礼王選抜戦1
・23・
side:アルカ・ロワール
「それじゃあ、時間になったから、選抜戦始めるわよ~!!」
シーラ校長がそういうと同時に、観客たちが一斉に大声で叫ぶ
「まずは、今回、選抜戦に出る生徒の紹介よ!」
シーラがそういうと、選手入場口から、何人かの生徒が出てくる
その一番前に立っているのは、セレスと、主席であるククルであった
その後ろから、ほぼ全員、フードや帽子をかぶって、顔を隠している人が歩いていた
「特Sクラスの人たちは、顔がばれるといろいろと面倒になる人たちが多いから、一応顔を隠してもらっているわ」
シーラ校長が、顔を隠している理由をみんなに説明していく
特Sクラスの人の顔を知られれば、平穏な日々を暮らせなくなるので、無理やり、隠させているという
一応、各自、色を決められており、その色のもので顔を隠しているので、区別はつくようになっている
シーラ校長がいろいろと選抜戦のルールと、対戦の組み合わせの発表をしていく
そうして、もろもろの注意事項やルール説明を終えて、最初の試合になる
「それじゃあ、最初は赤対青よ!」
シーラ校長がそういうと両方の選手入場口から赤色の帽子と、青色のフードをかぶった人が出てきた
二人とも杖を持っており、魔法をメインで戦うのだろう
一応、魔法と近接で分けられているらしいので、それほど戦力に差はない
「二人とも準備はいいわね、それじゃあスタート!!」
スタートの合図と同時に二人が無詠唱で魔法をいくつも放つ
魔法は無詠唱、フル詠唱、簡略詠唱の三種類あり、簡略詠唱はだれでも使える詠唱である
フル詠唱はものすごい魔力を消費するが、その分、威力も増大となるが個人戦などでは隙が大きくあるため使うことはできない
その分、無詠唱はフル詠唱よりは少し威力は落ちるが、ノータイムで発動できるので、これを使えると個人戦では無詠唱同士でしか互角には戦えない
「すごいね、二人とも無詠唱だし、同時にいっぱい魔法を発動してるよ」
「そうだね、それに見たことない魔法まで使ってる」
「たしかに、あれ、何の魔法?」
「わからない、初めて見るね」
他のみんなに聞いても誰も分からない、明らかに火、水、土、風の魔法には見えないのである
「あれは複合魔法だよ」
声が聞こえたほうを向くと、アイシャ先生と、ミーシャさんがいた
「複合魔法ですか?」
「そ、あんまり知られてないっていうか、使える人がここら辺ではあまり見ないからね、知らないのは無理ないよ」
「そうなんですか」
「例えば、火に土で雷になるよ、まあ、そんなに簡単にはできないけどね」
複合魔法はただ単に一緒に使えばいいわけではなく、割合が少しでも違えば、発動しなくなっており、ここぞとばかりに焦って割合をミスしてしまうことがあり、とてつもない練習が必要らしい
「ここにいたにゃね」
そういいながら、後ろの三人の横に座る
「ミーシャさんと知り合いなんですか?」
「そうにゃよ、覚えてないにゃ?初めて会ったときにあってるにゃよ?」
「そうなんですか、すみません、あんまり覚えてないです」
実際、アルカは、ミーシャさんと初めて会った時の記憶が、なぜかなくなっている、あったということは覚えているが、何をして、何を話したかを一切覚えていないのである
「というか、今日って、一般の人って入れるんですか?」
「一般の人は入れないけど、一年生の保護者のみは入っていいことになっているのよ」
一年生では、まだ友達ができていなく、一人できて、何か問題になることを防ぐために、保護者の同伴を許可している
「まあ、入るのに、結構面倒ではあるけどね」
保護者が入るためには、いろいろと書類を書かなくてはならなく、身分の証明も必要になっているので、無関係の人が入るのはほとんど不可能であるらしい
「それよりも、見ておいた方がいいよ、多分もうすぐ終わるから」
アイシャ先生がそういうと、試合のほうで進展があった
赤い帽子をかぶった人が魔法を発動させながら、青い人のほうに突進する
「やっぱり、あの子怒っちゃた」
アイシャ先生が言うには、赤い帽子の人がなかなか決着がつかないことにイライラして、無理やり終わらそうと、全魔法を使って特攻したようだ
周りに無数の他属性の魔法球を浮かせて両手に雷のような魔法をまとわせている
「あの人のこと、知っているんですか?」
「まあね、というか、私は君たちのクラスと特Sクラスの担任だからね」
「二個もクラスを、持っているんですね」
「特Sクラスは、基本的に誰も学園に来てないからね、何もしなくていいから、楽だよ」
元はアイシャ先生は、特Sオンリーの担任だったらしいが、あまりにもやることがなさ過ぎてアルカのいるクラスのCクラスも持つことになった
赤い帽子の人が、相手の魔法の一瞬のスキをついて、殴り飛ばす
そしてそのまま、相手が気絶して試合は終了する
「というか、まったく見えなかったです」
「そりゃあ、魔法職だけど、仮にも特Sクラスだからね、Aクラスまでの子なら、手も足も出ないんじゃないかな」
特Sクラスの人は、魔法を主に使うからと言って、近接ができないわけではない、魔法職は近接が弱点だと分かっているから、ある程度は習っているらしい
「というわけで、一回戦の勝者は、赤よ!!」
そういって、決着がついた瞬間、観戦客からは歓声が聞こえる
「ステージの補修が終わり次第、次の試合を行うわよ!」
殺気の魔法合戦で、ステージが結構ボロボロになってしまったので補修が必要になる
その間に、アイシャ先生に話を聞く
「アイシャ先生、何で今年は特Sクラスの人たちは選抜戦に出たんですか?」
「なんか、一人が出るってゆって、それを聞いたみんなが暇つぶしに出ることにしたって感じかな」
特Sクラスの人たちと、Sクラスの人たちでは、ククルさんと、セレスさん以外の人では相手にならないので、やる気が出なかったようだ
少し時間がたってから、補修が終わり、次の試合となる
「次は、黄対ククルよ!」
二回戦で、ククルさんが出てくる
「ククルさんは、特Sクラスの人には勝てるんですか?」
「まあ、いい勝負にはなるでしょうね、勝てるかどうかは相手によるでしょうけど」
ククルさんは特Sクラスには入っていないが、実力的には入るには何も問題がないらしい
しかし、本人が、自分にはまだ早いといい、特Sにはいかないらしい
そうこうしているうちに、試合が始まる
「この試合は、すぐに終わると思うよ」
アイシャ先生が言うには、黄色の人も、ククルさんも、同じ刀という武器を使い、一瞬で終わらすらしい
「それじゃあ、二人とも準備はいいわね、スタート!!」
シーラ校長がそういうと同時に、二人とも同じ腰に手を当てて、姿勢を低くする
少しの時間がたった後、同時に地面をける音が聞こえ、次の瞬間、二人の場所が入れ替わっていた
そして、黄色の人の方が倒れる
「はーい、終わったわね、勝者、ククル!!」
すぐに試合が終わったことに、観客はまだ理解が追い付いていなかった
しばらくして、理解が追い付いて、徐々に歓声が沸いてくる
「すごいですね、特Sクラスの人に勝っちゃいましたよ」
「いいね、成長してるね、あの子も」
アイシャ先生は、前に数回、ククルに剣の腕を見たことがあるらしく、その時よりは腕が上がっているらしい
「今回は、ステージに損傷はなかったから、このまま次の試合に行くわよ」
一瞬で終わったことにより、ステージの損傷がほとんどないので、そのまま次の試合となる
「じゃあ、次は緑対セレス!」
いよいよセレスさんの出番となる
両方が出てきて、緑の選手もセレスさんも、体ほどの大きさのある大剣を持っている
「セレスさんの武器って大剣だったんだ」
「そうだよ、いろいろ使えるけど、あれが一番しっくり着て使いやすいんだって」
セレスさんは結構細身であるのに、よくあんな重そうなものを持てるなと思う
「それじゃあ、準備はいいわね、スタート!」
いつものようにシーラ校長が号令をかけて試合が開始される
試合が開始すると、セレスさんが相手に向かって攻める
上から大剣を振り下ろすが軽く受け止められる
すぐさまと後ろに飛び戻って、次は横から薙ぎ払う
セレスさんが、次々と攻撃を仕掛けていくがすべて、受け流されるか、かわされていく
「ふふん、さすがルふが」
ミーシャさんが何か言おうとして、アイシャ先生に口をふさがれる
「?どうかしたんですか?」
「ううん、なんでもないよ」
そのまま、セレスさんの攻撃を相手がひたすらよけて数分がたち、相手が反撃に出る
その前に、セレスさんと会話をしていた
会話が終わった後に、セレスさんが大剣を構える、次の瞬間には相手がセレスさんの目の前にいた
「今の、一瞬で移動した?」
「うん、一切動いている様子もなかったし、一瞬で移動してた」
前の試合での勝負でも動きが見えなかったが、今回のは一切、予備動作なしに次の瞬間には相手の目の前に移動していたので、明らかにはやい移動ではなかった
(まるで瞬速みたいだ)
アルカにも、同じようなことはできるので、あまり疑問には思わなかったけど、それは口に出さなかった
相手の方が、セレスさんの目の前に現れて、大剣を振り下ろし、セレスさんがそれを受け止めて相手と逆のほうに行き、切りかかるが、振り切る前に止められる。
そこからセレスさんの攻撃は繰り出す前に全てつぶされて最終的にセレスさんが降参をする
先ほどの試合と違い、試合が長く続いたため、観客はくぎ付けになり、歓声が上がる
この試合の後に、Sクラスの生徒と、特Sクラスの生徒との戦いがあり、一瞬で特Sクラスの生徒が試合を終わらせる
「これにて、今日の選抜戦は終わりよ!次は明日に勝ち残った四人で礼王祭の参加権を勝ち取る決勝を行うわよ!」
決勝はさらに四人で試合をして、勝った二人とあと一人は負けた人同士で戦い、勝った方の合計三人が礼王戦に出られるようになる




