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・【はじめに】
作者の84gは自転車で日本一周をしていたことがある。
そのときの経緯に関しては、現在執筆中の『作者がママチャリ日本一周して三回死に掛けた話』を参照して頂きたい。
その冒険は、“どうでもいい”のだ。
本筋とは全く関係ないのだから。そう、関係ない。
この物語は、“自転車旅行をしている男が、奇妙な人物に遭遇し、話を聞く”ことで動き出す。
だが、この物語はフィクションである。
確かに、84gには冒険癖がある。この冒険癖で地図を読まずに道に迷い、天気予報を無視して雨に降られ、常識を振り切り途方に暮れたことがある。
繰り返そう。
この物語は“フィクションである”。
実際に起きた事件とは全く関係のない上、登場人物も架空のキャラクターたちである。
故に、読者諸兄はこの物語を読み終えたあと、安楽のまま床に就いて欲しい。
読者諸兄の夢は、全てあなたのものである。
次なる夜も、その次の夜も……ずっと。
この物語に登場する人物の名前は、全て実際の名称とは異なるものである。フィクションなのだから。