表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
麗しき世界に始まりを告げよう  作者: 森のスダチ
第4章 全ての始まり
112/128

VS色欲の魔王

・102・

side:神薙 カホ


 

 「第二ラウンド、スタート!!!」


 その言葉と同時に、相手はまたしても何かを発動する


 「今度は防いでも意味ないよ」


 アイラが再び警戒して【清浄の域】を発動しようとしていたが、意味がないと言われる


 「本当でしょ?」


 相手は、戦いを好んでいて、こんなところで嘘なんかつかないと思い、一応【清浄の域】を発動してからアイラは外に出てみる


 「ええ、確かに」


 アイラは外に出てみるが、確かに体に何も異常は出なかった

 

 「せいぜい気を付けてね? 周りに思ったよりもいたから」


 そういい、相手がこちらから距離を取ってくる


 「逃げた?」


 「違う・・・・来るよ!」


 アイラがいち早く相手が残した言葉の意味を理解して、あたりを警戒する


 「!?」


 警戒していたことで、なんとか森の中からの攻撃をよけることができたが


 「・・・学生?」


 森の中を見てみると、攻撃を放ってきたのは制服を着た男性だった


 「色欲の能力ね」


 おそらく学生がこっちを攻撃してきたのは色欲の能力で操られているからだろうとアイラは予測していた


 実際、色欲の本当の能力の一つは異性を思いのままに操る力、それに加え、操っている対象は色欲の能力をそのまま引き継がせることもできる


 つまり、何体でも色欲の魔王を作れるというものだが、今回は魔王自身それでは面白くないと思い、能力は抑えて学生を操っている


 「まだいるから気を付けて!」


 アイラが索敵をしながら、周りにどれだけ操られている人がいるのかを確認する


 「少なくとも三人! それ以上いるかもしれないわ!」


 あたりにいる人数はわかる、ただそれが男であるかどうかは目視でしか確認できないので敵の正確な数はわからない


 「カホはここで待機、余裕ができたら魔王の場所探して!」


 「わかりました!」


 操られているのが学生な場合、むやみに攻撃してけがをさせるわけにはいかない、なので無力化はアイラに任せ、神薙は索敵、防御に専念する


 「色欲は私たちと戦いたがっていた、ならここからそう遠くには行っていないはず」


 近くにいると予想して、索敵の魔法を発動する

 

 「索敵用の能力はアイラさんからもらってる、でも一度しか使えないから、まだ使えない」


 アイラさんからもらっている能力では一瞬しかわからない、もしそれを使うのなら、確実にこの場の近くにいると分かってから


 「んぐ、まず、【身体強化】」


 魔力が不足していたので、魔力を回復するために魔力薬と薬草を食べながら防御のための魔法を唱える


 「集中・・・」


 身体強化である程度動けるようになったのでもし学生に攻撃されてもよけれるとは思う、なので今は魔王を探すことに集中する


 「5,6,7・・・9人」


 あたりにある魔力の数は9人、ただ、その反応は魔王にしては明らかに小さいと思ってしまう


 【サーチ】なら、細かな、魔力の大小はわからないが魔王ならきっと魔力の反応も大きいはず


 「この動いてるのは、アイラさんだし・・・」


 一つ大きな反応はあるが、その反応は戦っている音の方向からアイラだと確信できる


 「わからない・・・」


 ヒュン


 「! っと・・・」


 魔王を探している間も、時々学生から攻撃が飛んでくる


 ただ、最初の方は余裕でよけることができていたが、だんだんとよけづらく、というよりも、よけた先に攻撃が飛んでくる


 「早く見つけないと・・・」


 反応から見るに、アイラさんが無力化できた学生の数は半分にもいっていない、なので、このままでは見つける前に攻撃をよけられなくなりやられてしまうかもしれない


 「使うしかないの?」


 これ以上、ただの魔法だけでは見つからないと思い、アイラさんから譲渡された能力を使うか考える


 「迷ってる暇はないよね! もしもうこの辺りにいなくても、それがわかればいいんだし!」


 ただ、まだこの辺りにいる場合普通の魔法では見つけられないということ、もしそうなら、どうにかする手立てはなくなってしまう


 「一か八か!!【観察眼】」


 アイラからもらった能力を使い、その瞬間から目に熱がこもってくる


 (早く・・・)


 使い慣れていない能力に加え、神薙自身の能力でない以上、体にこの能力の耐性はできていない


 そんな状態で能力を使い続けたら、何かしら後遺症が残ってしまう


 「感覚的に・・・30秒が限界・・・」


 発動してからだんだんと目にこもる熱が強くなってくる、のんびりしている暇はなく、すぐさまあたりに目をやる


 「違う・・・あれも・・・どこなの? いないの?」


 この状態なら、はっきりと森の中にいる人型まで見える、だが、見える範囲のすべては学生しかいない


 周りにいない以上、木の上の方や、空を見てみるが、反応は一切ない 


 すると突然、遠くのところで大きな音が鳴り


 ゴゴゴゴゴ


 「え・・なに?」


 おおきく地面が揺れる


 「いった・・・だめ、もう・・・限界・・・」


 揺れたことに気を取られて、もう一度周りを見る前に限界が来てしまう


 それでも踏ん張って何とか能力で周辺を見るが、魔王の姿はなかった


 ズキン


 「・・・っ!」


 能力を切ると同時に、頭痛が遅い、立っていられなくなる


 「はあ、はあ、でも、あたりにはいなかったからある程度は大丈夫」


 魔王があたりにいないのなら、今の危険は操られている学生だけ


 「なんとか・・避けられる・・・」


 アイラさんが学生を無力化してくれているおかげで、先ほどよりは攻撃の頻度は減っているのでよけることはできる


 「・・・終わったのかな?」


 少し待っても攻撃が飛んでこなくなり、おそらくアイラさんがすべての学生を無力化できたのだろう


 「カホ、大丈夫?」


 そして、アイラも戻ってきて合流する


 「はい、なんとか、この辺りにはもう魔王はいません」


 「やっぱりいないのね」


 アイラもなんとなく、ここにはもういないと思っていたようだ


 「カホ、血が出てるよ」


 「え、あ、ほんとだ」


 いつの間にかほほに切り傷ができていて、そこから少し血が出ていた、おそらく学生の攻撃が掠ったのだろう


 「それより、これからどうしますか?」


 「とりあえず、向こうと合流するかな?」


 そういいながら、アイラが神薙から目を話した瞬間


 「・・・戦いの場で気を抜いちゃだめだよ?」


 「!!」


 神薙の真後ろ声が聞こえ、何者かに抱きしめられる


 「カホ!」


 それに気づいたアイラが焦ったようにカホを助けようと近づいてくるが


 「もう遅いよ」


 「【魔憑】」

 

 その直後、自分の意識に何かが入ってくるのがわかる


 「抵抗しても無駄だから、諦めて」


 このまま意識を手放すのはまずいと思い、頑張って抵抗しようとしていたが、耳元のその言葉を聞いて、意識を手放す


 「・・・・さあ、あなたにこの体を攻撃できるの?」


 「・・・ちっ!」


 雰囲気から、アイラは確信してしまう


 カホの体で、カホの声であるが、中身は別人、魔王の意識であると確信してしまう

 

 「もう飽きちゃったから、終わらせるね?」

 

 魔王はもう、アイラと神薙との戦闘に飽きていた、しょせんこの程度かと、少しがっかりしていた


 だからこそ、あとは神薙の体に自分の意識を入れて、あとはそれに任せることにして、ほかのところに行くことにした


 「じゃ、あとは任せるよ」


 「! 待て!」


 今、魔王をどこかに行かせてしまうと、神薙の意識を取り戻せなくなる


 「【炎槌】」


 「・・!!」


 追いかけようとするが、神薙の体を奪った魔王が攻撃を仕掛けてくる


 「意味もなく抵抗しないでよ、どうせ君には私と戦えないでしょ?」


 確かに、今の神薙と戦うわけにはいかない


 今の神薙は、色欲の魔王の能力を使用可能ではあるが、ステータスに関しては神薙のまま、つまり、アイラたちが本気で戦ってしまったら、神薙の体が耐えられなくなってしまう


 だから、一度でも魔王の力を使わせるわけにはいかないし、戦うわけにもいかない


 「もう、私の意識がこの体に入った時点で、君たちは終わりなの」


 「・・・ごめん、カホ」


 神薙を助けるには、魔王本体を倒すしかない、つまり今、神薙を助けるのは不可能なのだ


 だから、決断しなければならない


 おとなしく、相手に殺されるか、カホを殺すか、を


 「私は、ここで死ぬわけにはいかない・・・でも」


 まだ、死ぬわけにはいかない、生きてしなければならないことがある


 「へえ、戦うんだ」


 【スキルブック】を開き、ある能力を探す


 「戦わない、でも、貴方を、倒す」


 カホを傷つけず、魔王の力を使われる前に、一瞬で終わらせる


 成功確率は低いが、今できる中で一番二人で生き残る成功確率が高い方法


 今の神薙の中にある魔王の意識にさらに上から自分の意識を書き加える

 

 つまり、先ほど色欲の魔王が行ったことと同じことをアイラは行う


 だが、それを相手に認識される前に体に触れ、書き換えないといけない


 一瞬でも遅れて相手に認識されてしまうと、魔王の力を使われてしまう、その場合、高い確率でカホの体は壊れてしまう


 「何をしようとしてるかわからないけど、無駄なことはしないで」


 能力を発動して、隙を伺う


 「・・・今!」


 一瞬、瞬きの瞬間を狙い距離を詰め手が触れれる距離まで近づく


 「いける!」


 相手はまだ気づいていない、あとは触れて書き換えるだけ





 ニヤッ


 だと思ったが

 

 「気づかないと思った?」


 アイラが神薙の体に触れる前に、神薙の手がアイラの体に触れ


 「ばいばい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ