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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第4章 全ての始まり
116/128

仙術

・106・

side:神薙 カホ



 「どう? 使えそう?」


 アイラから、魔術の継承を終えて、ちゃんとできているかどうかを確認する


 「うーんと、多分?」


 神薙の返事はあいまいなものだった、それもそう、自分でもはっきりとはわかっていないのだ


 「ま、そうだよね、じゃあ、一回使おうとしてみて」


 もしうまく継承できているのなら、使えるようになっているし、もし失敗していたら使用できないはず


 「はい・・・【仙術】」


 すると、仙術を唱えた瞬間、体が浮くような感覚になる


 「お、成功してたね」


 どうやら継承はうまく行っていたようで、アイラが神薙に感想を聞いてくる


 「どう? 何か感じる?」


 「はい、さっきよりも風を感じる?気がします」


 「まずそれが一つ目の作用、体をこの世界に限りなく近づけるの」


 「なるほど、だから、感覚が鋭くなってるんですね?」


 仙術を発動してから、風を感じるだけでなく、近くの木々や地面から、いろいろな情報を読み取れるようになっていた

 

 「そう、で、その状態なら、ほかの仙術が使えるの」


 いまの神薙は、ほかの仙術を使える状態になっただけ、感覚が鋭くなっただけで、戦闘力は少しも上がっていない


 「ほかの仙術、わかる?」


 「はい、最初に発動してから、頭の中に入ってきました」


 頭の中に、そう多くはないが、いくつか仙術が頭の中に入ってきて、効果はわからないが、使い方は理解する

 

 「じゃあ、仙術の効果が続いているうちに、いろいろ使ってみましょう」


 「わかりました」


 仙術も時間制限があるので、解けないうちに練習していく


 「【仙術:空闊歩】」


 まずはじめに、思いっきりその場でジャンプして、【空闊歩】を発動する


 これは空気を足場にして空中で何度もジャンプが可能になる能力


 「これは簡単です」


 空中でジャンプする、というのが少し難しいと感じたが、意外にもすぐにできるようになった


 「じゃあ、時間もないし次々いくよ」


 神薙と一緒に、アイラも仙術を発動して二人で練習していく


 アイラ自身も使えはするが、使ったことは数回程度なのでついでに神薙と一緒に仙術を発動して練習していく


 「【仙術:縮地】」


 短距離ではあるが、元居た場所からコンマ数秒のうちに少し離れたところに移動する


 「おっとっと」


 ただ、先ほどとは違って、感覚が全くつかめない、発動できたのはいいが移動した後がうまくいかない


 「うーん、これはちょっとむずいね」


 どうやらアイラも同じようで、苦戦していた


 「でも、戦闘中とかに使えたら、相手の虚を付けますね」


 「そうだね」


 アイラでさえ、意識が追い付いていないのだから、それなりの相手には有効だとは思う


 「これの方が練習優先した方がいいね」


 先ほどの【空闊歩】よりはこちらの方が使えると思うし、練習もそうとう必要だとは思う


 「じゃあ、次」


 「【仙術:深雲】」


 さっそく次の術を発動する、すると、あたりに徐々に、雲のようなものが現れてくる


 「これは・・・目くらましかな?」


 あたりを見ていると、ただ様々なサイズの雲が漂っているだけ


 「うーん、多分違うね」


 そういいながら、アイラは雲の一つに触れる


 「あ、なるほど」


 雲を触られた瞬間に、この術の効果を理解する


 雲に触られた瞬間に、その触れた相手がどこにいるのかがわかる


 「索敵用の雲だね」


 範囲はどれくらいまで広げられるかわからないが、その雲に触れた時点で、どこにいるのかわかるのは、使えると感じた


 試した感じ、一つ一つの雲の大きさも変えることも可能であるし、ある程度の意思で動かすことも可能だ


 「最悪、隙間なく自分を囲ったら、どこから攻撃が来ても対処はできるね」


 アイラが有効な使い方を提案してくれる


 確かに、その方法なら、仮に姿が見えない相手でも、どこから攻撃が来るのかがわかる


 「どれくらい持たせられるかな?」


 今のところ、ずっと浮いているし、おそらく自分で解除するまで維持できそうな気がする


 「うわ!」


 すると突然、体に力が入らなくなり、その場に倒れる


 「・・・!! 痛い痛い!!」


 それと同時に、体中に激痛が走りその場でのたうち回る

 

 「あ、切れちゃったね」


 アイラが何かを言っているが、痛みでそれどころではない


 「とりあえず、寝かせるね」


 あまりにしんどそうなので、アイラが神薙を魔法で強制的に眠らせる


 「よいしょっと」


 アイラは眠らせた神薙を担いでそのまま宿へと戻っていく


 「あと二つだけだね、でも、それは今のところいいか」


 アイラが使える仙術はすべてを引き継いでいるので全部で五つ、そのうち戦闘で使えるのは先ほど使った三つくらい、なので今はあとの二つを使ってみるよりも三つを練習する方がいいだろう


 「大体10分くらいかな」


 体幹時間でしかないが、カホが仙術を使い続けれる時間は10分


 使い続ければその時間も伸びていくので、どんどんと使わせていきたいところだが


 「まだ実戦では危ないかな」


 もし実戦で使って10分すぎてしまったらその場で倒れてしまう可能性があるので、慣れるまでは使わせるわけにはいかない


 「よっと、ふう」


 宿まではそれほど遠くはなかったので問題なく到着する


 「多分起きても動けないだろうし、ここで待っておこっと」


 はじめての仙術の反動で、体中が激痛に襲われているし、それも今は無理やり眠らせているだけ


 目が覚めたらまた痛みだすので、今日の訓練は終わりになるし、もし必要ならまた眠らせてあげなければ痛みのトラウマで仙術を使えなくなるかもしれない


 アイラは暇つぶしのために、自分の部屋から本や武器の手入れのための道具を持ってくる


 「武器の方はあまり使ってないからそこまで手入れは必要ないかな」


 基本的にアイラは武器を使わずにスキルブックを使うことが多いので、めったに武器の手入れをしない


 が、今は時間もあるし、久々にしておく


 それから武器の手入れやたまに本を読んだりして、神薙が目を覚ますたびに痛みに悶絶していたのでその都度寝かせるという行為を繰り返す


 そしてそのまま夜になり

 

 「大分落ち着いた?」


 「はい、もう痛みはほとんどないです」


 ようやく神薙は痛みも引いてなんとか起きることはできたが、疲労からか少しふらふらしている


 「とりあえず今日はもう休んだ方がいいよ、明日からまた練習していこ?」


 「はい、そうします」


 神薙自身も疲労はほとんど抜けていない、魔法で無理やり眠らせていただけなので、普通の睡眠とは違って気絶の方が近い


 「じゃ、とりあえず今日やった三つを明日から練習していこっか」


 「え、でもまだ使えるのがありますけど・・・」


 「今のところはいらないかな、ほとんど戦闘では使えないし」


 神薙も、引き継いだ時点でどれが使えるのかはわかってるので、それを使ってみないのか聞くがアイラからは今はいらないと言われる


 「それじゃ、お休み~」


 アイラはずっと神薙の面倒を見るために起きていたので早く寝たくすぐ部屋に戻っていく


 「私ももう寝よ、なんかあんまりおなかも空いてないし、眠いし・・・」


 体は結構汗や土やらで汚れているが、もうベッドにもついてしまっているし今さら着替えたりもめんどくさい、それならもう休んで明日の朝に全てしてしまおうと思う


 


 「・・・・あれ? もう朝?」


 思っていた以上に疲れていたようで、目を閉じて次の瞬間にはもう朝になっていた


 「とりあえず、着替えてご飯食べに行こっと」


 起きてすぐではあるが、昨日は何も食べていないのですごくおなかが空いている

 

 なのですぐにきれいな服に着替えて一階に降りて朝食をたべる


 「ふう、おなかいっぱい」


 たらふく食べて、少しボーっとする


 「ん、カホ、もう起きたんだ」


 すると、アイラも下りてきて同じ席に座る


 「はい、あの後すぐに寝て、さっき起きました」


 「そうなんだ、で、今日はどうする? 私は一日開いてるから、いつでも行けるけど」


 「じゃあ、もう少ししたら、始めたいです」


 「了解」


 神薙自身も今日は孤児院の方の予定もないし、ほかの用事も入れていないのですぐにでもまた訓練に向かう


 それからは、空いている日には仙術の練習をして効果時間を伸ばしたり、使い方に慣れたりさせながら孤児院の方にも顔をだす日々を繰り返す


 久々に孤児院の方に行ったときには、前に助けたドライアドの子が目を覚ましたようでほかの子供たちと一緒に孤児院で暮らしていると教えてもらい、最初は警戒されたが今では問題なく話もすることができる


 「シャリア、家には帰さないんですか?」


 シャリアというのはドライアドの子の名前、何度かあっているうちに仲良くなり、名前を教えてもらった


 「もう少し様子を見たいんだ、どうにも少し気になってね」


 どうやらシャリアの家も親のことも知っているようだが、アルミナがまだ気になることがあるようで帰らせていない

 

 「気になることって?」


 「うーん、なんていうかね、前にも一回、ドライアドの子を見たことがあるだけど、その時の子となんか違うんだよね~」


 アルミナ自身、シャリアに違和感を抱いているが、それが何かがわかっていないので、今のまま帰したくはないらしい


 そのことに関してはちゃんと親の方にも説明をしてここで暮らしてもらっているようだ


 「ま、まだとりあえず見てみるよ、もし何かわかったら教えてあげる」


 「わかりました」


 そして、その数日後、アルミナからの使いでシイルが神薙の泊まっている宿にやってくる


 「大変なことになりました、今時間は大丈夫ですか?」


 「え、あ、はい」


 「シャリア、が倒れました」

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