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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第2章  学園編
25/128

礼王選抜戦3

・25・

side:ルーク・ヴァレンティ




 「それじゃあ、行くけど、今日はみんな来る?」


 「はい、ミーシャちゃん以外はみんな家にいるから、誰かと一緒に見に行きます!」


家を出て、学園に行く前に、たまたま一緒に朝食を食べていたハルに今日は来るのかをたずねる


 「了解、絶対に子供だけで来ちゃだめだよ?」


 「は~い、最悪、あの人と一緒に行きます」


ハルが言っているのは、基本的にこの家で飯係を担当しているエルフのシンラのことである


 「そうだね、まあ、最悪は一緒に行ってくれると思うから、気を付けてね」


 「いってらっしゃ~い」


ククルとアイシャは先に行って、いろいろと準備をしたりしているらしいので、ほかの二人を呼びに行って学園に向かうことにする


といっても、二人とも学園の寮に入っているので、それほど手間ではない


まず、準備に時間がかかりそうなクールーを呼びに行く


クールーの部屋の前について、ドアをノックするが、反応がないので、起きていないのだろう


 「入るよー」


昨日のうちに、もし起きていなかったら起こしてほしいと部屋の合いかぎをもらっていたので、それを使い部屋に入る


 「おーい、クールー?」


 「はー、い」


部屋に入ると、ベッドで丸くなるクールーがいた、彼女は朝に非常に弱くて、いつもはこんなに朝早くには起きないので仕方がないことである


 「ほら、起きて」


待っても全然起きようとしないクールーを無理やり座らせる


 「あっ、おふぁよ~」


クールーを起こしていると、洗面所から、歯磨きをしながらミールが出てくる


 「ん?ミール。昨日はここに泊まったの?」


 「そうだよ、昨日はおねいちゃんがいなかったから、ここに泊めてもらったの」


 「そうなんだ、まあ、レナも、アイシャもこの時期はいろいろと忙しいし、あんまり夜はいられないかもね」


 「そうなの、だからね、最近は一人だから、起きるのが大変だし、寂しいの、、」


 「それじゃあ、別にいつでもうちに来てもいいんだよ?ミナたちも会いたがっていたし」


 「いいの?!じゃあ今日行く!!」


 「わかったよ、伝えておくね」


 「やった~!!」


そうこうしているうちにまた寝ようとしているクールーを再び起こして、準備をするように言う


準備をしている間に、二人の朝ごはんを軽めに作っておく

 

 「クールー、適当に余ってるもの使うね」


 「はーい、って言っても、ほとんど何もないですよ」


言われた通り、保存箱にはほとんど何も残っていなく、調味料などが少し残っている程度で、あとは野菜と卵が少し残っていた


 「卵は使ってもいい?」


 「いいですよ、この前にもらって、余らしてたんです、どうせ料理しないですし」


 「じゃあ、腐らせる前につかうね」


卵を使ってオムレツと、野菜のスープを作り、二人に食べさせる


 「おいし~」


 「うまっ!」


ミールはほっぺたを抑えながらいい、クールーは全く女性っぽさを出さずに叫んでいた


そんなことをしているうちに、そろそろ向かわないといけない時間になり、三人で学園のほうへ向かう


会場の控室に行くと、すでにアイシャとククルがいた


 「もういたんだね」


 「はい、さっきつきました」


ククルが朝から腕ならしのために、アイシャと手合わせするために、早くから学園に来ていたらしい


ククルは集中しているのか、ルーク達が来たのに気づいていない様子であった


これほど集中し、勝負のことだけ考えてなければ、試合中に一瞬でも気を抜いてしまうとすぐに負けてしまうくらいに特Sクラスの三人は他とは実力がかけ離れている


はっきり言って、一回戦の試合は三人のうちだれ一人として全力の一割も出していなかった


 「久々ですね、全力を出せる試合って」


 「そうだね」


クールーがそういって、ルークも答える


しかし実際にはルークは全力を出すことはできないが、それはみんなには言わないようにした


昨日の副作用は魔攻と味覚であったが、今日は聴覚と体力である


聴覚に関しては、会話程度得あれば、読唇術とある程度の魔法の行使で可能であるが、会話程度までしかできないので、戦闘中の音は一切聞こえない、それに加えて、一発でも食らってしまうとアウトのハンデを背負いながら全力の三人と戦わないといけない


 「失礼します」


話をしていると、紙を持った、昨日審判をやっていた人が部屋に入ってくる


 「みなさん、お揃いですか?」


 「はい、全員いますよ」


 「それじゃあ、ルールのほうを確認させていただきます」


昨日の試合と今回の試合は違う点があり、今回は他の三人全員と戦い、勝った回数が多い三人が礼王戦出場者となる


 「それで、試合中にはこの腕輪を付けてもらいます」


審判から渡されたのは、試合中、この腕輪をつけて、登録した者同士が戦う際、瀕死になった際に指定された場所に運ばれるといった効果のあるもので、全力で勝負する際につけるようになっている


 「これで、余計なことを考えずに済みますね」


クールーがなんか怖いことを言っていると分かるが、何も触れずに準備運動を始める


 「それでは十分後に校長から一言あり、それから一試合目です」


対戦表を渡されて、それを見ると、一試合目はクールーと、二試合目はククル、最後にミール、となっている


 「ルークさんと一試合目か~」


クールーも準備運動をしながらつぶやく


 「この部屋にポーションなどは置いておりますから、すきにお飲みください」


この控室にあるものは自由に使っていいと伝えた後に、審判は部屋を出る


そうこうしているうちにシーラの話が始まり、第一試合の準備に入る時間となる


 「久々ですよ~、付与魔術使うのは」


クールーは今回は剣を持っており、全力なのがわかる


彼女はもともとは魔術特価であったが、特Sランクになったときに、近接戦闘のことを学んで、それを魔術と組み合わせる研究をしていた


これにより魔術師の弱点である近接戦闘を補いながらも、攻撃値の低さを補える最適解を導き出していた


 「ルークさん、本気で来てくださいね」


そういわれたので、本気を出すために、一振りの刀を出す


 「ありがとうございますね」


クールーが微笑みながら感謝を伝える


シーラの話が終わり、一試合目の選手の呼びかけがおこって、二人がステージに上っていく


 「それじゃあ、さっそく一試合目、始めましょう」


シーラがステージから降りて、指定の位置につくと、それを確認した後、審判が号令をかける


今回は試合の開始と終了を両方とも審判が行うようになっている


万が一にも巻き込まれた際に危険であるので、この方針となった


 「両者準備はいいですね、それでは、はじめ!」


号令と同時に、全身の力を抜き、ゆらゆらと揺れる


そしてタイミングを計って、抜刀と同時に一気に接近する


クールーのほうは、ルークが構えに入った瞬間に、自分の剣に雷属性と土属性の魔術を付与した


雷属性は速度向上、土属性は耐久力向上が主な効果である


ルークの一発目の攻撃をなるべく力を入れられるように腰を低くして構えて、なんとか受け止める


 「今ので折れないなんて、なかなかの硬度になってるね」


前までの付与では、今の攻撃で剣が折られて、一気に瀕死状態にさせられていたが、魔力を上げて、より硬度を上げていた


 「今度はこちらからいきますよ!」


ルークの戦闘形体的に、基本的に瞬殺かヒットアンドアウェイであるので、クールーは普通にやっていては動きに追いつけない


なので、クールーは剣を受け止める準備をすると同時に魔法の準備をしており、受け止めたと同時にそれを発動する


 「いいね!」


発動した魔法は、クールーを中心に炎のドームを作り出すものであった


それによりルークは下がれなくなり、二人とも攻撃が届く間合いでの試合となる


それに加え、クールーの剣に付与された雷属性により、ルークは大きくはじかれ、体勢を崩す


 「行きますよ!」


体勢を崩したルークにさらに追撃をするが、地面にあおむけに寝転がってそれをよける


そのあと、起き上がると同時に足払いをするが、それをジャンプしてかわすクールー


ジャンプでかわすと同時に再び一撃を繰り出す


しかし、ジャンプした体勢ではうまく振れなく、少しぶれてしまい、それをルークは見逃さずにドームギリギリまで下がり、クールーの剣の範囲から外れ、剣に平行になるように刀を振るう


ふるった刀が剣に並ぶと同時にはじきあげて、付与の雷属性の威力も加わってクールーは大きくはじかれる


そこにルークが一閃を決めて、クールーはその一撃により瀕死となり、ステージ外に転移させられる


その時点で勝負が決する


 「試合終了!勝者は緑です!」


勝者が決定すると歓声が上がる


クールーの元へ行き、一緒に控室に戻っていく


 「おかえり!」


 「お疲れ様です」


二人が部屋に入ると、出迎えてくれる


 「ありがとう、次は二人だね、頑張って」


 「はい、ありがとうございます」


 「頑張る~」


すぐさま、二人の試合の時間となり、二人はステージへと上がっていく


その間に、次の試合のためにルークとクールーは控室にあるポーションを飲んでおく


 「それでは、試合はじめ!!」


二人の試合が始まり、すぐさま、二人とも近距離戦へと持ち込む


数分間、攻防を繰り返したのち、一瞬のスキをついて、ミールがナイフ特有の取り回しの良さを生かして体勢を崩したククルの首元に一撃を入れる


その一撃によりククルは瀕死状態になり、ステージ上に転移させられる


 「試合終了!勝者、茶です!」


再び大きな歓声が沸いて、二人は一緒に手をつないで控室へと戻ってくる


 「二人とも、お疲れ様」


 「おつかれ~」


 「お疲れ様です」


 「ククルは惜しかったね」


 「はい、次こそは、勝って見せます」


 「その調子で頑張って」


接戦であったので、どちらが勝ってもおかしくなかったが、一瞬のスキを突かれて負けてしまったので、次はどちらが勝つかは予想ができないような試合であった


 「次は、ミールとだね」


 「うん!ねえ、使ってもいい?」


 「いいけど、体力はやめておいてね」


 「わかった~」


手を上げながら元気よく返事をするミール、使っていいと聞いたのは、固有技能のことである


その詳細を知っているのはルークとミールのみである


その理由として、知られるだけで対策されることがあるからである


今回の試合ではルークは対策は使わずにちゃんと戦うことにしている


そして、次の試合の始まる時間となる







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