124★エリカが余裕なのは、アルファードのお陰です
異世界から《召還》された自分が困らないように、色々と最初から手配してくれた、優しいオスカーの存在に心から感謝した。
〔突然の異世界《召還》だったけど
ありがとう、私達を選んでくれた神様
素敵な恋人と
優しい理解者と
憧れのもふもふ(マクルーファ)と
私が欲しかった、お友達(聖女候補達)を
全部盛りだくさんで用意してくれて……
だから、呼ばれた分だけ頑張って働きます〕
心の中でそう決意するエリカだった。
そんなエリカの決意に気付くことなく、オスカーは当然のように言う。
「姫君用に色々買わせたので、ついでに
聖女候補の皆さんにもと思いましたので
他に足りないものがありましたら
申し出てください
なんでしたら商人を呼びますので
では、こちらに買ったものを
一式持って来させます」
そのセリフに、エリカは既製品が少ないということに直ぐに気付いた。
〔あぁ~…本当に異世界だよねぇ……
私達には、既製品を買いに行くって
選択はなさそうですね
基本はオーダーメイドみたいだし……
ここは素直にお礼を言っておこう〕
「ありがとうこざいます
では、買っておいて下さったものを
さっそく確認しますね
みんなにも見てもらって、必要なものを
各自で選んでもらいますね」
その言葉に頷いたオスカーは、エリカに確認するように聞く。
「姫君のものは、どうしますか?」
聞かれたエリカは、ちょっと考えてから答える。
「では、寝室に運んでおいて下さい
後で確認します
まずは、聖女候補の皆さんの確認が
先ですから」
自分よりも他人(他の聖女候補)を優先するエリカに、アルファードが優しく言う。
「そうだな…必要なものは、言ってくれれば
何時でも用意させるから、大丈夫だぞ」
自分を気遣ってくれる優しい恋人に、エリカは嬉しそうに言う。
「ありがとう、アル」
そのエリカの微笑みとお礼の言葉に、アルファードが癒される。
アルファードの眩しい笑顔から視線をそらしたエリカは、他の聖女候補達へと声をかける。
「皆さん、ちょっと良いですか?」
そのエリカの声に、桔梗が答えた。
「ええ聞きました
必要なものを選べば良いんですね」
確認の言葉を口にする桔梗に、エリカは頷いて言う。
「はい、足りないものがありましたら
ここに書いて下さいね」
「ありがとうエリカさん」
「困ったときはお互い様ですもの」
そう答えながら、エリカは今の幸せを噛み締めるのだった。
〔うふふこれでボッチから逃れられたわね
異世界でアルって恋人? が出来たし
そのお陰で、自由に動けるし
欲しいモノは簡単に手に入るって
美味しい立場になれて良かった
婚活も必要ないし、聖女の訓練も
ほとんど必要無いって美味しいわね
あの瞬間に、詰んだって思ったけど
なんか、かなりチートな感じね〕
聖女候補やアルファード達には聞かせられない本音を胸に、色々な手配をするエリカだった。
なお、エリカ用の着替えは、オスカーやアルファード達が下着の果てまで色々と用意していた。
が、しかし、ここでも、エリカのスルースキルが発生していたりする。
そう、エリカのお兄ちゃんは、平気で下着売り場へと入り込み、似合いそうな下着類を見付けると、気にもせずに買って着ていたのだ。
勿論、パパもだったりする。
だから、アルファードやオスカーが用意したモノを平然と身に付けるられるのだった。
ちなみに、エリカ用のミニドレッサーや、ミニタンスはいちいちオーダーする必要なかった。
なぜなら、アルファードが未来の自分の妃用にと、既に用意してていた超高級品を使っているからである。
勿論、未来の愛しい妃(当時は恋愛相手をゲット予定)の為に、公式の場に出るためのドレス用の極上の絹なども、既にたぁーっぷりとアルファードは溜め込んでいたのだった。
ついでに、身につける宝石も原石から既に加工した宝石、宝飾品になっているものなどと、多岐に渡って用意していたアルファードだった。
いや、使い道の無いお金がたぁーっぷりと有ったので…………。
つい未来の愛しい妻の為にと、腐った頭で妄想していたのだ。
変わったモノでは、未来の妃用の馬車なども用意していたりします。
エリカに自分の好みで用意していたドレスや、普段着のワンピースを着せようと思っている、ちょっと危ないアルファードだったりするのは内緒のお話しだったりします。
ドレスなどの手直し用の人間も、魔法騎士団本部で雇っているので、愛しい恋人のエリカを手に入れたアルファードはやりたい放題…予定です。
いや、エリカに『使いすぎ』とか『節約』という単語を連発されて、挫折するのも遠くない未来だろうと言うほどに、色々と用意していたアルファードだった。
ただ、クツだけは、本人の足に合わせたほうが良いと思っていたので、ほんの少し作らせただけだった。
勿論現在エリカがはいているクツは、その1つである。
洋服は、相変わらず動き易いので、アルファードの騎士服を着ているエリカだった。
勿論寝るときは、アルファード好みのネグリジェを着ているエリカでした。
ただ、あの大荷物の中に下着類もあったので、エリカはもう二度と手に入らないモノとして、丁寧に洗って使っているのだ。
だから、エリカは、聖女候補の少女達の為に、色々と用意することが出来る余裕があったのである。