異世界人
・27・
side:ルーク・ヴァレンティ
(何でここにいるんだ?)
なぜかここにいる、異世界人に少し困惑をする
(まあ、とりあえず話を聞くか)
話を聞かないことには、何も始まらないので、偶然、通りかかって気になった風に話しかける
「お二人さん、どうしたんですか?」
「ん?誰だ?」
「ああ、失礼しました、ここを通りかかったときに、たまたま目に入りまして、見慣れない服装なので、旅の方かなと思いまして」
「そうなんです、ちょっと遠いところから来たんですが、お金が無くなっちゃって」
男の方は警戒心が高いのか、話しかけた瞬間に、体が少し強張るが、女の方は、警戒心が全くなく、こちらが話しかけるとすぐに答える
「それは大変でしたね」
「はい、それで、やっと、大きな街についたんですけど、どこかに泊まるお金もなくて、ここでどうするか考えていたんです」
くぅ~~
そういい終わると同時に、しゃべっている女のおなかが鳴り、それが恥ずかしかったのか、顔が真っ赤になる
「あはは、おなかすいてるんですね」
「はい、お金が全くないので、食べるためのお金もないんです、、お願いします!何か食べ物を恵んでくれませんか!!」
女が頭の前に手を合わせて、お願いをしてくる
「おい!」
「なにかな?」
男が女に対して、少し大声で声をかけ、それに対して、にっこりとして振り返る
「うっ、いや」
「もとはといえば、君が、無駄に食べ物を買って、それを子供たちに上げるから、自分たちの分がなくなっちゃったんでしょ!!」
「、、、、それに関しては、すまない」
「まあ、もういいよ」
男は申し訳なさそうに、女に謝る
少し二人の間の空気が悪くなり、気まずくなる
「まあ、とりあえず、どこか店に入りましょう」
「!!いいんですか?」
「ええ、こちらも少し小腹がすいていたので、ついでにどうぞ」
「ありがとうございます!!」
女の方が嬉しそうに声を上げ、男の方は申し訳なさそうにこちらを見る
二人を連れて、近くの飲食店へと入っていく
「おう、ルーク、こんな時間にどうしたんだ?」
「旦那、適当に何か頼んでもいいかい?」
「あいよ、どれくらいだ?」
「だいたい二人分でいいよ」
「わかった、座って待っときな」
座って、料理が運ばれてくる間、少し話をする
「とりあえず、二人の名前を聞いていいかな?」
「あ、そうでしたね、私はカンナギ・ミホといいます」
「俺は、カミシロ・アキトです」
「あまり聞きなれない名前ですが、どこの出身ですか?」
分かってはいるが、少しでも怪しまれないように、聞いておく
「それは、ええっと」
「ああ、言いたくないのであれば、大丈夫ですよ、私はルーク・ヴァレンティと申します」
質問の内容自体、知っているし、興味もないので、答えてもらわなくてもいい
「それよりも、今後どうするんです?お金もないですし」
「この時間って、ギルドとかって空いてますか?前の街で登録はしたんですけど」
冒険者登録は、ここに来る前に済ませており空いているらしく、道中で採集したものを売ってお金にしたいそうだが、日付けが変わりそうな時間であるので、もちろんギルド自体空いてはいなく、素材を売るためには翌日まで待つ必要がある
「ということは、このままじゃあ、野宿、、、、」
女が絶望したような顔をしており、男もガッカリとした顔をする
「よければ、そのとってきたものを買い取りましょうか?」
「本当ですか!!お願いします!!」
女が身を乗り出してお願いしてくる
「それじゃあ、とりあえず見せてもらっていいですか?」
「はい、わかりました」
そういい、持っていたバックからいろいろな素材を出し、机の上へと出していく
出した素材はいろいろあり、その中に一つ少し気になるものがあった
「これはどこで?」
「それは、えっと、確か、、、」
「それは、スワッツ村っていうところで、助けを求められて、その時に採取したものです」
女の方が、どこで手に入れたかを忘れたらしく、男の方が代わりにこたえる
「へえ、これは大切に持っておいた方がいいよ」
そういい、カンナギのほうにそれを返す
「これって何ですか?」
「それは、白輝石といって、スワッツ村の近くの洞窟でしか取れないんだ、それにいずれ必要になるときが来るかもしれないから持っておくといいよ」
「どういうことですか?」
「それは、今は知らなくてもいいかな」
「はあ、そうですか」
いずれ、知るときが来るであろうから、今は別に教えようとは思はなかった
「それでは、それ以外のものは買い取らせていただきますね」
そういい、懐から金貨を二枚取り出す
「!!こんなにいいんですか?」
「ええ、おそらく適性の価格だと思いますよ?」
そういった瞬間、カミシロがにらんでくる
「それは本当か?」
「何が言いたいんですか?」
「なんか、お前は胡散臭いんだよな」
「アキト!失礼でしょ!」
「いえいえ、別に大丈夫ですよ、まあ、無理もないですね、それならお金はお渡ししますのでこちらの方は明日、ギルドの方で鑑定してもらってから受け取ります、それでいいですか?」
「はい、すいません、アキト、それでいいよね!」
「、、ああ」
まだこちらを疑っているアキト、いきなり話しかけてきて、このような対応をしてくる人を簡単に信用するのは難しいので疑うのは当然である
「おまちどう」
注文していた料理が完成して、それが運ばれてくる
「お二人さん、こいつが怪しいと思うのはわかるが、安心していいぞ、人をだますようなことこいつはしないから」
料理を運んできた店主が、話を聞いていたのか、話しかけてくる
「本当ですか?」
「ああ、まあ別に信じなくてもいいがな」
そういい、去っていく店主
「それじゃあ、いただきましょうか」
「はい」
運ばれてきた料理に、各々手を付けていく
食べ始めて少し経った後、明日の話をする
「ところで、もう泊る場所は決まっているんですか?」
「いいえ、まだです、でも明日のために、今決めたほうがいいですよね、どこかいい場所はありませんか?」
「それじゃあ、ここでいいんじゃないですか?あんまり知られてはいませんがいい場所ですよ?」
「ここって宿屋だったんですか?」
「はい、宿屋兼食事処です」
ここなら明日の集合場所にわかりやすいので、提案する
「それなら、ここにしますね」
「わかりました、それでは明日、迎えに来ます」
カンナギが少し考えた後、口を開く
「いえ、やはり大丈夫です、店主の言葉を信じてみます、こちらの方はお渡しします、いいよね!アキト!」
「、、、ああ」
しぶしぶといった感じで、カンナギの言葉に応答するカミシロ、店主の言葉で少しは警戒を解いてくれたらしく、監禁した素材を渡してくる
「よいのですか?」
「はい」
それからルークはある程度食事をしてから、帰宅することにする
「それでは、またどこかで縁がありましたら」
「はい、ありがとうございました」
カンナギが頭を下げてお礼を言ってくる
それを見届け、店を出る
そして、すぐさま家へと戻っていく
「おかえりなさいませ、どちらへ?」
「少しね、今ミーシャは?」
「先ほどお戻りになりました、今はお部屋にいます」
「わかった、ありがとう、もう休んでいいよ」
「はい、それではお休みなさいませ」
ヴァレンティ家のメイド長であるレイナは、いつも、全員が寝静まってから寝るので、今日は先に休ませる
ミーシャの部屋の前まで行き、ドアをノックする
「ミーシャ、起きてるかい?」
ガチャ
「今寝ようとしていたところにゃ」
寝間着姿のミーシャが出てくる
「ごめんね、ただ一つ伝えることができたから」
「なんですか?」
深刻な顔になったルークを見て、事の重大さを察知する
「いいかい、落ち着いて聞いて」
「はい」
「いま、この王都に多分アイオス国から逃げてきたと思われる異世界人がきている」
「それは本当ですか?」
そういった瞬間、すさまじいほどの殺気がミーシャから噴き出る
「落ち着いて、深呼吸」
「スー、ハー、すまないにゃ、もう大丈夫」
「どうする?」
「そいつらのことについて教えてほしいにゃ、そのあとに、殺すかどうか決めるにゃ」




