一月の攻防(前編)
・13・
side:アルカ・ロワール
朝目が覚めて、学園に行く準備を終えて、宿屋にメイナを迎えに行く
「おはようございます、セレスさん、メイナ」
「おはよう、もう少し待ってて」
宿屋へと入ると、朝ごはんを食べていた二人に声をかける
「今日は、どうするんですか?」
「そうだね、私とメイナは朝から、校長のところに行ってくるよ、気軽に授業に出たら狙われるかもしれないから」
「わかりました、よろしくお願いします」
「昼頃に合流できると思うよ」
朝のうちに、冒険者と契約をして、期間を決めたりいろいろと話をするらしい
朝の授業を受けて、昼食をとるために食堂へと行く
「おっ、きたね」
そこには、セレスさんとメイナ、そしてミーシャさんがいた
「ミーシャさん!何でここにいるんですか?」
「おお、君は確かアルカにゃね、何でってこの子に雇われたからにゃよ」
「ミーシャさんがですか!」
「アイシャに頼まれたからにゃよ、それに私もここの卒業生だから自由に行動できるにゃよ」
「卒業生なんですか!それなら安全ですね!」
「いや、そうでもないにゃよ、もう少ししたらダンジョン探索の授業があるにゃ」
ラーサル学園には地下にダンジョンの入り口があり、ここからの魔物の氾濫を防ぐためにあるというのが大きな理由である
であるので月に一度、学園全体でダンジョンに潜り魔物の数を減らさないといけない
「ダンジョンは危険なんですか?」
「深いところに行かにゃければ大丈夫にゃんだけど、もしかしたらその時に狙われるかもしれないにゃ」
「ミーシャさんがいるから大丈夫なんじゃ?」
「わたしはダンジョンには入れないのにゃ」
「えっ、どうしてですか?」
「まず、学園のダンジョンについて説明するにゃ」
ラーサル学園にあるダンジョン名は鉱山ダンジョン、オーラシア大陸で約半分の鉱石産出量を占めている
それによってこのダンジョンを制覇することはできない
基本的にダンジョンは、コアがありさえすれば中で取った鉱石などは復活して再度取得が可能である
また、このダンジョンは他とは違う特徴があり、ダンジョンに入っている者の強さの平均によって出てくる魔物の強さが変わるらしい
「私が入れば、この学園のCクラスまでの生徒は即死するにゃ」
「そんなにですか」
「こう見えて、私は強いにゃよ」
「けど、学園にはたくさん生徒がいるので、平均ならばそこまで強い敵は出てこないんじゃ?
「ダンジョンに入るのは、Aクラスまでの生徒にゃ、そのレベルなら、わたしにかすり傷一つ付けられにゃいにゃ」
「そんなにですか」
「そうよ、ミーシャさんには私でもかなわないし、ククルさんでも勝てないわよ」
「次席と主席でもですか」
セレスさんがミーシャさんの強さについて説明してくれてた、なんでも、ミーシャさんがいた時代は、ミーシャさんの強さでも次席であったという、しかもその時代の主席は、入学してすぐに主席になったという、現在は特Sクラスにいるという
ちなみにミーシャが卒業したのは2年前である
「その時がおそらく、狙ってくる時にゃ、だから私は生徒以外が入るのを見張るにゃ、そして、その時はAクラスの人を護衛につけるにゃ」
「メイナがダンジョンに入らないっていうのはだめなんですか?」
「それも提案したにゃ、でもその場合、最悪の事態になるにゃ」
「最悪ですか?」
「この学園は、貴族も支援金を払っているにゃ、だから、おそらく入らないことを理由に公爵に呼び出されて、最悪の場合、殺されるにゃ」
「本当ですか、、?本当にそこまで恨みを持っているんですか?」
「貴族はプライドが高いにゃ、そんな貴族が学園を退学になった、その理由がいじめとなったら、周りから舐められるにゃ、だからその事実を消そうとするにゃよ」
メイナ本人を消すことにより、いじめの事実を消そうとするらしい
いじめられていた本人がいなければ権力でどうとでもなるそうだ
「それじゃあ、絶対にダンジョンに入らないといけないんですね」
「そうにゃ、なるべく強い人をメイナにつけるから、心配ないにゃ」
「はい、僕も頑張って守ります」
「頑張るにゃ、よかったら、剣の腕見てあげようかにゃ?」
「ぜひお願いします」
今日から、15日後にダンジョンの日となり、それまでの間、ミーシャさんに剣を教えてもらうことになる
「とりあえず、授業が終わったら、訓練場に行くにゃ」
昼からの授業を終えて、訓練場へと向かう
「おっ、きたにゃ」
訓練場へと行くとメイナとミーシャさん、そしてアイシャ先生もいた
「あれ、アイシャ先生、どうしたんですか?」
「やあやあ、ミーシャと君が訓練するっていうから、治療役に来ただけだよ、この子君と差がありすぎて怪我するかもしれないし」
「そうなんですか、ありがとうございます、アイシャ先生はミーシャさんのことは知っているんですか?」
「まあね、詳しくは言えないけどね」
動きやすい服装に着替えて、木刀を持つ、ミーシャさんは木製の短剣を持っていた
「始める前に、すこしいいですか?」
「ん?」
「この前は、リズのことを助けてくれてありがとうございました、あの時はもう助からないかと思っていました」
「ああ、そのことね、気にすることはないにゃよ、治したのはルークさんだし」
「そのルークさんには会えないですか?直接お礼を言いたいのですが」
「うーん、難しいにゃね、あの人は基本的にこの王都にはいないにゃ、それにいたとしても会ってくれるかわからないにゃ」
「それはなぜですか?」
「それは言えないにゃ、さっ、始めるにゃよ、お礼は伝えといてあげるにゃ」
「わかりました、お願いします」
1時間ほど手合わせをして、その日は終わりになった
結果は一撃も与えられなかった、しかもその場から動かすこともできなかった
「はあ、はあ、はあ」
「そろそろ、おわるにゃ」
「はい、ありがとうございました」
「ところで、剣は誰かに習ったにゃ?」
「はい、お父さんに習いました」
「いい剣筋と体幹にゃよ、いい父親に習ったにゃね、それにその剣、いいものにゃ」
「そんなにいいものなんですか」
お父さんのことをほめられると少しうれしくなる
そしてダンジョンの日まで毎日剣を見てもらい、当日になる
「剣の整備はちゃんとしておくにゃよ、メイナのことは任せるにゃ」
「はい、ありがとうございます、メイナのことはきちんと守ります」
ミーシャさんは、護衛の依頼を受けてから、メイナの泊っている部屋の隣に泊まっていた
「それじゃあ、先に行きます」
「わかったにゃ、あとから行くから、気を付けるにゃよ、メイナも気を付けて」
「うん」
メイナはこの日まで、ずっとミーシャさんと一緒にいて、ものすごくなついていた
同じ猫獣人っていうことも関係しているのだろう
そして学園につき、集合場所へと向かう
「それじゃあ、これから、ダンジョンに入ってもらうから、君たちは5人くらいでチームを組んでね、組み終わったら、先生に報告をして、各自ダンジョンに入るように」
ダンジョンに入る際は、一人など少数では決して入ってはいけないらしい
ダンジョン内で休息をとっている祭、魔物に急襲に合う恐れがあるため、見張りが必要になる
基本的に、同じクラスの人としかチームは組めなくなっており、リズとは組めなくなっている
アルカは、メイナとエレナ、そしてアーロとアンと一緒にチームを組んだ
「みんなの得意武器を教えて」
「うちは弓と短剣だよ」
「俺は剣を使うが、主に魔法だな」
「私は短剣だよ」
「わたしは格闘です」
みんなに得意武器を聞き、陣形を確認していく、アルカとエレナが前衛、メイナを中衛に、アーロとアンを後衛にして進んでいく
「基本的にメイナを守る形で行くよ」
「おっけ~、うちが守ったるよ」
アンがメイナを一目見てからものすごくかわいがっている、なんか保護欲がわくって言っていた
陣形はアルカが前衛、エレナが中衛、アーロとアンが後衛という形となった
「アイシャ先生、準備できました」
「おっ、アルカ君、それじゃあ君たちの護衛の人たち呼ぶね」
そういって、後ろの方にいた人たちを呼ぶ
「こんにちは、君たちの護衛のクリスだ、よろしくね」
クリスさんのパーティーもほぼ僕たちと同じで、バランスよく組まれている
「クリスたちはAクラスでもすごく成績がいいから、安心していいよ」
クリスさんのパーティーメンバーは全員成績がよく腕もいいそうだ
「よろしくお願いします」
軽く自己紹介をして、いよいよダンジョンへと入っていく
ダンジョンにはいくつか入り口があり、なるべく他のパーティーにかぶらないようになっている
ダンジョンへ入ると、すぐに魔物が現れた
「スケルトンだね、この階層にはよくいるけど、すぐに出てくるなんて珍しいね」
基本的に入り口付近にはあんまり魔物はいなく進んでいくと少しずつ出てくるらしい
すぐにスケルトンを倒し、奥へと進んでいく、するとまたすぐにスケルトンが出てくる
「おかしいね、普通ゴブリンとかのほうが多いはずなのにスケルトンだね」
そして何度か魔物と戦い、ある程度進んで行くと少し広いところに出た
「ホブゴブリンだね、どうする?君たちが戦うかい?」
「はい、僕たちがやります」
ホブゴブリンも難なく倒し、さらに進んでいく、そして5階層へと続く階段に到着した
「少し先に見てくるから君たちは待っててね」
クリスさんのパーティーが次の階層の様子を見に行くというので少し休憩をする
5階層からは罠があるため入り口付近の確認をしてくれている
もしかしたら、公爵家の人がわなを仕掛けているらしい
10分ほどたつと、クリスさんたちが戻ってくる
「案の定、ニンゲンが仕掛けた罠があったよ、罠のほうはあらかた解除したから大丈夫だ、すぐに行くかい?」
「はい」
「ちょっと、お花を摘みに行ってくるわ」
クリスさんのパーティーの女の人が声をかける
「わかった、アルカ君、少し先に行ってくれるかな?すぐに追いつくよ」
「わかりました」
言われるがままに、先に階段を下りていく
「ここからは、危険があるから、気を付けて進もう」
そういって進もうとして、一歩前に出る
すると足元に魔法陣が現れる
「えっ?」
つぎの瞬間、前にいたアルカ、エレナとメイナは先ほどとは違う場所にいた




