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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第4章 全ての始まり
118/128

魔法書を読もう

・108・

side:神薙 カホ


 

 「・・・ああ、ん? あれ、寝てた?」


 ふと気が付くと、ベッドの上だった


 だが、いつベッドまで移動したのかの記憶がなく、どうして眠っているのかもわからない


 「お、気が付いた」


 「あれ、アルミナさん? ってことは、ここって孤児院ですか?」


 「そうだよ」


 そういいながら、いきなりアルミナが神薙に近づいて布団をはぎ取る


 「え! なんですか!?」


 いきなりのことにびっくりして声を荒げる


 「あ、ごめん、びっくりした? まあ、それより足はどう?」


 「あし? あ、そういえば」


 アルミナの言葉で神薙は足が折れていたことを思い出して目を向けるが


 「あれ? 治ってる」


 「治したからね、どう? 違和感はある?」


 「治してくれたんですか? ありがとうございます」


 どうやら寝ている間に折れた足やそのほかの傷も全部治してくれていたようで、きちんとお礼を言う


 「いいよこれくらい、私たちのために行ってくれたんだから」


 アルミナ自身、危ないと分かっていながらもハイランドオークを倒しに行ってもらって傷だらけで帰ってきたことに罪悪感があり、せめて傷だけでも痛みを感じていない寝ている間に治しておこうと思ったらしい

 

 「それより、シャリアはどうなりましたか?」


 今は自分のことよりも、シャリアの容態の方が気になる


 「シャリアなら無事だよ、君たちが持ってきてくれた魔石を核として移植したからもう安定してる」


 「よかった」


 シャリアが無事に治ったことを聞いて安堵する


 「動けるようになったら、会いに行くといいよ」


 「はい、今からでも行きます」


 すぐにでもシャリアの様子が見たいと思い立ち上がろうとしたが


 「だめだめ、まだ動かないで」


 すぐさまアルミナに止められて寝ころばされる


 「? どうしたんですか?」


 「いや、君普通に熱出てるから、あまり動かない方がいいよ?」


 「熱? そんな感じはしませんけど・・・」


 別に体はだるくないし、寒さも感じない、いつも通りな気がするが


 「今魔法で麻痺させてるだけだよ、魔法が切れたらしんどくなるよ?」


 「そうだったんですね」


 そういわれ、額に手を当てて熱があるか確認するが、あまりわからない 

 

 「自分ではわからないでしょ」


 アルミナが神薙の額に手を当てて確認させてくれる

 

 「冷たい・・・」


 「私が冷たいんじゃなくて君が熱いの」


 「でも、どうして熱なんか出たんだろ?」


 「傷から毒が入ったんだと思うよ」


 「なるほど」


 確かに、ハイランドオークとの戦闘で傷を負いながら戦っていた


 なので、その際に変な草にでも当たって体の中に入ったのだろう

 

 「はい、薬飲んで休んでて、毒は取り除いてるから、あとは熱が下がるのを待つだけ」


 「んぐ、にがっ・・」


 アルミナから渡された薬を飲み、ちゃんと眠っておくことにする


 そこから丸二日かかり、ようやく熱が引いてきたので、アルミナから動く許可が出る


 「思ったよりもかかったね」


 「そうですね、でも、もう大丈夫です!」


 「よかったね!」


 「シャリアもありがとね」


 この二日、シャリアにも色々お世話になったり、話し相手になってもらったので、ちゃんとお礼を言っておく


 「それじゃあ、お世話になりました」


 「いやいや、こっちも助かったから」


 お互いにお礼をいって、別れを告げる


 「あ、あと、多分これからは来る機会が減ると思います」


 「おっけい、まあ、当分は問題も起こらないだろうし、大丈夫だよ」


 約二日、ずっと寝たきりだったので当分は仙術の練習やアイラとの訓練に時間を当てたい


 「アイラさんの予定が終わるまでは仙術はできないかな」


 慣れていない状態ではあまりアイラがいない状況では仙術を発動しないように言われているので、ほかの練習、主に魔法の練習をすることにする


 「とりあえず、いろいろな魔法を使えるようにしたいかな」


 魔法を使えるようになるにはいろいろな方法があり、一番安全な方法は魔法書をよく読むこと


 だが、安全な分少し時間はかかるが、今はそれの方がいいだろう


 「熱は下がったんだけど、まだ少し違和感があるんだよね」


 体調で言えばすでに治っているが、所々動かしにくい場所がある


 「この状況で魔物と戦うわけにもいかないし、部屋で読むだけにしよ」


 とりあえず今日は今手元にある魔法書を片っ端から読んで、つぎアイラさんがいるときにまとめて試すことにする


 「えっと、持ってるのは火と水のだけか」


 魔法書は高くはないが別に安くもないので見かけてもほとんど買うことはないが、この二冊だけはアイラさんに買っておいてもいいと言われたのであるのだ


 「結構分厚いね」


 魔法書はいくつかの魔法について書かれているのでそれなりに分厚いし内容も多くなっている


 「簡単なものから読んでこっと」


 最初の方は内容が短いのでそこから読んでいくことにする


 「やっぱり、何かいてるかわからないね」


 以前にも一度目を通したときに思ったのは、魔法書に書かれている文字は一つも読めない


 というかそもそもここに書かれている文字列には意味はないらしい


 「はあ、ちょっとでも意味があれば読みやすいのに」


 魔法書から魔法を使えるようにするには、書かれている文字をちゃんと全部読まないといけないので意味のない文字列を読むことになり、大変苦痛になる


 「・・・・・・」


 一文字でも読み飛ばしてしまうとまた読み直さないといけないのでちゃんと集中して読み進んでいく


 「ふう、まず一つ」


 一つ目の魔法をすべて読み終わり、頭の中に詠唱文と名前が入ってくる


 「間違って発動したら危ないし・・・」


 覚えたてで魔法の名前を言ってしまうと暴発の恐れがあるので言葉には出さない


 「さ、どんどん読んでいこっと」


 何度か休憩をはさみながら、読み続けていき、夜になる前に追加で二つの魔法を覚える


 「続きは明日にしよっと」


 さすがに集中して読んでいたので頭が疲れた


 「もう寝よっかな」


 まだ晩御飯を食べていないのだが、今日はあまり動いていないからかおなかは空いていない


 「体を拭くのも、明日でいいや」


 朝に着替えてからほとんどあせも書いていないので、感覚的には汚れていない


 なので、もう動く気にもなれないのでそのまま眠りに入る


 そして次の日、そのまた次の日もひたすらと魔法書を読むだけの生活が続いて、前半部分の魔法は水、火両方読み終える


 「んん~、さすがに動かないとやばいかな」


 一応休憩しているときにストレッチや筋トレはしていたのでそれほど体はなまってはいないと思うがそろそろ外で体を動かしたい


 「そういえば、アイラさんって帰ってきてるのかな?」


 どこに行っているのかはわからないがそんなに長くはならないと言っていたのでおそらくもう帰ってきているだろう


 コンコン


 「ん~? はい? カホ? どうしたの?」


 どうやらアイラはもう帰ってきていたようで部屋から出てきたが、どうやら寝ていたようだ


 「あ、寝てましたか?」


 「寝てたけど、そろそろ起きるつもりだったから大丈夫、それで、どうしたの?」


 「そろそろ訓練したくて」


 「おっけい了解、着替えるから待ってて」


 それぞれ動きやすい服装に着替えてから外に向かう


 「そういえばアイラさんはどこ行ってたんですか?」


 「いろんなところ、仙術を使える人たちに会いに行ってたの」


 「仙術を?」


 「そ、ま、実際に会えた人は少なかったけどいくつか新しく仙術使えるようになってきたよ」


 「あ、なるほど」


 一人で行動できるアイラのスキルブックで仙術をいくつか使えるようになって、それを神薙に継承させるためにいろいろやっていたそうだ


 「とりあえず、継承だけ済ませておくね」


 以前継承はできることがわかっているので、確認はあとにしてとりあえず使えるようにしておく


 「じゃあ、どうする? 仙術の時間を延ばすか、ほかのことする?」

 

 アイラがいるのなら仙術の練習をするのもいいが、せっかくなら今日は体を動かしたい


 「えっと、組手がしたいんですけど」


 「なるほど、久々に体を動かすからね」


 アイラも神薙がここ数日運動をあまりしていないことがわかるようで納得したように組手を了承する


 「じゃ、魔法はなしで行こっか」


 「はい!」


 体を動かすのが目的なのでとりあえず魔法は禁止にして木剣だけで組手を行う


 「はあ、はあ、あ~、疲れた」


 数十分組手が続いて、一旦休憩に入る


 「大分剣もうまくなってきたね」


 「本当ですか?」


 剣の扱いも以前と比べて大分うまくはなったと思う


 これなら今まで魔法で魔物と戦ってきたが剣だけでもある程度戦えるかもしれない


 「まあ、でも神代君と行動するなら魔法でいいかもね」

 

 「そうですね」


 神代と一緒に戦う場合は向こうが接近戦をやってくれるのでその場合は神薙は魔法で遠距離攻撃をする方がいいだろう


 「休憩が終わったら新しい魔法を使ってみたいんですけど」


 「ん? 新しい魔法使えるようになったの?」


 「はい、ここ数日魔法書を読んでて」


 「おお、すごいじゃん、じゃあ、その練習していこうか」


 少し休憩を挟んで、そのまま魔法の練習をするために魔物を探しに行く


 「で、いくつ新しい魔法覚えたの?」


 「水と火の魔法それぞれ4つづつです」 

 

 「おお、結構覚えたじゃん」


 「でも、どんな魔法かはあまり理解していないんですよ」


 「あ、そうか魔法書読んだってことは室内だったからか」


 そもそもアイラさんから覚えたては暴発する可能性があると教わっていたのですぐに理解してくれる


 「じゃ、とりあえず魔物いたから、簡略詠唱で全部使ってみよっか」


 「わかりました」


 そうこうしているうちにアイラはちょうどいい感じの魔物を見つけたのでそれに魔法を試すことにする


 「とりあえず、どれくらい魔力を使うのか、どれだけの威力なのかを見ていこっか」


 魔法書から使えるようになった魔法は実際に使ってみないと効果事態は初めにわかるがそれの範囲や強さはわからないので、最初はそれから始める


 「行きます【火炎】!」


 まず初めに使ったのは前方に炎を放つ魔法


 単純な魔法であったが威力もそこそこで魔力もあまり使わなかったが魔法自体の速度が遅くて素早い相手にはそれほど使えるものではないかもしれない


 「仲間がいるところじゃあまり使えないね」


 「たしかに」


 前方に扇形に炎を出すので仲間が前にいる状態では使えないが


 「ま、それでもいろいろ使い道はありそうだね」


 時と場所を選べば使えそうであるしこれは練習していてもいいかもしれない


 これから使ってみる魔法を、いいのがあれば練習すればするほどとっさに発動させることもできるし、完全無詠唱での威力も上げることができる


 なので、仙術の合間の練習する魔法をいくつか決めていってもいいかもしれない


 「じゃあ、消火ついでに水の魔法も試そうか」


 「あ、そうですね」


 森の中ではないが多少木が生えており、先ほどの魔法で少し燃え始めたのですぐに次の魔法に移る


 「【ウォーターフォール】!」


 燃えている木に向かって魔法を発動して、狙ったところの上から水が落ちてくる


 「うわあ」


 ただ、思ったよりも落ちてくる水の威力が大きかったのか火を消化するだけでなくなぎ倒してしまう


 「これは微妙かな~、動きにくくなるし」


 水系の魔法は大体そうであるが大規模な魔法であれば発動した後に地面が濡れるので逆に不利になることがある


 「規模の割には威力も微妙かな」


 この規模で木をなぎ倒すくらいの威力ならより強力な魔法の方がいいのでこの魔法はおそらく今後使うことは少ないと思う


 「でも残りの水の魔法は攻撃系はないですね」


 「あ、そうなの?」


 「はい、水の魔法はあとは【キュアミスト】【ヒールウォーター】【水泡】の三つです」


 これら三つの能力は支援系の魔法になるので名前を出して暴発しても被害はほとんどない


 「わ、出た」


 が、やはり名前を出しただけで魔法が一つ発動してしまった


 「これは・・・【ヒールウォーター】だね」


 発動した魔法を効果からアイラは判断する


 このヒールウォーターは一応治癒の魔法である


 一応というのはこの魔法で治せる傷はせいぜい切り傷や擦り傷くらいのもの


 「まあ、傷薬の代わりに使えるくらいだね」


 「気休め程度ですね」


 だが、この魔法で魔力を使ってしまうならおとなしく傷薬でいいとは思う


 「あとの二つはそれなりに使えるからそっちは練習してもいいかもね」


 ヒールウォーターとは違ってあとの二つはそれなりに役に立つ


 まずキュアミストに関しては体内の毒を洗い流す能力で、強力でない限り大体の毒は浄化できる


 「解毒薬はちょっと高いからね」


 これに関しては先ほどとは逆で解毒薬を使うのならこの魔法を使う方がいい


 そしてもう一つの水泡は自分を泡の中に入れる魔法


 炎系の攻撃をしてきた際にそれを軽減する能力だそうで、これは何かと役に立ちそうな魔法だ


 「よし、一旦仙術の方に行こっか」


 あたりに魔物がいなくて、探すついでに魔法は置いておいて仙術の方の練習に入る


 「じゃ、まずは新しいのは置いておいて前の奴の練習しようか」


 そうして、仙術を発動して主に縮地の練習をしながら新しい魔物を探していった

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