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036★アルファードの弟達?



 そのアルファードの言葉に、オスカーが口を挟む。


 「いや、いなないてはいましたよ

 そっぽむいて、姫君を見ていましたけどね」


 アルファードは、その訂正を無視して言葉を続ける。


 「それで…直ぐに、わかったんだ

 エリカを、主に選んだって…………


 だから、シルファードは

エリカのものなんだよ」


 「でっでも」


 「シルファードは、何頭もいる

 俺の馬の中の一頭でいるよりも


 エリカだけの一頭に………

 エリカの特別になりたいって思ったんだよ

 …それを拒否するの?」


 可哀想じゃない?と言うニュアンスで言うアルファードに、エリカは戸惑いを浮かべる。


 〔馬ってメンテナンスがすっごく必要だから

 ……それに、軍馬って滅茶苦茶高いモノだし


 なにより、よく食べるわよね、絶対

 もらっても……維持費……どうしよう………


 でも…私を主に選んだって……本当に……

 魔法騎士団の団長の軍馬だよ

 それを、もらってもイイのかな?〕


 まだ、もとの世界の常識に縛られているエリカは、困った表情のまま言う。


 「シルファードを

 本当に私の馬にしてイイの?」


 「むしろもらって欲しいんだ

 エリカは…俺の騎士団に所属して………

 俺達と移動するコトが多くなるから……


 乗れる馬が有った方が絶対にイイんだ

 だから、俺に、シルファードを

 贈らせてくれないか?」


 「うん…ありがとう…アル…嬉しい…」


 〔敬称なしの愛称で呼ばれると

 本当に、アルって嬉しそうにするなぁ……

 そう言えば、お兄ちゃんの友達も

 そうだったなぁ………〕


 はにかむように微笑むエリカに、アルファードは嬉しそうに言う。


 「後で、エリカに必要な物を

 一緒に買いに行こうね」


 ハートマークが付いていそうな言葉に、エリカも照れてしまう。


 〔うわぁ~…そんな風に言われたら………

 昔の何も知らなかった頃だったら……

 完全に勘違いしてたわねぇ~……


 でも、まいっか…きっと乙ゲーなんだろうし…

 いやいや、攻略とか無いから………


 危ない危ない、引っ掛かるところだったわ

 親切な真人君を思い出して………無かった


 もう…騎士様って…優しいから…困っちゃうな

 勘違いして、憤死するほどの恥ずかしい思いを

 ……そう、あんな思いをするのは一度で充分よ


 ここは、アルのお誘いを当たり障りなく

 お断りしないと…………〕


 「エリカ、こっちのお金持って無い」


 ちょっとうつむいて、困った顔で言うエリカに、アルファードはにっこにっこという音がしそうなほど微笑みを深くして言う。


 「俺に払わせて欲しいんだ

 エリカは、俺の弟達や俺の部下達を

 治療してくれたんだから……ねっ…


 エリカに必要な物を

 俺に贈らせて欲しい…ダメか?」


 アルファードはなりふり構っていられないので、こんどは切なそうにエリカに訴える。

 が、目の前の美少年より小さい子は、そこに存在していなかった。


 〔アルの弟ってことは……って、まって達って

 複数形よね……居なかったわよ……

 アルより小さい子って………うぅ~ん?〕


 「弟達って?」


 エリカのもっともな質問に、アルファードは苦笑する。


 〔そうだよなぁ~弟っていう存在は

 普通…兄より小さい…否………

 幼いモノのはずなのに……


 俺の方が…長男なのに…

 1番…幼いんだよなぁ~…はぁ~切ない…


 でも…貴族の女どもと違って………

 俺より小さくて可愛い

 エリカを手にする為に……頑張れ俺…〕


 エリカに、みっとも無い姿を見せたくないと、アルファードは爽やかな笑顔を浮かべて言った。


 「ああ紹介してなかったな

 俺の今のところ一番下の弟達だ


 キデオンとレギオンっていうんだ

 2人とも、来い」


 アルファードの呼びかけに、弟達は近寄って来て言う。


 「「はい、兄上」」


 やって来た美形の青年に2人組みを見て、エリカは首を傾げる。


 〔弟? なの…本当に?

 どう見ても…アルの方が年下に見えるけど?


 あっ…もしかして…ワァンタジーのお約束

 長命で美形の多いハイエルフとか……

 なんか…わくわくしちゃうなぁ~あれ?


 たしか…ドラゴニアン? とか言ってような

 まっ…どっちも、長命だから…下手したら……

 千年超えて生きるよね


 …だったら…おかしくないよね〕


 内心で、アルファードがどう応えるかワクワクしているエリカだが、ちゃんと不思議そうな顔を作っていたりする。


 「アル…どう見ても………

 2人の方が年上に見えるけどぉ~……」








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