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麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第4章 全ての始まり
113/128

疑問に思うこと

・103・

side:アイラ


 「ばいばい」

 

 神薙の手がアイラに触れ


 「しきよ・・・」


 魔王の力を使おうとしたその時


 「【悪食】」


 「・・・え?」


 神薙の後ろから声が聞こえ、何かをしたかと思ったら、神薙が倒れる


 「まったく、危ないことしちゃだめだよ?」


 「テレシア・・・さん?」


 「テレシアでいいよ」


 そこにいたのは、先日会った暴食の勇者・テレシアだった


 「それより、はい、この子元の戻ってるから」


 テレシアから意識を失っている神薙を受け取る


 「どうやったんですか?」


 「魔王の力には勇者の力、この子の中の魔王の意識だけを食べたの」


 「そうなんですか、ありがとうございます」


 神薙を助けてくれたことをお礼を言い、とりあえず神薙を寝かせる


 「あ、そうだ、はいこれ」


 何かを思い出したかのようにテレシアが懐から一枚の紙を取り出してアイラに渡す


 「? なんですかこれ?」


 「魔王を倒しに行くんでしょ? 今回みたいに、向こうから来るのならいいけど、基本的にあいつらは魔界にいるから」


 「それなら知ってます」


 一応昔に魔王については簡単に調べたことがあるので、その程度のことは知っている


 「ああ、そう? でね、その魔界に行く道には結界が張ってあってね、それを解除するための魔法、の一部」


 「結界? 一部?」


 先ほどの話は知っていたが、今言われた話は聞いたことがなかったので、疑問が残る


 「結界って? それに一部っていうのは?」


 「魔物、人間両方とも通過できない結界ね、まあ、魔王に対しては意味もないけど、少なくともそれ以外は基本的に通れない結界、あと一部っていうのは」


 テレシアが先ほど渡された紙をもう一枚取り出して説明してくれる


 「結界を解く魔法は分解されて代々六つの国の王で管理されてるのね、だからちゃんとそれを集めないと魔界には行けないよ」


 「なるほど、それでわざわざ届けに来てくれたんですか?」


 「うーん、ついでって感じかな?」

 

 「ついで?」


 「そ、ここに来た目的は魔王ね、基本的に隔離されていなければ魔王の力が使われたら、どこにいても分かるから」


 「だから、それを感じて止めに来たと?」


 「仮にも勇者だからね、魔王を止めるのが仕事でしょ?」


 「まあ、そうですね、でも、それなら倒せばいいんじゃ?」


 今の言葉で言うと、毎回、魔王が力を使えばそれを止めに行っているということだと思うが


 「まあ、そう思うよね? でも、そこまでする義理もないし」


 「え、義理?」


 「・・・・話しすぎちゃった、これ以上はなしてあげな~い」


 「それより、魔王たちはもう帰ると思うから、君たちも帰りなよ?」


 「どうしてわかるんですか?」


 「どうしてって、ここを隔離していた結界を壊したから」


 そういい、空を指さす


 「あ、確かになくなってますね」


 空を見ると、先ほどまであった、黒い幕のようなものがなくなっていた


 「あれがなくなった以上、人が集まるからね、だからもう帰ると思うよ」


 「おっと、もう行かなくちゃ、それじゃ、またね~」


 「あ! まだ聞きたいことが・・・行っちゃった・・・」


 まだ聞きたいことはあったのだが、止める前にはもう姿が見えなくなっていた


 「義理・・・」


 一つ、さきほど言った言葉が気になるが


 「う、ううん・・・」


 「あ、カホ、目が覚めた?」


 考え事をしているうちに、気を失っていた神薙が目を覚ます


 「あれ? 何で寝てたの?」


 どうやら色欲に乗っ取られる前の記憶があいまいなようだ


 「魔王に眠らされてたのよ」


 「え、本当ですか・・・」


 「まあ、何でかわからないけど、カホを眠らせた後、すぐにどこかに行ったんだけどね」


 「そういえば・・・もういませんね」


 神薙は思い出したかのように周りを見渡し確認する


 「でも、それなら何で寝かしたんですかね?」


 「さあ?」


 本当は違うので、説明のしようがない


 「あ、もしかしたら追われないようにかな??」


 神薙が自己完結したようで、こちらから説明する手間が省ける


 「それよりも、一旦向こうと合流しに行こう」


 魔王の位置がわからない以上どうしようもない、という風に理由をつけてセニアたちのところに向かうことにする


 (さっき会ったことは伝えない方がいいよね)


 下手に伝えると、きっと自分が足手まといになってしまったと思ってしまうので、あえて伝えないことにする


 「そろそろだよ」


 二人の反応を見ながら一直線に向かい、無事に合流する


 「お疲れ様」


 「ああ、そっちもな」


 「こっちは、ひどいね」


 あたりを見てみると、激しい戦闘があった跡が残っている


 「・・・・とりあえず一度王都に帰ろう、疲れてるだろう?」


 セニアの顔は明らかに疲れ果てていて、今すぐにでも倒れそうなくらいふらふらしている


 「そうだね」


 神薙にしろ、神代にしろ、こんな上位の存在と戦うことなど初めてだろうし、心も体も疲労していると思うので、今日はいったん帰って休むことにした


 「話に関しては、また明日にしよう」


 王都に帰ってすぐに、解散となり、各々宿へと帰ることになった


 「アイラさん」


 「ん? どうしたの?」


 部屋に入る前に、神薙が何か気まずそうにしながら話しかけに来た


 「・・・」


 (ああ、そっか)


 きっと、カホは今回、ほとんど何もできなかったことについて気にしているのだろう


 「ちょっと、話しする?」


 「・・・はい」


 とりあえず、私の部屋に入ってもらい座らせる


 「カホは、今回、役に立てなかったって思ってるんでしょ?」


 「・・・はい、実際、そうですよね?」


 今回カホがしたことは、後方支援が主


 後方支援に関しては、付け焼刃にしてはよくできていたと思うが


 「それでも、正直自分でかけれましたよね?」


 はっきりといえば、【スキルブック】さえ発動できれば、簡単な魔法は一瞬でかけれたが


 「んー、まあ、自分でもかけれるけど、そっちに気をまわさないでいいってのは、すごく助かるんだよ?」


 戦闘時は、できるだけ考えることは減らしたい、そんな中で一番面倒なのは補助系の魔法


 時間管理、状況判断など、補助魔法には考えることが多いので、それを補ってもらえるのはかなりありがたいのだ


 「それに、あんまり時間がない中、よくできてよ、カホはまだ戦うことに関しては慣れていないでしょ?」


 「・・・はい」

 

 実際カホは戦うことと関してほぼ無関係な世界から来ている、剣を握ったのもこっちに来てからしたことなのでアイラはそもそもあの状況でまともに動けるなんて思ってもいなかった


 「焦る必要はないよ、今回は魔王の強さを見れただけで十分、そうでしょ?」


 「はい・・・」


 今回の目的を改めて振り返らせる


 あくまで相手を食い止めて、魔王の力がどのようなものかを確認する


 「その両方ができたんだから、何も問題はないでしょ? そもそも私も魔王と戦っていい勝負ができるなんて思っていなかったんだから」


 「アイラさんでもですか?」


 神薙的には、アイラと魔王はいい勝負をしていたとは思っていたが


 「ええ、だって魔王だもん、魔族の王だよ? 本当はあんな強さなわけないと思うよ」


 上位魔族でさえ、アイラは勝てないのに、それのさらに上の存在である魔王なんかといい勝負はできるはずがない


 「それも、そうですよね」


 魔王がその気になれば神薙であれば一瞬で殺せるだろうが、それをしなかった時点で本気を出しているわけはなかった


 「それより! 今日はもう休みなよ、反省会も、明日すればいいよ」


 過ぎたことをずっと言っても仕方がない、それよりも今後どうしていくかが大事なのだ


 「今日は寝てすっきりしよ!」


 「・・・はい」


 疲れてるからこんなにネガティブになっているのだろう、なので、部屋に帰らせて眠るように言う


 「ふう、私も結構疲れてるね」


 神薙が部屋を出ると同時に、アイラはベッドへと倒れこむ


 予想以上に魔王との戦闘で疲弊していたようだ

 

 「なんだろ? 思っている以上に疲れてる?」


 疲れているというより、体がだるい感じがする


 「うーん、寝たら治るかな?」


 「それにしても・・・」


 眠る前に、一つ疑問が出てくる


 「断片的だけど、何で魔王について知ってたんだろ?」


 魔王については人数やその種類に関しては調べればわかることも多いが、なぜ女性が三人であることや、色欲の力の対策を知っていたのかがわからない


 「・・・?」


 考えれば考えるほど疑問になる


 絶対に以前に会ったことなどないし、調べていないことも確実だ


 「何で知って、るんだ、ろ・・・」


 なぜ知っているのか考えているうちに、睡魔に負けて意識を手放してしまった

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