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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第4章 全ての始まり
117/128

ハイランドオーク

前回の「ドライアドの子」を「シャリア」という名前に変更しています

・107・

side:神薙 カホ


 「アルミナ様! 連れてきました!」


 シイルに連れられ、すぐさま孤児院へと向かい、到着するとすぐに奥の方の部屋に連れていかれる


 そして一つの部屋に入ると、ベッドに寝かせられているドライアドの子と、そのそばでアルミナが魔法を掛け続けていた


 「ありがとう、シイル、近くに来て」


 部屋に入るとすぐさまアルミナがシイルをそばに座らせ、手をつなぐ


 「今どういった状況ですか?」


 「この子の魔力が尽きかけているの」


 「それって・・」


 以前、ドライアドについて教えてもらい、種族的には人間よりも魔族に近い存在でそんな存在に関しては体内の魔力をもとに活動していると知った


 「そう、だから私たちの魔力を送り続けてるの」


 今はドライアドの子に対してなくなっている魔力を供給している


 「でも、どうして魔力がなくなってるんですか?」


 基本的に魔法を使いすぎない限り魔力が付きそうになることはないはずだが


 「多分核が抜き取られてる」


 「核?」


 「人間でいうところの心臓、ただ心臓とは違って魔力を作るだけの器官」


 心臓のような器官だが、なくてもすぐに死ぬようなことはないが、なければ一切の魔力を作ることはできない


 「それが抜き取られてる?」


 「多分つかまっていた時だと思います」


 シイルが核のないことの説明してくれる


 つかまっていた時に、何かされる前に助けることができたと当時思っていたが、あの時もうすでに目的である核の摘出を果たした後だったようだ


 「核は高値で取引されるので、こういうことは稀にあるの」


 「でも、普通は核が抜かれている状態でこの子みたいに動くことはできないの」


 「だから、気付けなかった?」


 「そう」


 「それで、この子を助けるために、核の代わりのものが必要なの」


 「だから、それで私が呼ばれたんですか?」


 「できれば、カホに核の代わりになる、魔石を取ってきてほしいんだけどちょっと危ないんだ」


 「危険? 魔石、ということは魔物を倒せばいいんですよね?」


 魔物を倒すくらい、どうということはないが


 「そう、でもそれ相応の魔物の魔石じゃないといけない」


 ドライアドの核の代わりになる魔石なら、そこらにいる魔物のものでは務まらないようで


 「最低でも、Cランクくらいの魔物の魔石が必要になります」


 「Cランク・・・」


 Cランクとなると、まだ一度も戦ったことはない魔物と戦うことになる


 「最悪、私が行く手もありますが」


 シイルがそう言ってくるが


 「でも、シイルさん、ここからそんなに離れられないんですよね?」


 神薙が予想でそう話す


 私を呼びに来て戻ってきてからすぐにアルミナさんに手をつなぎに行った、それをよく見てみると魔力を供給していたのだ


 「五分程度なら、問題ないけど、それ以上となると・・」


 「なら、私が行きます」


 さすがに、五分で魔物を倒すなんて無理があるだろう、なので、私がそれを引き受けるつもりだが


 (今日は・・・セニアさんもアイラさんも用事だったはず)


 ここ数日はセニアはずっと忙しそうにしていたし、アイラも数日ここを開けると言っていた、なので魔物と戦うのを手伝ってもらうことはできない

 

 (・・・神代君にお願いしてみるしかないよね)


 一人で戦うにはあまりにも経験がなく、危険が多いので、せめて神代にも声をかけてみることになるだろう


 「Cランクだったら、ハイランドオークが比較的安全です」


 シイルが、この辺りにいるCランク以上の魔物のことを神薙に伝える


 「しかし、それを見つけられるかは別です」


 Cランク以上となると探せば見つかるが、一種類を探すとなるとなかなか見つからない


 「それなら、すぐにでも行った方がいいですね」


 ぐずぐずしていて、もしほかの人に討伐されていたら、元も子もないので、すぐさま孤児院を出発する


 そして、神代のところに行き、手伝ってくれるように説得して一緒に討伐に出かける


 「どのあたりにいるか、見当はつくか?」


 「多分、黄昏の森の奥の方?」


 最近は、黄昏の森でアイラと修行をしていたが黄昏の森の浅いところではDランクの魔物ばかりだったと覚えている


 ならば、それよりも奥に行けば、Cランクの魔物がいるだろうと予想する


 「なるほどな、でも、俺ら二人で勝てるか?」


 「わからないけど、やるしかないの」


 「ま、そうだな」


 神代には、ここに行く途中に全て説明しているので、快く手伝ってくれた


 「じゃあ、行くよ」


 そこから、少しとは言えない時間をかけてハイランドオークを探して、ようやく発見できた


 「いくよ!」


 そして、すぐさま戦闘に入る


 「普通のオークよりでかいね!」


 このハイランドオークは普通のオークより一回り大きい


 それに、すべてにおいてオークよりも強力になっている


 「はあ、はあ」


 「神薙、大丈夫か?」


 戦闘が始まって数分が経ち、やはりというか、向こうの攻撃は何とかよけることはできているが、こっちの攻撃もなかなか有効打にはならない


 「なんとか、でも、このままじゃ」


 今のままではどう頑張っても倒すことはできるとは思えない


 「それでも、シャリアを助けるために絶対に倒さないと」


 「ああ、そうだな」


 この魔物を倒せないとなると、シャリアを助ける手立てがなくなってしまう


 ギルドに依頼するにしても、どれだけお金がかかるかわからないし、そもそもCランクの魔石は一般的には流通などしない、大体は魔道具のために使われるか、貴族に優先的に渡されるので、もし個人的に必要になるのなら、自分で取りに行くのが一番確実性が高い


 「! 危ない!」


 一瞬の隙を狙われ、オークの攻撃をよけるのが少し遅れてしまう


 「痛っ!!」


 ギリギリのところで体に当たらなかったが、足に当たってしまいそのまま体勢を崩して転がっていく


 「神薙! 動けるか!?」


 「ごめん、折れた・・・」


 神薙は確認するとそこには普通ではありえない方向に曲がった足があった


 どう考えてもこの足では立つこともできない


 それに、着地を失敗したせいで頭からは血を流してしまっている


 「くそっ!!」


 まだ、神代が戦っているのだから、自分も何かしないといけないと分かっているのだが、だんだんと意識が薄れていく


 (まずい、今、気を失ったら・・・)


 今気を失ってしまったら、それこそ二人ともやられてしまう


 それに、私たちが帰らなければ、シャリアを助けることもできない


 そうわかっていても、体は動かないし、もう意識も保てない


 「ごめん、神代君・・・」


 意識を失う瞬間、かすかに神代がオークの攻撃を受けてしまったところが目に入った


 その光景を最後にそのまま目を閉じる


 

 

 「ん・・・・」


 意識が戻り、目を覚ます


 「ここは・・・」


 一瞬、もう死んでしまって天国かどこかにいるのかと思ったが、どうにも先ほどと同じ森の中にいるようだ


 「気が付きましたか」


 すると突然、声をかけられる


 「! だれ!?」


 瞬時に声の方向を確認し警戒する


 「あ、別に何もしないので、警戒しないでください、二人が魔物と戦っているのを見ていて、危ないと思ったので助けたんです」


 警戒しながらも、話を聞いて、この目の前の人が助けてくれたと分かり、警戒を解く


 そのあと、この人がハイランドオークを倒したと聞いて私たちが戦っていた理由や、魔石が必要なことを伝え、どうにか魔石だけでも譲ってもらえないか無理を承知でお願いする


 すると、すぐに了承してくれた


 それに魔石どころか、ハイランドオークのすべての素材まで譲ってくれた


 そして、何やら急いでいるのか、すぐさま立ち去って行ってしまう


 なんとか、礼をするためにご飯をおごるという約束をしたが、重大なミスに気付く

 

 「あ! あの人の名前も連絡先も聞いてない・・・」


 名前も連絡先も聞いていない以上、お礼をするのもどうすればいいのか


 「ギルドに行けば、また会えるかな?」

 

 おそらく、向こうも冒険者だろうと思うので、冒険者ギルドでまた会えるかもしれない


 なので、もし会えたら、その時にお礼をすると決める


 「う、うう・・・」


 「あ、神代君、気が付いた!」


 どうやら同じように気を失っていた神代も目を覚ましたようで、すぐにそちらに向かう

 

 「いてて、ここは?」


 神代も、今の状況を理解できないようであたりをきょろきょろと確認していた


 混乱している神代に、怒ったことを説明して、魔石を手に入れれたことを伝える


 「本当か!」


 「うん!」


 「それなら、すぐに戻るぞ!」


 どれほど気を失っていたのかわからないが、なるべく早く戻らないとシャリアが苦しんでいる


 なので、話しはそこそこにして、すぐに孤児院へと向かう


 「きゃあ!」


 だが、そこで改めて認識する


 「あ・・・いった!!」


 魔石を手に入れたことで忘れていたが神薙の片足は折れていて、歩ける状態じゃなかった


 「お願い、先に行ってて」


 どう頑張っても動けそうになかったので、動ける神代に魔石を渡して孤児院に向かわせようとする


 「いや、さすがにおいてかねえよ」


 さすがに魔物が出る森に動けない神薙を置いていくわけにはいかないといい、神代は神薙を背負う


 「ちょっと!」


 さすがに背負われると思わなかったので、抵抗しようとするが


 「いったい!!」


 「あばれるなよ」


 動いた瞬間に折れた足が痛み、それと同時に神代に注意される


 「俺も結構やばいから、あまり負担をかけないでくれ」


 神代自身も、詳しくはわからないが、何本か骨は折れているが、なんとか動けるがあまり激しくは動けない


 「じゃあ、ちょっと任せるね」


 もう抵抗する気力もなくなってきたので、神代に任せて、力を抜く


 「・・・おい、ついたぞ」


 「・・・・あ、ありがとう」


 なんとか到着したようで、ぼうっとしていた神薙に神代は声をかける


 「よっと、とりあえず、この魔石を渡してくる、奥の部屋でいいんだよな?」


 神代は神薙を座らせて、魔石をアルミナの元へ届けに行った


 「これで、なんとかシャリアは助かるはずよね」


 核の代わりの魔石を持ってきたことでシャリアは助かるだろう


 「はあ、はあ、なんだか、体が重い」


 やるべきことが終わったからか、どっと疲れが出てきて、倒れこむ


 「あー、やばい」


 安心から、より痛みを認識できるようになり、その痛みで気絶してしまう


 

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