゃあ、私はもう出るから、かたずけよろしく」


 「お姉ちゃん、行ってらっしゃい」


セレスさんが、荷物をもって、玄関に向かっていく


 「セレスさん、どこか行くの?」


 「うん、なんか頼まれごとをして、それに行かなきゃいけないらしくて朝から準備してたよ」


 「そうなんだ、大変なんだね」


いろいろと、ほかにいくところを決めながら、皿などを洗い、出かける準備を終えた


 「それじゃあ、いこっか」


きちんと戸締りをして、家を出る


まず初めに向かうのは、リズが行きたがっていた本屋へと向かった


 「何の本が欲しいの?」


 「えっと、精霊魔法についての本が欲しいの、授業は月に二回しかないし、自分で勉強もしたいから」


 「そうだね、そもそも受けている人もあんまりいないんじゃない?」


 「うん、全部のクラス合同でやるくらいには少ないよ?」


一応、リズみたいに、精霊の加護がなくても使用は可能であるが、あまりメリットがなく、加護がない限りは、普通の魔法で十分なので、必然的に精霊魔法の授業を受ける人は少なくなっている

 

 「そうなんだ、それじゃあ自分で勉強するためにも本は必要だね」


 「うん、だからちょっと探してくる」


 「手伝うよ」


リズとアルカで棚に本を探しに行き、エレナは店の人に知っているかを聞きに行く


 「うーん、どこにもないな」


店の端から探しているが、なかなか見つからない、精霊についての本は何冊かはあるが肝心の精霊魔法の本についてはなかなか見当たらない


 「リズの方はどう?」


 「うーん、こっちもないかな~」


リズの方も見当たらずに、まだ見ていないところは少なくなってきた


 「この店にはないのかな?」


 「店の人も分からないって」


エレナが二人の元に戻ってきて、聞いた結果を伝える


 「ごめんねぇ、本の数も多くて、覚えられなくてねえ」


エレナと一緒に、店主らしきおばあさんも一緒についてきた


 「いえ、全然大丈夫ですよ、こんなに多ければ、覚えられなくて当然ですよ」


 「本当にすまないねえ、頑張ってさがしてくださいな」


店主も戻っていき、再び探すのに戻る


 「ん?アルカじゃねえか」


 「アーロ、奇遇だね」


 「そうだな、何してるんだ?」


 「ちょっと、探してる本があるんだけど、見当たらなくてこまってた」


 「何の本だ?」


 「精霊魔法の本」


 「ああ、棚にはないぞ」


 「え?」


アーロに探している本を伝えると、ある場所がわかっているのか、どこかへ導かれる


 「ちょっと待ってな」


そういいながら、店の奥に入っていく


 「おい、アーロ、そんなとこ入っていいの?」


 「ん?ああ、ここばあちゃんの店でな、たまに手伝ってるんだよ」


この店は、アーロの家の人が開いており、母親とおばあちゃんの二人でやっているらしく、お金に困ったときに、たまに店の手伝いをしているらしい


 「お、あったぞ」


アーロが二冊の本をもって、奥から出てくる


 「そんなとこにあったんだ」


 「まあ、結構貴重なものだしな、もしとられたりしたら、やばいからな」


 「それって売り物なの?」


 「ああ、ちゃんとした売り物だぞ、少し高いがな」


そういって、こちらに値札を見せてくる


 「うわ、本当だ」


 「いくらなの?」


隣からリズがのぞき込んでくる


 「うわー、こんなに高いんだ、これじゃあ買えないかな」


リズが値段を見て、少しがっかりしながらあきらめる

 

 「ん?買ってあげるよ?」


リズは自分のお金で買おうと思っていたらしいが、兄として、妹が欲しいものを買ってあげないわけがなく、アーロから本を受け取り、レジに向かう


 「本当にいいの?」


申し訳なさそうにリズが聞いてくる、本当に欲しいが、さすがに高いものを買ってもらうのは気が引けているようだ


 「いいんだよ、俺はリズのお兄ちゃんだからね、妹が欲しいものは買ってあげたいんだよ」


 「お兄ちゃん、ありがとう!」


リズが嬉しそうにしながら抱き着いてくる


 「ほんとに、アルカとリズちゃんって仲いいよね」


 「そうかな?普通じゃない?」


リズを抱き返しながらエレナにそう答える


 「アンとか、ほかの友達に聞いても、兄弟とかとはアルカたちみたいじゃあないみたいだよ?いつもけんかしてるって子もいるし」


 「へえ、何でだろうね」


大事な家族であるのに、なぜけんかをするのかわからないし、逆にそっちの方が珍しいのではと思う


 「エレナもセレスさんと仲いいでしょ、それと同じでしょ」


 「そうなのかな、まあいいや」


しゃべっているうちに、会計と包装が終わり、受け取った商品をリズに渡す


 「はい、大事に使ってね」


 「うん!ありがとう!」


リズが嬉しそうに受け取り、大事に抱える


 「私はもう十分だから、次はお姉ちゃんの行きたいところ行こ」


 「それじゃあ、まずは服屋にいこっか、そのあとに一回休憩して、露天の方に行こう」


エレナの一番の目的ともいえる、服屋に向かう


最近、エレナは着ている服がきつくなってきたといつも言っていたおり、前までは、姉のセレスさんのお古の服を着ていたが、だんだんセレスさんにスタイルが似てきたので、お古が出なくなり、エレナの着る服がなくなってきていた


 「さすがに俺は一緒に入れないから、ここで待ってるよ」


 「そうね、なるべく早く終わらせるから待っててね」


 「待っててね」


リズとエレナが一緒に店に入っていく


向かった服屋は、明らかに女性用の店であったので入るのはやめておき、店の前に腰かけ待っておくことにする


することもないので、空を見つめながらボーっとしている


 (そうだ、そろそろ素材を換金しに行かないと)


毎夜魔物を狩りに行っており、その際に出た死体をそのままにしておくと、環境にも悪いので、一応解体しないままそのまま虚無空間に入れていた


そのまま入れておく必要もないので、忘れないうちに冒険者ギルドに換金しに行かないとと思うが、いちいち解体もしないといけないので、あんまり乗り気がしない


服を選ぶのはまだ時間がかかると思い、今のうちに、剣を鍛冶屋に持っていくことにする


幸い、服屋から近いところにあったので、剣を虚無空間から取り出してその店に入る


 「おう、らっしゃい」


 「すみません、剣の修理をお願いしたいのですが」


 「おお、いいぜ、見せてみな」


父親からもらったミスリルの剣を鍛冶屋の人に渡す


 「ほう、ミスリル製か、なかなかいいもん使ってるじゃねえか」


店主のドワーフらしき人が、剣をよく見ながらほめる


 「お前さん、手入れを怠っただろ?」


 「はい、少し忙しくて、手入れができなかったんです」


 「そうだろうな、これ以上使ってたら、結構修復がむずかったろうな、まあ、任せな、完璧にしてやるよ」


 「ありがとうございます、必要なものってありますか?」


 「いや、今は在庫があるから、大丈夫だ、まあ素材を持ってきたら安くはなるぞ」


 「そうですか、今は素材が何もないので、お金でお願いします」


 「はいよ、それじゃあ、三日後に取りに来てくれ、その頃にはできてるからよ」

 

つい最近に、修復の依頼が数個入っており、少し遅くなるらしいが、ちゃんと直るらしいので安心しながら、ついでに不足している物を買い足すことにする


 (緊急用のナイフとあとは予備の剣も買っておくか)


予備の剣は、ある程度お金は積んでもいいので、それなりのものを買っておき、ナイフの方は、使い捨てにするつもりなので、安いものをいくつか買っておく


 「それじゃあ、三日後に取りに来ます」


 「おう、もしかしたらもう少し早く出来上がってるかもしれねえが、三日後に来た方が確実だ」


 「わかりました」


とりあえず、目的は終わったので、服屋の前に戻る


 「まだいない」


服屋に戻っても、まだ二人はそこにいなく、おそらくまだ買い物をしているのだろう、なのでさっきと同じところに腰かける


まだ時間がかかりそうなので、魔法の練習をすることにして、手のひらに魔力を集める


 (まだ、細かいコントロールはむずかしいな)


小さい魔力の球を出し、指の周りを漂わせるが、意外に難しく、早くなったり、遅くなったりと、あまり安定しない


 「アルカ、お待たせ」


結構長い時間、練習をしており、気づいたら、二人は買い物を終えて戻ってきていた


 「何やってたの?」


 「魔法の練習だよ、最近やってなかったからやろうと思ってね」


練習を終わらせ、二人の荷物を受け取る


 「いいの?私たちのものなのに」

 

 「まあ、荷物は男が持たなくちゃ」


さすがに女性に大きな荷物を持たして、自分は手ぶらというわけにもいかないので、二人の荷物を受け取る


 「リズは本も持ってるから、そんなに持てないでしょ?」


 「大丈夫だよ?そんなに重たくないもん」


 「まあ、いいから」


遠慮がちの二人から荷物を受け取り、次の目的地に向かう


 「ついでだから、露店で何か食べようか」


 「うん、そうだね、ありがとね」


エレナにお礼を言われながら、露店がある大通りまで向かう


 「とりあえず、何か食べるものは、、」


大通りにでて、あたりを見回し、一番初めに目についた食べ物の露店に向かう


 「おう、らっしゃい」


 「すいません、ここってなにが売ってるんですか?」


 「ここは、タリスっつう物を売ってるぜ」


 「タリスって何ですか?」


 「タリスは小麦で作った生地にキノコとチーズ、オークの肉をはさんだものだ、ここら辺では珍しいけど、結構うまいぞ」


 「それじゃあ、三人分、お願いします」


 「おう、毎度あり、ちょっと待ってな」


少し出来上がるのに時間がかかるらしく、待っている間に、近くに飲み物を買いに行くことにする


 「何がいい?」


 「うーん、私はオレンジジュースでお願い」


 「フレールジュースがいいな、なかったら私もオレンジジュースでいいよ」


エレナは大好きなオレンジジュースを、リズは子供のころから飲んでいたフレールというとても甘い果物を絞って、ミルクと混ぜたものを飲みたがっており、それを買いに行くが、フレールジュースは王都ではあまり売っていないので、露店にあるかどうかわからない


 「すみません」


 「はい、いらっしゃい」


 「ここってフレールジュースってありますか?」


 「ええ、あるわよ、珍しいわね、フレールジュースを知ってるなんて」


 「そうですか?家ではよく飲んでましたよ?」


 「へえ、てことはここから西らへんの村出身?」


 「そうですけど、何でですか?」


 「フレールジュースに使われているフレールって、この辺りじゃあ取れないのよ、主に私の村、ここから西にずっと言えばあるんだけど、そのあたりでとれるのよ、だからあまりこの王都には入ってこないし、フレールを知ってるってことはそのあたり村出身かなってね」


 「そうだったんですか、僕はアーリオ村ってところです」


 「え!私、その隣のルエラン村ってところよ」


 「本当ですか!」


アルカの村から、隣であるルエラン村にはよく出かけていたし、知っている村なので、少しびっくりする


その後、飲み物を注文し、それを待っている間、少し村の話などをして、時間をつぶしていた


 「おまたせ、また来てね」


 「はい、ありがとうございます」


飲み物を三つ受け取り、待っている二人の元へ戻る


 「お待たせ」


 「おかえり、ちゃんと買えた?」


 「しっかり買えたよ、フレールジュースもあったよ」


 「やった!久々に飲むなぁ~」


リズが嬉しそうにジュースを受け取り、すぐさま飲む


 「んん~、おいしい~」


王都に来てから、あまり飲む機会がなく、久々のフレールジュースを堪能している


 「はい、オレンジジュース」


 「ありがとう、よく見つけたね」


 「運が良かったよ、リズがあんなに嬉しそうでよかったよ」


 「そうね、本当に嬉しそう、はい、タリスもきたよ」


飲み物を買いに行っている間に、タリスもできていたらしく、エレナから受け取る


 「以外においしそうだね」


オークの肉が使われている割には、かなりおいしそうなにおいがするし、見た目もいい


 「そうだね、それじゃあいただきましょ」


意外とさっぱりとした味わいで、全然くどくなく、ぺろりと食べ終えてしまった


 「オークの肉って、こんなにおいしくできるんだね」


 「本当に、すごいね、全然臭みもないし、おいしいわ」


エレナもリズもすぐに食べ終わり、三人とも飲み物を飲み終えるまで、おしゃべりをしながらゆっくりする


 「それじゃあ、そろそろ行こうか」


 「そうね、まだまだ露店はいっぱいあるし、早く行こ」


それからいろいろと露店を回り、掘り出し物を見たり、武器を見たりしていると、いい時間となり


 「そろそろ帰らないといけないし、最後に行きたいところがあるんだけど、いいかな?」


エレナが一つだけ、行きたい露店があると言い、アルカとリズを1つの露店まで連れていく


 「ここは?」


 「アクセサリー屋さんだよ、せっかくだし、みんなでお揃いのもの、何か買わない?」


 「いいね、せっかくだし、何かいいものはある?」


アルカはあまりそういうものを選ぶセンスはないので、リズとエレナに任せることにして、後ろで見守ることにする


 「ねえ、これはどう?」


 「かわいいね、でもこっちはどう?」


二人でいろいろとみて、いいものがいっぱいあるのか、悩んでおり、なかなか決められないでいると


 「お客さん、何をお探し?」


店主の女の人が、長時間悩んでいるのを見かねて、声をかけてくる


 「えっと、せっかくここに来たので、何かお揃いのものを買いたいんですけど、決められなくて」


 「何人?」


 「三人です」


 「それなら、丁度いいのあるよ」


そういい、橋の方にあった箱を手に取り、こちらに渡してくる


 「それは、それぞれ星詠み、空詠み、月詠みのピアスって言ってね、こんな風に合わせると」


三つのピアスは、パズルのような形になっており、それを合わせると、一つの絵のようなものになる


 「いいですね!かわいいです!」


 「これにしましょう!」


エレナもリズも、気に入ったようで、三つ合わせたものを見た瞬間、すぐにそれに決めたようだ


値段もそこまで高くなく、三人でお金を出し合い、その三つのピアスを購入する


初めはこれもアルカがお金を出そうとしたが、これだけはちゃんとみんなで買いたいと言われ、その言葉に従った


 「リズちゃんはどれがいい?」


 「私はこれがいい」


一番初めに、リズにどれがいいかを聞き、リズは月詠みのピアスを選んだ


 「それじゃあ、私はこれ」


エレナは、星詠みのピアスを選び、アルカのものは、必然的に空詠みのピアスとなった


 「アルカはそれでいい?」


 「うん、これでいいよ」


ピアスの形的に、エレナとリズのものがアルカのピアスをはさむような形になっていて、二つとは形が違っていた


三人とも、受け取ったその場で、左耳にそれを付け、それぞれ見せ合っていた


 「どう?似合うかな?」


男がこのようなピアスを付けるのは珍しく、少し恥ずかしくなりながら、感想を聞く


 「うん、ちゃんと似合ってるよ」


 「ありがとう、二人も似合ってるよ」


二人のつけている姿も似合っているがそれを口に出すのは何か恥ずかしかったが、きちんと伝える


 「ありがと、大事にしてね、アルカが一番なくしそうなんだから」


疑いをかけられているが、絶対に無くさないように気を付けるつもりだ


 「大丈夫だよ、大事にする」


 「それじゃあ、そろそろ帰ろうか」


夕方になってきて、それも赤くなっており、アルカもそろそろルークさんのところに向かう時間となってきたので、家へと戻ることにする


家へ着き、自分の荷物をもって、二人に別れを告げる


 「学校では会えるけど、それ以外じゃあ、あまり会えないかもしれない」


 「まあ、学校で会えるから、いいんじゃない?たまには一緒にご飯でも食べに行こうね」


 「お兄ちゃん、無理はしないでね」


 「二人とも、ありがとう、それじゃあ、行ってくるね」


今まで住んでいたセレスさんの家を出て、ルークさんの家へと向かう


 「もっと、強くなって、みんなを守れるようにならないと」


耳につけたピアスに触れながら、そうつぶやいた





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