失敗作
・32・
side:アルカ・ロワール
災群生の森に足を踏み入れ、数分歩き、少し、魔力を一瞬放出し、周りの音に耳を傾ける
数秒待つと、一つであろう、物音が聞こえ、それがこちらへと向かってくる
(来たか)
魔力を放出しすぎると、手に負えないほどの寮が来るので、慎重に行ったが、いい結果となり、物音は一つしか聞こえなかった
(なんだ、こいつ、気持ち悪い)
出てきたのは、体が獣であり、しっぽがとてつもなく長く、うろこでおおわれているが、顔が、明らかに人間であり、それがさかさまについていた
魔物が出てきたら、することを決めており、すぐさま行動に移す
後ろに大きく飛び、距離をとりながら[真理の目]を発動する
ロマ:捕食をすることにより、その相手と同じ姿に変更が可能、さらに、強さを引き継ぐ
危険度:A~S
アルカの真理の目は、人間相手に使用すると、詳細まで見れるが、魔物相手であると、その魔物についてと、危険度しか見ることができないので、勝てるかどうかの判断が難しい
(この危険度くらいなら、何度か戦ったことはある、大丈夫)
完璧に、真理の目を信じているわけではないが、ある程度参考にする
一度、危険度がBであったが明らかに、危険度のAの魔物よりも強いことがあり、その際、異能自身に聞いてみたが、答えてくれなかった
「タ、ケ、、テ」
魔物がなにか声を出している、少し遠くて、聞き取れなかったがおそらく、捕食した元の人間の声帯も引き継いだのだろう
距離をとり、観察していると、相手のうろこが震えだし、低く構えをとった
「何する気だ?」
何がきても対応できるように身構えると、魔物のうろこが、いくつか、こちらに飛んでくる
大して早くもないので、それを剣で自分に当たりそうなものだけ切り落としていく
(大丈夫、集中すれば、なんとかなる)
うろこを飛ばしながら、相手が動いてこないのがせめてもの救いであり、うろこのみに集中ができる
なんとか、被弾なしにすべて切り落とし、息を整えながら魔物を見ると、笑顔でこちらを見ていた
(本当に気持ち悪い、早く殺さないと)
なぜか、いやな予感がして、早く殺さないと、と焦ってしまう
相手が反応できない速度で一気に距離を詰め、目に狙いを定め、剣を振り下ろす
「うぎゃあああああああ!!」
魔物が大きな声を出し、呻きだす
(しまった!!)
大きな声を出されては、ほかの魔物が近寄ってきてしまうので、悪手であった
すぐさま喉を切り裂いて、声を出せなくして、一旦距離をとる
「ほかの魔物は!?」
音だけに集中し、ほかの魔物が寄ってきていないかを確認する
数秒、様子をうかがったが、魔物が近くにいる様子はなく、再び、目の前の魔物に集中する
「動きは遅い、あとは相手の攻撃力がどれくらい強いかだ」
それだけが懸念であり、当たらないに越したことはないが、万が一、よけそこなった場合の、判断が遅れる原因になるかもしれないので、一応確かめることにする
魔物に近寄り、相手の攻撃を誘い、わざと、左腕に攻撃を受ける
当たった瞬間、衝撃はすごく、おそらく骨は折れただろうが、それ以上の痛みがあった
(なんだ?こんな痛み、今まで感じたことがないぞ)
皮膚が焼けるような感覚になり、だんだん感覚がなくなっていく
その原因を調べるために、右手の剣で、左腕を切り落とす
切り落とすと同時に、すぐさま異能を発動する
[回帰]
すると、アルカの左腕は、元に戻り、腕もおれていない状態になる
きちんと腕が動くことを確認しながら、切り落とした腕に対して、[真理の目]を発動する
腕:左腕
状態:呪い・猛毒
「なるほど、呪いと猛毒か、結構厄介だね」
おそらく、[回帰]の回数が切れて食らってしまうと、助からないだろう、なので、絶対に当たらないように、注意しながら戦っていく
魔物の状態は、うろこもなくなり、おそらく目も見えないので、しっぽに注意しながら戦っていく
まず初めに魔物の腕を切り落としていくが一本切り落とすと、しっぽで攻撃してくる
「危ない」
予想外の攻撃に少しびっくりしながらよけるが、少し掠ってしまう
「うっ」
掠った瞬間、目の前が歪み、吐き気がこみあげてくる
(まずい)
左手に食らった時よりも、すぐに体に毒が回っていき、体全体も感覚がなくなっていく
[回帰]
本日二回目の回帰をつかい、なんとか立て直す
「先に、しっぽを」
魔物に気づかれないように近づき、しっかりとしっぽを切り落とす
そして、すぐさま、残りの腕も切り落としていく
「これで、終わり」
最後に、首を切り落として、完全に息の根を止める
「はあ、危なかった、二回も使ってしまった」
[回帰]の使用回数も、あの時よりも使用回数は多少増えたが、魔物一体に二回も使ってしまったので、続けて戦うのは危険だと思い、今日は黄昏の森で狩りを続けようと戻り道の方を振り返る
「・・・・」
そこには、だれか立っており、じっとこっちを見ていた、体格からして男だろう人は、体を傾けて、唸っていた
「ああう、うあ?」
「誰ですか?」
明らかに、魔物ではないし、こちらに敵意もなさそうなので、話しかけてみる
「う?うああうあ」
質問には答えず、ずっと唸っており、少し気味が悪くなり、よく観察してみることにする
よく見てみると、目の前の人は、気味の悪い仮面をかぶっており、ふらふらとしており、時折、自分の腕を引っかいたりしていた
「一応、[真理の目]」
念のために相手のことを警戒して、真理の目を発動しておく
フロッピー
LV:93
種族:人間
生命:11218
魔力:0/7632
攻撃:4271
防御:6422
魔攻:3323
魔防:4412
体力:6453
俊敏:5362
知力:0
結果に、少し困惑する
「知力、0?どういうことだ?」
知力が0ということは、脳が動いていないのか、おそらく思考するということができないのだろう
思考できないということは、何をするのかも予想がつかないので、襲われる前に、離れ、すぐさま黄昏の森の方へと戻っていく
災群生の森を抜けて、黄昏の森に入り、府と後ろを振り向くと、仮面の男が後ろをついてきていた
「うううう」
後ろをついてきていると認識した瞬間、男が襲ってくる
しかし、まったくもって、視認することができず、気づくと手に痛みが走り、男は後ろの方にしゃがみ込んでいた
「あうあ」
男は振り返り、一言声を上げる、よく見てみると、仮面の下から血が滴っていた
そして、自分の手を見てみると、小指がなくなっており、その血が自分のものであると認識した
「俺の指を食ったのか?」
あたりを見回しても、自分の指は見つからないので、おそらく自分の考えがあっているのだろうと認識する
「まだ、回帰は使えない」
小指がなくなった程度で使うのは回数制限のせいで、使えない
しかし、小指がなくなったことにより、両手では剣が持てなくなり、実力が出せなくなる
(まずいな、多分、勝てないぞ)
自分と相手のレベル差からして、かないそうにないが、知能の低さに頼って、戦うことになる
おそらく、このまま逃げても、逃げ切ることができずに、王都まで連れていくことになってしまうので、その選択はできない
「はあぁ」
息を大きく吐き、相手にのみ集中する
相手の方が、どたどたと、こちらに走ってきて、腕を振り下ろしてくる
「うぶら」
明らかに、フェイントも入れずに、見える速さで殴ってくるので、簡単によけることができる
その隙だらけの相手に、剣を振るい腕を切り落とそうとするが、剣が当たると相手は吹き飛んでいった
(切れなかった)
明らかに、よけられてわけでもないのに、切れなかった
(剣は通じないか)
剣が通じないとなると、相手を倒すには、気絶させるしかなくなってくるが、この相手を気絶させれる気がしない
明らかに自分よりもステータスが高いので、先にこっちの体力がなくなり、いずれは相手の攻撃も当たってくるだろう
「ぐるぐる」
吹き飛ばされて、倒れたままの相手が、起き上がり、頭を掻きむしっていた
「あおい」
四足歩行で、こっちに近づいてくるが、木の根に引っ掛かり、転んでいた
そこに、剣をたたきつけて、首を後ろから衝撃を与えて、気絶させようとするが、まったく聞いていなかった
「あるれら」
なぜか起き上がった直後に、近くにあった木を殴りつける
その殴りつけられた木は、真っ二つになり、木が仮面の男に倒れてくる
「あぼぼぼ」
そして、その倒れてきた木に下敷きになりながら暴れる男、その行動に、アルカは混乱する
「さっきから何をしているんだ、こいつは」
動けなくなっている男に近づいて、しっかりともう一度首を狙い、気絶させようとする
「あぼ、あが、あぐ、いぎ」
しかし、何度剣でたたいても、相手は気絶せずに、しまいには、木をどけて、身動きが取れるようになってしまう
そして、直立したまま動かなくなり、じっと地面を見ていた
そこに再度切りかかるが、急に男は動き出して、アルカの剣をつかんだ
「あふぉ」
そして、つかんだ手とは反対の手で、思いっきり、アルカに殴り掛かった
「がっ」
剣が受け止められて、離すのを遅れたアルカに、男の拳は直撃し、大きく吹き飛んでしまう
その衝撃に、一瞬意識が飛んでしまい、相手が追ってきているのに一瞬気が付けなかった
そして、体勢を整える前に、男が追い付き、地面にたたきつけられる
「がはっ」
たたきつけられたアルカは、血を吹き出し、焦点が合わなくなる
「うひひ」
休む暇を与えずに、アルカに追撃をしてくる男、終点が合わないことにより、ちゃんと対応できずに、数発、受けてしまう
(まずい)
このままでは、一方的にやられ、殺されてしまうと思い、回帰を発動し、なんとか動けるようにする
[回帰]
唱えると同時に、横に転がり、男から距離をとる
その場所を離れても、男はずっとその場所で地面を殴り続けていた
その間、息を整え、どのように戦うかを試行錯誤する
(どうすればいい?剣では切れない、気絶もさせることができない、どうする)
考えている間も、男はずっと地面を殴っており、いかに知力が低いかを理解する
1つ思いついたことを試すために、静かに近づいていき、思いっきり木の方向に蹴り飛ばす
「ぷぎゃ」
受けももとらないまま、木に衝突する男の身動きをとれなくするために、
[虚無空間]
異能の一つである、空間系の異能を使い、その中から、数本のナイフを取り出す
あの頃よりも、使用できる異能もいくつか増えており、その中の一つである[虚無空間]、一般的な空間魔法のものとは違い、制限がなく、ほぼ無限に物を入れることができる、ただその分、制限もある
数本のナイフを男が身動きが取れないように、木に刺していく
その際も、異能を使用する
[ベクトル指定]
これはただ単に、物を飛ばす際の方向を決定するだけの能力である
男が動けなくなった瞬間、虚無空間から縄を三本取り出し、足と胴体を機にぐるぐる巻きにし、両手に縄の端を、木を利用して、動かせないようにする
「これで、動けないだろ」
動けないと確信し、とどめを刺そうと思うが、剣で刺しても、肌に刺さらずにめり込むだけであるし、切ろうとしてもはじかれるので、どうしようもない
「まあ、いいか、このまま置いておけば、追われることもないだろう」
とりあえず、今日は異能の制限的に、これ以上災群生の森にいるのは危険と判断し、戻ることにする
黄昏の森にいる大概の魔物に対しては、まったく苦戦もせず、数種類の魔物にのみ気を付けていたらいいので、まっすぐに、王都へと戻っていく
そして、数体の魔物をかたずけながら、黄昏の森を出る
森を出て、門につくまでの間に、男に食われた指を治すために、[回帰]を使用し、そのあと、出た時と同じように衛兵に見つからないように、静かに家へと戻っていく
「ただいま」
寝ているリズに向かって、挨拶をしながら、自分のベッドに腰を下ろす
(今日はいつもより早いけど、どうしようか)
いつもより早めに切り上げたことにより、時間があまり、やることはないが、眠ることはできない
(眠ってしまったら、またあいつと)
そうなると、やることと言ったら、勉強くらいになる
[虚無空間]
学園の教科書を数冊と、以前に勝った魔法についての本を取り出し、読むことにする
そして、みんなが起き始める時間となると、物をかたずけて、眠っているふりをする
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side:?
「何してんの?」
木に縛られている、探していた人に向かって、あきれた声で声をかける
「あああああああああ」
まったく動けないのか、ただただうねり声をあげるだけであった
「やっぱり、失敗作だね!もう!」
ぷりぷりと怒りながら、縄とナイフをとっていき、自由にしてあげる
「フロッピー、近くにあったロマの死体は、もちろん君じゃあないよね?」
そう、質問をしながら、仮面に手をかざす
バチッ
仮面に触れた瞬間、大きな音が鳴り、フロッピーがびくっとはねる
「ち、が、う」
「まあ、それはそうよね、明らかに刃物でやられてたし、まあいいや、素材はとれたし、帰るよ!」
そういいながら、フロッピーを引きずり、森の奥に消える女の子
現在のアルカの使用可能な異能:裏通し、真理の目、回帰、瞬速、虚無空間、ベクトル指定、ゆりかごの陽だまり
他に使用してないが、使用可能なものは数個存在




