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君へ

作者: 青岩 縁

はるか彼方へ想いを込めてーーー。

僕が大切なものを失ったとき

君は唐突に現れた

はるか遠くの彼方から

僕の隣へやってきて

桜のぬくもりと向日葵の強さを

僕に教えてくれたんだ


君の手をとるそのたびに

僕が勇気をもらったこと

君の頭に触れるとき

愛しさの意味を感じること

きっと君は一度だって

考えたこともないだろう


ずっとそれでいいと思っていたし

伝える覚悟もなかったけれど

少しだけ今話しておきたい

ここに紡ぐすべての言葉が

君の力になるように

ここに留めおく想いがみんな

君の足もとを照らしてくれるように


君の笑顔は僕の喜びだった

だからこそ消えてしまうのが怖かった

失ったものの重みを知るとき

同時に今あるものの真価を知る

送り出し送り出されるたび

僕は心から願ったよ

どうか今日も一日が

何事もなく過ぎますように

この手からこの輝きが

失われませんようにと


君の隣にいられる時間が宝物だと言ったら

君は嫌な顔をするだろうか

痛みと引き換えにしか見えない幸せもあると

終わりを覚悟して初めて掴める絆があると

いつかきっと君にも

わかる日が来るだろう

僕は人より少し早めに

そのことを思い知ったけれど

今はそれでよかったのだと

自信を持って言えるよ

ありとあらゆるすべての時を

大切にできるチャンスをもらえたのだから





もしいつの日か僕が

彼と同じ道を進んでしまったとしても

どうか君の心から

桜が散ってしまいませんように

もし君の隣から

僕がいなくなったとしても

その胸に掲げた向日葵が

枯れてしまいませんように

誰かが言っていた

人は生きていくうちに

自分の命より大切なものが

増えていくんだって

君と出会うことができたから

僕も前より少しだけ

死を恐れずにいられるよ

いずれやって来るその時を

目を逸らさずに見据えることができる


これから何が起こっても

これからどんなに時が流れても

僕は心から願っている

君の幸せを

その笑顔が失われないことを

君が君らしく生きていけることを

幾度となく結んだこの手の

ぬくもりと優しさに懸けて

いつもいつまでも

願っている

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