ミラレア 王家使用人になるまで
「姫様は何故姫になられたのですか」
ミラレアは僕にそう問いた。
僕自身も分からない。気付いたらこうなってた。
父上も母上も僕を王子と認めてくれず姫だと一点張り。
こうなったのは今から十年前の事だった。
____庭師 キンバリーに連れられ外へ出ると初めて見た街はとても綺麗で活気があり人々は笑い合っていたのを目にした。
父上も母上もしている事は間違っていなく正しい事をしているんだと心から安心した。
「なぁ キンバリー」
「どうかなさいましたか 王子様」
「僕の事はエマでいいよ。そして敬語を外して」
「え、本当にいいんですか」
「嗚呼。何か問題でも?」
「いや…問題などありません。
エマ 宜しくな」
「嗚呼、宜しく…____!!何だ、あれは」
幼き僕にはこの国の恐ろしき事実を知らされてなかった。この国には人を食べる恐ろしい魔物が居たのだ。
「キンバリーお前はアレを知っているだろう…!?早く逃げなければ」
キンバリーはあの魔物を目の前にし硬直し手が震えていた。
このままでは僕もキンバリーも殺されてしまう。
「キンバリー!おい!…仕方ない…借りるぞキンバリー」
キンバリーの護身用のナイフを手にし僕は魔物に立ち向かおうとした。
「駄目…辞めなさい!」
一人の同い年くらいの女に止められた
珍しかった。僕と同じ髪色をしていたから僕はじっとその人を見た
「お前は、誰だ」
「私は ミラレア・クルー。貴方は?」
「僕はエマ…ううん、ルーカス・アルビア」
「ルーカスと言うのね。貴方一体何をしようとしているの。目の前には人を食べる食魔鬼が居るのよ」
「大切な友人を守るためだろ。僕はどうなっても」
「横に居るその人が大切な人なのね?」
「嗚呼、だから僕は」
「少し待ってて」
そう言うと僕の首元に衝撃を与え僕は意識が途切れた。最後に見たのは彼女が一人であの魔物へ立ち向かう所だった。
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街中を歩いて居れば珍しい髪色をした男の子が居たのを見つけた。その男の子ともう一人の子は今恐ろしい物がいると有名な裏道へ歩いて行った。心配になったから着いていけば案の定嫌な予感が的中。このままでは彼もその友達も喰われてしまう。
彼と少し会話を交わせば名前は ルーカス・アルビア と言うらしい。アルビア家とは聞いたことがないから王家の人間では無いだろう。
彼の首筋に衝撃を与え私は魔物へ立ち向かった。
「…硬い…」
幾らナイフで裂こうとしてもビクともしない。
仕方がない。と思いながらも残酷な手口で殺してしまった
「あらら…酷く派手にやったねぇ」
黒髪の短髪の和服の男が近付いてきた。
生憎私の知り合いにはこの様な男は居ない
「…どちら様で?」
「嗚呼先に申していなかったね。俺は カルロッタ・ビター と言うものでさ。今さっき通った王子様の使用人って奴よ」
「…?彼は自分の事を ルーカス・アルビア と言っていたわ。違う筈でしょう?」
「また偽名かよ…王子様は何回偽名を使えば気が済むんだか」
「また。とは」
「だからお前さんと会う前もな偽名使ってたんだって或者には ハーラル・ルムート って言ってたりさ…ったくどれだけ自分の名前が嫌いなんだろうな 」
「もしかして先程からの会話からして彼はエマ様では…?」
「え。知らなかったのお嬢さん有名人だろ~?」
「ええ。生憎私の家系は王家に仕える家系じゃないものでね」
「そっかー…残念だなぁ。こんな綺麗なお嬢さんが居たら俺もっと仕事頑張れるのになぁ」
まるで誰かに聞こえるように言うように大きな声で言う彼。
「なんだ、カルロッタまるでその娘を僕に雇えと?」
「ハハッ 居たのですか?エマ様」
「その名で呼ぶなと…!」
「姫君の様に聞こえるからですか?」
「…僕は姫じゃ…」
「何を言っているのカルロッタ」
「あれお嬢さんどうしたのかな?」
「ルーカスはどこからどう見ても男の子でしょう」
「うわぁ、まだ気付いてないのか…まぁそんな所も君らしいけどね」
「ま、カルロッタもしかして…此奴を雇うのか!?」
「嗚呼?駄目ですかねぇ?」
「い、いや、…だ、大歓迎だ」




