出会い
ーこんな田舎は嫌だ!ー
そう思ったのはいつからだろうか。
毎日のように朝早くに起きて眠い目を擦りながら親の畑仕事を手伝い、それが終わり次第学校に行き、帰ってはまた親の手伝い。
また高校生になりスマートフォンを買ってもらったはいいがこの田舎はWiFiやギガの伝達が悪すぎるため使用不可状態だ。
それに加え電車は1時間に1本しかなくカラオケ0映画館0カフェ0などなのにバーは5件。なんて酷い田舎だろうか。
そして今日、俺はこの家を出ることを誓った。
幸いこの家の朝は早いので親は早く寝る。
俺は筆箱に入っていた鉛筆とカバンに入ってるキャムパスの紙を1枚取り出すとそこにこう筆を走らせた。
ー家出します。探さないでください少しの間お金借ります。勝手でごめんなさいー
俺はリュックに必要な荷物を詰め家を出た。
駅のホームに人は誰一人いない。田舎なので当たり前だろう。
近くの踏切が鳴る音が聞こえ始め数分経つと1台の普通列車が止まった。
それに足を踏み入れると近くの椅子に座った。
「み・・・君!」
「は、はい!」
目を開けると車掌さんのような方が俺の肩を叩いて起こしていた。
いつの間にか陽の光が俺を指していた。
「終点だよ」
そう言われ電車を飛び降りると俺が住んでいた田舎にはなかった機械やオシャレな人達で溢れかえっていた。
「ここは??」
とりあえず俺は人の流れについて行くことにした。
駅の改札口?とやらの機械に切符を入れるとピンポーンと音がして目の前の棒がたった。
「と。都会ってすげー!」
そう言うと後ろの人からどんと押された。
「いってて」
「邪魔だ。さっさと歩けよ」
きつい言い方だが正論を言ってるのでどうしようもない。とりあえず駅を抜けるかと思い駅を出ると高いビルが立ち並んでいた。
「す、すっげー!」
歩きながらそれを見渡し歓声を上げているといつの間にか、真っ暗になっていた。
「あ、あれ?ここどこだ?」
「あら〜坊や1人?私といいことしない?」
そう言って近づいてきたのは胸がやたらでかいお姉さんだったら、
これが俗に言う、風俗と言うやつなのだろう。
気になるが無視して歩いていると今度は黒い服を来た男が声をかけてきた。
「お兄さん!ここで飲んでかない?全部で4000だよ!」
これが俗に言うぼったくりバーと言うやつだろう。
その人たちを無視して進んでいくとやがて住宅外に出た。
既に人通りはなく歩いているのは俺一人だった。
数分歩いていると前から歩いてくる人影があった。
「こんばんわ」
「あ、こんばんわ」
「すいません。ここどこか聞いてもいいですか?」
「ここは東京ですけど?」
「あ、あの大都会の?日本の中心の??」
「そ、そうですけど」
「お、俺はついに来たんだな!東京に!」
「は、はぁ」
「教えてくれてありがとうございます。僕の名前は、山崎静葉年は16です。」
「私は佐竹芽衣」
「芽衣さんですか?いい名前ですね!じゃあ自分はそろそろ行きます」
「あの、良かったらうち泊まっていきます?」
「へ?良いんですか!?」
「はい、狭いですけど...」
「じゃあ着いてきてください。」
「はい」
そう言われついて行くとボロいアパートみたいなのがあり
「どうぞ」
お姉さんの彼女は言って中に入っていった。
それに続いて俺も「お邪魔します」と言って家へと入った。